本記事では、諏訪市職員採用試験の面接対策で必要な、諏訪市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
諏訪市役所の面接試験では、「なぜ諏訪市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。諏訪市の採用手続では、書類を出した段階で係員による予備面接が行われます。
試験当日を待たずに、志望動機を口にする場面が先に来るということです。
その最初の一言から逆算して準備を組むために、まずは市の姿を数字で押さえておきましょう。以下の各章は、そのための材料です。
第1部|自治体研究編
諏訪市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは諏訪市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 標高759メートルの諏訪湖に面し、湖を囲む諏訪地域6市町村の一角を占めます。諏訪地域は岡谷市・諏訪市・茅野市・下諏訪町・富士見町・原村で構成されています。
- 市域は109.17km²、人口は47,067人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は431人/km²です。
- 接している自治体は岡谷市・茅野市・伊那市・辰野町・箕輪町・下諏訪町・長和町の7市町村。いずれも長野県内で、県境には接していません。
- 65歳以上の割合は31.5%、75歳以上は19.8%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。65歳以上は長野県全体の32.7%を下回る一方、75歳以上は県の19.7%をわずかに上回ります。
- 市の花はあやめ(はなしょうぶ)とニッコウキスゲ、市の木はきはだとかりん(マルメロ)です。
- 上諏訪温泉・諏訪湖は、令和6年の県内主要観光地の延利用者数で3位。県全体の観光を代表する場所の一つです。
- 製造業は事業所数171・従業者数5,085人(令和2年6月1日現在)。長野県は諏訪地域を「東洋のスイス」と紹介しています。
- 令和8年度の職員採用試験は、春日程・夏日程・障がいのある方対象など複数の日程に分けて実施されます。事務職の募集は春日程です。
- 夏日程は第一次試験と第二次試験の2段階。書類の提出時または第一次試験当日に、係員による予備面接が行われます。
諏訪市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「諏訪市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
諏訪市は、4万人台の人口を109.17km²に収めた市です。人口密度431人/km²は、市域が266.59km²ある隣の茅野市(202人/km²)と比べると2倍を超えます。同じ諏訪地域でも、行政が相手にする土地の条件は市ごとに違うということです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 47,067人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 109.17km² |
| 人口密度 | 431人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 65歳以上の割合 | 31.5%(長野県全体は32.7%) |
| 75歳以上の割合 | 19.8%(長野県全体は19.7%) |
| 隣接自治体 | 岡谷市・茅野市・伊那市・辰野町・箕輪町・下諏訪町・長和町 |
| 市役所所在地 | 諏訪市高島一丁目22番30号 |
| 市の花・市の木 | あやめ(はなしょうぶ)とニッコウキスゲ・きはだとかりん(マルメロ) |
65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計上の諏訪市の人口は47,067人(うち65歳以上14,819人・75歳以上9,338人)、長野県全体は1,995,882人で、割合の分母にもこの数値を用いています。なお、長野県が公表する県人口1,970,876人(令和7年11月1日現在)は国勢調査を基準とした集計で、調査の方法と基準日が住民基本台帳とは異なるため、両者を同じ表の上で引き算するような使い方はできません。
数字が示す諏訪市の位置
高齢化の指標を2つ並べると、諏訪市の特徴がはっきりします。65歳以上の割合31.5%は長野県全体の32.7%より1.2ポイント低いのに、75歳以上の割合19.8%は県の19.7%をわずかに上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
つまり高齢者の総数では県より若く見えても、後期高齢期に入った方の割合では県と並んでいるということです。
介護・医療・見守りの需要は、65歳以上の人数よりも75歳以上の人数のほうが強く効きます。実数でいえば9,338人です。
