本記事では、ひたちなか市職員採用試験の面接対策で必要な、ひたちなか市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
ひたちなか市役所の面接試験では、「なぜひたちなか市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。事務区分の面接は個人面接が中心で、限られた回数の中で人物が確かめられる構成になっています。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心とひたちなか市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
ひたちなか市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずはひたちなか市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口153,446人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積101.02km²・人口密度1,519人/km²の市である。
- 人口密度1,519人/km²は、茨城県全体の463.3人/km²(令和5年10月1日現在)のおよそ3.2倍。県内でも人が密に暮らす市であることが、数字にはっきり表れている。
- 隣接するのは水戸市・那珂市・東茨城郡大洗町・那珂郡東海村。市・町・村がそろって隣り合う位置にあり、県庁所在地の水戸市とも市域を接する。
- 市役所は〒312-8501 ひたちなか市東石川二丁目10番1号に置かれている(団体コード08221-0)。
- 市の花はハマギク、市の木はイチョウ。
- 市名の正式表記は平仮名の「ひたちなか市」。日立市・常陸太田市・常陸大宮市とはいずれも別の市で、漢字表記に置き換えてはならない。
- 市自身が採用の案内で挙げている地域の資源は、産業の集積する「ひたちなか地区」、日本一の生産量を誇る「ほしいも」、地域力と市民力に支えられて再生した「ひたちなか海浜鉄道湊線」、ネモフィラで知られる「国営ひたち海浜公園」、「那珂湊おさかな市場」である。
ひたちなか市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「ひたちなか市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。市の規模を測るときの比較先として、茨城県全体の数値もあわせて載せています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 153,446人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 101.02km² |
| 人口密度 | 1,519人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 水戸市、那珂市、東茨城郡大洗町、那珂郡東海村 |
| 市役所所在地 | 〒312-8501 茨城県ひたちなか市東石川二丁目10番1号 |
| 市の花・市の木 | ハマギク・イチョウ |
| (参考)茨城県の総人口 | 2,791,207人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報集計) |
| (参考)茨城県の人口密度 | 463.3人/km²(令和5年10月1日現在・全国第12位) |
| (参考)茨城県の高齢化率 | 31.2%(令和7年9月15日現在・推計値) |
ひたちなか市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。茨城県の総人口・人口密度・高齢化率は茨城県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、ひたちなか市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
15万人という人口は、それだけでは市の性格を説明しません。効いてくるのは面積との組み合わせです。
101.02km²に153,446人ですから、人口密度は1,519人/km²。茨城県全体の463.3人/km²(令和5年10月1日現在)と比べると3倍を超える密度になります(出典:指標から見た茨城|令和5年)。
密度が高いということは、住宅も、道路も、学校も、比較的近い距離にまとまっているということです。一方で県全体の人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回から2.6%減りました。
県が縮んでいく中で密度の高い市が抱える課題は、施設の不足ではなく、既にある施設と地域の担い手をどう保つかという方向に寄っていきます。市の受験案内が「地域力」「市民力」という言葉で湊線の再生に触れているのも、この文脈で読むと腑に落ちます。
受験案内の言葉と人口密度をつなぐと、面接での受け答えはこんな形になります。
ひたちなか市の経済・産業
ひたちなか地区と、ものづくりの県
市が採用の案内の冒頭で最初に挙げるのが、産業の集積する「ひたちなか地区」です。この産業の性格は、県全体の姿と重ねると位置づけが見えてきます。
茨城県の製造品出荷額等は12兆1,773億円で全国第7位(令和2年)。重化学工業が全体の65.1%を占め、化学工業が最も多く、生産用機械器具製造業、電気機械器具製造業が続きます(出典:茨城県の工業統計|令和2年)。
つまり、重化学工業が3分の2を占める、ものづくりの県の中にある産業都市という理解が土台になります。
日本一の「ほしいも」と農業県の姿
市が2つ目に挙げるのは、日本一の生産量を誇る「ほしいも」です。県全体でも農業は主力で、茨城県の農業産出額は5,494億円で全国第3位(2024年)。
