須坂市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の特性と災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

小規模な消防本部を受験する場合でも、須坂市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ須坂市消防本部なのか」「消防官として何に取り組みたいのか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。

須坂市消防本部は須坂市だけでなく小布施町・高山村も管轄しており、この管轄の広さと1署2分署という本部の規模を知っておくと、どの消防本部にも当てはまる一般論を避けた、説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と須坂市消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

なお、須坂市消防本部の消防職は須坂市の職員採用試験の一区分として募集されます。情報を追う起点が市の採用情報ページになる点も、あらかじめ知っておいてください。

第1部|組織研究編

須坂市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは須坂市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 須坂市消防本部は須坂市の単独設置でありながら、小布施町・高山村もあわせた「1市1町1村」を管轄している。公式サイトでも管轄区域を1市1町1村と説明している。
  • 組織は須坂市消防署(本署)・小布施分署・高山分署から成る1署2分署体制である。(出典:須坂市消防本部・消防署の紹介|須坂市)
  • 須坂市が単独で抱える消防の人員は、階級のある専門職としての消防吏員で、97人(うち女性3人)を数える。
  • 救急出動は令和6年中3,677件に上り、火災16件の約230倍という規模で、日々の活動の大半を救急が占める。
  • 須坂市の職員採用試験には「消防(救急救命士含む)」という区分があり、2024年度は受験者17人に対し採用者7人という実績がある。
  • 須坂市・小布施町・高山村の3市町村をあわせた人口は66,060人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)である。

須坂市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「須坂市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

1市1町1村という管轄の組み立てから、署所と車両、人員、出動件数まで、須坂市消防本部の規模を示す数字を順に見ていきます。

項目内容
設置形態須坂市の単独設置。小布施町・高山村とあわせた1市1町1村を管轄
管内人口66,060人(須坂市48,837人・小布施町10,849人・高山村6,374人の合算)※住基令和8年1月1日現在
署所須坂市消防署(本署)・小布施分署・高山分署(1署2分署)
管轄面積267km²(公式ページ記載・基準日の明記なし)
車両消防車両22台・救急車両4台(公式ページ記載・基準日の明記なし)
消防吏員数97人(うち女性3人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数16件(令和6年中)
救急出動件数3,677件(令和6年中)
救助出動件数43件(令和6年中)

署所構成・管轄面積・車両数は須坂市消防本部の公式ページ、管内人口は住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する本部別データによります。公式ページの管轄面積・車両数は基準日が明記されていないため、面接で引用する場合は数字を断定せず「公式ページによれば」と添えるのが無難です。管内人口と消防吏員数・出動件数は時点が異なります。

数字から考えられる須坂市消防の課題

表の中で目立つのは、救急と火災の件数差です。

火災の発生が年間16件であるのに対し、救急出動は3,677件で、救急が活動量の大部分を占めるという実態がうかがえます。

1署2分署という小規模な体制でこの件数を支えている点も、あわせて押さえておきたい事実です。

また、須坂市48,837人・小布施町10,849人・高山村6,374人という人口規模を見ると、須坂市が管内の7割強を占める一方で、小布施町・高山村もそれぞれ独自の地域性を持つ町村です。本署のある須坂市だけでなく、2つの分署が置かれた町村への理解も、志望動機を考えるうえで欠かせません。

もう一つ、高齢化の度合いにも管内で差があります。

須坂市32.9%・小布施町34.5%・高山村38.1%(いずれも令和8年1月1日現在)で、山あいの高山村がもっとも高い水準です。

全国の救急搬送では高齢者が428万4,953人・全体の63.3%を占めており(令和6年中)、高齢化の進み方の違いは、そのまま署所ごとの救急需要のかたちの違いにつながります。

267平方キロメートルという管轄面積を、97人の消防吏員と1署2分署でカバーしているという規模感とあわせて押さえておきましょう。(参考:令和7年版 救急・救助の現況)

「須坂市消防本部は、須坂市だけでなく小布施町や高山村も管轄していると知りました。高齢化の進み方も地域によって違うと聞いていますので、配属された場所の事情をきちんとつかんでから動ける消防士になりたいと思っています」

管轄地域の特性と災害リスク

須坂市・小布施町・高山村の地域性

須坂市消防本部が受け持つのは、須坂市・小布施町・高山村という3つの自治体です。

このうち高山村は、山ノ内町(長野県)・中之条町・草津町・嬬恋村(いずれも群馬県)とともに「志賀高原ユネスコエコパーク」(1980年に日本で最初に承認されたユネスコエコパーク)を構成する2県5町村の一つで、標高2,000メートル級の山々と豊富な温泉資源に恵まれた上信越高原国立公園の一角にあたります。