もう一つ、密度の高さは行政にとって有利にも不利にも働きます。431人/km²であれば、訪問にかかる時間は短く済みます。
一方で、市街地の中に住宅も温泉宿も工場も並ぶということでもあり、ひとつの用地の使い道をめぐる調整は簡単ではありません。この2つの割合を並べたまま話すと、面接では次のような言い方になります。
諏訪市の経済・産業
製糸から精密機械へ
長野県は諏訪地域について、明治期に岡谷を中心として製糸業が発達し、戦後は精密機械工業が発展したと説明しています。
豊富な水と澄んだ空気が精密機械に適していたことから「東洋のスイス」として名を馳せ、現在は電気機械・一般機械などの先端技術による産業が集積している、というのが県の記述です(出典:諏訪地域の情報)。
水と空気という自然条件が、そのまま産業の理由になっている地域です。観光地としての諏訪と、工場のある諏訪は別々の話ではありません。
市内の製造業の規模
諏訪市自身の統計もあります。従業者4人以上の事業所でみた市内の製造業は、事業所数171・従業者数5,085人(令和2年6月1日現在)、製造品出荷額等953億6,164万円・粗付加価値額454億6,093万円(令和元年)です(出典:2020年工業統計調査結果概要(諏訪市分)|令和2年)。
人口47,067人の市で5,000人を超える人が製造の現場で働いている計算になります。市役所の窓口に来る人の中には、この5,085人とその家族が当然含まれます。
産業振興の部署でなくても、雇用の姿を知っているかどうかは受け答えに出ます。
県内3位の観光地を抱えるということ
令和6年の県内主要観光地の延利用者数は、上諏訪温泉・諏訪湖が3,797千人で3位、霧ヶ峰高原が2,263千人で6位、諏訪大社が1,010千人で18位でした。諏訪地域全体では13,796千人と県全体の16.2%を占め、観光地消費額は410億700万円です(出典:長野県観光地利用者統計調査結果|令和6年)。
県全体では同じ年の延利用者数8,515万人のうち日帰り客が5,781万人で、宿泊客2,734万人を上回ります。温泉地を抱える市としては、日帰りで通り過ぎる流れをどう泊まりに変えるかが実務の問いになります。
観光を志望分野に挙げるなら、名所の紹介ではなくこの角度から入るほうが噛み合います。
諏訪市の主な行政課題
湖と工場と高齢化。ここまで見てきた要素を並べ直すと、諏訪市が抱える論点の形がはっきりします。面接で市の課題を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
後期高齢期の人口が県並みであること
前章で見たとおり、75歳以上の割合は県とほぼ並びます。長野県は、人口減少によって社会インフラ・医療・教育・行政サービス等の維持が困難になると公式に述べています(出典:長野県の人口減少の現状と課題)。
密度の高い市では、支える人と支えられる人が同じ町内にいます。地域で支え合う仕組みを組み立てやすい条件でもあり、そこに市がどう関わるかという問いでもあります。
進学・就職期の転出
長野県では18歳から22歳の年齢層で男女ともに転出超過が続いており、同年齢層の転出超過数は16,950人で、静岡県に次いで全国2番目の多さです。とくに20代前半の女性の転出超過が課題とされています。
製造業に5,000人規模の雇用がある市であっても、若い世代がいったん出ていく流れは変わりません。戻ってくる選択肢をどう用意するかは、雇用だけでなく住まい・子育て・地域の受け入れ方まで含んだ話になります。
震度7の想定に名前が挙がる市であること
長野県内には6つの主要活断層帯があります。糸魚川-静岡構造線断層帯の全体が動く地震(マグニチュード8.5)では、長野市・松本市・上田市・茅野市・千曲市・安曇野市・大町市などとともに、諏訪市も最大震度7が想定される市町村として名前が挙がっています(出典:第3次長野県地震被害想定調査報告書(概要版)|平成27年)。
県は活断層による地震に加え、想定東海地震と南海トラフ巨大地震も被害想定の対象としています。住宅と宿泊施設と工場が近い距離で並ぶ市では、発災時に市内にいる人の数が住民の数とは一致しません。
観光客と通勤者を含めた備えが必要になります。
湖という共有資産を近隣と一緒に扱うこと
諏訪湖は諏訪市だけのものではありません。標高759メートルのこの湖を中心に、6市町村が向かい合う形で地域が広がっています。
水質も、周囲の道も、観光の動線も、市の境界で切れません。諏訪市の施策には、単独では決めきれない領域が構造的に含まれているということです。
関係者の多い調整をどう前へ進めるかは、この市の仕事の中身そのものになります。
重点政策|諏訪市を取り巻く計画の枠組み
施策の並びは、計画の改定ごとに動きます。諏訪市の現行計画そのものは市公式サイトで確かめていただくとして、ここでは計画が入れ替わっても残る外枠を2つ見ておきます。
湖を共有する6市町村という枠
諏訪地域は諏訪湖を中心に展開してきました。県も地域の紹介をこの湖から始めています。
