豊岡市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

豊岡市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ豊岡市消防本部を志望したのか」「消防官としてどのような仕事をしたいのか」といった、組織の歩みと管轄地域の災害リスクへの理解を前提とする質問が想定されます。豊岡市消防本部が台風23号の水害を経験し、現在は全国へ応援を送る側になっている事情を知っておくことで、どの消防本部にも当てはまる一般論を避け、この本部に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

ここでの整理を出発点に、自分の経験と豊岡市消防本部の仕事がどこで重なるのかを考えてみてください。

第1部|組織研究編

豊岡市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは豊岡市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 豊岡市消防本部は豊岡市が単独で設置する消防本部で、管轄区域は豊岡市のみである。
  • 昭和58年9月30日に北但広域消防事務組合へ移管された時期を経て、平成17年4月1日の市町合併を機に豊岡市へ再び移管され、現在の単独本部となった。
  • 消火・救急・救助を担う消防吏員は136名を数え、うち3名が女性である(令和7年4月1日現在)。
  • 令和6年中の出動件数は火災18件・救急4,473件・救助93件と、その大半を救急が占めている。
  • 令和6年4月1日には、組織の充実強化を図るため職員定数が131人から138人に増員された。
  • 平成16年の台風23号で緊急消防援助隊の受援を経験した本部は、その後は東日本大震災・熊本地震・西日本豪雨・能登半島地震で応援を送る側に回っている。
  • 消防職の採用は豊岡市職員採用試験の一区分として実施され、通常の消防職Ⅰと、消防吏員としての実務経験2年以上を条件とする経験者枠の消防職Ⅱの2区分がある。

豊岡市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、但馬の広い市域を、どれだけの人数と拠点で受け持っているのかという輪郭はつかんでおきたいところです。

管内人口・署所の構成・吏員数・令和6年中の出動件数を、下の表に一覧にしました。

項目内容
管轄区域豊岡市のみ(単独設置)
管内人口73,728人(住民基本台帳 令和8年1月1日現在)
消防署所豊岡消防署・日高分署・出石分署(出石分署但東駐在所)・城崎分署(城崎分署竹野出張所)
消防吏員数136人(うち女性3人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数18件(令和6年中)
救急出動件数4,473件(令和6年中)
救助出動件数93件(令和6年中)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する全国の消防本部データによります(吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中で、時点が異なる別々の統計です)。署所名は豊岡市消防本部公式サイトの表記によります。

火災18件と救急4,473件が示す実務の重心

火災18件に対し救急4,473件という開きは240倍を超えます。

日常の出動のほとんどが救急であることを、この比が示しています。(出典:全国の消防本部データ|総務省消防庁)

豊岡市の高齢化率は35.5%(住民基本台帳 令和8年1月1日現在)で、3割半ばという高齢化の水準が救急需要の大きさに直結していると考えられます。

「豊岡市消防本部の出動は、火災が年間20件に満たない一方で、救急は4千件を超えると聞きました。市の高齢化率も3割半ばに達しているとのことでしたので、増え続ける救急の現場で力になれる消防官になりたいと思っています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 豊岡市はコウノトリの野生復帰の拠点として知られ、平成11年開設の兵庫県立コウノトリの郷公園を中心に、平成17年9月には国内で34年ぶりとなる放鳥が行われた。
  • 市域は山陰海岸ジオパークの一部にも含まれ、城崎温泉をはじめとする観光地を抱える。
  • 但馬地方の内陸部から日本海に面する沿岸部まで、地形に幅がある管轄である。

(参考:コウノトリの野生復帰|豊岡市)コウノトリと共生するまちづくりを進めてきた土地であることも、豊岡市消防本部の管轄地域を理解するうえでの出発点です。人と自然が近い距離で共存する地域だからこそ、災害への備えと自然環境への配慮の両方を意識した活動が求められます。

