本記事では、古河市職員採用試験の面接対策で必要な、古河市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

古河市役所の面接試験では、「なぜ古河市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。古河市は第1次試験の動画選考で問う設問を公表しているため、市をどう理解しているかは、面接より前の段階から見られていることになります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と古河市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

古河市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは古河市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口は139,258人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積は123.58km²、人口密度は1,127人/km²。茨城県内では10万人を超える人口をもつ市のひとつである。
  • 茨城・埼玉・栃木の3県が接する地域に位置し、隣接する市町村は10にのぼる。県内では結城市・坂東市・猿島郡五霞町・境町・結城郡八千代町、県外では埼玉県の久喜市・加須市、栃木県の栃木市・小山市・下都賀郡野木町と接する。
  • 日常の行き来が県境をまたぐため、比較の対象になるのは県内の市だけではない。住まいや買い物の選択肢が3県に開かれている点が、市政を考えるうえでの前提になる。
  • 市役所は〒306-0291 古河市下大野2248番地に置かれている。
  • 市の花はハナモモ、市の木はケヤキ。
  • 市は職員の「ありたい職員像」を古河市職員人材育成ビジョン(令和4年3月改訂)に定め、すべての職員の自己開発の目標であり、全庁的な人材育成の目標でもあると位置づけている。
  • 採用の入り口では、事務職に1分以内の動画選考が課される。設問は市の魅力の向上に自分がどう取り組みたいかを問うもので、あらかじめ公表されている。
  • 茨城県全体の人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回(令和2年)から75,802人(2.6%)減った。県境の市である古河市も、この減少の外側にいるわけではない。

古河市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「古河市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。規模を測るときの比較先として、茨城県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口139,258人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積123.58km²
人口密度1,127人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体(茨城県内)結城市、坂東市、猿島郡五霞町、猿島郡境町、結城郡八千代町
隣接自治体(県外)埼玉県久喜市、埼玉県加須市、栃木県栃木市、栃木県小山市、栃木県下都賀郡野木町
市役所所在地〒306-0291 茨城県古河市下大野2248番地
市の花・市の木ハナモモ・ケヤキ
(参考)茨城県の総人口2,791,207人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報集計)
(参考)茨城県の人口密度463.3人/km²(令和5年10月1日現在・全国第12位)
(参考)茨城県の高齢化率31.2%(令和7年9月15日現在・推計値)

古河市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。茨城県の総人口・人口密度・高齢化率は茨城県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、古河市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

13万人台という人口は、茨城県内では大きいほうに入ります。ただ、市の性格を決めているのは規模よりも位置です。

隣接する10市町のうち5つが県外にあり、そのうち埼玉県久喜市は約15万1千人、栃木県小山市は約16万7千人(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在)と、古河市と同じかそれ以上の規模の市が県境の向こうに並んでいます。同じくらいの規模の市と、県をまたいで隣り合っている市だという理解が出発点になります。

この位置は、人の流れを読むうえで重要です。茨城県全体では、令和6年の1年間に出生14,556人に対し死亡38,951人と24,395人の自然減、転入125,457人に対し転出118,116人と7,341人の転入超過でした(出典:茨城県の人口(年報)|令和6年

県全体では移り住む人が出ていく人を上回っているのですが、県境の市では、その出入りの相手が県外の市になります。住む場所を選ぶ人にとって、県の境目は生活の境目ではないからです。県境の市であることを踏まえた答え方の例を挙げます。

「古河市は人口が13万人を超えるまちですが、隣り合う10の市や町のうち半分は埼玉県と栃木県だと知りました。同じくらいの規模の市が県境のすぐ向こうにありますので、住む場所を選ぶときに比べられる相手は県内だけではないと思います。その中で選ばれる理由をつくる仕事に関わりたいです」

