佐久広域連合消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の特性と災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

佐久広域連合消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ佐久広域連合消防本部なのか」「入庁後にどの地域でどう働きたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。

佐久広域連合という設置形態と、11市町村にまたがる管轄の広さを知っておくと、どの消防本部にも当てはまる一般論を避けた、説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と佐久広域連合消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。11市町村という広い管轄を持つ本部だからこそ、組織研究の厚みがそのまま面接での説得力につながります。

受験区分(上級・中級・初級)によって受験資格が異なりますので、自分の区分にあたる部分を意識しながら読み進めてください。

第1部|組織研究編

佐久広域連合消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは佐久広域連合消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 佐久広域連合消防本部は、小諸市・佐久市・佐久穂町・小海町・川上村・南牧村・南相木村・北相木村・御代田町・立科町・軽井沢町の11市町村で組織される「佐久広域連合」が設置し、直接採用する消防本部である。
  • 11市町村分の消防を1つの組織で引き受けている以上、第一線の職員数も多くなる。階級を持って消防の職務にあたる消防吏員は245人で、うち12人が女性である。
  • 救急出動は令和6年中13,272件に上り、火災95件の約140倍という規模で、日々の活動の大半を救急が占める。
  • 本部は佐久市中込に所在し、試験を含めた各種手続きもこの本部で行われる。
  • 体力測定の種目(50メートル走・腕立て伏せ・腹筋・立幅跳び・5分間走・懸垂)を公表しており、体力面の求める水準が比較的具体的に示されている。
  • 11市町村をあわせた人口は205,470人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、最大の佐久市(97,047人)から最小の北相木村(624人)まで規模の幅が大きい。

佐久広域連合消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「佐久広域連合消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

11市町村という構成の大きさは、そのまま人員や出動件数の水準に表れます。表ではその対応関係を追えるようにしています。

項目内容
設置団体佐久広域連合
構成市町村小諸市・佐久市・佐久穂町・小海町・川上村・南牧村・南相木村・北相木村・御代田町・立科町・軽井沢町(11団体)
管内人口205,470人(令和8年1月1日現在・11市町村の合算)
所在地佐久市中込
消防吏員数245人(うち女性12人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数95件(令和6年中)
救急出動件数13,272件(令和6年中)
救助出動件数158件(令和6年中)

構成市町村・所在地は佐久広域連合の公式資料、管内人口は住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁「女性職員の活躍推進」本部別データ検索(佐久広域連合消防本部)の収録値によります(出典:女性職員の活躍推進|本部別データ検索)。管内人口と消防吏員数・出動件数は時点が異なります。

数字から考えられる佐久広域連合消防の課題

表の中で目立つのは、救急と火災の件数差です。火災の発生が年間95件であるのに対し、救急出動は13,272件で、救急が活動量の大部分を占めるという実態がうかがえます。

1日あたりに直せば36件前後の救急出動があった計算になり、消火よりも救急が日常だという実感を持って準備を進めたいところです。

また、11市町村の人口を見ると、佐久市97,047人・軽井沢町21,812人という規模の大きい自治体から、南相木村898人・北相木村624人という小さな村まで幅があります。市街地から高原の小さな村まで規模の異なる11市町村を1つの本部で管轄している点は、志望動機を考えるうえでも意識しておきたい構造です。

小諸市40,978人、佐久穂町10,040人、御代田町16,863人、立科町6,565人と、中間規模の自治体も複数含まれており、単純に「都市部」と「農山村」の二分法では語り切れない多様さがあります。

「佐久広域連合消防本部は、佐久市のような比較的大きな市から、人口1,000人に満たない村まで、11の市町村を1つの本部で管轄していると知りました。地域ごとに規模や事情が大きく異なる中で、どこに配属されても対応できる姿勢が大切になると考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