観光の主要地点である上諏訪温泉・諏訪湖が県内3位の集客を持つ一方で、その湖は隣接する市町村と共有する資産です。諏訪市の政策は、市域の内側だけを見て設計できる部分と、近隣と足並みをそろえなければ動かない部分に分かれます。
ここは当研究会の整理ですが、面接で環境や観光を志望分野に挙げるなら、この二層構造まで理解を示せると話の精度が変わります。
県の5か年計画という外枠
長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」は、計画期間を2023年度から2027年度までとし、人口減少・少子化・気候変動といった危機を大変革により乗り越えて「ゆたかな社会」を実現することを基本目標に掲げています(参考:しあわせ信州創造プラン3.0|令和5年度から令和9年度)。
県の人口は2001年の2,220,208人をピークに減り続け、2024年2月に200万人を下回りました。県全体が縮んでいくという前提の中で、諏訪市が湖の周りの暮らしをどう保とうとしているのか。市の事業は、その問いへの答えとして読むと筋が通ります。
POINT|計画の項目名を覚える前にやること
計画の章立てを暗記しても、面接では使えません。先に諏訪市の数字を一つ選び、その数字の裏で困っている人を思い浮かべ、市がそこに何をしているかを調べ、最後に自分の経験をあてはめる。この4つ目まで来たものだけが、自分の言葉として口から出ます。
悪い例「諏訪湖のある美しいまちで、観光振興に力を入れたいです」
改善例「県の統計で、県内は日帰りのお客さんのほうが多いと知りました。諏訪市には温泉があるので、泊まってもらう理由をどう増やすかという仕事に関わってみたいです。まずは配属された部署の仕事を覚えるところからだと思っています」
あわせて確認したい公式資料
次の4つは役割が違います。1つ目は受験のために、2つ目以降は答えの中身のために開くものだと考えてください。
- 諏訪市の職員採用のページと、自分が受ける日程の募集要項
- 諏訪市の総合計画と、その年度の予算に関する市の説明資料
- 諏訪市の工業統計の結果概要(市内の産業の規模をつかむため)
- 長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」(県全体の方向を押さえるため)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、諏訪市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。諏訪市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
諏訪市役所の面接の概要
諏訪市の採用手続は、試験当日より前に受験者と顔を合わせる仕組みを持っています。ここからは、その仕組みと、公表されている範囲の試験構成を確認していきます。
諏訪市役所の試験の構成
諏訪市は令和8年度の職員採用試験を、春日程・夏日程・障がいのある方対象など複数の日程に分けて実施しています。当研究会が内容を確認できたのは、令和9年4月1日採用の夏日程の募集要項です。
事務職の募集は春日程で行われ、要項は市の採用ページから別のファイルで公開されます。以下の表は夏日程のものですので、事務職を志望する方は、必ず春日程の要項をご自身で取り寄せてください。
| 項目 | 内容(令和8年度・夏日程・令和9年4月1日採用) |
|---|---|
| 募集職種 | 上級=社会福祉士・管理栄養士・保育士(専門試験免除者を含む)、中級=保育士(同)。いずれも採用予定者数は若干名 |
| 試験の段階 | 第一次試験・第二次試験の2段階 |
| 第一次試験 | 専門試験(択一式・1時間30分)と、全職種共通の事務適性検査(10分) |
| 事務適性検査の内容 | 事務職員としての適応性を、正確さ・迅速さ等の作業能力の面からみる検査 |
| 第二次試験 | 試験種目は「面接試験」のみ。内容は「職務執行に関する一般知識及び人柄・性向等について面接による試験」 |
| 提出書類 | 履歴書・身上書(市所定の様式。受験区分に○印を付し、6か月以内に撮影した写真を貼付)、最終学校の成績証明書、卒業証明書又は卒業見込証明書(いずれも令和7年4月1日以降発行・コピー不可)、該当者のみ資格証明書の写し |
| 提出方法と予備面接 | 受験者本人が持参・郵送・インターネット(ながの電子申請サービス)の3通り。いずれの場合も係員による予備面接が行われる(持参時はその場で、郵送とインターネットの場合は第一次試験当日) |
| 併願 | 今年度に諏訪市が実施する他の採用試験との併願はできない |
| 住所要件 | 全職種で住所要件はないが、要項に「採用後は可能な限り諏訪市内に住所を有すること。」と付記 |
| 初任給 | 上級(大学卒業程度)232,000円、中級(短大卒業程度)216,500円、初級(高校卒業程度)200,300円(令和8年4月1日現在) |
| 採用候補者名簿 | 最終合格者は名簿に登載され、採用は令和9年4月1日以降。合格者としての扱いの有効期間は令和10年3月31日まで |
