本記事では、飯山市職員採用試験の面接対策で必要な、飯山市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
飯山市役所の面接試験では、「なぜ飯山市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。飯山市は区分によって、採用後に市内へ居住することが受験資格に含まれる市です。
暮らす場所を含めて選ぶ試験だという前提で、ここから並べる事実を、自分の関心と市の仕事が重なる場所を探す材料として読んでください。
第1部|自治体研究編
飯山市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは飯山市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 長野県の最北部に位置し、新潟県と接する市。隣接するのは中野市・木島平村・野沢温泉村・信濃町・栄村と、新潟県の妙高市・上越市の計7市町村。
- 人口は約1.8万人で、長野県内19市のなかで最も少ない。面積は202.43平方キロメートル、人口密度は1平方キロメートルあたり約91.1人。
- 特別豪雪地帯に指定され、1年のうち約3分の1の期間が雪に覆われる。最深積雪の平均は平地で115センチメートル、山間部では250センチメートル。
- 気象庁の観測地点「飯山」における月最深積雪の観測史上1位は257センチメートル(1984年2月9日、統計期間は1983年11月から)。
- 年平均気温は11.5℃、年間降水量は1,396ミリメートル(いずれも平成18年度から22年度の5年間平均)。
- 県は北信地域の紹介のなかで、飯山市を「寺院が多数並ぶ奥信濃の城下町」と記している。
- 北陸新幹線の飯山駅は、平成27年3月の長野・金沢間の延伸にあわせて開業した。県内の停車駅は軽井沢・佐久平・上田・長野・飯山の5駅。
- 高齢化率は39.8%、75歳以上の割合は23.4%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳)。
- 令和元年東日本台風では、市内の住家被害が半壊174棟・一部損壊365棟の計539棟にのぼり、人的被害は死者1名(災害関連死1名)・重傷1名・軽傷4名だった。
- 市の花はユキツバキ、市の木はブナ。
飯山市の基礎データ
飯山市の場合、人口と面積の数字だけでは市政の姿がつかめません。雪の量と気温を並べてはじめて、行政が毎年何に手を取られているかが見えてきます。
そこでこの表では、人口や市域とあわせて、気候の条件も同じ枠に入れて整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 18,446人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳。県内19市で最少) |
| 65歳以上人口 | 7,334人(39.8%) |
| 75歳以上人口 | 4,314人(23.4%) |
| 総面積 | 202.43km² |
| 人口密度 | 約91.1人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 7市町村(新潟県妙高市・上越市を含む) |
| 豪雪地帯の指定 | 特別豪雪地帯。1年のうち約3分の1の期間が雪に覆われる |
| 最深積雪の平均 | 平地115cm(飯山地域気象観測所)/山間部250cm(羽広山観測所) |
| 気温と降水量 | 年平均気温11.5℃・年間降水量1,396mm(平成18〜22年度の5年平均) |
| 市の花・市の木 | ユキツバキ・ブナ |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値で、割合の分母にも同じ総人口を用いています。面積・隣接自治体は当研究会が整理した自治体基礎データ、気候の数値は飯山市環境基本計画の記載によるもので、それぞれ基準日と観測期間が異なります。人口密度は、この住民基本台帳人口を総面積で割って算出しました。長野県が公表する県全体の高齢化率は、毎月の推計を土台にした別の統計です。市の割合と単純に引き算をして議論しないよう気をつけてください。
数字から考えられる市政課題
高齢化率39.8%は、市民のおよそ5人に2人が65歳以上という水準です。さらに75歳以上が23.4%を占め、65歳以上の6割近くが75歳以上という構成になっています。
参考までに長野県全体では令和7年10月1日現在で65歳以上33.3%と公表されていますが、こちらは推計にもとづく別の統計です。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)
