本記事では、笠間市職員採用試験の面接対策で必要な、笠間市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
笠間市役所の面接試験では、「なぜ笠間市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市政のどこで活かせるのか」といった質問が想定されます。
笠間市は事務職の試験について配点を公表しており、第3次試験350点のうち300点が個人面接と集団討論に配分されています。合否の大半が人物試験で決まる仕組みが、数字で示されている市だといえます。
本記事の掲載内容を参考に、自分の経験と笠間市政の接点を整理し、面接での回答づくりに役立ててください。
第1部|自治体研究編
笠間市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは笠間市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口72,058人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積240.40km²・人口密度300人/km²の市である。
- 市は採用試験の実施要項で、自ら市勢を「人口は約70,000人(県内13番目)、面積は240k㎡(県内4番目)」と説明し、東京から約100km、県都水戸市に隣接し、高速道路及び鉄道がそれぞれ結節する広域交通の要衝と位置づけている。
- 同じ実施要項で、田園と里山が構成する豊かな自然、歴史ある寺社・仏閣、公立病院を中心とした医療・福祉環境、農業や製造業から工芸まで多様な産業、美術館など日常を彩るアートを挙げ、多くの特徴をもった「文化交流都市」と自己規定している。
- 隣接するのは水戸市、石岡市、桜川市、小美玉市、東茨城郡茨城町・城里町、そして栃木県の芳賀郡茂木町。県都水戸市と県境の町の両方に接する位置にある。
- 市役所は〒309-1792 笠間市中央3丁目2番1号に置かれている(団体コード08216-3)。
- 市の花はきく、市の木はさくらである。
- 茨城県全体の人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回(令和2年)から75,802人(2.6%)減った。人口が減っていく県の中で、笠間市が約7万人という規模をどう保つかが問われている。
笠間市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「笠間市の大体のスケール感」を押さえておくことは重要です。
まず確かめておきたいのは、人口と面積、そして県都水戸市をはじめとする周囲との接し方です。下の表は、その三つを中心にまとめました。規模を測るときの比較先として、茨城県全体の数値もあわせて載せています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 72,058人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 240.40km²。市の実施要項では「240k㎡(県内4番目)」と説明 |
| 人口密度 | 300人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 位置づけ | 東京から約100km。県都水戸市に隣接し、高速道路及び鉄道がそれぞれ結節する広域交通の要衝 |
| 隣接自治体 | 水戸市、石岡市、桜川市、小美玉市、東茨城郡茨城町、東茨城郡城里町、芳賀郡茂木町(栃木県) |
| 市役所所在地 | 〒309-1792 茨城県笠間市中央3丁目2番1号 |
| 市の花・市の木 | きく・さくら |
| (参考)茨城県の総人口 | 2,791,207人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報集計) |
| (参考)茨城県の高齢化率 | 31.2%(令和7年9月15日現在・推計値) |
笠間市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです。市自身による市勢の説明は令和8年度笠間市職員採用試験【事務職】実施要項の記載によります。茨城県の数値は茨城県公式サイトの統計によります。市の統計の最新値は、笠間市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から読み取れる市政の論点
人口約7万人で県内13番目、面積240km²で県内4番目という組み合わせは、笠間市の性格をよく表しています。人口の順位より面積の順位のほうが上位にある。
つまり人口の規模に対して受け持つ土地が広いという関係です。市域が広ければ、道路も上下水道も公共施設も、その広さに応じて必要になります。
この条件を県全体の動きと重ねてみます。茨城県の総人口は令和7年10月1日現在で2,791,207人、前回調査から2.6%減りました(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|茨城県)。
一方、令和6年の1年間では24,395人の自然減に対して7,341人の転入超過が生じています(出典:茨城県の人口(年報)|令和6年)。県外から人が入ってくる流れは残っているということです。