台風23号の被害と現在の広域応援体制

平成16年10月の台風23号では円山川右岸が決壊し、豊岡市(現市域)で死者7人(洪水による死者6人・土砂災害による死者1人)、負傷者51人、住家全壊333棟などの被害が生じ、兵庫県下の被害の約半数を占めました。(出典:台風23号による水害の記録|豊岡市)

消防本部の沿革にも、この災害で緊急消防援助隊の受援を経験したことが記録されています。

受援を経験した本部が、その後は東日本大震災・熊本地震・西日本豪雨・能登半島地震で応援を送る側に回っているという歩みは、この本部の災害対応力を語るうえで欠かせない材料です。

市はこの水害を教訓に、防災学習会や学校園での防災教育を継続しています。

被害の記憶をとどめるだけでなく、そこから得た教訓を日々の備えと広域の応援活動につなげてきたことこそ、この本部の災害対応力の核だと言えます。

木造家屋密集街区への備え

豊岡市消防本部は平成29年4月1日に「木造家屋密集街区消防活動計画」を策定し、城崎地域・出石地域・豊岡地域・港地区・日高地域で防災訓練を重ねてきました。(出典:消防本部の沿革|豊岡市消防本部)

平成27年1月には城崎町湯島の城崎温泉街で、令和3年1月には豊岡市中央町で、令和7年5月には再び城崎町湯島で木造家屋密集街区に関わる火災が発生しています。

観光地でもある木造家屋密集街区への備えは、この管轄ならではの課題です。

狭い路地に木造の建物が密集する街並みは、火災が発生すると燃え広がりやすく、観光客が多い時間帯であるほど避難誘導の難しさも増します。

豊岡市消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と管内の姿を踏まえると、豊岡市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

救急需要が伸び続けていることは、全国の統計にも表れています。

令和6年中の全国の救急自動車の出動は確定値で771万8,380件にのぼり、搬送された人のうち46.8%は外来診療で済む軽症でした。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

豊岡市消防本部の4,473件(令和6年中)も、その全国的な動きの一部です。

35.5%という管内の高齢化率を考え合わせると、救急需要はこの先も増していくと見ておくべきでしょう。

大規模災害への備え

第1部3章で見たとおり、豊岡市消防本部は台風23号での受援経験を教訓に、緊急消防援助隊としての応援実績を重ねています。

全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が緊急消防援助隊に登録しています。(出典:令和6年版 消防白書)

受援と応援の両方を経験してきた本部だからこそ語れる、大規模災害への向き合い方があります。

助けられた経験を持つ本部の職員として、次はどんな場面で誰かの力になりたいのかを、自分の言葉で語れるようにしておきましょう。

木造家屋密集街区の予防・住宅防火

平成27年の城崎温泉街の大規模火災以降、令和3年・令和7年と木造家屋密集街区に関わる火災が続いています。

全国的にも、住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)の74.5%を65歳以上が占めています(令和5年中762人)。(参考:令和6年版 消防白書)

木造家屋密集街区消防活動計画にもとづく地域別の訓練を、観光地としての賑わいと両立させながら続けていく必要があります。

地域住民だけでなく、旅館や店舗など事業者との連携も、この課題への対応に欠かせない視点です。

訪れる人の安全と、暮らす人の日常の両方を守るという視点を持っておきましょう。

沿革を踏まえた組織理解

豊岡市消防本部は、昭和58年から平成17年までの間、北但広域消防事務組合・北但行政事務組合の一部として運営されてきました。

組合の時代を経て単独本部となった歴史を理解しておくことは、志望動機の厚みにつながります。

現在は組合ではなく豊岡市単独の消防本部であることを正しく理解し、混同なく説明できるようにしておきましょう。

組織の枠組みが変わっても、管内の暮らしを守るという役割そのものは一貫して受け継がれてきた点も、あわせて押さえておきたいところです。

人材確保と女性吏員の活躍

消防吏員136名のうち女性は3名で、割合にすると約2.2%です。

全国平均は約3.8%(消防吏員168,230人中女性6,386人・令和7年4月1日現在)で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています。(参考:女性消防吏員の活躍推進|総務省消防庁)