この年齢構成と、平地で115センチメートルという最深積雪の平均を重ねてみてください。屋根の雪下ろし、玄関前の除雪、通院や買い物の足の確保。
冬に必要になる手間が、それを自力でこなしにくい世代に集中していく構図です。(出典:飯山市環境基本計画|自然的社会的条件)
飯山市の経済・産業
雪が生む観光の厚み
飯山市が属する北信地域(中野市・飯山市・山ノ内町・木島平村・野沢温泉村・栄村)は、県が「全国有数の豪雪地帯」と位置づける区域で、志賀高原・野沢温泉・斑尾高原といったウィンタースポーツの拠点が集まっています。
令和6年の北信地域の延利用者数は7,570千人(前年比10.6%増)、観光地消費額は366億900万円でした。宿泊客の比率は61.1%と、県内10地域のなかで最も高い水準です。(出典:長野県観光地利用者統計調査結果|令和6年)
市域内では、道の駅花の駅千曲川が1,283千人で県内13位、中野市とまたがる斑尾高原が521千人で43位に入っています。日帰り客が中心の地域が多い長野県のなかで、泊まってもらえる強みを持つ地域だという点は、観光を語るときに必ず押さえておきたい事実です。
新幹線駅を持つということ
北陸新幹線の飯山駅は、平成27年3月の金沢延伸で開業しました。人口1.8万人規模の市に新幹線の停車駅があるという条件は、観光の誘客にも、通勤・通学の選択肢にも影響します。
雪の季節にも首都圏と高速で結ばれる経路を持っているという点は、冬季の誘客を語るときの前提として押さえておきましょう。
県のものづくりを背景に置く
長野県全体では、製造業が事業所数6,148、従業者数20万6,238人、製造品出荷額等7兆1,391億6,000万円という規模を持ちます(2023年経済構造実態調査)。飯山市単独の産業や事業所の統計については、市が公表している最新の統計資料をあわせて確認しておきましょう。(出典:長野県 製造業の統計|2023年)
飯山市の主な行政課題
雪と人口の数字を重ねると、飯山市が抱えている課題の形が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
雪に備える体制を毎年つくり直すこと
平成18年豪雪では、飯山観測所で積雪256センチメートルを記録しました(平成18年2月)。市内では死亡3人・負傷49人という人的被害が生じ、その多くは屋根雪の落下と除雪中の事故でした。
住宅は全壊6棟・一部損壊19棟。市は前年12月26日に豪雪警戒本部、27日に豪雪災害対策本部を設置し、1月6日に自衛隊の派遣を要請、1月7日には災害救助法が適用されています。
雪は毎年来る災害であり、備えの中身が人の命に直結するという点で、他の災害とは性格が異なります。(出典:飯山市 災害記録|平成18年豪雪)
水害の記憶と流域の防災
令和元年東日本台風では、飯山市の住家被害が半壊174棟・一部損壊365棟の計539棟、人的被害は死者1名(災害関連死1名)・重傷1名・軽傷4名でした。長野県全体では死者24名(うち災害関連死19名)、住家被害は全壊920棟を含む8,345棟にのぼっています。
冬の雪と、千曲川流域の水害。季節の違う2つの災害に同じ職員体制で備えることが、この市の防災の前提です。(出典:長野県 令和元年東日本台風の人的被害・住家被害の状況)
人口規模の小ささと担い手の確保
県内19市で最も人口が少ない市であることは、そのまま職員数や税収の制約になります。長野県は「人口減少により、社会インフラ、医療、教育、行政サービス等の維持が困難に」なることを公式の課題として掲げ、18歳から22歳の転出超過数は16,950人で全国2番目の多さです。
飯山市の採用が複数の区分でいずれも若干名にとどまるのも、この規模の反映です。(出典:長野県の人口減少の現状と課題)
宿泊型の観光をどう続けるか
北信地域は宿泊客比率61.1%という県内随一の構造を持ちますが、それは冬の需要に支えられた数字でもあります。
雪が資源であると同時に負担でもあるという二面性を、行政の側からどう扱うか。観光振興と除雪体制と高齢者支援が同じ「雪」を軸に絡み合うのが、飯山市の行政課題の特徴です。
飯山市の重点政策|雪とともに暮らすための備え
飯山市の施策を理解するうえで外せないのが、雪に関する制度の枠組みです。長野県では県下市町村のおおむね4分の1にあたる20市町村が豪雪地帯に指定され、そのうち10市町村が特別豪雪地帯に指定されています。
飯山市はこの特別豪雪地帯のひとつで、雪対策は市の裁量だけでなく、国と県の制度の上に組み立てられています。
県の総合雪対策計画という土台
