本記事では、駒ヶ根市職員採用試験の面接対策で必要な、駒ヶ根市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

駒ヶ根市役所の面接試験では、「なぜ駒ヶ根市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

駒ヶ根市の第二次試験は、作文・集団討論・個別面接の3種目です。書く場面と、議論する場面と、一対一で答える場面が、同じ試験の中に並んでいます。

この3種目に共通して要るのが、市についての手持ちの材料です。以下の各章は、その材料をそろえるために組み立てました。

第1部|自治体研究編

駒ヶ根市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは駒ヶ根市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 南アルプスと中央アルプスの狭間を流れる天竜川の流域、上伊那地域の8市町村の一つです。上伊那地域は伊那市・駒ヶ根市・辰野町・箕輪町・飯島町・南箕輪村・中川村・宮田村で構成されています。
  • 市域は165.86km²、人口は31,073人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は187人/km²です。
  • 接している自治体は伊那市・飯島町・中川村・宮田村・上松町・大桑村・大鹿村の7市町村。木曽側と伊那側の双方に境を接しています。
  • 65歳以上の割合は32.5%、75歳以上は19.6%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、長野県全体の32.7%・19.7%とほぼ重なります。
  • 市の花はスズラン、市の木はアカマツです。
  • 上伊那を木曽側と隔てる中央アルプス(木曽山脈)は、令和2年3月27日に全国57カ所目の国定公園に指定されました。
  • 令和8年度(令和9年4月1日採用)の募集は、上級が行政事務・土木・建築士・保健師・管理栄養士、中級が土木・建築士・保育士、社会人が土木・建築士。採用予定数はいずれも若干名です。
  • 受験案内の表紙に「総合能力試験(SPI3)を実施し、人物重視型の選考を行います。」と明記されています。
  • 選考は第一次・第二次・第三次の3段階。第二次が作文・集団討論・個別面接の3種目、第三次が個別面接です。

駒ヶ根市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「駒ヶ根市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

駒ヶ根市は、3万1千人台の人口と165.86km²の市域を持ちます。この面積は長野県全体の1%あまりで、上伊那地域では隣の伊那市(667.93km²)の4分の1ほどにあたります。

同じ谷の中でも、市ごとに受け持つ土地の広さは大きく違います。

項目内容
総人口31,073人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積165.86km²
人口密度187人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合32.5%(長野県全体は32.7%)
75歳以上の割合19.6%(長野県全体は19.7%)
隣接自治体伊那市・飯島町・中川村・宮田村・上松町・大桑村・大鹿村
市役所所在地駒ヶ根市赤須町20番1号
市の花・市の木スズラン・アカマツ

65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計上の駒ヶ根市の人口は31,073人(うち65歳以上10,112人・75歳以上6,076人)、長野県全体は1,995,882人で、割合の分母にもこの数値を用いています。長野県が公表する県人口1,970,876人(令和7年11月1日現在)は国勢調査を基準とした集計であり、基準日も調査の方法も違いますので、住民基本台帳の数値と続けて足し引きするような扱いはできません。

この規模で行政を担うということ

高齢化の水準は、県全体とほぼ同じ位置にあります。65歳以上32.5%・75歳以上19.6%に対し、長野県全体は32.7%・19.7%(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

県の平均並みという言い方はできますが、行政の側から見た意味は市の規模で変わります。

人口3万1千人台の市では、一つの部署が受け持つ制度の数がそのまま増えます。65歳以上10,112人、75歳以上6,076人という人数は、担当者から見れば顔の見える範囲に近づきます。

制度を使う人と、それを担当する職員の距離が近いということでもあります。届いているかどうかを、集計を待たずに知ることができる規模です。

規模の話は、面接では次のように口にできます。

「駒ヶ根市の高齢化率は県の平均とほとんど同じだと知りました。ただ市の人口が3万1千人ほどですので、一人の職員が関わる範囲は広いのではと思っています。制度を届ける相手の顔が見えやすい規模なのだと感じました」