令和7年度の実績も要項に載っています。上級事務職は願書提出34人・第一次試験合格22人・最終合格5人。中級事務職は8人・6人・0人でした。
専門職では上級保育士が4人・3人・3人、中級保育士が12人・12人・5人、上級社会福祉職が3人・2人・1人、保健師が6人・5人・1人、管理栄養士が8人・7人・1人、上級技術職の土木が2人・1人・0人、建築が1人・1人・1人です。
第一次試験を通っても最終合格に至らない区分があるという点は、素直に読み取っておく価値があります。
上記は諏訪市の令和8年度職員採用試験(夏日程・令和9年4月1日採用)の募集要項にもとづく内容です。第二次試験は要項に「面接試験」とだけ記載されており、個別面接か集団面接か、集団討論を課すかどうかは要項からは判別できません。各試験種目の配点および人物試験の比重も記載がなく、公表されていません。また、この構成は夏日程の専門職を対象とするものですので、事務職を含む春日程の内容をここから推し量ることはできません。受験の際は必ずご自身が受ける日程・区分の最新の要項をご確認ください。
諏訪市役所が求める人物像
諏訪市の職員採用のページと令和8年度夏日程の募集要項の本文には、「求める人物像」「求める職員像」という見出しで定型化された一覧は置かれていません。その代わりに、諏訪市は評価の手がかりを要項の中に文章として書き込んでいます。
第二次試験の内容は「職務執行に関する一般知識及び人柄・性向等について面接による試験」であり、予備面接は「提出いただいた履歴書・身上書等をもとに、記載事項や志望動機などをお伺いします。」と説明されています(出典:諏訪市職員採用試験募集要項(夏日程)|令和8年度)。
人柄・性向という言葉と、履歴書・身上書を起点に志望動機を聞くという手順。この2つが、諏訪市が受験者のどこを見ようとしているかを示しています。
以降は要項の文言を離れます。若干名という採用の規模から当研究会が見ているところを、順に述べます。
この規模の市役所では、一人の職員が担当する制度の幅が最初から広くなります。窓口で受けた相談が、その日のうちに自分の起案の材料になることもあります。
そうなると、知らない仕事を前にして手が止まらないかどうかが、実務ではかなり重い意味を持ちます。
加えて諏訪市は、市所定の様式に自分で書いた履歴書・身上書を提出し、それをもとに予備面接を受ける手続を採っています。
書いたものと、話したことと、実際にやってきたことが一本につながっているかが、早い段階から確かめられる設計だと言えます。
したがって準備の順序も決まってきます。面接の練習より先に、身上書に何を書くかを決めるところからです。書いた一行が、そのあとの受け答えの範囲を決めてしまうからです。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。諏訪市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどのように来られましたか | 予備面接から数えて2度目以降の対面になる。前回と口調が変わらないか |
| ② 動機・志望 | 公務員を志望した理由を教えてください | 身上書に書いた志望動機と、口で述べる理由がずれていないか |
| ③ 自己理解 | ご自身の短所はどこだと思いますか | 要項が挙げる「人柄・性向」に直接あたる部分。取り繕わずに述べられるか |
| ④ 経験・行動 | 最も骨が折れた経験を教えてください | 履歴書に書いた経歴の裏に、実際の場面があるかどうか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れたことは何ですか | 成績証明書に並ぶ科目名を、仕事の言葉に置き換えられるか |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う部署に配属されたらどうしますか | 若干名の採用で幅広い業務を担う市役所への理解 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になった出来事を挙げてください | 要項の言う「職務執行に関する一般知識」に近い部分の広さ |
表の代表質問は、どれも諏訪市の面接で想定できるものです。ただ、同じ想定は他の受験者も立てています。
受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「諏訪市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「諏訪市ならでは」の質問
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「諏訪市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい諏訪市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 採用予定者数は若干名。47,067人が暮らす109.17km²の市を、その規模の採用で担っている | 県は諏訪地域6市町村を束ねて見る立場、市は湖の岸に暮らす一人ひとりの事情まで見る立場です。どちらが上という話にせず、自分が働きたいのはこちら側だと選んだ理由まで述べてください |
