本記事では、小野市職員採用試験の面接対策で必要な、小野市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

小野市役所の面接試験では、「なぜ小野市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市の実情や政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、小野市ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

以下は、令和9年4月採用(令和8年6月実施)の職員採用試験のうち事務職の区分を軸に整理しています。小野市は職種によって試験の段階数が変わり、社会人経験者や公務員経験者の区分では第1次試験の内容そのものが違いますので、自分が申し込む区分の募集案内と読み合わせながら進めてください。

第1部|自治体研究編

小野市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは小野市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 兵庫県南部の北播磨に位置する内陸の市。面積は92.94平方キロメートルで、加古川市・加西市・三木市・加東市の4市に囲まれている。
  • 人口は4万6,558人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。人口密度は1平方キロメートルあたり約501人。
  • 播州そろばんの産地であり、昭和51年6月に通商産業大臣(当時)から伝統的工芸品の指定を受けている。
  • その起源は天正年間(1573年から91年)にさかのぼる。三木城攻めの際に大津方面へ逃れた住民が大津そろばんの製造技術を習得して持ち帰り、小野市を中心に発展したと整理されている。
  • 市内の自主防災組織の組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)。兵庫県平均の98.4%を上回る。
  • 市の花はヒマワリ、市の木はヤナギ。
  • 職員の育て方について「小野市流・人“財”育成」を公表し、若手は早いサイクルで様々な部署を経験する独自のジョブローテーションを明記している。

小野市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「小野市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

以下の表には、人口と年齢構成、市域の広さ、地域の防災体制、採用の規模を並べています。小野市の年齢構成には他の市と違う特徴がありますので、65歳以上と75歳以上の2つの数字を見比べながら読んでみてください。

項目内容
総人口46,558人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口13,957人(高齢化率30.0%)
うち75歳以上人口8,189人(総人口の17.6%)
総面積92.94km²
人口密度約501人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接する自治体加古川市、加西市、三木市、加東市の4市
自主防災組織組織率100.0%(令和6年4月1日現在。兵庫県平均は98.4%)
事務職の採用予定人員事務職と事務職(障がい者対象)あわせて5名程度(令和9年4月採用・令和8年6月実施)

総人口と年齢別人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)、面積と隣接自治体は当研究会が整理した基礎データ、自主防災組織は兵庫県の消防防災年報、採用予定人員は令和9年4月採用の募集案内によります。人口密度は住民基本台帳人口を面積で割った参考値です。市民経済計算にあたる数値は本記事では扱わず、経済の姿は市域の産業から見ていきます。

数字から考えられる市政課題

小野市の高齢化率は30.0%で、同じ住民基本台帳(令和8年1月1日現在)の兵庫県全体29.5%をわずかに上回ります。ところが75歳以上率を見ると小野市17.6%、県17.6%で、こちらはぴたりと同じです。

ここから読み取れることは1つ。小野市では65歳から74歳の層が県より厚く、その人たちがこれから75歳以上へ移っていくということです。

なお、国勢調査をもとにした県の推計値は基準が異なるため、そちらの数字と並べて比べることはできません。

言い換えれば、小野市は介護や医療の需要が一段上がる手前の局面にいます。今はまだ元気に動ける世代が厚く、地域の活動を支える担い手にもなっている。

その層が10年かけて後期高齢の年代へ入っていくと、支える側と支えられる側の比率が短い期間で変わります。10年後に来る変化は、答えのなかでこう先取りできます。

「小野市は高齢化率が3割ほどで、県の平均とあまり変わらないと聞きました。ただ、75歳以上の割合はまだ県と同じくらいなので、これから増えていく段階なのだと思います。今は地域の活動を支えてくださっている世代が、支えられる側に移っていく。その前にできることに関わりたいです」

小野市の経済・産業

播州そろばんという地場産業

小野市の産業を語るとき、まず挙がるのが播州そろばんです。起源は天正年間(1573年から91年)、三木城攻めの際に大津方面へ逃れた住民が大津そろばんの製造技術を習得して持ち帰ったことにさかのぼるとされています。