市街地を抱える須坂市と、志賀高原の一角を占める山あいの高山村が、同じ本部の管轄に含まれている点は、ここでの地域理解の出発点になります。

人口規模でも、須坂市48,837人に対し高山村6,374人(いずれも令和8年1月1日現在)と大きな開きがあります。(出典:志賀高原ユネスコエコパーク|山ノ内町)

山あいの地形と土砂災害への警戒

長野県全体では、土砂災害の危険箇所として土石流5,912渓流(全国8位)、地すべり1,241箇所(全国1位)、急傾斜地8,868箇所(全国15位)が確認されており、地すべり危険箇所数は全国最多とされています。

管内にも高山村のような山あいの地域が含まれる以上、大雨や地震のときに土砂災害への警戒が必要な場所は管内にもあると考えておくべきでしょう。

同じ本部の中でも、市街地の出動と山あいの出動では、現場までの距離も持ち込む資機材も変わります。

267平方キロメートルという管轄面積の意味は、この地形の幅の広さとあわせて考えると理解しやすくなります。(出典:長野県砂防資料)

令和元年東日本台風による被害

令和元年(2019年)10月の東日本台風では、長野県内で死者24名(うち災害関連死19名、令和6年2月28日現在)の人的被害が生じ、その内訳には小布施町2名が含まれています。管内でも人的被害が生じた災害である以上、水害への備えは須坂市消防本部にとっても現実の課題です。(出典:令和元年東日本台風(台風第19号)人的被害・住家被害の状況|長野県)

須坂市消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、須坂市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要への対応

救急出動は全国的にも増加傾向にあり、令和6年中の全国の救急自動車の出動件数は771万8,380件で、統計開始以降で最多を更新しました。

須坂市消防本部の3,677件(令和6年中)もこの流れの中にあり、火災16件との差は前述のとおりです。

1署2分署という限られた体制で救急需要に応え続けるには、日々の運用の工夫が欠かせません。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

令和元年東日本台風の教訓を踏まえた備え

前章のとおり、管内の小布施町では令和元年東日本台風で人的被害が生じています。

全国では緊急消防援助隊として718本部から6,661隊が登録されており(令和6年4月1日現在)、大規模な災害が起きたときに、応援を受け入れる側にも、応援に出る側にもなり得ます。

管内で言えば、令和元年東日本台風で人的被害が生じたのは小布施町でした。

本署の置かれた須坂市だけを見ていては、管内で実際に起きた災害を取りこぼすことになります。

水害への備えを面接で語るなら、3つの自治体それぞれで何が起きたのかを確かめたうえで話すと、説得力が変わります。(参考:緊急消防援助隊|令和6年版消防白書)

高齢化の進行と搬送の中身の変化

管内3自治体の高齢化率は須坂市32.9%・小布施町34.5%・高山村38.1%(いずれも令和8年1月1日現在)で、いずれも3割を超えています。

全国では救急搬送された676万9,172人のうち高齢者が428万4,953人・63.3%を占め、軽症(外来診療)が317万1,350人・46.8%にのぼります(いずれも令和6年中)。

住宅火災の死者に占める65歳以上の割合も74.5%(令和5年中)とされており、高齢化は救急と予防の両面に効いてくるテーマです。

管内の高齢化率が全国的にも高い水準にあることを踏まえると、搬送の中身をどう受け止め、日常の予防にどうつなげるかという視点は、面接でも語れるようにしておきたいところです。

採用の安定的な実施と人材確保

須坂市の職員採用試験にある「消防(救急救命士含む)」区分は、2024年度に受験者17人・採用者7人という実績があります。(出典:須坂市の採用パンフレット)

消防吏員97人のうち女性は3人(約3.1%)で、全国の消防吏員168,230人中女性6,386人・約3.8%(令和7年4月1日現在)と比べるとやや低い水準です。

吏員97人という体制で、須坂市・小布施町・高山村の3自治体に拠点を置き、24時間の当直勤務を回し続けなければなりません。

採用の年によって人数が動けば、そのまま各拠点の人員配置に響きます。

安定的に人材を確保できるかどうかは、今後の体制維持に直結するテーマです。

受験する側から見れば、採用予定数が公表されるタイミングを逃さないことが、そのまま準備期間の長さを左右するということでもあります。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

重点方針|1署2分署で1市1町1村を支える体制

須坂市消防本部には、名称を持つ単独の運営方針・基本計画にあたる公表文書は確認できません(2026年9月時点・当研究会調べ)。その代わりに読み解く材料になるのが、須坂市消防署(本署)・小布施分署・高山分署という1署2分署の体制で、須坂市・小布施町・高山村の1市1町1村を支えているという組織の姿そのものです。