高原の村から市街地まで、標高差の大きい11市町村

佐久広域連合の管内は、佐久市・小諸市のような市街地が広がる地域から、川上村・南牧村・南相木村・北相木村のような山あいの小さな村、そして国内有数の別荘地・観光地として知られる軽井沢町まで、性格の異なる11の市町村で構成されています。

標高差の大きい11市町村を1つの消防本部が管轄しているという点は、この本部の地域理解の出発点になります。

人口だけを見ても、最大の佐久市(97,047人)と最小の北相木村(624人)では150倍以上の開きがあり、同じ「管内」という言葉でも、地域によって求められる消防の役割は大きく異なると考えられます。

令和元年東日本台風による被害

令和元年(2019年)10月の東日本台風では、長野県内で死者24名(うち災害関連死19名、令和6年2月28日現在)の人的被害が生じ、その内訳には佐久市2名が含まれています。

管内で人的被害が出た災害を、記録の上だけの出来事にしないことが、水害への備えを語る出発点になります。(出典:令和元年東日本台風(台風第19号)人的被害・住家被害の状況|長野県)

佐久広域連合消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、佐久広域連合消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

いずれも、11市町村という広い管轄を前提に考える必要がある課題です。

救急需要への対応

救急出動は全国的にも増加傾向にあり、令和6年中の全国の救急自動車の出動件数は771万8,380件で、統計開始以降で最多を更新しました。

佐久広域連合消防本部の13,272件(令和6年中)もこの流れの中にあり、火災95件との差は前述のとおりです。

11市町村に散らばる現場へ、どう隊を届け続けるかが問われ続けることになります。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

大規模災害・広域応援への備え

前章のとおり、管内の佐久市では令和元年東日本台風で人的被害が生じています。

全国では緊急消防援助隊として718本部から6,661隊が登録されており(令和6年4月1日現在)、佐久広域連合消防本部にとっても、大規模な水害・地震が起きた際の広域応援の受け入れ・派遣の両面への備えが求められます。

11市町村という広い管内で同時に被害が広がった場合、限られた人員をどう振り分けるかという判断も重要になります。(参考:緊急消防援助隊|令和6年版消防白書)

標高差の大きい11市町村を支える体制

佐久市97,047人から北相木村624人まで、人口規模に150倍以上の開きがある11市町村を1つの本部で管轄している以上、それぞれの地域特性に合わせた柔軟な対応力が求められます。

市街地の救急需要と、山あいの村の少ない人口・広い面積という異なる条件の両方を理解しておく必要があります。

管内のどこで発生した事案でも、245人(令和7年4月1日現在)という同じ人員のなかから隊を出すことになりますので、どこにどれだけ人を置くかという判断は、この本部にとって日常的な検討課題です。

人材確保と女性吏員の活躍

消防吏員245人のうち女性は12人で、割合は約4.9%です。

これは全国の消防吏員168,230人中女性6,386人・約3.8%(令和7年4月1日現在)を上回り、国が掲げる「令和8年度当初までに5%」という目標にも近い水準にあります。

女性吏員の活躍が進んでいる本部だからこそ、この水準をどう維持・向上させるかという視点も、面接では押さえておきたいところです。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

観光地・別荘地を含む管内の特性

構成11市町村の中には、別荘地・観光地として知られる軽井沢町(人口21,812人)も含まれています。

長野県の統計では、令和6年の主要観光地の延利用者数の上位3位として「軽井沢高原」「善光寺」「上諏訪温泉・諏訪湖」が挙げられており、管内の軽井沢高原はそのうちの一つです。

住民基本台帳上の人口だけでは管内にいる人の数をとらえきれない地域だといえます。

季節や時間帯によって管内の人の動きが変わるという特性への理解も、この本部を志望するなら押さえておきたい視点です。

市街地・農山村・観光地という性格の異なる地域を同時に受け持っているという事実は、志望動機の組み立て方にも影響します。(参考:長野県観光地利用者統計調査結果|令和6年)