以後、小野市を中心に発展し、全国生産の多くを占めるに至りました。昭和51年6月には通商産業大臣(当時)から伝統的工芸品の指定を受けています。(出典:播州そろばん(兵庫県))

つまり、小野市の地場産業は、400年以上をかけて土地に根づいた手仕事の集積だということです。

計算の道具としてのそろばんの用途が時代とともに変わってきたことを思えば、この産業をどう次の世代へ渡すかは、市の産業政策そのものになります。志望動機で産業に触れるなら、名産品の紹介ではなく、そこにいる人と技術の話から入ってください。

県全体の経済のなかで

市単位の経済統計は手に入りにくいので、県全体の規模から見ていきます。令和5年度の兵庫県内総生産は名目で23兆9,895億円、前年度を2.7%上回りました。

名目・実質とも3年続けて増えています。県民総所得は名目25兆4,318億円で、前年度比1.7%増です。(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度)

「ものづくり産業の集積」は、県が掲げる強みの筆頭にあたります。播州そろばんは、その集積のなかでも手仕事の側に立つものです。

県全体の産業の話に寄せず、小野市が担っている層まで具体的に言えると、県との違いを問われたときの答えが用意できます。

人の行き来をどう呼び込むか

令和5年度の兵庫県の観光入込客数は1億2,232万人(対前年度比106.8%)で、うち日帰客が1億1,085万人と全体の90.6%を占めました。目的別ではスポーツ・レクリエーションの3,549万人が最多で、歴史・文化の2,724万人が続きます。(出典:兵庫県観光客動態調査報告書|令和5年度)

4つの市に囲まれた内陸の市にとって、宿泊を前提にした誘客は簡単ではありません。ただ、県全体の9割が日帰りだという事実は、むしろ小野市の条件に合っています。

近隣から日帰りで訪れてもらう理由をどうつくるか。地場産業と歴史は、その材料になり得ます。

小野市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、小野市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

これから75歳以上が増える局面

先に見たとおり、小野市は65歳から74歳の層が厚く、75歳以上の割合はまだ県と同水準です。兵庫県全体では、2050年の人口が423万人(2015年比24%減)まで落ち、65歳以上が4割、4人に1人が75歳以上になるという推計が出ています。

小野市が向き合うのは、今の姿の維持ではなく、10年で構成が変わる前提での準備です。(出典:兵庫県の現状と課題の整理|2023年)

地場産業の担い手をどう保つか

播州そろばんは、1点ずつ人の手で仕上げる産業です。伝統的工芸品に共通する担い手の高齢化という課題は、人口4万6千人台の市では人数の問題として直接に現れます。

産業振興だけでなく、教育、観光、移住定住のどの入り口からも関われるテーマですので、自分の志望分野に引き寄せて考えておきましょう。

市域の広さと移動の確保

県の資料では、公共交通空白地域が可住地面積の23.4%を占め、そこに住む人は約169,638人(県人口の3.1%)とされています。淡路地域や播磨地域の内陸部に多いという整理です。

小野市は92.94平方キロメートルに約4万6千人が暮らす内陸の市で、人口密度は1平方キロメートルあたり約501人。65歳から74歳の層がこれから車の運転を手放していく時期に入ることを考えると、移動をどう確保するかは福祉の課題と重なってきます。

南海トラフ巨大地震と内陸の市の役割

県が平成26年6月に公表した南海トラフ巨大地震・津波被害想定を見ておきます。揺れは神戸・阪神・播磨地域の広い範囲で最大震度6強、淡路地域の洲本市・南あわじ市では最大震度7。

県全体の死者は最も多い夏の昼間12時発災で約29,100人にのぼり、その約96%、約27,970人は津波によるものです。建物の全壊は冬の夕方18時発災で最大約38,500棟と見込まれています。(出典:南海トラフ巨大地震・津波被害想定(兵庫県)|平成26年)

内陸に位置する小野市は津波の直接の想定域ではありません。

その分、被災地を支える側や、避難してきた人を受け入れる側に回る場面が想定されます。自主防災組織の組織率が100.0%という土台があることも、この文脈で意味を持ちます。(出典:兵庫県消防防災年報|令和6年版)