水戸市に隣接し、高速道路と鉄道が結節するという笠間市の立地は、その流れを受け止める側に回れる条件です。面接では、次のように立地と課題をつなげられます。
笠間市の経済・産業
栗を軸にした「強い産業づくり」
笠間市は近年の重点として、「日本一の子育て都市づくり」「笠間の栗をはじめとする強い産業づくり」「未来に向けたまちづくり」への果敢な挑戦を掲げています(出典:令和8年度 笠間市職員採用試験【事務職】実施要項)。
産業政策の看板に特定の農産物の名前を掲げている点は、市の産業観を知るうえで見逃せません。市が自ら挙げる産業の幅も、農業、製造業から工芸までと広く、そこに美術館などのアートが重なります。
この姿は、県全体の産業構造とも噛み合っています。茨城県の農業産出額は5,494億円で全国第3位(2024年)。
2017年から8年連続で3位を保ち、生産農業所得2,002億円は全国第2位です。内訳は園芸2,629億円(48%)、米1,399億円(26%)、畜産1,286億円(23%)と続きます(出典:茨城県の農業産出額|令和6年)。
全国有数の農業県の中で、市の名前と結び付いた作物を持っているというのは、それ自体が強みです。
訪れる人をどう受け止めるか
令和6年の茨城県の観光入込客数は延べ約6,180万人(前年比101.2%)、実人数では約3,777万人(前年比110.1%)で、このうち日帰り観光客が82.1%を占めます。観光消費額は約4,447億円で、前年より約24%増えました(出典:茨城県観光客動態調査|令和6年)。
人数の伸びより消費額の伸びが大きいという点が、この数字の読みどころです。
笠間市が自ら挙げる特徴には、歴史ある寺社・仏閣、工芸、美術館が並びます。いずれも人を呼ぶ資源ですが、日帰り中心の県で問われるのは来訪者数だけではありません。
訪れた人にどう時間とお金を使ってもらい、次にもう一度来てもらうか。産業と観光を志望分野に選ぶなら、そこまで考えを進めておきたいところです。
笠間市の主な行政課題
ここまでの内容を踏まえると、笠間市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
子育て世代をどう呼び込み、どう支えるか
市は3つの挑戦の筆頭に「日本一の子育て都市づくり」を置いています。数ある分野の中で子育てを先頭に持ってきたのは、そこを選ばれる理由の中心に据えるという判断です。
先に見たとおり、県外から人が入ってくる流れは県全体でまだ残っています。その流れが続くうちに、どの層に選ばれる市になるかを決めておく必要があります。
志望動機で子育て分野に触れるなら、支援制度の名前を並べるのではなく、水戸市に隣接するという立地の中で笠間市が選ばれる理由をどう作るか、という角度から考えてみてください。
過去最高を更新した高齢化
茨城県の65歳以上人口は852,737人、県人口に占める割合は31.2%で、いずれも過去最高を更新しました(令和7年9月15日現在の推計値)(出典:茨城県の高齢者人口|令和7年9月)。
県民のおよそ3人に1人が65歳以上という水準です。笠間市が自ら挙げる特徴に公立病院を中心とした医療・福祉環境が含まれているのは、この局面では大きな意味を持ちます。
医療と福祉は、高齢化が進むほど市の選ばれ方を左右する要素になるからです。
広い市域と、そこを支える職員体制
面積240km²は県内4番目の広さで、市役所には50近い部署があります。基本的には配属された部署で複数年の経験を積みながら他部署への異動となる仕組みです。
広い市域を限られた人数で支えれば、一人ひとりが受け持つ範囲は自然と広くなります。
市は柔軟な働き方として、就業時間を1時間変更できる時差勤務制度、連休に合わせた年次休暇の取得推奨、テレワーク、毎週火曜日のノー残業デー、家族看護休暇の市独自の対象者拡大に取り組んでいます。働き方の話題は、志望動機ではなく「長く働き続ける前提をどう考えているか」を語る場面で使える材料です。
市の外へ人を出し、外から知恵を持ち帰る
笠間市は人事交流を積極的に行っており、総務省、経済産業省、環境省、農林水産省、観光庁、スポーツ庁、文化庁などの中央省庁、茨城県の各課や出先機関、JR東日本水戸支社、道の駅笠間、日本台湾交流協会といった民間等、さらに海外の笠間台湾交流事務所へ職員を派遣しています。
人口7万人規模の市がここまで広く職員を送り出しているのは、外の現場で得たものを市政に持ち帰ることを人材育成の柱に据えているからだと読めます。「成長する意欲」を求める市の姿勢と、この派遣の広さは一本の線でつながっています。
笠間市の重点政策|3つの挑戦と第3次茨城県総合計画
笠間市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。この節で取り上げるのは、笠間市が採用試験の場で自ら示している方向と、その背景にある県全体の計画の二つです。
市が掲げる3つの挑戦
市が実施要項で挙げているのは、「日本一の子育て都市づくり」「笠間の栗をはじめとする強い産業づくり」「未来に向けたまちづくり」への果敢な挑戦です。採用の場でこの3つを掲げるのは、これから入る職員にどの方向の仕事を任せたいかを、募集の段階で先に伝えているのと同じことです。
志望動機を組み立てるときは、この3つのどれに自分の関心が近いかをまず決め、そこから具体的な仕事へ話を降ろしていくと筋が通ります。
県の計画との関係