重点方針|公表された6種目の体力測定が示すもの

佐久広域連合消防本部には、名称を持つ単独の運営方針・基本計画にあたる公表文書は確認できません(2026年9月時点・当研究会調べ)。その代わりに読み解く材料になるのが、受験案内が具体的に示している体力測定の種目です。(出典:佐久広域連合職員採用試験(消防)実施要綱)

6種目の構成から読み取れること

体力測定は50メートル走・腕立て伏せ・腹筋・立幅跳び・5分間走・懸垂の6種目で構成されています。合格に必要な数値は公表されていませんが、種目の顔ぶれを並べると、瞬発力(50メートル走・立幅跳び)、上半身の筋力(腕立て伏せ・懸垂)、体幹の力(腹筋)、持久力(5分間走)と、異なる種類の体力が一通り並んでいることがわかります。

標高差の大きい11市町村を管轄し、現場の条件も一様ではないことを踏まえると、特定の能力に偏らない体力を想定した種目立てだと読み取れます。

試験地は佐久市中込の本部庁舎に一本化されており、受験者は市街地から山あいの村まで幅広い居住地から集まってくることになります。

POINT|種目ごとの得意・不得意を把握しておく

6種目という具体的な体力測定の内容が公表されているのは、佐久広域連合消防本部を志望するうえでの強みです。試験構成が非公表の本部を受けるより、目標を数値で設定しやすい環境にあると考えることもできます。自分の得意な種目・苦手な種目を把握し、「①今の実力→②本番までの伸びしろ→③どう鍛えているか」を面接でも語れるように準備しておきましょう。

悪い例「体力には自信があるので、消防官に向いていると思います」

改善例「体力測定の6種目のうち、懸垂と5分間走が自分の弱点だと感じています。そこで週に数回、懸垂の反復練習と長距離走を取り入れたトレーニングを続けており、本番までに苦手を克服したいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

以下は、佐久広域連合が公式に発信している情報です。受験にあたっては、佐久広域連合の公式サイトに掲載される最新の受験案内で確認してください。

  • 佐久広域連合職員採用試験(消防)実施要綱
  • 佐久広域連合の公式サイト(採用情報ページ)
  • 総務省消防庁の消防本部データ検索(吏員数・出動件数などの公表統計)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、佐久広域連合消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。佐久広域連合消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

佐久広域連合消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

佐久広域連合消防本部の面接の概要

ここからは、佐久広域連合消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

広域連合が直接採用する試験だからこそ、単独の市が実施する試験とは異なる視点も意識しておく必要があります。

第1部で押さえた組織の姿を踏まえたうえで、ここからは面接本番に向けた具体的な準備に落とし込んでいきましょう。

佐久広域連合消防本部の面接の流れ

佐久広域連合消防本部の採用試験は、佐久広域連合が直接実施し、直接採用する試験です。第一次で教養試験・適性検査・作文試験を課し、第一次合格者だけが第二次の口述試験・身体検査・体力測定に進む二段階制となっています。

項目内容(上級/中級/初級)
試験の段階二段階制。第一次=教養試験・適性検査・作文試験、第二次=口述試験・身体検査・体力測定
面接の種類「口述試験」とのみ表記され、個別面接・集団面接・集団討論の別および回数の記載はなく、公表は確認できず
面接以外の検査体力測定(50メートル走・腕立て伏せ・腹筋・立幅跳び・5分間走・懸垂)、身体検査
提出書類試験申込書(本人記入)、最終学校の学業成績証明書、受験資格に必要な免許等の写し(該当者)

注目してほしいのは、試験地が佐久市中込の本部庁舎に指定されている点です。第一次試験は本部3階の講堂で実施されており、受験者にとっても本部の所在地を実際に訪れる機会になります。