古河市の経済・産業

農業と工業が並び立つ県の中で

市の産業を語る前に、土台となる県全体の姿を押さえます。茨城県の農業産出額は5,494億円で全国第3位(2024年)。

2017年から8年連続で3位を保ち、生産農業所得2,002億円は全国第2位です。内訳は園芸2,629億円(48%)、米1,399億円(26%)、畜産1,286億円(23%)と続きます(出典:茨城県の農業産出額|令和6年

同時に、製造品出荷額等は12兆1,773億円で全国第7位(令和2年)にあたり、重化学工業が全体の65.1%を占めます(出典:茨城県の工業|令和2年農業でも工業でも全国の上位に入るのが茨城県の特徴です。

この二本立ての構造は、県西に位置し、埼玉県や栃木県の産業集積とも近い古河市の立地を考えるときの背景になります。面接で産業に触れるなら、県の強みを並べるだけでなく、県境に位置する市がその中でどう位置づくかまで考えておきましょう。

広い平地という土台

県の産業を支えているのは、平地の広さです。茨城県の総面積6,097.56平方キロメートルは全国第24位ですが、可住地面積3,888.92平方キロメートルは全国第4位にあたります(いずれも令和5年時点)(出典:指標から見た茨城|令和5年

住める土地も耕せる土地も広く、事業所が立地する余地もある県だということです。古河市の人口密度1,127人/km²は県全体の463.3人/km²の2倍を超えており、県内では人口が集まっている側に入ります。県の平均像と市の実像は違うということを、数字で説明できるようにしておきましょう

観光と交流人口

令和6年の茨城県の観光入込客数は延べ約6,180万人(前年比101.2%)、実人数では約3,777万人(前年比110.1%)で、このうち日帰り観光客が82.1%を占めます。観光消費額は約4,447億円で、前年より約24%増えました(出典:茨城県観光客動態調査|令和6年

訪れた人数の伸びより消費額の伸びが大きいことが、この数字の読みどころです。日帰りが中心という性格は、県境をまたいで人が行き来する県西地域ではとくに強く出ます。訪れる人を増やす話と、来た人にどう時間とお金を使ってもらうかという話は別だという整理を、面接の前にしておきたいところです。

古河市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、古河市を含む茨城県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少の中で規模を保てるか

茨城県の総人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回から75,802人(2.6%)減りました。世帯数は1,221,422世帯です(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|茨城県

一方、令和6年の推計人口の減少幅は対前年17,054人(0.60%減)にとどまりました。減少の速さは、県外から移り住む人によっていくらか抑えられている状態です。県境に位置する市にとって、この転入をどれだけ自分の市に引き寄せられるかは、規模を保てるかどうかを左右します

過去最高を更新し続ける高齢化

茨城県の65歳以上人口は852,737人、県人口に占める割合は31.2%で、いずれも過去最高を更新しました(令和7年9月15日現在の推計値)(出典:茨城県の高齢者人口|令和7年9月県民のおよそ3人に1人が65歳以上という水準です。

面積123.58km²の市域に13万人余りが暮らす古河市では、地区によって高齢化の進み方に差が出ます。市全体の平均値だけを見ていると、いちばん困っている地区の姿は見えません。地区ごとの違いに目を向ける姿勢は、面接でも評価につながります。

県境をまたぐ広域での調整

古河市の隣接市町村は10あり、その半分は埼玉県と栃木県に属します。通勤や通学、買い物、通院といった日常の行動は県境で止まりません

ところが行政の仕組みは都道府県の単位で組み立てられているため、暮らしの範囲と制度の範囲がずれます。県境をまたぐ交通や防災、医療の連携をどう組み立てるかは、内陸の市の中でも古河市のような位置にある市に固有の論点です

財政の制約の中での優先順位

市の財政状況は市の公表資料で確認する必要がありますが、背景となる県全体の指標は把握しておけます。茨城県の財政力指数は0.61671、経常収支比率は93.3%、実質公債費比率は9.3%、将来負担比率は166.0%です(いずれも令和5年度)(出典:地方公共団体の主要財政指標一覧|令和5年度