県の最上位計画は、計画期間を令和8年度から11年度とする第3次茨城県総合計画(〜「新しい茨城」への挑戦〜)です。
基本理念に「活力があり、県民が日本一幸せな県」を掲げ、加速する人口減少や超高齢社会への対応、大規模災害リスクへの対応、飛躍的に進化するデジタル技術がもたらす社会変革といった時代の変化を、「新しい茨城」づくりに向けて留意すべき重要な視点として整理しています(出典:第3次茨城県総合計画|令和8〜11年度)。
県が挙げるこれらの論点は、そのまま笠間市の現場にも降りてきます。市の3つの挑戦を県の課題に重ねると、「日本一の子育て都市づくり」は人口減少への、公立病院を中心とした医療・福祉環境は超高齢社会への、市なりの答え方として読めます。
市の総合計画を読むときも、県が示す課題に市がどの順番で答えようとしているかという目線で見ると、理解が早くなります。
笠間市の採用情報をどこで見るか
笠間市の職員採用に関する情報は、市公式サイトの採用情報のページに職種ごとにまとめられています(参考:笠間市の職員採用情報)。申込はすべてwebシステムで行い、事前に顔写真データと、資格加点を申請する場合は免許証や合格証明書のPDFファイルを用意する必要があります。
募集が出たら実施要項を保存し、自分が受ける職種と試験区分の条件を最初に確定させておきましょう。申込みは事務職・消防職・専門職の全職種を通じて1人一つの試験区分に限られ、併願はできません。
予定された試験種目を一つでも棄権すると失格になりますので、日程は申込みの時点で最後まで確かめておく必要があります。
POINT|3つの挑戦をすべて語ろうとしなくてよい
3つを均等に語れる必要はありません。関心のある一つを選び、「①その分野で市が何に困っているか → ②市はどんな状態を目指しているか → ③そのために今どんな仕事があるか → ④自分の経験や強みをどこで使えるか」の順に調べていくと、志望動機は自然と具体的になります。
悪い例「笠間市の魅力を発信する仕事に携わりたいです」
改善例「まずは窓口の仕事で、市民の方の困りごとを直接うかがうところから始めたいです。その上で、笠間市は栗をはじめとする強い産業づくりを掲げていますので、生産者の方と関わりながら、その価値を市の外へ届ける仕事にも関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 笠間市職員採用試験の実施要項(自分が受ける職種・試験区分のもの)
- 笠間市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 笠間市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
- 第3次茨城県総合計画、茨城県の統計資料(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、笠間市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。笠間市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
笠間市役所の面接の概要
ここからは、笠間市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。
配点が示す、この試験の性格
令和8年度笠間市職員採用試験【事務職】は、書類確認のあと第1次試験から第3次試験までの3段階で行われます。第1次試験はエントリー動画審査と事務能力検査、第2次試験は基礎能力検査、パーソナリティ検査、個人面接、第3次試験は個人面接と集団討論です。
配点まで公表されている点が、この市の試験の大きな特徴です。
| 段階 | 試験種目 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | エントリー動画審査 | 50点 |
| 事務能力検査 | 25点 | |
| 第2次試験 | 基礎能力検査(120問・60分) | 50点 |
| パーソナリティ検査(240問・約35分) | 試験種目配点には加味されない | |
| 個人面接 | 100点 | |
| 第3次試験 | 第2次試験からの引き継ぎ | 50点(第2次試験が満点の場合) |
| 個人面接 | 200点 | |
| 集団討論 | 100点 |
この表から読み取れることは、はっきりしています。第3次試験の350点のうち、個人面接200点と集団討論100点を合わせた300点が人物試験に配分されているということです。
個人面接だけを取り出しても、第2次の100点と第3次の200点で合計300点に達します。学力で測られる基礎能力検査は50点、事務能力検査は25点ですから、点差がつく場所は明確に人物試験の側にあります。
もう一つ重要なのが引き継ぎの扱いです。第2次試験で獲得した点数は、その3分の1が第3次試験へ引き継がれます。第2次試験が満点なら50点という上限つきです。
つまり第2次の貯金は第3次でそのまま効くわけではなく、最終盤の300点で十分に逆転が起こり得るということでもあります。
合格者は、それぞれの試験で合計点が高い受験者から成績順に決定されます(出典:令和8年度 笠間市職員採用試験【事務職】実施要項)。
各種目の位置づけも要項に定義されています。エントリー動画審査は「人物及び公務に従事するために必要とされる職務適性を動画から評定する試験」で、設問に対して合計1分から2分程度の動画を撮影する形式です。