面接に相当する「口述試験」については、個別か集団かの区別が公表されていないため、どちらの形式であっても対応できるよう準備しておきましょう。

あわせて、提出書類として最終学校の学業成績証明書が求められる点も、早めに確認しておきたいところです。

学校に発行を依頼する時間が必要になりますので、申込みの直前に慌てないよう準備しておきましょう。(出典:佐久広域連合職員採用試験(消防)実施要綱)

上記の試験構成は、佐久広域連合が公表した実施要綱にもとづくものです。試験の構成・日程等は年度によって変わることがあります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。

佐久広域連合消防本部が求める人材

佐久広域連合消防本部は、採用向けの「求める人物像」を明文では公表していません(2026年9月時点・当研究会調べ)。手がかりになるのは、実施要綱に書かれている条件のほうです。

勤務予定機関は「佐久広域連合消防本部」「佐久広域連合各消防署」とされ、採用後は佐久広域圏内に居住できることが要件とされています。

つまり、佐久市のような市街地から南相木村・北相木村のような小さな村まで、規模の異なる11市町村のどの署に配置されても勤められることが、応募の時点で前提になっているということです。

志望動機が特定の1つの市町村だけで完結していると、面接で「他の地域についてはどう考えていますか」と問われたときに答えに詰まってしまいます。

体力測定の6種目が幅広い体力要素を並べていることとあわせて、11市町村全体を視野に入れた準備を心がけましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。佐久広域連合消防本部の面接も、この見取り図の上で準備しておけば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク緊張していますか。今の気持ちを聞かせてください雑談に見えても、落ち着いて受け答えできるかが自然と伝わります
② 動機・志望なぜ佐久広域連合消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と佐久という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解自分自身をひとことで表すと、どんな人物ですか?自己理解の深さ。弱点を認めたうえでどう補うかに人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで一番粘り強く取り組んだ経験を教えてください過去の行動の事実。粘り強さや工夫のプロセスが具体的に語れるか
⑤ 学業・経歴これまでの進路選択について、判断の軸を教えてくださいこれまでの選択の一貫性。軸のぶれない説明ができるか
⑥ 適性・将来体力測定の6種目のうち、どれが得意ですか?幅広い体力要素にバランスよく対応できているか
⑦ 公共性・社会性消防官に一番求められる資質は何だと思いますか?公共に奉仕する仕事への理解と、当事者としての意識の高さ

7つの枠組みは、11市町村を受け持つ佐久広域連合消防本部でも、ひとつの市だけを受け持つ本部でも、おおむね共通します。

特に⑥の適性・将来については、体力測定の6種目が具体的に公表されている佐久広域連合消防本部ならではの深掘りが想定されます。

ここから先、佐久を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問で決まります。

合否を分けるのは佐久広域連合消防本部に固有の質問

「警察官や自衛官と比較したとき、消防官という仕事のどこに一番魅力を感じましたか」
「佐久広域連合消防本部は11の市町村で構成されていますが、管内のどの地域で、どんな役割を担いたいと考えていますか」

この2問は、佐久広域連合消防本部という組織をどこまで理解しているかを試す質問です。

付け焼き刃の回答では、面接官にすぐ見抜かれてしまいます。

面接で使いやすい「佐久広域連合消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい佐久広域連合消防本部の事実答え方のヒント
広域の管轄構造小諸市・佐久市・軽井沢町など11市町村で構成され、人口規模に150倍以上の開きがある(詳細は第1部1章・2章・3章)特定の一市町村だけでなく、11市町村全体への理解を示す一言を添える。中間規模の自治体にも触れられるとなお良い
救急需要の大きさ救急出動は令和6年中13,272件で、火災95件の約140倍。全国でも救急出動は増加傾向にある(詳細は第1部2章・4章)件数の差に加えて、限られた救急隊で対応する体制の工夫まで接続すると具体性が増す
体力測定の設計体力測定は50メートル走・腕立て伏せ・腹筋・立幅跳び・5分間走・懸垂の6種目で構成される(詳細は第1部5章)自分の得意・不得意な種目を踏まえた具体的な準備状況まで話せると説得力が増す。種目名を正確に挙げられるかも準備度の表れになる
令和元年東日本台風の経験管内の佐久市で人的被害が生じている(詳細は第1部3章)被害の事実に触れつつ、備えへの関心につなげる

