本記事では、養父市職員採用試験の面接対策で必要な、養父市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

養父市役所の面接試験では、「なぜ養父市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市の実情や課題を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、養父市ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

令和9年4月採用の日程Bでは、選考は一次試験と二次(最終)試験の2段階で、人物を見る場は二次の面接試験に集約されています。一度の面接で伝えきるための材料を、以下から選んでいってください。

第1部|自治体研究編

養父市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは養父市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 兵庫県の北部、但馬地域にある市。豊岡市・朝来市・宍粟市・香美町と接し、西で鳥取県の若桜町にもつながる。
  • 人口は20,485人(令和8年1月1日現在)。同じ住民基本台帳の統計で兵庫県内29市を並べると、人口が最も少なく、高齢化率が最も高い市にあたる。
  • 高齢化率は40.9%、75歳以上の割合は24.5%。
  • 面積は422.91平方キロメートルで、兵庫県全体(8,400.95平方キロメートル)のおよそ5%。人口密度は1平方キロメートルあたり約48人。
  • 平成26年3月28日、中山間地域農業の改革拠点として国家戦略特別区域に指定され、同年5月1日に政令で正式に定められた。
  • 特区では計14社が農業に参入し、営農面積は約60.3ヘクタール(うち約26.1ヘクタールはそれまで作付されていなかった農地)、農業生産高は約2.8億円。
  • 自主防災組織の組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)で、県平均98.4%を上回る。(出典:兵庫県消防防災年報|令和6年版)
  • 市域の消防は朝来市とともに南但消防本部が所管しており、市の採用職種に消防職は含まれない。

養父市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計を細かく暗記することよりも、この市がどんな年齢構成の、どれだけの広さの市なのかを一息で言えることのほうが効きます。

ここでは、人口と年齢構成、市域の広さ、隣り合う自治体という、説明の起点になる項目を並べました。

項目内容
総人口20,485人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口8,374人(高齢化率40.9%)
75歳以上人口5,010人(総人口の24.5%)
総面積422.91km²(兵庫県総面積8,400.95km²の約5.0%)
人口密度約48人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体豊岡市・朝来市・宍粟市・香美町(兵庫県)、若桜町(鳥取県)
市の花・木ミズバショウ(花)・ブナ(木)

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。国勢調査をもとにした兵庫県の統計とは調査の基準が異なりますので、両者の数字を並べて増減を計算しないようご注意ください。面積・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。

県と並べたときの年齢構成

同じ住民基本台帳ベース(令和8年1月1日現在)で兵庫県全体をみると、高齢化率は29.5%、75歳以上の割合は17.6%です。養父市はそれぞれ40.9%・24.5%。

高齢化率で11.4ポイント、75歳以上の割合で6.9ポイント県を上回ります。市民のおよそ4人に1人が75歳以上という構成が、市の仕事のかたちを決めています。

人口が2万人台であることも、働き方に直結します。人口規模が小さいほど、一つの部署が受け持つ分野は広くなります。

担当が細かく分かれていないという前提は、志望動機を考えるうえで頭に入れておいて損はありません。

「養父市は人口が2万人ほどで、4人に1人ほどが75歳以上だとうかがいました。県全体の平均よりもかなり高いと聞きましたので、高齢の方の暮らしをどう支えるかが、どの部署の仕事にも関わってくるのだろうと感じています」

養父市の経済・産業

国家戦略特区としての農業

養父市の産業を語るとき、最初に置くべきは国家戦略特別区域です。平成26年3月28日の国家戦略特別区域諮問会議で中山間地域農業における改革拠点として区域指定を受け、同年5月1日に政令で正式に定められました。

高齢者の活用と民間事業者との連携によって農業の構造改革を進め、耕作放棄地の再生や農産物の高付加価値化を目指す枠組みです。(出典:国家戦略特区の指定|養父市公式)

実績は数字で出ています。計14社が農業に参入し、営農面積は約60.3ヘクタール。

そのうち約26.1ヘクタールは、それまで作付されていなかった農地です。農業生産高は約2.8億円。

手つかずだった農地を使える状態に戻す作業を、国の制度を使って進めてきた市だといえます。(出典:国家戦略特区の取組|内閣府地方創生推進事務局)

県経済のなかの位置

県全体の経済規模から見ておきます。兵庫県内総生産(名目)は令和5年度に23兆9,895億円、前年度から2.7%の増加で、名目・実質とも3年連続で伸びました。

県民総所得(名目)は25兆4,318億円、前年度比1.7%増です。(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度)県が自らの強みとして挙げているのは4点あり、そのうち気候風土に恵まれた多彩な食材と食文化は、養父市の農業がそのまま関わる領域です。