2017年から8年連続で3位を保ち、生産農業所得2,002億円は全国第2位です。内訳は園芸2,629億円(48%)、米1,399億円(26%)、畜産1,286億円(23%)と続きます(出典:茨城県の農業産出額|令和6年)。
加工して売る産品を市が前面に出しているという事実は、農業を「作る話」だけで語らない材料になります。
観光は、来訪者数より使われ方
令和6年の茨城県の観光入込客数は延べ約6,180万人(前年比101.2%)、実人数では約3,777万人(前年比110.1%)で、このうち日帰り観光客が82.1%を占めます。観光消費額は約4,447億円で、前年より約24%増えました(出典:茨城県観光客動態調査|令和6年)。
市が挙げる国営ひたち海浜公園や那珂湊おさかな市場は、日帰りで訪れやすい場所の代表格です。人数の伸びより消費額の伸びが大きいという県全体の傾向を踏まえると、観光を語るときの論点は「どれだけ来たか」ではなく「来た人にどう時間とお金を使ってもらうか」に移ります。
湊線の再生が示すもの
市が採用の案内で「高い地域力と市民力に支えられ再生した」と紹介するのが、ひたちなか海浜鉄道湊線です。地方の鉄道が維持できるかどうかは、利用者数だけでは決まりません。
誰がどう関わり続けるかで結果が変わるという実例を、市は自分たちの言葉で採用の案内に書いています。公共交通や地域振興を志望するなら、この一節は必ず押さえておきましょう。
ひたちなか市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、ひたちなか市を含む茨城県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
県全体の人口減少
茨城県の総人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,791,207人となり、前回から75,802人(2.6%)減りました。世帯数は1,221,422世帯です(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|茨城県)。
人口が密に集まっている市であっても、県全体が細っていけば、通う人・働く人・買い物に来る人の総量は減ります。まちの外から人が来ることを前提にした施設ほど、影響を受けやすいという点は覚えておきたいところです。
過去最高を更新し続ける高齢化
茨城県の65歳以上人口は852,737人、県人口に占める割合は31.2%で、いずれも過去最高を更新しました(令和7年9月15日現在の推計値)(出典:茨城県の高齢者人口|令和7年9月)。県民のおよそ3人に1人が65歳以上という水準です。
密度の高い市では、移動距離が短い分だけ日常生活は成り立ちやすい一方、地域を支える側の担い手も同じように年齢を重ねます。支えられる人が増えるスピードに、支える人の確保が追いつくかが、地域力を語るうえでの本当の論点です。
沿岸を抱える地域の災害リスク
茨城県地震被害想定調査報告書(平成30年12月公表)は、3つのタイプの地震を想定しています。このうち「茨城県沖から房総半島沖にかけての地震」では、死者50人・建物全壊焼失9,500棟(夏12時)が想定され、沿岸部全域で津波被害が発生するとされています(出典:茨城県地震被害想定調査報告書の概要|平成30年)。
市が那珂湊おさかな市場を地域の資源として挙げているように、海と結びついた場所を抱える市では、津波を含む備えが市政の重い課題になります。事務職の職務内容にも災害対策が明記されています。
地域の担い手をどう保つか
湊線の再生は、市民が関わり続けたからこその結果です。裏を返せば、関わる人が減れば同じことは続きません。
自治会や消防団、ボランティア、商店街など、地域を支える組織はどこも担い手の確保に苦労しています。県全体で高齢化が進み、生産年齢の人口が細っていく中、行政が直接手を出す範囲と、地域に担ってもらう範囲の線をどう引くか。市職員はその調整役に立たされます。
ひたちなか市の重点政策|第3次茨城県総合計画とひたちなか市
ひたちなか市政の輪郭をつかむには、どこから読めばよいのでしょうか。この章では、市を包み込む茨城県の計画と、ひたちなか市の採用情報のたどり方を順に取り上げます。市自身の総合計画と施政方針は書き換えられていきますので、公式サイトで最新の版を確かめてください。
第3次茨城県総合計画が掲げる基本理念
県の最上位計画は、計画期間を令和8年度から11年度とする第3次茨城県総合計画(〜「新しい茨城」への挑戦〜)です。基本理念に「活力があり、県民が日本一幸せな県」を掲げ、加速する人口減少や超高齢社会への対応、大規模災害リスクへの対応、飛躍的に進化するデジタル技術がもたらす社会変革といった時代の変化を、「新しい茨城」づくりに向けて留意すべき重要な視点として整理しています(出典:第3次茨城県総合計画|令和8〜11年度)。
計画は加えて、激動する国際情勢や気候変動による影響の拡大も、県を取り巻く環境の変化として明記しています。
これは県の計画であって、ひたちなか市の計画ではありません。ただ、県が挙げた環境変化のうち、産業の集積と沿岸という条件を持つ市でどれが強く出るかを考えると、市の計画を読むときの見当がつきます。
ひたちなか市の採用情報をどこで確認するか
ひたちなか市は9月試験・1月試験など、年度内に複数回の職員採用試験を実施しています。回次によって職種も試験の段階数も変わるため、自分が受ける回次の受験案内を、募集期間中に保存して最後まで読むことが対策の出発点になります。
なお、市公式サイトには「ひたちなか・東海広域事務組合職員採用試験」の情報も併載されていますが、これは実施主体の異なる別の試験です。応募先を取り違えないよう注意してください。
POINT|市が挙げた5つの資源を、自分の言葉に置き換える