駒ヶ根市の経済・産業

河岸段丘の農業と先端技術産業

長野県は上伊那地域について、南アルプスと中央アルプスの狭間を縫って流れる天竜川と、その流域の河岸段丘に都市や農村が点在する地形を持つ地域だと説明しています。産業の特徴として挙げられているのは、電気機械・精密機械などの先端技術産業と、河岸段丘の農地での農業生産です(出典:上伊那地域の情報)。

工場と農地が同じ段丘の上に並んでいるのが上伊那の姿で、駒ヶ根市の産業政策もこの2つを切り離しては語れません。担い手の確保という同じ課題が、農業と製造業の両方に乗っています。

県全体の製造業という背景

長野県全体では、製造業の事業所数が6,148、従業者数が20万6,238人、製造品出荷額等は7兆1,391億6,000万円です(2023年6月1日時点の経済構造実態調査)(出典:長野県の製造業(経済構造実態調査)|2023年)。

県の働き手の相当数が、ものづくりの現場に立っているということになります。駒ヶ根市の志望動機を山と自然だけで組み立てると、この足元の雇用が視野から抜けます。

通勤する人の暮らしを支えているのも市の仕事です。

観光は日帰りが中心という構造

令和6年の上伊那地域の観光地延利用者数は4,077千人、観光地消費額は99億9,000万円でした。この地域は日帰り客の比率が85%前後と高い水準にあります(出典:長野県観光地利用者統計調査結果|令和6年)。

県全体では、同じ年の延利用者数8,515万人のうち日帰り5,781万人・宿泊2,734万人ですから、上伊那はその傾向が強く出た地域だといえます。

山を目当てに来る人が多い地域でこの比率だということは、滞在の受け皿がまだ薄いという読み方もできます。観光を志望分野に挙げるなら、この角度から入るほうが市の実務に近づきます。

駒ヶ根市の主な行政課題

ここまでの数字を、市の規模と合わせてもう一度見直してみます。駒ヶ根市が向き合っている論点は、そこから読み取れます。

面接で市の課題を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

小さな市でサービスを維持し続けること

人口減少によって社会インフラ・医療・教育・行政サービス等の維持が困難になるという見通しは、長野県が公式に示しているものです(出典:長野県の人口減少の現状と課題)。

人口3万1千人台の市では、この一文が施設の統廃合や事務の共同処理といった判断として、より早く現れます。何を残し何を見直すかを、市民に説明しながら決めていくことになります。

進学・就職期の転出

長野県では18歳から22歳の年齢層で男女ともに転出超過が続いており、同年齢層の転出超過数は16,950人で、静岡県に次いで全国2番目の多さです。とくに20代前半の女性の転出超過が課題とされています。

人口規模の小さい市ほど、一学年分の流出が全体に与える影響は大きくなります。戻る選択肢を用意する仕事は、雇用の場づくりだけでなく、住まいや子育て、地域の受け入れ方まで含んだ話になります。

山と谷を抱えた市の防災

長野県の土砂災害危険箇所は、土石流が5,912渓流(全国8位)、地すべりが1,241箇所(全国1位)、急傾斜地が8,868箇所(全国15位)で、地すべり危険箇所数は全国最多です(出典:長野県砂防資料(土砂災害危険箇所))。加えて県内には6つの主要活断層帯があり、糸魚川-静岡構造線断層帯では気象庁マグニチュード8程度の地震が想定されています。

2つのアルプスに挟まれた谷筋の地形では、土砂と地震の備えを同じ地図の上で考える必要があります。

若干名の採用で市政を回すこと

令和8年度の募集は、上級・中級・社会人のいずれも採用予定数が若干名です。3万1千人分の行政サービスを、この人数の新規採用の積み重ねで担っているということになります。

担当が変われば扱う制度も相手も入れ替わりますし、一人が制度の入口から出口までを見る場面も出てきます。

任される範囲が広いということは、覚えることが多いという意味であると同時に、仕事の全体像が早く見えるという意味でもあります。

重点政策|中央アルプス国定公園と県の5か年計画

駒ヶ根市がいまどんな計画のもとで動いているかは、市公式サイトの総合計画で直接確かめてください。ここで扱うのは、その計画の外側から市を縛っている条件のほうです。

令和2年に指定された国定公園という枠

中央アルプス国定公園は、令和2年3月27日に全国57カ所目の国定公園として指定されました。中央アルプス(木曽山脈)は東西約20キロメートル・南北約100キロメートルに走り、ほぼ全山が花崗岩で形成される非火山性の連峰です。