3つの自治体に拠点を置くという選択

本署を須坂市に置き、小布施町と高山村にそれぞれ分署を構える。

この配置そのものが、須坂市消防本部の方針を最もよく表しています。

管轄面積267平方キロメートルのうち、市街地と山あいでは現場到着までの条件が異なりますので、拠点を1か所に集約せず3自治体に分けて置いていることには意味があります。

志望動機で「須坂市を守りたい」とだけ述べると、この配置が視野に入っていないことが伝わってしまいます。

全国的な課題との重なり

全国では、救急出動が令和6年中771万8,380件と統計開始以降で最多を更新し、消防吏員に占める女性の割合は約3.8%(令和7年4月1日現在)にとどまっています。

須坂市消防本部の救急3,677件・女性吏員3人という数字も、この全国的な流れの中にあります。

全国の傾向を管内の数字に引き寄せて語れるかどうかが、組織研究の深さの分かれ目になります。

POINT|管内3自治体を具体的に語れるようにする

志望理由を須坂市の話だけで組み立ててしまうと、小布施町と高山村を管轄している事実が抜け落ちます。「①管内3自治体のそれぞれの姿をどう理解しているか→②その中で自分は何を担いたいか→③そのために必要な力をどう身につけてきたか」の順で自分の考えを整理しておきましょう。

悪い例「須坂市は自然が豊かで暮らしやすい町だと思ったので、志望しました」

改善例「大学では地域のイベント運営に関わり、住んでいる場所によって困りごとが違うということを実感しました。須坂市消防本部は須坂市だけでなく小布施町と高山村も管轄していると知りましたので、どの地域に配属されても、その土地の事情を自分でつかみにいく姿勢を大事にしたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

須坂市・須坂市消防本部が発信している情報のうち、確認しておきたいものを挙げます。募集の有無を確かめる資料と、志望動機作りに使える資料をあわせてチェックしておきましょう。

  • 須坂市職員採用試験の受験案内(消防区分の掲載有無は年度により異なる)
  • 須坂市の採用パンフレット
  • 須坂市消防本部の公式ページ(署所・管轄区域の案内)
  • 総務省消防庁の消防本部データ検索(吏員数・出動件数などの公表統計)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、須坂市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。須坂市消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

須坂市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

須坂市消防本部の面接の概要

ここからは、須坂市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

須坂市消防本部の面接の流れ

須坂市消防本部の消防職は、須坂市の職員採用試験の一区分「消防(救急救命士含む)」として実施されます。須坂市の公式サイトには、2026年9月時点で消防区分の受験案内・募集記事の掲載がなく、試験の段階構成や面接の形式、体力試験の種目までは確認できませんでした。

ただし、区分そのものが無くなっているわけではありません。

市の採用パンフレットには「消防(救急救命士含む)」が採用職種として掲げられ、2024年度には受験者17人・採用者7人という実施実績も公表されています。

つまり、試験の中身が読めないだけで、試験そのものは市の採用試験の枠組みで行われてきたということです。

段階構成や面接形式を推測して備えるより、市の採用情報ページで受験案内が出るのを待ちながら、形式が変わっても揺るがない部分、すなわち自分の経験の棚卸しと組織研究を先に固めておく方が確実です。

項目内容
採用区分消防(救急救命士含む)※須坂市職員採用試験の一区分
直近の実施状況受験者17人・採用者7人(2024年度)
試験の段階・面接形式公表は確認できず。最新の受験案内でご確認ください
体力試験・提出書類公表は確認できず。最新の受験案内でご確認ください

上記は、当研究会が2026年9月時点で公式に確認できた範囲です。採用の実施有無・区分・試験内容は年度によって変わりますので、受験の際は必ず須坂市の最新の採用情報をご確認ください。

須坂市消防本部が求める人材

須坂市消防本部が独自に「求める人物像」を公表した文言は確認できません(2026年9月時点・当研究会調べ)。

手がかりになるのは、公表されている組織の姿のほうです。

須坂市消防署に加えて小布施町と高山村に分署が置かれ、消防吏員97人(令和7年4月1日現在)でこの管内を受け持っています。

配属先が本署か分署かによって、日々向き合う地域も出動の中身も変わるということです。

須坂市の話だけで完結する志望動機ではなく、須坂市・小布施町・高山村のどこに配置されても仕事を組み立てられるという見通しを、自分の言葉で示せるかどうかが差になり得ます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。須坂市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備しておけば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまで、どのくらい時間がかかりましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ須坂市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と須坂という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解これまでに周囲から指摘された、自分の課題は何ですか?他者からの評価と自己認識のズレの少なさ。素直さが伝わるか
④ 経験・行動少人数のチームで役割を果たした経験を教えてください少人数の現場でどう振る舞ったか。過去の行動の事実から人柄をみる
⑤ 学業・経歴進学や就職の場面で、どんな基準を大切にしてきましたか?進路選びの軸。自分の言葉で理由を語れるか
⑥ 適性・将来不規則な勤務体系について、どう向き合っていくつもりですか?交替制勤務への心構えと生活設計の現実性
⑦ 公共性・社会性税金で運営される仕事に就くことについて、どう考えていますか?公務員としての自覚。日頃から社会の動きに関心を持っているか