受験案内の冒頭には、ひたちなか地区、ほしいも、湊線、国営ひたち海浜公園、那珂湊おさかな市場という5つが並んでいます。これは市が「まず知っておいてほしい」と考えている材料です。全部を語る必要はありません。自分の志望分野に近いものを1つ選び、なぜそれに関心を持ったのか、そこで市職員として何ができるのかまで言葉にしておきましょう。
悪い例「ひたちなか市の観光を盛り上げたいです」
改善例「まずは窓口や現場の仕事で市民の方と接するところから始めたいです。その上で、県全体では日帰りのお客さんが多いと聞きましたので、海浜公園やおさかな市場に来た方に、市内でもう一か所立ち寄ってもらう工夫に関わりたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- ひたちなか市職員採用試験の受験案内(自分が受ける回次・職種のもの)
- ひたちなか市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 市が公表している職員像に関するページ(採用試験情報のページからたどれます)
- 第3次茨城県総合計画、茨城県の統計資料(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、ひたちなか市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。ひたちなか市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
ひたちなか市役所の面接の概要
ここからは、ひたちなか市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
ひたちなか市役所の面接の流れ
令和8年度9月試験(令和9年4月1日採用)の受験案内によれば、試験は第1次から第3次までの3段階で組まれています。ただし段階の使われ方は職種によって違い、事務【高校卒業程度】区分では、面接は第2次試験の個人面接1回です。
集団討論が課されるのは保育士区分だけで、保育士のみ第3次試験の個人面接まで進みます。
| 項目 | 内容(令和8年度9月試験) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験 → 第2次試験 → 第3次試験の3段階(第3次試験は保育士のみ) |
| 第1次試験 | 全職種でテストセンター方式による基礎能力試験・性格適性検査【SCOA】(択一式・60分、全国のテストセンター会場約300か所)。土木・建築・電気・保育士はこれに専門試験(ひたちなか市役所第3分庁舎)が加わります |
| SCOAの出題分野 | 文章読解力、数的能力、論理的思考能力、人文・社会,自然に関する一般知識、基礎英語などの基礎的な知的能力及び学力 |
| 第2次試験 | 事務【高校卒業程度】・土木・建築・電気は「面接試験」(個人面接)。保育士のみ「口述試験」(集団討論及び個人面接) |
| 第3次試験 | 保育士のみ「面接試験」(個人面接)。第2次・第3次試験の会場はひたちなか市役所 |
| 配点 | 受験案内に記載がありません。最新の受験案内でご確認ください |
| 申込方法 | インターネット(いばらき電子申請・届出サービス)のみ。顔写真データとメールアドレスを準備して申請し、受験票をダウンロードしてA4サイズ縦で印刷し試験当日に持参します |
| 採用予定人員 | 事務【高校卒業程度】3名程度、土木3名程度、建築4名程度、電気1名程度、保育士2名程度 |
注意したいのは、受験案内に「試験の実施状況により,一部の試験区分において第2次試験又は第3次試験を実施しない場合があります」と明記されている点です。段階の数は固定ではありません。
また、事務職の職務内容として、市民協働の推進、産業・観光の振興、災害対策、市税の賦課徴収、住民票発行等の窓口業務、教育・子育て支援や保健福祉等の一般行政事務が挙げられています。志望動機は、この職務内容の範囲の中で具体化すると説得力が増します。
上記の試験構成は、ひたちなか市の令和8年度9月試験(令和9年4月1日採用)の受験案内にもとづくものです(出典:ひたちなか市職員採用試験受験案内|令和8年度9月試験)。当該案内の事務職は高校卒業程度の区分で、市は1月試験など別日程の試験も実施しています。試験の構成・職種・段階数は回次や年度によって異なる可能性があります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご自身の区分の試験情報をご確認ください。
ひたちなか市役所が求める人物像
市は採用試験情報のページから、職員像を紹介する別のページへ案内しています。そちらにも必ず目を通したうえで、あわせて参考にしたいのが、受験案内の冒頭に置かれた市自身の呼びかけです。
そこでは、ひたちなか地区やほしいも、湊線、国営ひたち海浜公園、那珂湊おさかな市場を挙げたうえで、市をさらに発展させたいという意欲、協力や協働の姿勢、積極性に触れた言葉が並んでいます。定型化された人物像そのものではありませんが、市がどんな人に来てほしいと考えているかは読み取れます。
この言葉づかいを受験の側から読み直すと、「まちを良くしたいという当事者意識」「人と組んで進める姿勢」「自分から動く積極性」の3点が問われる資質だとわかります。面接が1回しかない以上、自己PRを「積極性があります」で終わらせる余裕はありません。
何をどう働きかけ、その結果として人や場がどう動いたかまで、一続きで話せる状態にしておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。ひたちなか市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどうやって会場まで来ましたか | 身構えていない場面での受け答えのテンポと表情 |
| ② 動機・志望 | 県内には他にも市役所がありますが、なぜここですか | 比較したうえで選んだ理由を語れるか |