木曽駒ヶ岳の南側にはカール・モレーン・氷河湖などの氷河地形が分布しています(出典:中央アルプス国定公園の指定(環境省報道発表)|令和2年3月27日)。

国定公園の指定は、市の一存では動かせない保全の枠が地域に加わったということでもあります。自然や観光を志望分野に挙げるなら、この保全と利用の線引きまで理解を示せると、話の精度が上がります。

県の5か年計画という外枠

長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」は、計画期間を2023年度から2027年度までとし、人口減少・少子化・気候変動といった危機を大変革により乗り越えて「ゆたかな社会」を実現することを基本目標に掲げています(参考:しあわせ信州創造プラン3.0|令和5年度から令和9年度)。

県の人口は2001年の2,220,208人をピークに減り続け、2024年2月に200万人を下回りました。この県全体の縮小を背景に置くと、駒ヶ根市の事業がなぜその順番で並んでいるのかが見えてきます。

個々の名称を追う前に、順番の理由を考えてみてください。

POINT|作文でも討論でも使える形にしておく

駒ヶ根市の第二次試験には作文と集団討論があります。事業名を覚えるより、駒ヶ根市の数字を一つ選び、その裏で困っている人を思い浮かべ、市が何をしているかを調べ、自分の経験をあてはめる。この4段まで作った材料は、書く場面でも話し合う場面でも使えます。

悪い例「アルプスに囲まれた駒ヶ根市で、地域の活性化に取り組みたいです」

改善例「駒ヶ根市は人口が3万1千人ほどで、若い世代が進学で外に出ていく流れもあると聞きました。戻ってきたいと思える働き口や住まいをどう用意するかという仕事に、いずれ関わりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

次の4つは読む目的が違います。1つ目は申込のために、残りは作文と面接で話す中身のために開いてください。

  • 駒ヶ根市職員採用試験案内(最新年度)と、市の職員採用のページ
  • 駒ヶ根市の総合計画と、直近の予算について市が出している説明資料
  • 中央アルプス国定公園に関する資料(自然環境や観光を志望する場合)
  • 長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」(県全体の方向を押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、駒ヶ根市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。駒ヶ根市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

駒ヶ根市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

駒ヶ根市役所の面接の概要

ここからは、作文と集団討論と個別面接を重ねる駒ヶ根市の選考について、受験案内から確かめられることと、そこから当研究会が考えたことを順に並べていきます。

駒ヶ根市役所の試験の構成

令和8年度(令和9年4月1日採用)の駒ヶ根市職員採用試験は、第一次から第三次までの3段階です。

受験案内の表紙には総合能力試験(SPI3)を実施し、人物重視型の選考を行うと明記されています。第二次で作文・集団討論・個別面接の3種目、第三次でもう一度個別面接という並びが、その方針を形にしたものです。

項目内容(令和8年度・令和9年4月1日採用)
試験の段階第一次試験・第二次試験・第三次試験の3段階
募集職種と採用予定数上級(大学卒業程度)=行政事務・土木・建築士・保健師・管理栄養士、中級(短大卒業程度)=土木・建築士・保育士、社会人(実務経験者)=土木・建築士。いずれも若干名
第一次試験全区分共通の総合能力試験(110分程度)。大学卒業程度のSPI3(文章の意味の理解力、論理的思考力)及び適性検査
第一次試験の会場駒ヶ根市役所会場のほか、テストセンター会場でも受験できる(テストセンターは指定期間内の1日を予約して受験)
第二次試験作文、集団討論、個別面接試験の3種目。会場は駒ヶ根市役所
第三次試験個別面接試験。会場は駒ヶ根市役所
提出書類駒ヶ根市職員採用試験申込書(必ず受験者本人が自筆)、最終学校の学業成績証明書(社会人区分は不要)、最終学校の卒業証明書又は卒業見込証明書(既卒業者は卒業証書の写しでも可)、資格免許証等の写し(既取得者のみ)
申込方法郵送又は市役所総務課窓口へ持参。申込書は市ホームページからのダウンロード、総務課・中沢支所・東伊那支所の窓口受取、郵送取得のいずれかで入手する
年齢要件(上級行政事務)平成8年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人(22歳から30歳)
社会人区分の要件土木・建築士のみ。昭和62年4月2日以降に生まれた人(40歳まで)で、民間企業等における当該職の実務経験が3年以上。短期アルバイト・パートタイマー・週30時間未満の短時間勤務・育児休業期間は実務経験に含めない(産前産後休業期間は含めることができる)
住所要件なし。「採用後に駒ヶ根市内に居住することが望ましい」と付記
初任給上級(大学卒)232,000円、中級(短大卒)216,500円(令和8年4月1日現在)