選ばれる理由を、自分で用意できるか

令和8年6月1日現在の県推計人口は5,304,414人で、前の月より2,783人少なくなっています。5月ひと月の動きは自然減2,290人・社会減493人。県内10地域のすべてが減少という状況です。

県は課題として、2011年から続く転出超過と、県人口の6割が県土面積の14%にすぎない神戸・阪神地域に集中していることを挙げています。

4万6千人台の市がこの流れのなかで人を保つには、選ばれる理由を自分で用意するしかありません。

小野市の重点政策|県の枠組みと市が公表している方針

人口4万6千人台の市の方向を読むときは、県が示す見通しを土台に置き、そのうえで市が自分の言葉で出しているものを重ねるのが確実です。小野市の場合、その「自分の言葉」がもっともはっきり出ているのは、職員の育て方について公表された文書のほうです。

県が描く2050年までの見通しと、小野市の位置

県全体で見ると、人口は2009年の560万人を境に減り始めており、推計上は2050年に423万人(2015年比24%減)。65歳以上が4割を占め、4人に1人は75歳以上という姿になります。

小野市の75歳以上率は現在まだ県と同水準ですから、この見通しへ向かう変化を、これから県と同じ速さかそれ以上で経験することになります。福祉、住まい、移動といった分野で、判断を迫られる時期が近いということです。

整っている土台と、その次にあるもの

一方で、小野市には整っている土台もあります。自主防災組織の組織率100.0%はその代表です。兵庫県全体では5,756組織・組織率98.4%ですから、小野市は県平均を上回る位置にあります。

ただし、組織があることと、その組織が10年後も動けることは別の話です。地域の活動を担ってきた層がそのまま高齢化していく市では、組織率という数字の裏側で担い手を入れ替えていく作業が必要になります。

数字が良い市ほど、次の論点はそこへ移ります。

POINT|整っている数字を、次の問いへつなげる

関心のある分野を1つ決め、「①小野市の今の数字はどうなっているか → ②その数字は10年後も同じでいられるか → ③自分のどの経験がその間の作業に触れるか」の順に掘っていくと、志望動機の軸が定まります。

悪い例「小野市は自主防災組織が100%なので、防災の体制は整っていると思います」

改善例「小野市は地域の防災組織がすべての地区にあると知りました。ただ、支えている世代がこれから年齢を重ねていくと聞きましたので、次に引き継ぐ人をどう増やすかが大事になるのではと感じています」

あわせて確認したい公式資料

小野市は職種と区分によって試験の段階も第1次の中身も変わります。受ける区分を先に決めてから、それに合わせて資料を集めてください。

  • 令和9年4月採用の小野市職員募集案内(区分ごとの試験科目と、事務職だけが第3次試験まで進む構成)
  • 小野市公式サイトの「小野市流・人“財”育成」のページ(ジョブローテーションと職員提案制度の説明)
  • 小野市の採用試験のページ(社会人経験者・公務員経験者の区分で第1次の内容が変わる点)
  • 志望する分野に関わる市の個別計画を1本(産業振興、福祉、都市計画のうち、自分が触れるもの)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、小野市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。小野市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

小野市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

小野市役所の面接の概要

ここからは、小野市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

小野市役所の面接の流れ

令和9年4月採用(令和8年6月実施)の事務職は、第1次から第3次までの3段階です。押さえておきたい点が2つあります。

ひとつは、第1次の基礎教養試験が募集案内に「高校卒業程度」と明記されていること。

もうひとつは、論作文試験が最終段階の第3次試験に置かれ、面接試験と同じ日に行われることです。書く力の勝負が最後まで残る構成だといえます。(出典:小野市職員募集案内|令和9年4月採用)