平成31年4月1日に初の女性消防吏員が誕生し、令和3年10月には女性専用施設が整備されました。

初めての女性吏員の採用からまだ日が浅いからこそ、これからどう環境を整えていくかが問われる本部だと言えます。

女性専用施設の整備や隔日勤務の開始といった一つひとつの積み重ねが、この先の人材確保にどうつながっていくかも注目したい点です。

重点方針|めざす職員像と組織の歩み

豊岡市消防本部単独の運営方針は確認できませんが、消防職Ⅰ・Ⅱも豊岡市職員採用試験の一区分である以上、豊岡市が公式に掲げる「めざす職員像」が面接準備の物差しになります。

「共感力をもって 自ら考え 自らの言葉で語り 行動する職員」

豊岡市が公表する「めざす職員像」は、「共感力をもって 自ら考え 自らの言葉で語り 行動する職員」です。

あわせて、職員が磨くべき基礎力として①課題発見力②問題解決力③説明力④コミュニケーション力の4つが示されています。(出典:求める人材像|豊岡市)

共感力・自ら考える姿勢・行動力のどれかに、自分の経験を結び付けて語れるようにしておきましょう。

4つの基礎力すべてを均等に語ろうとするより、自分が一番自信を持てる1つを軸に据えるほうが、話に説得力が出ます。

組織の歩み|組合から単独へ

年月日できごと
昭和25年4月1日市制施行に伴い豊岡市消防本部・豊岡市消防署が発足
昭和58年9月30日北但広域消防事務組合の設立により豊岡市消防本部を廃止し事務組合へ移管
平成7年4月1日北但行政事務組合となり北但消防本部が発足
平成17年4月1日市町合併により消防事務を北但行政事務組合から豊岡市へ移管し、豊岡市消防本部が発足

組合の時代を経て、現在は豊岡市単独の消防本部として運営されている点は、この本部を理解するうえでの出発点です(出典は前掲・消防本部の沿革)。

体制強化の近年の歩み

単独本部となって以降も、豊岡市消防本部は体制の充実を重ねています。

令和6年4月1日には職員定数を131人から138人へ増員し、同年11月1日には無人航空機(ドローン)を豊岡消防署に配備しました(出典:前掲・消防本部の沿革)。

令和7年8月30日には、三木市で開催された第53回全国消防救助技術大会のロープ応用登はん・はしご登はんにおいて上位入賞を果たしています。

定数の増員・新しい装備の導入・全国大会での実績という3つの動きは、この本部が組合からの移管後も歩みを止めていないことを示しています。

日々の訓練の積み重ねがこうした結果につながっている点も、志望動機を語るときの材料になります。

POINT|めざす職員像を自分の経験に接続する

豊岡市消防本部を志望するときは、「①めざす職員像のどの言葉が自分に近いか → ②それを裏づける経験は何か → ③その力を消防の現場でどう使うか → ④入庁後に何から取り組みたいか」という順に並べると、市が示す人材像から離れずに話を組み立てられます。

悪い例「自然豊かな環境が好きなので、消防官を志望します」

改善例「部活動で仲間の状況に気を配りながら、自分の考えを言葉にして周囲に伝える経験を重ねてきました。豊岡市が掲げる『共感力をもって自ら考え、語り、行動する職員』という言葉に、この経験を重ねて働きたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

志望先を豊岡市消防本部に決めたなら、次の4点は早いうちに一通り目を通しておきましょう。試験情報の出どころと、志望動機を組み立てる材料が、まとめて手に入ります。

  • 豊岡市職員採用試験(消防職Ⅰ・消防職Ⅱ)の募集要項
  • 豊岡市が公表する「求める人材像」ページ
  • 豊岡市消防本部の沿革ページ
  • 総務省消防庁が公表する全国の消防本部データ