7つの枠組みは、受験案内の詳細が読めない須坂市消防本部でも、試験構成が細かく公表されている本部でも、おおむね共通します。

形式が読めない試験だからこそ、この見取り図の価値は大きくなります。

ここから先、須坂市を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問で決まります。

合否を分けるのは須坂市消防本部に固有の質問

「消防官のほかにも人の命に関わる仕事はありますが、なぜ消防官なのか教えてください」
「須坂市消防本部は小布施町や高山村も管轄していますが、この管轄の広さについてどう考えていますか」

2つの質問はいずれも、須坂市消防本部について事前にどれだけ調べていたかが如実に出る問いです。

準備の差がそのまま回答の差になります。

面接で使いやすい「須坂市消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい須坂市消防本部の事実答え方のヒント
1署2分署の体制須坂市消防署(本署)・小布施分署・高山分署で1市1町1村を管轄する(詳細は第1部1章・2章)限られた拠点でどう対応するかという視点を、自分の経験と結び付けて語る
救急需要の大きさ救急出動は令和6年中3,677件で、火災16件の約230倍。全国の救急件数も伸び続けている(詳細は第1部2章・4章)件数の差に加えて、小規模な体制での対応の工夫まで接続すると具体性が増す
令和元年東日本台風の経験管内の小布施町で人的被害が生じている(詳細は第1部3章)被害の事実に触れつつ、備えへの関心につなげる
管内の高齢化高齢化率は須坂市32.9%・小布施町34.5%・高山村38.1%(令和8年1月1日現在)で、地域ごとに差がある(詳細は第1部2章・4章)全国の救急搬送に占める高齢者の割合と重ねて、予防の話まで広げる

使い方のコツは、4つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

須坂市は消防区分の選考設計(試験種目・配点・求める人物像等)を公表していません。

そのため観点は、一般論としてのコンピテンシー評価、すなわち過去にとった行動の事実から入庁後の再現性を確かめる考え方を軸に組み立てることになります。

一般論であることを前提に、少人数の組織でどう力を発揮できるかという観点で整理しました。

評価の観点(一般論)面接でどう確かめられるか準備のポイント
責任感・自立性少人数の中で自分の役割を最後までやり遂げた経験があるか1署2分署という小規模な体制を意識し、自分1人が担う役割の重さを説明できる出来事を選ぶ
協調性・柔軟性異なる役割を任されても、学び直しながら対応した経験があるか消火・救急・予防など幅広い業務を担う可能性を踏まえ、柔軟に対応した場面を用意しておく
体力・生活管理限られた人数でも無理なく勤務を続けられる、体力と生活の基盤があるか日頃の体づくりへの取組を具体的に語れるようにしておく

なお、公務員の採用面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 須坂市の採用情報ページを定期的に確認し、消防区分の募集が公表されたら受験資格と提出書類を確認する
  2. 高校・大学生活やこれまでの経験を棚卸しする。チームで動いた具体例、体力を継続的に鍛えた経験を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。体力面のトレーニングと生活リズムづくりも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で須坂市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、須坂市消防本部の消防区分は、年度によって募集の有無が変わります。

募集が公表されたタイミングを逃さないよう、日頃から須坂市の採用情報を確認しておく習慣をつけておきましょう。

過去の実施年度には受験者数・採用者数の実績も公表されていますので、あわせて参考にしてください。

2024年度は受験者17人に対して採用者7人という結果でしたが、この数字は年度によって動きます。

倍率の見込みを立てるより、公表を待つ間にできる準備を積み上げておく方が、結果的に近道になります。

面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、須坂市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。須坂市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

須坂市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

須坂市消防本部は、須坂市消防署(本署)・小布施分署・高山分署の1署2分署という体制で、須坂市・小布施町・高山村の1市1町1村を守っています。

97人の消防吏員(令和7年4月1日現在)が、この管内を受け持っています。

救急出動が火災の約230倍という数字が示すとおり救急対応の比重が大きく、令和元年東日本台風では管内の小布施町でも人的被害が生じました。

消防区分の受験案内が公表されるタイミングは年度によって異なりますので、市の採用情報を追いながら、組織研究と自己分析を先に進めておくと余裕を持って臨めます。

ここまでの内容を土台に、自分の言葉で語れる形まで準備を仕上げていきましょう。