長野県総合雪対策計画は、令和5年度を初年度、令和9年度を目標年度とする5年間の計画です。除排雪の体制、雪に強い暮らしづくり、雪を活かす産業といった論点を県全体で扱い、市町村の取組はこの枠組みと連動します。
飯山市のように毎年の雪が生活の前提になっている市では、この計画の考え方を知っているかどうかで、防災や地域づくりの話の深さが変わります。(参考:長野県総合雪対策計画|令和5〜9年度)
記録が示す備えの水準
気象庁の観測記録では、飯山の月最深積雪の1位は257センチメートル(1984年2月9日)で、統計期間は1983年11月からです。平成18年豪雪の256センチメートルは、この記録に並ぶ規模でした。
市の除雪体制も、高齢者の見守りも、この水準の冬が来る前提で設計する必要があるということです。(出典:気象庁 観測史上1〜10位の値(飯山))
飯山市が現在どの計画を最上位に置いているかは、改定のたびに変わります。市公式サイトの計画に関するページで、名称と計画期間、重点に置かれている分野を確かめてから面接に臨みましょう。
POINT|「雪が大変です」で止めない
雪を志望動機に使うなら、感想ではなく仕組みの話まで進めてください。「①誰が困っているか → ②いま市や県はどんな制度で支えているか → ③足りていないと自分が感じる点 → ④自分が関わりたい部分」の順に整理すると、話が具体的になります。
悪い例「雪の多い地域なので、除雪の仕事が大変だと思います」
改善例「平地でも1メートルを超える雪が積もる市で、市民の4割近くが65歳以上だと知りました。屋根の雪下ろしを自分でできない世帯をどう支えるかという部分に関わりたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
飯山市を語るうえで欠かせないのは、雪に関する記録と、実施要項に書かれた試験の条件です。この2つは必ず原典にあたっておきましょう。
- 飯山市職員採用資格試験の実施要項(試験区分ごとの科目・住所要件・申込方法)
- 飯山市の総合計画と、関心分野の個別計画
- 飯山市環境基本計画(気候と自然条件の基礎データ)
- 飯山市の災害記録(平成18年豪雪などの対応の経過)
- 長野県総合雪対策計画(県全体の雪対策の枠組み)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、飯山市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。飯山市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
飯山市役所の面接の概要
ここからは、飯山市役所の試験の組み方、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。
飯山市役所の面接の流れ
飯山市職員採用資格試験は、一次試験(筆記等)と二次試験(口述試験等)の2段階で構成されます。個別面接が2回ある自治体と違い、面接の機会は原則として二次試験の一度だけです。
しかも二次試験の口述試験は「職員として必要な人物等についての面接による試験」と定義されており、人物評価をこの一回にまとめて行う設計になっています。
| 項目 | 内容(令和8年度・令和9年4月1日採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 一次試験(筆記等)と二次試験(口述試験等)の2段階 |
| 試験区分 | 上級行政、上級土木、社会人経験者(行政)、社会人経験者(土木)、上級保健師、中級保育士、初級土木。いずれも採用予定人員は若干名 |
| 上級行政の一次試験 | 教養試験(120分)、職場適応性検査(20分)、専門試験(憲法・行政法・民法・経済学・財政学・社会政策・政治学・行政学・国際関係/120分)、性格特性検査(20分)、作文試験(70分) |
| 社会人経験者の一次試験 | 基礎能力試験(90分。文章理解力・問題解決力・データ分析力・関係把握力・態度能力とストレス耐性)と、事前に与えられた課題についての小論文(1,000字以上)を一次試験受付時に提出 |
| 二次試験 | 上級行政ほかは口述試験(面接による試験)と資格調査。社会人経験者は、事前に用意したA4用紙の表裏の自己PRをもとに5分間程度で行うプレゼンテーション試験と質疑応答、口述試験、資格調査 |
| 集団形式 | 実施要項に集団面接・集団討論の定めはありません |
| 住所要件 | 上級行政・社会人経験者(行政)・中級保育士は「採用後は、飯山市内に居住(住民登録)すること」。上級土木・社会人経験者(土木)・上級保健師・初級土木には住所要件がありません |
| 申込方法 | 所定の受験申込書に記入し、返信用封筒とともに総務部総務課庶務係へ郵送または持参。受験票は返信用封筒で郵送されます(電子申請ではありません) |