特に「めざす職員像」のページは、志望動機の骨格そのものに関わる資料なので、早い段階で目を通しておいてください。

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、豊岡市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。豊岡市消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

豊岡市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

豊岡市消防本部の面接の概要

ここからは、豊岡市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

豊岡市消防本部の面接の流れ

豊岡市の消防職は、消防職Ⅰ(通常の枠)と消防職Ⅱ(消防吏員としての実務経験2年以上を条件とする経験者枠)の2区分で、豊岡市職員採用試験の一区分として実施されます。第1次試験=SPI・作文試験・体力検査、第2次試験=個人面接試験の2段階で、集団面接やグループワークは実施されません。(出典:豊岡市職員採用試験(消防職)|豊岡市)

項目内容(消防職Ⅰ・Ⅱ)
試験の段階2段階。第1次試験=SPI・作文試験・体力検査、第2次試験=個人面接試験
面接の種類第2次試験の個人面接1回のみ(集団面接・グループワークの実施なし)
面接以外の検査体力検査(第1次。種目は非公表)
配点公表されていません。最新の受験案内でご確認ください
面接カード非公表(提出書類の一覧は確認できません)

注目したいのは、消防職が一般事務職とは異なる段階構成である点です。

豊岡市の一般事務職は第1次(SPI3)→第2次(集団面接試験及びグループワーク)→第3次(個人面接試験)の3段階ですが、消防職は第1次(SPI・作文試験・体力検査)→第2次(個人面接試験)の2段階のみで、集団面接やグループワークは対象外です。

個人面接が1回だけの試験である以上、その1回に向けて経験を整理し尽くしておくことが重要になります。

上記の試験構成は、豊岡市が公表する消防職(消防職Ⅰ・消防職Ⅱ)の採用試験にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご確認ください。消防職Ⅰと消防職Ⅱでは求められる経験年数が異なるため、自分がどちらの区分に該当するかを早い段階で確定させておきましょう。

豊岡市消防本部が求める人材

豊岡市は、消防職を含む職員全体の「めざす職員像」として「共感力をもって 自ら考え 自らの言葉で語り 行動する職員」を掲げ、磨くべき基礎力として課題発見力・問題解決力・説明力・コミュニケーション力の4つを示しています。

これは豊岡市が公式に示した人材像であり、面接準備の物差しとしてそのまま使えます。

136名という体制で但馬の広い市域を受け持つ以上、消火・救急・予防・指令のどの持ち場に回っても、そこで求められる知識を学び直しながら務めることになると考えられます。

自己PRを考えるときは、4つの基礎力のうち自分の経験が最も重なるものを1つ選び、そこから話を組み立てると芯が通ります。

体力に自信があると伝えるだけでなく、コウノトリの野生復帰に象徴される自然環境と、木造家屋密集街区を抱える市街地の両方に向き合う本部だという理解のうえで、自分ならどの場面で力を出せるのかを具体的に描けているかどうかが差になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。豊岡市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ豊岡市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と豊岡という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。個人面接1回で最後まで筋を通して語れるか
⑤ 学業・経歴これまでの経験の中で、力を入れてきたことは何ですか何に時間を使い、どんな順番で工夫を重ねたのかを説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?体力検査に象徴される、現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

7つの枠組みは、豊岡市消防本部のように個人面接だけで人物を見る本部でも、面接を何度も重ねる本部でも、おおむね共通します。ここから先、豊岡を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問で決まります。

合否を分けるのは豊岡市消防本部ならではの質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官なのですか?」
「台風23号の受援経験を経て、今は応援を送る側にもなっている豊岡市消防本部を、なぜ志望したのですか?」