実施状況も公表されています。上級・中級・初級・社会人を合計した数字で、令和7年度の行政事務は受験14人・合格4人・倍率3.5倍。

令和6年度は18人・4人で4.5倍、令和5年度は30人・13人で2.3倍でした。令和7年度はほかに、保健師が3人・2人で1.5倍、保育士が3人・1人で3.0倍、土木は受験者がいませんでした。

同じ職種でも年度によって倍率が倍近く動いています。去年の数字を前提に構えを決めると読み違えます。

上記は駒ヶ根市の令和8年度職員採用試験案内および同案内が掲げる実施状況にもとづく内容です。各試験種目の配点および人物試験の得点比重は案内に記載がなく、公表されていません。案内は「人物重視型の選考」という方針を述べるにとどまります。また令和8年度は上級区分に保育士の募集がなく、区分ごとに募集職種の構成が異なりますので、受験の際は必ずご自身が受ける区分の最新の案内をご確認ください。

駒ヶ根市役所が求める人物像

駒ヶ根市の職員採用試験案内には、項目立てされた「求める人物像」の一覧は置かれていません。その代わり、表紙に応募を呼びかける一文があります。

「『駒ヶ根市のまちづくりに貢献したい!』『駒ヶ根市で活躍したい!』など強い意欲を持つ方のご応募をお待ちしております。」という言葉です(出典:駒ヶ根市職員採用試験案内|令和8年度)。

同じ表紙に「人物重視型の選考」と書かれていることと合わせて読むと、市が受験者に何を求めているかの輪郭は見えてきます。

ここからは受験案内を離れます。作文・集団討論・個別面接を1日に並べた第二次の組み立てを、当研究会がどう捉えているかという話です。

若干名という採用規模で3万1千人分の行政を担う以上、一人の職員が受け持つ制度の幅は最初から広くなります。前例のない相談を受けたときに、調べながら形にしていける人が働きやすい環境だと言えるでしょう。

そのうえで駒ヶ根市は、申込書を受験者本人の自筆と定め、提出方法も郵送か窓口持参に限っています。電子申請の受付はありません。

手を動かして書き、届けるところから選考が始まる手続だということです。

加えて第二次では、作文で書く力、集団討論で他者と噛み合う力、個別面接で答える力が同じ日に見られます。この3つは別々の能力に見えて、材料が薄ければ3つとも同時に痩せます。

だから準備は一つの束にしておくのが効率的です。市について自分が語れる材料を厚くすることが、そのまま3種目の底上げになります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。駒ヶ根市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷いませんでしたか集団討論を終えた直後でも、受け答えの調子を戻せるか
② 動機・志望公務員を志望した理由を教えてください申込書に自筆で書いた志望の動機と食い違っていないか
③ 自己理解ご自身の弱点をどう捉えていますか「強い意欲」の裏側にある自己認識の正確さ
④ 経験・行動意見が割れた場面をどう収めましたか集団討論での立ち回りと、過去の行動が一致しているか
⑤ 学業・経歴学生時代に学んだことを教えてください作文で書いた筋道と、口で述べる説明が同じ骨格か
⑥ 適性・将来行政事務はどの部署にも配属されますが大丈夫ですか若干名の採用で幅広い業務を担う市役所への理解
⑦ 公共性・社会性気になっている社会の動きはありますか討論の題材になりうる話題を、自分の言葉で扱えるか

7区分の代表質問は、市販の対策本にも似た形で並んでいます。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「駒ヶ根市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「駒ヶ根市ならでは」の質問