要項の冒頭には、受験者の人柄をより重視した試験とするために動画審査を行う旨が明記されています。個人面接も同じく人物と職務適性を評定する試験、集団討論は与えられた課題について受験者同士で自由に討論し、人物について評定する試験と定義されています。
上記は令和8年度笠間市職員採用試験【事務職】実施要項に基づく内容です。なお、英語・中国語や台湾華語の資格、情報処理技術、土木・水道の資格については能力加点制度があり、該当点数が第2次試験の個人面接の得点に加点されます(得点が満点に達するまで)。受験の際は、必ず最新の実施要項でご自身の職種・試験区分の内容をご確認ください。
この配点表は事務職のものです
ここまでの配点と試験の流れは、すべて事務職の実施要項に記載された内容です。消防職や専門職は試験の組み立てそのものが異なり、事務職の配点表は当てはまりません。事務職の中でも試験区分によって出題のレベルや日程が分かれます。自分が受ける職種・区分の要項を手元に置いたうえで、以下を読み進めてください。
令和7年度の実施結果から見える通過の実感
笠間市は前年度の実施結果も公表しています。事務職のうち、基礎能力検査が大学卒相当で出題される試験区分Aは、応募103人に対し第1次試験の受験が71人、第2次試験の受験が41人、第3次試験の受験が23人、最終的な合格が16人でした。
高校卒相当の出題となる区分Bは、応募13人・第1次受験12人・第2次受験12人・第3次受験7人・合格5人です。事務職にはこのほか区分C(障がいを持つ方)と区分D(グローバル)があり、区分ごとに日程も出題レベルも異なりますので、数字を読むときは自分が受ける区分の行を見てください。
数字を追うと、受験を重ねるごとに人数は絞られる一方、最終段階まで残った23人のうち16人が合格していることがわかります。
関門はむしろ前半にあり、第3次試験まで進めば合格はぐっと近づきます。ただし、そこまで残った受験者はどうしても実力が拮抗しますから、最後の差は人物を見る場でつくことになります。
笠間市役所が求める人材
笠間市は、求める人材について実施要項で次のように明記しています。「笠間市では様々な課題に対し、共に挑戦し続ける職員を求めています。そのため、各段階で受験者の個性をみる試験を実施し、職員として活躍するための『成長する意欲』を大切にしています」。
中核に置かれているのは「成長する意欲」であり、その周囲に、誠実さや素直さ、コミュニケーション能力、デジタル技術、デザインする力、多様な「経験」の5つの要素が示されています。
ここでいう多様な「経験」には、ボランティアや課外活動、社会経験や海外経験が挙げられています。デジタル技術についてはシステム管理や表計算ソフトに強い人、デザインする力については美術系大学の出身者も歓迎する旨が示されており、事務職の募集としてはかなり具体的です。
面接では、これらの要素のどれか一つを自分の経験に引き寄せて語れると、市の言葉と自分の言葉が噛み合います。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。笠間市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどのように会場まで来られましたか | 身構えていない場面での表情と、話し出しの自然さ |
| ② 動機・志望 | 民間企業ではなく行政の仕事を選んだ理由を教えてください | 待遇以外の言葉で職業選択を説明できるか |
| ③ 自己理解 | この1年で自分が伸びたと思うことは何ですか | 成長を自分で捉え直し、言葉にできるか |
| ④ 経験・行動 | 新しいことに挑戦して、うまくいかなかった経験はありますか | 失敗の場面で何を考え、次にどう変えたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んできたことを、前提を知らない人に説明してください | 相手に合わせて言葉を選べるか |
| ⑥ 適性・将来 | 採用から5年後、どんな職員になっていたいですか | 仕事の理解の解像度と、成長の道筋の描き方 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 住民の意見が二つに割れたとき、行政はどうすべきだと考えますか | 公平さについての自分なりの考えを述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは笠間市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「笠間市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「笠間市役所ならでは」の質問