項目内容(令和9年4月採用・令和8年6月実施・事務職)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験 → 第3次試験の3段階。建築職・土木職は第2次試験で終了します
第1次試験基礎教養試験120分(時事、社会、人文及び自然に関する一般知識並びに文章理解、判断・数的推理及び資料解釈に関する能力を問う問題。募集案内には「高校卒業程度」と記載)と、全職種共通の適性検査30分
適性検査の中身正確さ・迅速さ等の作業能力をみるものと、職務への対応や対人関係面での性格特性をみるものの2種類
第2次試験面接試験
第3次試験面接試験と論作文試験(同じ日に実施されます)
面接の回数と形式面接試験は第2次・第3次の計2回。募集案内では「面接試験」とのみ表記されており、個別か集団かの別や、集団討論の有無は記載されていません
提出書類事務職(一般)について第1次試験当日の提出書類の指定はありません。第2次試験を合格した方は、第3次試験の際に最終学校の卒業証明書(または卒業見込証明書)と成績証明書を提出します
事務職の採用予定人員事務職と事務職(障がい者対象)あわせて5名程度

面接の形式が公表されていない以上、個人面接だけを想定して準備するのは危険です。複数人で並ぶ場面もあり得ると考えて、短く言い切る話し方と、掘り下げに応じる話し方の両方を用意しておきましょう。

あわせて、第3次で面接と論作文が同じ日に行われる点も準備計画に効いてきます。当日は書いたあとに話す、あるいは話したあとに書くことになるからです。

上記の試験構成は、小野市の令和9年4月採用(令和8年6月実施)の募集案内にもとづく事務職の区分のものです。配点の具体値は募集案内に記載がありません。建築職・土木職の社会人経験者区分では第1次が職務基礎力試験・適性検査・エントリーシートとなり、公務員経験者区分では第1次試験が免除されます。試験の構成・日程・配点等は年度や区分によって異なりますので、必ずご自身が受ける区分の最新の受験案内でご確認ください。

小野市が求める人物像

小野市の令和9年4月採用の募集案内と「小野市流・人“財”育成」のページには、人物像を箇条書きで示した項目は置かれていません。ただし、市がどんな職員を育てようとしているかは、はっきり言葉になっています。

異動については、「若手職員は早いサイクルで様々な部署を経験し、中堅職員は5年までを目途に1つの部署でじっくり専門性を深める」という小野市版のジョブローテーションが掲げられています。

職員提案制度については、「ゼロベースの発想で市の業務を見つめ直す『職員の意識改革』を促す」ツールと位置づけられています。ほかに、新任職員研修や階層別研修、派遣研修、職員検定、自主研究グループなどが柱として並びます。(出典:小野市流・人“財”育成(小野市))

この2つを並べると、市の考え方の輪郭が見えてきます。若いうちに幅を広げ、あとから深さをつくる。そして、慣れた業務でも一度ゼロから見直させる。

人口4万6千人台で事務職の採用が1回5名程度という規模を思えば、この設計は必然でもあります。担当が変わるたびに扱う制度も相手も一変する職場では、覚え直しの速さがそのまま戦力になるからです。

もっとも、市が文章にしているのはジョブローテーションと職員提案制度の中身までで、そこから「だからこういう人が向く」へつないだのは当研究会の推測にあたります。

第3次で論作文と面接が同じ日に組まれていることも、同じ方を向いています。当日その場で示された題に向き合い、限られた時間で自分の考えをまとめる。

準備の段階で用意できるのは、そのときに取り出せる素材のほうです。知らない領域に飛び込んだ場面と、やり方を途中で変えた場面を、いまのうちに掘り起こしておいてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。小野市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらから来られましたか?形式が公表されていない面接だからこそ、最初の一往復での構えの取れ方
② 動機・志望周りの市ではなく小野市を選んだ理由を教えてください4つの市に囲まれた環境で、なぜここなのかを自分の言葉で言えるか
③ 自己理解ご自身の弱みはどこにあると思いますか弱みを認めたうえで、どう補ってきたかまで話せるか
④ 経験・行動知らない分野に取り組んだ経験を教えてください若手が早いサイクルで部署を回る市で、未経験の仕事への向き合い方
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことを説明してください短くまとめる力。第3次の論作文にも通じる、要点を絞る力
⑥ 適性・将来いろいろな部署を経験することについてどう考えますか市が公表しているジョブローテーションを、自分ごととして受け止められるか
⑦ 公共性・社会性今のやり方を見直した経験はありますか市が職員提案制度に掲げる「ゼロベースの発想」に通じる姿勢