| 併願 | 受験資格等が該当すれば、複数の試験区分への併願が可能と明記されています |
| 配点 | 各試験種目の配点・満点および人物試験の比重は、実施要項に記載がありません |
とくに注意したいのが住所要件です。上級行政で受ける人は、採用後に飯山市内へ住民登録することが受験資格に含まれます。
この条件を知ったうえで志望しているかは、面接で確かめられてもおかしくない点です。あわせて、合格基準を満たした人を補欠合格とする制度があり、その有効期限は採用予定年度の前年度末までとされています。
上記の試験構成は、飯山市の令和8年度(令和9年4月1日採用)の職員採用資格試験実施要項にもとづくものです。試験区分・科目・住所要件・日程は年度によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の実施要項をご確認ください。(出典:飯山市職員採用資格試験実施要項|令和8年度)
飯山市役所が求める人物像
飯山市の実施要項と採用試験のページには、他の自治体でみられるような「求める人物像」の定型文は置かれていません。手がかりになるのは、実施要項そのものに現れている市の姿勢です。
二次試験の口述試験を「職員として必要な人物等についての面接による試験」と定義していること。社会人経験者にはA4用紙の表裏に自己PRを書かせ、5分間のプレゼンテーションを課していること。そして、行政職の一部に採用後の市内居住を求めていること。
ここから読み取れるのは、人物と生活の両面を見る選考だということです。人口1.8万人規模の市では、一人の職員が扱う仕事の種類が多くなり、はじめての分野に配属されることも珍しくありません。
実施要項に7つもの試験区分が並びながら、いずれも採用予定人員が若干名にとどまるという事実が、その規模を物語っています。調べながら仕事を形にしていく姿勢と、市民と近い距離で働く覚悟が、この市では同じくらいの重さで見られると当研究会は考えています。
面接の準備という観点では、住所要件のある区分を受ける人ほど、志望動機に「ここで暮らす」という要素を含めておくのが自然です。
冬の生活を含めて飯山市を選んだ理由が語れれば、それ自体が志望度の証明になります。逆に、そこを曖昧にしたまま仕事の話だけを重ねると、面接官の関心はそちらへ向いていきます。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。飯山市の口述試験も、この見取り図の上で準備すれば、大きな抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 会場までの道のりはいかがでしたか? | 面接の機会が二次試験の一度だけの試験です。序盤で固まらずに話せるかどうかが、そのまま全体の印象になります |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | 会社勤めでも通る理由で終わっていないか。県内で最も人口が少ない市を選んだ理由まで届いているか |
| ③ 自己理解 | あなたの長所と短所を教えてください | 性格特性検査を課す市です。検査で出た傾向と自己申告が大きく食い違わないか |
| ④ 経験・行動 | これまでに一番苦労したことは何ですか? | 経験の派手さではなく、その場面で自分が引き受けた役割の中身。社会人経験者枠は5分間のプレゼンでも同じ点を見られます |
| ⑤ 学業・経歴 | 専門で学んだことを、市の仕事にどう生かせますか? | 上級行政は憲法から国際関係までの専門試験を課されます。知識を市民向けの言葉に置き換えられるか |
| ⑥ 適性・将来 | 飯山市でやってみたい仕事はありますか? | 7区分すべてが若干名という市です。希望と違う配属を受け止める構えも含めて |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近、気になった報道はありますか? | 社会の動きへの関心と、それを雪国の暮らしの話へ引き寄せられるか |
7つの並びは、公務員試験の面接に広く通じる骨組みです。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「飯山市ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「飯山市役所ならでは」の質問
飯山市では、ここに「冬の暮らしをどう考えているか」という問いが重なる可能性があります。区分によっては市内居住が受験資格に含まれるからです。