どちらも笠間市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、前日までの下調べの量が、そのまま点差になって表れる質問でもあります。こうした質問に答えるための「笠間市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい笠間市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口72,058人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積240.40km²。市は「人口は県内13番目、面積は県内4番目」「東京から約100km」「広域交通の要衝」と自ら説明している | 人口の順位より面積の順位が上という関係を押さえ、広い市域を7万人で支えることの意味を自分の言葉で言い直します |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は第3次茨城県総合計画(令和8〜11年度)で県全体の方向を示す一方、笠間市は3つの挑戦を自ら掲げて職員を募集している | 県と市の役割の違いで終わらせず、市が掲げた3つの挑戦のどれに自分が加わりたいかを名指しして答えます |
| 市の産業 | 市は「笠間の栗をはじめとする強い産業づくり」を重点に掲げ、農業や製造業から工芸まで多様な産業と美術館などのアートを特徴として挙げている | 栗の名前を挙げるだけで終わらせず、全国第3位の農業県の中で市の名前を冠した産業を持つ意味まで踏み込みます |
| 求める人材 | 実施要項は「共に挑戦し続ける職員を求めています」と述べ、中核に「成長する意欲」を置く。周囲に誠実さや素直さ、コミュニケーション能力、デジタル技術、デザインする力、多様な経験の5要素を示す | 「成長する意欲」という市の言葉をそのまま返すのではなく、自分が何を身につけようとして何を続けているかという現在進行形の事実で答えます |
| 職員としての働き方 | 市は中央省庁や茨城県、民間企業等、海外の交流事務所へ職員を派遣し、時差勤務制度やテレワーク、ノー残業デーなどの柔軟な働き方を進めている | 制度を知っていると述べるだけでなく、外へ出て学ぶ機会を自分ならどう使いたいかまで具体的に語ります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。
想定される評価の観点
面接は、市が示す「成長する意欲」とその周囲の要素に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 成長する意欲 | 今も続けている学びや、自分を変えるために始めたことがあるか | 市が中核に据える言葉である以上、過去の成果ではなく現在進行形で取り組んでいることを一つ用意し、始めた理由まで説明できるようにしておく |
| 討論の場での振る舞い | 第3次試験の集団討論100点は、与えられた課題を受験者同士で討論する中で人物を評定する | 結論を押し通す練習ではなく、他の人の発言を受けて論点を整理する役回りを試しておく。個人面接の練習を積むだけでは、討論の場での立ち回りは身につかない |
| 短い時間で人柄を伝える力 | 第1次試験のエントリー動画審査50点は、1分から2分程度の動画から人物と職務適性を評定する | 動画も面接も「見られている時間が短い」という点は同じ。自己紹介を1分で録音し、聞き返して言葉を削る作業を繰り返しておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 笠間市公式サイトの採用情報のページを確認し、自分が受ける職種と試験区分を確定させる。併願はできないため、ここが最初の判断になる
- エントリー動画の練習を早めに始める。1分から2分で人柄を伝える形式なので、原稿を書いて読むのではなく、話して録って削る作業を繰り返す
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市が掲げる3つの挑戦と市の産業から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、事実から問題意識、やりたい仕事までを一続きの話に編む
- 集団討論の練習を組み込む。第3次試験に100点分が置かれている以上、個人面接の対策だけでは足りない
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2と6の人物試験対策を優先してください。点差の大半が動画と面接と討論でつく以上、そこが伸びなければ市の知識だけを増やしても届きません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、笠間市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
笠間市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
笠間市の事務職の試験は、配点が公表されているという点で、対策の立てやすい試験です。第1次試験でエントリー動画に50点、第2次試験で個人面接に100点、第3次試験で個人面接に200点と集団討論に100点。
学力を測る種目の合計を大きく上回る点数が、人物を見る場に割り振られています。第2次試験の得点は3分の1しか第3次試験に引き継がれませんから、最後の場で語れることがすべてだと考えて準備を進めてください。
そして市が求めると明言しているのは「成長する意欲」です。これまでに何を達成したかではなく、いま何を身につけようとしているのかを語れる人が、この市の試験には向いています。
人口約7万人で県内4番目に広い市域を持ち、栗の産業とアートを同じ看板に並べるまちで、自分は何を伸ばしながら働きたいのか。その答えを、動画と2度の面接と討論という4つの場で、同じ声で語れるようにしておきましょう。