7つのカテゴリーを埋め終えたところが、準備のスタート地点です。ここまでは、どの自治体を受ける人も同じように通ってきます。

小野市を選んだ理由が本当に問われるのは、この表を離れてからです。

合否を分けるのは「小野市役所ならでは」の質問

「なぜ兵庫県庁ではなく、小野市役所なのですか」
「小野市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

小野市の場合、4つの市に囲まれているという地理と、市が公表している育成方針の2つが、答えの足場になります。面接で口に出しやすい事実を選び、どう使うかまで一覧にしました。

質問テーマ知っておきたい小野市の事実答え方のヒント
年齢構成の現在地高齢化率30.0%に対し75歳以上率は17.6%で県と同水準(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。65歳から74歳の層が県より厚い2つの率の差に触れると、数字を暗記しただけでない読み方をしていることが伝わります
なぜ県庁ではなく市役所か市は若手が早いサイクルで部署を経験するジョブローテーションを公表しており、職員提案制度も柱に置いている広域を扱う県との対比に加えて、一人が幅広く関わる職場で働きたい理由を自分の経験から言います
市の産業播州そろばんは天正年間に大津から技術が伝わり、昭和51年6月に伝統的工芸品の指定を受けた名産品の紹介で終えず、担い手をどう次へ渡すかという現在の課題まで進めます
地域の防災力自主防災組織の組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)で、兵庫県平均98.4%を上回る整っている前提を認めたうえで、担い手の世代交代という次の論点へつなぎます
市の位置加古川市・加西市・三木市・加東市の4市に囲まれた内陸の市。面積92.94平方キロメートル近隣との比較で語るのではなく、内陸だからこそ果たせる役割という向きで話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

小野市は求める職員像を項目立てて公表していないため、ここでは公表されている育成方針と選考の設計に照らして、確かめられるであろう観点を整理します。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
未経験の仕事へ入っていける柔らかさ知らない分野をどう調べ、誰の力を借りて形にしたか市がジョブローテーションを掲げていることを踏まえ、分野を移った経験を1つ選んでおく
今のやり方を疑える視点既存の手順に手を入れた経験と、そのときの判断の根拠職員提案制度の「ゼロベース」に重ねられるよう、改善前と改善後を対で言えるようにする
考えを書いて示す力第3次で論作文が面接と同日に課される。文章での主張と、口頭での説明のつながり市の課題を1つ選んで一度書き切り、同じ内容を3分で話す練習もしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

小野市は面接試験が2回ありますので、第2次で述べた内容を第3次で掘り下げられる前提で備えておいてください。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和9年4月採用の小野市職員募集案内を読み、自分が受ける区分を確定する。社会人経験者・公務員経験者の区分では第1次の内容そのものが変わる点に注意する
  2. 第1次の基礎教養試験120分と適性検査30分に向けて、学習計画を先に立てる。募集案内の「高校卒業程度」という記載を出題範囲の目安にする
  3. 高校・大学での経験を棚卸しし、知らない分野に飛び込んだ場面と、やり方を途中で変えた場面を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る。形式が公表されていないため、短く言い切る型と掘り下げに応じる型の両方をそろえる
  5. 第3次の論作文に備え、この記事の前半から市の事実を2つ選び、自分の意見とセットで一度書いてみる
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、余力があってこそ効いてくる工程です。ただし小野市では、その前にステップ2の筆記対策が控えています。第1次の基礎教養試験を通らなければ面接には進めませんので、学習計画とステップ3の経験の棚卸しを先に走らせてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、小野市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

小野市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

小野市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和9年4月採用(令和8年6月実施)の小野市の事務職は、基礎教養試験を通ってから2回の面接に進み、最後の第3次では論作文が同じ日に控えています。書く準備と話す準備を、どちらも最後まで手放せない試験です。

しかも面接の形式は募集案内に書かれていませんから、どんな場でも通じる話し方を身につけておく必要があります。市が若手に幅広い経験を求めていることを思えば、この見通しの立ちにくさに向き合うこと自体が、すでに一つの適性検査なのかもしれません。

まずは受ける区分を決め、募集案内を最初から最後まで通して読むところから始めてください。