| 高齢化の内訳 | 65歳以上31.5%は県の32.7%より低いが、75歳以上19.8%は県の19.7%をわずかに上回る(令和8年1月1日現在の住民基本台帳) | 高齢化率をひとつだけ挙げるのではなく、2つの割合の差として述べてください。9,338人という実数まで出せば、統計の紹介ではなく現場の話になります |
| 市内の産業の規模 | 従業者4人以上の製造業は事業所数171・従業者数5,085人(令和2年6月1日現在)、製造品出荷額等953億6,164万円(令和元年) | 温泉と湖から入ったなら、必ずこの5,000人規模の雇用まで話を戻してください。片方だけでは市の姿が半分になります |
| 地震への備え | 糸魚川-静岡構造線断層帯の全体が動く地震(マグニチュード8.5)で、諏訪市は最大震度7が想定される市町村に挙げられている | 観光客と通勤者を含めると、発災時に市内にいる人数は住民の数を超えます。そこまで踏み込むと、防災の理解が具体になります |
| 諏訪市の魅力と課題 | 上諏訪温泉・諏訪湖は令和6年の県内主要観光地で延利用者数3位。他方で、進学・就職期の18歳から22歳は県全体で16,950人の転出超過(全国で2番目の規模) | 魅力を観光で語ったら、課題は若い世代の転出まで戻してください。観光地に住み続ける人の話として一本につながります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接では、要項が挙げる「人柄・性向」が言葉の上の話で終わっていないか、実際の行動で裏づけられるかどうかが問われます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 書いたことと話すことの一致 | 履歴書・身上書の記載を起点に、予備面接と第二次試験で同じ話題を問われる | 市所定の様式に書き込む前に、そこから何を聞かれるかを想像してください。書いた一行が、あとで自分の説明を縛ります |
| 正確さと迅速さ | 第一次試験の事務適性検査が、作業能力の面から適応性をみる | 検査で測られる資質は、面接での話しぶりにも現れます。長く話すより、聞かれたことに過不足なく返す練習をしておきましょう |
| 幅の広い業務への構え | 採用予定者数が若干名の市で、配属や異動の希望をどう述べるか | 希望を述べること自体は問題ありません。希望が通らなかった場合に何を身につけるつもりかまで、一続きで話せる形にしておきましょう |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
諏訪市の場合、予備面接ですでに志望動機を口にしていますから、本番ではその先を聞かれる前提になります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、書類を書く前から準備しておいてください。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 諏訪市の採用ページで、自分が受ける日程(春日程・夏日程・障がいのある方対象など)と区分を確定させる
- 成績証明書と卒業証明書は令和7年4月1日以降に発行されたものが必要で、コピーは認められません。発行の手配を最初に済ませる
- 市所定の履歴書・身上書に書く内容を下書きし、6か月以内に撮影した写真を用意する
- 学業・課外活動・アルバイトのそれぞれから、人に説明できる出来事を1件ずつ選び出す
- 第1部で挙げた数字のうち2つを選び、資料を見ずに口頭で説明できる状態にする
- 提出時または第一次試験当日の予備面接を想定し、書類の記載事項をそのまま口で説明する練習をする
優先順位に注意
ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ4の経験の棚卸しと、その経験を諏訪市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、諏訪市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
諏訪市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
諏訪市の採用手続で最初にやってくるのは、試験会場ではなく予備面接です。市所定の履歴書・身上書を書き、それを持参するか送るかした時点で、記載事項と志望動機を尋ねられます。
つまり、書類に何を書くかを決めた瞬間から、面接は始まっているということになります。
令和7年度の上級事務職は、願書を出した34人のうち5人が最終合格しました。数字だけを見れば厳しい試験ですが、この市が用意している場面は多くありません。
書いたものと、話す言葉と、これまでにやってきたこと。この3つがずれていなければ、少ない場面でも伝わるものは残ります。
まずは身上書の1行目を、自分で納得できる言葉にするところから始めてください。