経常収支比率が9割を超えるということは、毎年決まって入る収入の大半が、人件費など毎年固定的にかかる支出で埋まっているということです。新しい事業を始めるには、既にある事業を見直す必要があります。優先順位をつける判断は、県でも市でも日常的に求められます。

内陸で起きる地震への備え

茨城県地震被害想定調査報告書(平成30年12月公表)は、3つのタイプの地震を想定しています。県南部に大きな被害をもたらす「茨城県南部の地震」では死者が全県で90人から180人(夏12時のケースで90人)、建物の全壊・焼失が3,400棟(夏12時)、県北部に被害が集中する「F1断層などの連動による地震」では死者330人・建物全壊焼失11,000棟と、想定3地震の中で最大の被害が見込まれています(出典:茨城県地震被害想定調査報告書の概要|平成30年

死者の内訳は揺れによる建物倒壊がほとんどを占めるとされており、海に面しない内陸の市では、揺れそのものへの備えが中心の論点になります。自分の住む地区がどの想定に当たるかは、市のハザードマップで確認しておきましょう。

古河市の重点政策|第3次茨城県総合計画と古河市

この章で続けて読むのは、古河市政の外枠をなす茨城県の計画と、市が職員に求める姿を書き残した文書です。市の総合計画と施政方針のほうは改訂が入りますので、公式サイトで今の版を開いておきましょう。

第3次茨城県総合計画が掲げる目標

県の最上位計画は、計画期間を令和8年度から11年度とする第3次茨城県総合計画(〜「新しい茨城」への挑戦〜)です。基本目標に「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現を掲げ、加速する人口減少や超高齢社会、大規模災害リスク、デジタル技術がもたらす社会変革といった「時代の転換点」への対応を県政運営の基本方針としています(出典:第3次茨城県総合計画|令和8〜11年度

計画は加えて、激動する国際情勢や気候変動による影響の拡大も、県を取り巻く環境の変化として明記しています。

これは県の計画であって、古河市の計画ではありません。ただ、県が示す方向と市の施策は無関係ではいられません。市の総合計画を読むときは、県が挙げたこれらの環境変化に対して、市がどの順番で答えようとしているかという目線で見ると、理解が早くなります。

「ありたい職員像」に表れる市の考え方

古河市は、職員に求める姿を古河市職員人材育成ビジョン(令和4年3月改訂)の中で「ありたい職員像」として定めています。市が公表しているのは「古河を愛し、おもてなしの心で応対する職員」「元気あふれ、新しいことにチャレンジできる職員」の2文です。

この2文に含まれる「古河を愛し」「おもてなしの心で応対する」「元気あふれ」「新しいことにチャレンジできる」という4つの要素が、市名の「KOGA」の4文字にあわせて掲げられています。採用ページでは、あわせて「燃えるような『情熱』と『チャレンジ精神』を持った方の応募をお待ちしています」と呼びかけています(出典:古河市職員の人材育成|令和8年度

注目したいのは、この言葉が採用のためだけに作られたものではなく、在職中の職員の自己開発の目標でもあるという点です。つまり、入庁後に評価され続ける物差しが先に示されているということになります。志望動機を組み立てるときは、この2つの言葉に自分の経験をどう重ねられるかを考えてみてください。

POINT|市の資料が少ないときほど、順番が効く

公表資料の量は自治体によって差があります。少ないときは、①古河市の人口規模と3県境という位置を知る → ②茨城県全体の人口・産業・防災の見通しの中に市を置く → ③その中で自分が携わりたい仕事を選ぶ → ④その仕事に自分の経験がどう使えるかを言葉にする、という順で準備すれば十分に戦えます。

悪い例「古河市の魅力を発信する仕事がしたいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の相談を受けるところから始めたいです。その上で、古河市は埼玉県や栃木県の市とも隣り合っていますので、住む場所を選ぶときに古河市を候補に入れてもらえるよう、暮らしの情報を届ける仕事に関わりたいと思っています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 古河市職員採用試験の受験案内(最新年度・受験する職種と募集系統のもの)
  • 古河市職員人材育成ビジョン(「ありたい職員像」の原文)
  • 古河市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 第3次茨城県総合計画、茨城県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、古河市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。古河市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