使い方のコツは、4つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

実施要綱が示しているのは、二段階の構成とそれぞれの種目までで、配点も評価語も書かれていません。そこで観点は、選考の設計として読み取れる部分と、一般的な公務員試験の評価の考え方をあわせて組み立てます。

設計から言えるのは、第一次で知識・適性・文章力を確かめ、第一次合格者だけが口述試験・身体検査・体力測定に進むという段階構造です。

第一次の時点で作文試験を課している点からも、体力だけでなく文章で自分の考えを伝える力も見られていると考えられます。

ここでもう一つ、知っておくと役立つ一般的な考え方があります。過去の行動事実から将来の再現性を判断する、コンピテンシー評価と呼ばれる手法です。

この手法を採ると佐久広域連合が明言しているわけではありませんので、あくまで準備の目安として使ってください。

評価の観点(一般論)面接でどう確かめられるか準備のポイント
責任感・使命感任された役割を最後まで自分の責任でやり通した経験があるかチームの中で隊列のどこに立ってどう動いたかを説明できる出来事を選ぶ
地域理解・協調性考え方の違う相手と協力し合いながら物事を進めた経験があるか佐久広域連合消防本部は11市町村という広い範囲を管轄するため、地域ごとの違いを理解しようとする姿勢を伝える
総合的な体力50メートル走から懸垂まで、幅広い体力測定に対応できる基礎体力があるか日頃の体づくりへの取組を、具体的な種目名を交えて語れるようにしておく。得意種目だけでなく苦手種目への対策も話せると評価が高まる

なお、公務員の採用面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

「口述試験」という名称のとおり、話す内容そのものだけでなく、話し方や姿勢も見られていると考えて臨むとよいでしょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

制度の細部は年度によって変わり得ますので、常に最新の情報にあたる姿勢を忘れないようにしましょう。

特に体力測定の種目は、年度によって内容が見直される可能性もゼロではありません。

  1. 最新の受験案内を読み、自分の受験区分(上級・中級・初級)の受験資格と提出書類を確認する
  2. 高校・大学生活やこれまでの経験を棚卸しする。チームで動いた具体例、体力を継続的に鍛えた経験を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。50メートル走・腕立て伏せ・腹筋・立幅跳び・5分間走・懸垂という6種目の体力測定に向けたトレーニングと生活リズムづくりも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で佐久広域連合消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、佐久広域連合消防本部の提出書類は、必ず本人が消防本部へ持参することとされています。

郵送で済ませる方法はありませんので、持参できる日を早めに見込んで手続きを進めておきましょう。

また、最終合格者は候補者名簿に登載される仕組みで、名簿の有効期間は原則1年とされています。

名簿登載イコール即採用ではない点も、あわせて理解しておきましょう。

体力測定と口述試験という2つの関門を同時に仕上げていくのは決して楽ではありませんが、種目が具体的に公表されている分、対策の的は絞りやすいはずです。

面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、佐久広域連合消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

佐久広域連合消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

佐久広域連合消防本部の想定問答集を見る

さいごに

佐久広域連合消防本部は、小諸市・佐久市から軽井沢町、そして南相木村・北相木村のような小さな村まで、11の市町村を1つの本部で守っています。

救急出動が火災の約140倍という数字が示すとおり救急対応の比重が大きく、令和元年東日本台風では管内の佐久市でも被害が生じました。

消防吏員245人のうち女性が12人と、全国平均を上回る水準で活躍している点も、この本部の特徴の一つです。

体力測定の6種目が公表されている点は、準備の的を絞るうえでの手がかりになります。

自分の経験や強みが、これらの事実のどこに重なるのか、じっくり言葉にしていってください。