| ③ 自己理解 | 自分の長所は、どんな場面で発揮されますか | 長所を場面に結び付けて説明できるか |
| ④ 経験・行動 | 誰かと協力してやり遂げた経験を教えてください | 役割分担の中で自分が引き受けた部分の具体性 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学校生活で最も時間を使ったことは何ですか | 時間の使い方に表れる価値観と継続力 |
| ⑥ 適性・将来 | 窓口で厳しい言葉を受けたら、どうしますか | 感情の扱い方と、職務としての切り替え |
| ⑦ 公共性・社会性 | 地域の行事に人が集まらないとしたら、何が原因だと思いますか | 地域社会の課題を自分なりに分解できるか |
ただし、この7カテゴリーはひたちなか市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「ひたちなか市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「ひたちなか市役所ならでは」の質問
どちらもひたちなか市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「ひたちなか市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたいひたちなか市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口153,446人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積101.02km²、人口密度1,519人/km²。水戸市・那珂市・大洗町・東海村と隣接 | 県庁所在地の隣という説明で止めず、県平均の3倍を超える密度の市だからこそできる仕事の進め方まで話します |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は第3次茨城県総合計画(令和8〜11年度)で県全体の方向を示す一方、市の事務職は窓口業務から災害対策、産業・観光の振興までを担う | 受験案内に書かれた事務職の職務内容を挙げ、その中のどれに自分が向き合いたいのかを具体的に示します |
| 市が挙げる地域の資源 | ひたちなか地区、日本一の生産量のほしいも、地域力と市民力で再生した湊線、国営ひたち海浜公園、那珂湊おさかな市場 | 5つを並べるのではなく1つを選び、なぜそれに関心があるのかという理由と自分の経験をつなげます |
| 観光の考え方 | 県の観光は日帰り客が82.1%(令和6年)を占め、入込客数の伸び(前年比101.2%)より消費額の伸び(前年比約24%増)が大きい | 来訪者数の話に終始せず、市内でどうお金と時間を使ってもらうかという視点で答えを組み立てます |
| 防災・危機管理 | 県の被害想定では「茨城県沖から房総半島沖にかけての地震」で死者50人・建物全壊焼失9,500棟(夏12時)、沿岸部全域で津波被害が想定される | 海と結びついた地域を抱える市であることを踏まえ、避難の呼びかけや訓練など自分が関われる場面を一つ挙げます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「評価につながりやすい力」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| まちを良くしたいという当事者意識 | 市の資源や課題について、自分なりの意見を持っているか | 受験案内の冒頭に並ぶ5つの資源から1つ選び、実際に足を運ぶか調べるかしてから語れる状態にしておく |
| 人と組んで進める姿勢 | 役割の違う相手と、どう折り合いをつけてきたか | 湊線の再生が市民の関わりで支えられたように、自分が誰かと続けてきた活動を一つ選んで整理しておく |
| 自分から動く積極性 | 指示される前に動いた経験があるか | 事務職の職務内容にある市民協働や産業・観光の振興に引き付けて、自分から声をかけた場面を話せるようにする |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。事務区分では面接の機会が限られる分、1回の受け答えの密度が結果を左右します。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受ける回次・職種の受験案内を保存し、段階構成と、第2次・第3次試験を実施しない場合がある旨まで読み込む
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市の人口密度と市が挙げる地域の資源から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習する。事務職の職務内容にある分野の名前を使って、やりたい仕事を説明できるところまで仕上げる
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、ひたちなか市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
ひたちなか市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
ひたちなか市の事務区分は、テストセンターで受ける基礎能力試験を通過したあと、個人面接で人物が確かめられる構成です。面接の回数が多いわけではないぶん、限られた時間で何を話すかを決めておく価値があります。
県平均の3倍を超える密度で15万人が暮らし、湊線を市民の力で走らせ続けてきたまちで、自分は誰と何をしたいのか。市が受験案内の冒頭に並べた5つの資源のうち、自分が語れるものを一つ持って試験に臨んでください。