古河市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

古河市役所の面接の概要

ここからは、古河市役所の試験の構成と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

古河市役所の試験の流れ

令和8年度の定期募集第1期は、1次から3次までの3段階です。事務職は1次試験の段階で動画選考が課され、2次・3次はいずれも面接試験なので、事務職では人物を見る種目が3段階すべてに置かれています。筆記の教養試験はテストセンター方式で、全国の会場から自分で日時を選んで受験する形です。

項目内容(令和8年度・定期募集第1期・令和9年4月1日採用)
試験の段階1次試験、2次試験、3次試験の3段階構成
1次試験動画選考(事務職のみ)と、教養・専門試験及び適性検査。事務職はテストセンター方式で教養試験と適性検査、専門職はマークシート方式で専門試験と適性検査
2次試験・3次試験いずれも面接試験(2次で1回、3次で1回)
面接の形式受験案内・採用ページとも「面接試験」とのみ記載され、個別面接か集団面接かは公表されていません
受験の予約2次・3次とも「指定する日時の中から各自予約を行って」受験する予約制。予約がない場合は選考を辞退したものとして扱われます
動画選考の設問「古河市の魅力を向上させていくために、あなたの長所または経験を踏まえ職員としてどのように取り組みたいか。」に1分以内で回答。氏名を述べてから回答し、帽子やマスク等は着用せず、編集は不可。一度提出した動画は差し替えできません
教養試験の出題分野事務Aは「時事、社会・人文、自然に関する一般知識を問う問題」と「文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う問題」(大学卒程度)。事務Bは自然に関する一般知識の出題がありません
配点各試験の配点・満点は受験案内に記載がありません
申込方法官公庁・自治体求人サイト「パブリックコネクト」で会員登録し、マイページから希望職種にエントリーして動画を提出。申込前6か月以内に撮影した上半身・脱帽・正面向きの顔写真が必要です
職種と採用予定数事務A 22人程度、事務B 10人程度、土木3人程度、建築3人程度、保育士1人程度
年齢要件事務Aは平成11年4月2日以降に生まれ、大学を令和9年3月末日までに卒業見込みの人。事務Bは平成3年4月2日以降に生まれ、大学を卒業した人

上記の試験構成は、古河市の令和8年度職員採用試験(定期募集第1期)の受験案内にもとづくものです。古河市は定期募集のほかに随時募集も行っており、系統によって試験構成・職種・年齢要件が異なります。受験の際は、必ずご自身が申し込む募集系統の最新の受験案内をご確認ください。

古河市役所が求める人物像

古河市は「求める人物像」という見出しではなく、人材育成ビジョンの「ありたい職員像」という形で、職員に期待する姿を公表しています。掲げられているのは「古河を愛し、おもてなしの心で応対する職員」「元気あふれ、新しいことにチャレンジできる職員」の2つです。

この2つに、採用ページの「情熱」と「チャレンジ精神」という言葉、そして動画選考の設問を重ねると、市が見ようとしているものの輪郭が見えてきます。市への愛着、相手への応対のしかた、新しいことへ踏み出す姿勢の3つです。

自己PRでは「積極性があります」と述べるだけでなく、その力を使って何を行い、周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。古河市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイクここまでの移動はいかがでしたか用意していない話題への反応。硬さがほぐれるまでの速さ
② 動機・志望民間企業と行政を比べて、行政を選んだ決め手は何ですか両方を検討した形跡があるか。選択の理由を自分の言葉で言えるか
③ 自己理解自分の長所を、具体的な場面とあわせて教えてください長所の申告ではなく、それが表れた行動を出せるか
④ 経験・行動途中で状況が変わった取り組みについて、どう対応したか教えてください予定どおりにいかない場面での判断の順序
⑤ 学業・経歴力を入れて学んだ内容を、専門でない人に説明してください相手の前提に合わせて言葉を選び直せるか
⑥ 適性・将来入庁して10年後、どんな役割を担っていたいですかその先を見た働き方を描けているか
⑦ 公共性・社会性行政の情報が住民に届かない原因は何だと思いますか公共の仕事を利用者側から見る視点