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「飯山市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい飯山市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 人口約1.8万人は県内19市で最少。試験区分は7つあるが、いずれも採用予定人員は若干名 | 規模の小ささを、仕事の幅として言い換えます。制度をつくる側と届ける側の両方に関われる距離感を、自分の言葉で説明しましょう |
| 雪への向き合い方 | 特別豪雪地帯で1年の約3分の1が雪。平成18年豪雪では市内で死亡3人・負傷49人、住宅全壊6棟。市は災害対策本部の設置と自衛隊派遣要請を経て災害救助法の適用に至った | 被害の数字だけでなく、市がどう動いたかまで押さえます。屋根雪の落下や除雪中の事故という具体まで触れられると、調べ方の深さが伝わります |
| 高齢化と暮らしの支え | 高齢化率39.8%、75歳以上23.4%。雪の負担が最も重い層と、支援が必要な層が重なっている | 数字を挙げたうえで、行政職として関われる部分(見守り、除雪支援の仕組み、地域との連絡)まで具体化します |
| 水害への備え | 令和元年東日本台風で住家被害539棟、死者1名(災害関連死1名)。長野県全体では死者24名・住家被害8,345棟 | 雪の話だけで終わらせないための材料です。季節の違う2つの災害に同じ体制で備える難しさに触れます |
| 観光と地域資源 | 北信地域の宿泊客比率61.1%は県内10地域で最高。道の駅花の駅千曲川は県内13位の1,283千人。北陸新幹線飯山駅は平成27年3月開業 | 名所を並べるのではなく、泊まってもらえる強みをどう他の産業へ広げるかという視点で話すと、市職員としての立ち位置になります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、実施要項が定める「職員として必要な人物等」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| はじめての仕事に向かう姿勢 | 知らない分野を任されたとき、どう調べて形にしたか | 7区分すべてが若干名という規模です。担当替えや未経験の役割を引き受けた経験を、手順がわかる形で用意します |
| この地域で働き続ける意思 | 冬の暮らしを含めて、飯山市を選んだ理由を語れるか | 上級行政は採用後の市内居住が受験資格です。生活の話を避けず、自分がどう暮らすつもりかまで言えるようにしておきます |
| 限られた人数での段取り | 期限のある仕事を、少人数でどう回したか | 二次試験の口述試験は一度きりです。段取りの話は結論から述べ、聞かれてから細部を足す順序で組み立てておきます |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
面接が一度きりの試験では、この掘り下げがその場で連続して来ます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、あらかじめ用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新の実施要項を入手し、自分の区分の科目・住所要件・申込方法を確認する(申込は郵送または持参で、締切の考え方が電子申請と異なります)
- 高校・大学生活や職務の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイト・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 冬の暮らしを含めて飯山市を選んだ理由を、自分の言葉で書き出す。住所要件のある区分を受けるなら、ここは飛ばさない
- この記事の第1部から、志望分野に近い飯山市の事実を2〜3個選び、選んだ理由と矛盾しない形で並べ直す
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、飯山市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
飯山市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
飯山市の試験は、筆記と口述の2段階で、人物を見る機会は基本的に一度きりです。しかも上級行政をはじめとする区分では、採用後に市内へ住むことが受験資格に含まれます。
県内で最も人口が少なく、1年の3分の1を雪の中で過ごす市で、自分は働き、暮らしていけるのか。その問いに正面から答えを出したうえで、口述試験に持っていく経験を選んでいってください。