1問目は消防という仕事そのものへの理解を、2問目は組織の歩みへの理解を確かめる質問です。

受援から応援へという歩みを自分の言葉で説明できるかどうかで、答えの具体性は大きく変わります。

面接で使いやすい「豊岡市消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい豊岡市消防本部の事実答え方のヒント
組織の成り立ち組合の時代(昭和58年〜平成17年)を経て、現在は豊岡市単独の消防本部(詳細は第1部1章・5章)組合と単独本部を混同せず、現在の体制を正確に説明できるようにする
出動の実態令和6年中の出動は火災18件に対し救急4,473件で、救急が業務量の大半(詳細は第1部2章)数字の大小だけで終わらせず、35.5%という高齢化率の背景まで語る
台風23号の教訓と現在の応援体制平成16年の受援経験を経て、東日本大震災・熊本地震・西日本豪雨・能登半島地震へ応援に赴いている(詳細は第1部3章)受けた経験を今どう活かしているかまで語る
木造家屋密集街区への備え平成29年策定の消防活動計画にもとづき、5地域で防災訓練を重ねている(詳細は第1部3章)観光地としての賑わいと防火の両立という視点を持つ
めざす職員像「共感力をもって 自ら考え 自らの言葉で語り 行動する職員」が市の公式な人材像(詳細は第1部5章)自分の経験を職員像の言葉に接続して語れるようにする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

豊岡市は「めざす職員像」として「共感力をもって 自ら考え 自らの言葉で語り 行動する職員」を公表しています。

配点の内訳は明らかにされていないため、評価の観点はこの公表文言を手がかりに読み解くのが確実です。

職員像の言葉ごとに、面接でどう確かめられるかを整理しました。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
共感力相手の立場や状況を想像し、寄り添って行動した経験があるか年齢や立場の異なる相手と関わった場面を具体的に用意する
自ら考え、語る力課題を自分なりに見つけ、それを自分の言葉で説明できるか結論だけでなく、そこに至った考えの筋道まで話せるようにする
行動する力考えたことを実際の行動に移し、成果につなげた経験があるか行動した結果だけでなく、行動に踏み出した理由まで語れるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

個人面接が1回だけの豊岡市消防本部の試験ではなおさら、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

1回の面接で伝えきれなかった部分が残らないよう、話す順番や時間配分まで意識してリハーサルしておくと安心です。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 豊岡市職員採用試験の受験案内を読み、消防職Ⅰ・Ⅱのどちらに該当するかと提出書類を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・部活動・アルバイトから、相手の立場を想像して行動した場面と、自分の考えを言葉にして伝えた場面をそれぞれ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。SPIと体力検査に向けた準備も並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で豊岡市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、豊岡市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

豊岡市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

人物を見る場が個人面接1回に絞られている試験なので、そこで何を伝えるかを早い段階で固めておく意味は大きくなります。

SPIや作文試験の準備と並行して手をつけておきましょう。

豊岡市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

豊岡市消防本部の選考は、SPI・作文試験・体力検査による第1次と、個人面接による第2次からなる2段階の構成で、集団面接やグループワークは実施されません。

組合の時代を経て平成17年に単独本部となり、平成16年の台風23号では受援を経験しながら、現在は東日本大震災・熊本地震・西日本豪雨・能登半島地震で応援を送る側になっています。

火災が年18件にとどまる一方で救急は4,000件を超え、木造家屋密集街区への備えも続く課題であることを踏まえ、自分の経験のどこが豊岡市消防本部の実情に活かせるのかを、じっくり言葉にしていってください。

「共感力をもって 自ら考え 自らの言葉で語り 行動する職員」という市のめざす職員像に、自分の経験をどう重ねられるかまで語れると、面接での説明に厚みが出ます。

組合の時代から単独本部への移行という歩みも含め、この土地と組織の歴史を踏まえて志望動機を組み立てておきましょう。

数字や年表を覚えるだけで終わらせず、そこにどんな意味があるのかまで自分なりに考えておくことが、面接での深掘りに強くなります。