「なぜ長野県庁ではなく、駒ヶ根市役所なのですか」
「駒ヶ根市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「駒ヶ根市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい駒ヶ根市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か採用予定数は若干名。165.86km²に暮らす3万1千人規模の市を、その人数の新規採用で担う県は上伊那8市町村を束ねて見る立場、市は集落ごとの事情まで見る立場です。若干名の採用に自分が加わる意味を、その違いの上で説明してください
市の規模と仕事の幅人口31,073人・人口密度187人/km²。隣の伊那市の市域は667.93km²で、同じ上伊那でも受け持つ広さは大きく違う小さいことを弱みとして述べるのではなく、制度の入口から出口まで一人で見られる規模だと言い換えると、志望の理由に変わります
上伊那の産業県は上伊那の特徴として、電気機械・精密機械などの先端技術産業と、河岸段丘の農地での農業生産を挙げている山の話から入ったなら、必ず工場と農地の話まで戻してください。担い手不足という共通の課題で2つはつながります
中央アルプス国定公園令和2年3月27日に全国57カ所目の国定公園として指定。ほぼ全山が花崗岩の非火山性連峰で、氷河地形が分布する指定の事実で止めず、保全の枠がある土地をどう使うかという線引きの話まで進めると、観光の議論が具体になります
駒ヶ根市の魅力と課題上伊那の観光は延4,077千人で日帰りが85%前後。一方で県全体では、18歳から22歳の転出超過が16,950人(静岡県に次いで全国2番目)魅力を山と自然で語ったら、課題は若い世代の転出まで戻してください。日帰り中心という構造が、その2つをつなぐ材料になります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接では、受験案内が呼びかける「強い意欲」が、これまでの行動の中に跡を残しているかどうかが見られます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
まちづくりに関わる意欲志望の理由が、駒ヶ根市でなければならない中身になっているか受験案内の表紙が呼びかけている観点です。市の数字を一つ挙げて、そこから自分の関心へつなぐ形にしておくと、意欲が言葉だけになりません
集団の中での役割の取り方第二次の集団討論で、進行役に回るか、論点を整理するか、意見を足すか役割は決め打ちしないでください。討論の流れを見て、その場に足りない役を引き受けられたかどうかが見られます
筋道を立てて書く力第二次の作文で、結論と理由の順序が保たれているか作文と個別面接は同じ日にあります。書いた内容を口で説明する練習まで含めて、一つの準備として扱いましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

駒ヶ根市は第二次と第三次で個別面接が計2回ありますから、掘られる回数はそのぶん増えます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、申込書を書く段階から積み上げておいてください。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、自分が受ける区分と職種、そして年齢要件を確認する
  2. 申込書は受験者本人の自筆で、提出は郵送か市役所総務課への持参のみです。用紙の入手と郵送の日程を先に組む
  3. 第一次試験を駒ヶ根市役所会場で受けるか、テストセンター会場で受けるかを決める
  4. これまでの経験の中から、人と意見が食い違った場面と、それをどう収めたかを書き出す
  5. 第1部の事実から2つか3つを選び、作文の材料としても使えるように短くまとめておく
  6. 集団討論を想定し、人の意見を受けて自分の考えを足す練習を、声に出して行う

優先順位に注意

ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ4の経験の棚卸しと、その経験を駒ヶ根市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、駒ヶ根市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

駒ヶ根市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

駒ヶ根市役所の想定問答集を見る

さいごに

駒ヶ根市の行政事務は、令和5年度が2.3倍、令和6年度が4.5倍、令和7年度が3.5倍と、年ごとに倍率が動いてきました。募集人数が若干名である以上、この振れ幅は今後も続きます。

数字を眺めても対策にはなりませんが、一つだけ確かなことがあります。この市の選考では、自筆の申込書を出し、作文を書き、集団討論で人と話し、個別面接に2回答えるという順で、あなたの言葉が何度も形を変えて確かめられるということです。

どの場面でも元になるのは、駒ヶ根市について自分が何を知り、何を思ったかという一組の材料です。そこを厚くしておけば、順番がどう来ても言葉は出てきます。

まずは申込書の志望動機欄を、書き直しなしで埋められるところまで持っていってください。