ただし、この7カテゴリーは古河市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「古河市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「古河市役所ならでは」の質問

「なぜ茨城県庁ではなく、古河市役所なのですか」
「古河市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも古河市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「古河市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい古河市の事実答え方のヒント
市の魅力(動画選考の設問と直結)動画選考の設問は「古河市の魅力を向上させていくために、あなたの長所または経験を踏まえ職員としてどのように取り組みたいか。」提出した動画と面接での答えが食い違わないよう、自分が挙げた魅力と取り組みを一度書き出してから面接に臨みます
市の規模と位置人口139,258人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積123.58km²、人口密度1,127人/km²。隣接10市町のうち5つが埼玉県と栃木県に属する「県西のまち」で止めず、隣接市町の半分が県外という事実まで出すと、地図を見て考えたことが伝わります
なぜ県庁ではなく市役所か県が第3次茨城県総合計画(令和8〜11年度)で全体の目標を掲げるのに対し、市は住民一人ひとりの相談を直接受ける立場にある役割分担の説明で終わらせず、古河市の窓口で自分がどんな相談に応じたいかを、場面ごと語ります
市の課題令和7年国勢調査の速報値では県人口2,791,207人で、5年間に75,802人減った。令和6年の社会動態は7,341人の転入超過、自然動態は24,395人の減少。高齢化率は31.2%県全体の減少と転入超過を並べたうえで、県境の市がその転入をどう引き寄せるかという角度で自分の考えを述べます
職員として期待される姿「ありたい職員像」は「古河を愛し、おもてなしの心で応対する職員」「元気あふれ、新しいことにチャレンジできる職員」で、人材育成ビジョンに定められている2つの言葉のどちらに自分が近いかを選び、その根拠になる経験を一つ添えて話せるようにしておきます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「ありたい職員像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
古河を愛し、おもてなしの心で応対する相手に合わせて応対を変えた経験があるか市が「おもてなしの心で応対する職員」を掲げていることを踏まえ、来訪者や利用者に接した場面を一つ選び、何を変えたのかまで話せるようにする
元気あふれ、新しいことにチャレンジできる前例のない場面で、自分から動いた経験があるか採用ページの「情熱」と「チャレンジ精神」という言葉に照らし、うまくいかなかった挑戦も、途中で何を変えたかまで整理しておく
市の魅力を自分の言葉で語れるか動画選考の設問と同じ問いを、面接でも掘られる古河市の魅力を1つに絞り、それを高めるために自分の長所をどう使うかを、1分で話せる長さにまとめておく

なお、公務員の面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。古河市は面接が2回ありますので、同じ話題を別の面接官から角度を変えて問われる前提で、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内を読み、自分が申し込む募集系統(定期募集か随時募集か)と職種の試験種目を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市の人口と3県境という位置から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 動画選考の設問に、1分以内で答える練習をする。編集ができない一発撮りなので、話す順序を決めてから録画し、面接での説明と食い違わないようにする

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、古河市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

古河市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

古河市役所の想定問答集を見る

さいごに

古河市の受験案内は、冒頭で「古河市職員採用試験は、古河市民の貴重な税金により実施します。受験資格を満たす方であっても、はじめから当市職員として採用される意思のない方の受験は、ご遠慮ください。」と書いています。

念のための注意書きに見えて、実は市の姿勢がよく表れた一文です。試すために受ける場ではなく、働く意思を確かめる場だと、はじめに宣言しているのですから。

動画選考で市の魅力の高め方を問い、2回の面接でそれを掘り下げるという流れも、同じ考え方の上にあります。3県が接するこの市で、あなたが誰の何を良くしたいのか。その答えを、1分の動画にも面接の受け答えにも同じ言葉で置けるようになったとき、準備は仕上がったといえます。