残る3点は、ものづくり産業の集積、世界有数の科学技術基盤、国際性豊かな地域社会とされています。(出典:兵庫県の現状と課題|兵庫県)

市単位の細かい経済統計を追う必要はありません。その1点と、養父市の農業をどうつなげて語るか。

その線が引ければ、産業や雇用の話題には対応できます。

観光の性格

令和5年度の兵庫県の観光入込客数は1億2,232万人(対前年度比106.8%)でした。目的別では、多い順にスポーツ・レクリエーション3,549万人、歴史・文化2,724万人、都市型観光1,830万人。

名所を見て回る観光より、体を動かしたり自然のなかで過ごしたりする観光のほうが、県内では多くの人を動かしているという構成です。(出典:兵庫県観光客動態調査報告書|令和5年度)

一方で、県全体の内訳は日帰客1億1,085万人(全体の90.6%)に対し宿泊客1,147万人(同9.4%)。都市部から離れた地域ほど、来てもらうだけでなく、滞在の時間をどう伸ばすかが問われます。

観光を志望動機に置くなら、この一段を踏み込みましょう。

養父市の主な行政課題

ここまでの数字を並べ直すと、養父市がいま向き合っている論点が浮かびます。面接で「市の課題」を問われたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

県内でいちばん進んだ高齢化

県の人口は2009年の560万人を境に減り始めました。将来推計人口が示す2050年の姿は423万人(2015年比24%減)で、そのとき65歳以上が4割、4人に1人が75歳以上になります。

養父市の高齢化率40.9%・75歳以上24.5%(令和8年1月1日現在)は、推計と住民基本台帳で調査の基準が違うため単純に並べることはできませんが、県が四半世紀先に見込む高さとほぼ同じところにあります。

県がこれから備えようとしている状況が、この市ではすでに日々の業務の前提になっているということです。(出典:兵庫県将来推計人口(2015〜65年)|2023年7月)

農地をどう維持していくか

特区の実績は、耕作放棄地の再生が可能であることを示しました。ただし約26.1ヘクタールという数字は、市域422.91平方キロメートルの規模から見れば出発点です。

担い手が減り続けるなかで、参入した企業と地元の農家がどう分担していくのか。制度をつくった段階から、続けていく段階へ移っているのが現在地だといえます。

農業・産業振興に関心があるなら、この続きをどう描くかが問われます。

広い市域と移動の条件

422.91平方キロメートルに約2万人。人口密度は1平方キロメートルあたり約48人です。

公共交通空白地域は県の可住地面積の23.4%にのぼり、その中で約169,638人、県人口の3.1%が生活していると県は整理しています(2023年7月時点の県資料)。(出典:現状と課題の整理|兵庫県)

買い物や通院の足、行政情報の届け方、施設をどこに置くか。住んでいる場所によってサービスの届きやすさが変わるという条件は、この市のほとんどの仕事に関係します。

職員という担い手の確保

市が公表している令和8年4月採用試験の実施状況を見ると、一般事務職(一般枠)は受験者35人・最終合格者6人・採用者5人でした。一方、総合技術職(土木・建築)は受験者1人・最終合格者0人・採用者0人です。

技術系の職種では、受験する人そのものが集まりにくいという状況が数字に表れています。人口2万人台の市で行政サービスを維持していくうえで、職員の確保そのものが課題になっている、と読めます。

養父市の重点政策|養父市のまちづくりの方向性

養父市がどこへ向かおうとしているのかは、市の計画文書と予算資料に書かれています。面接で問われるのは計画の名称ではなく、自分が関わりたい分野について、市がどんな状態を目指しているかを言えるかです。

第1部で並べた条件を整理すると、政策の軸は絞られます。県内で最も高齢化が進んでいること、人口が2万人台であること、国の制度を使って農地の再生に取り組んできたこと、そして市域が広いこと。

この4つのどこかに、自分の関心をつないでください。

関心分野の掘り下げ方

掘る順番はいつも同じです。「①養父市でいま何が起きているか → ②市はどんな状態をめざしているか → ③そのためにどんな取組が動いているか → ④県ではなく市が担うのはなぜか → ⑤自分のどの経験がそこにつながるか」。

この5段でメモを1枚つくれば、志望動機の骨は通ります。

POINT|計画名より、接続の線

見られているのは知識の量ではなく、市の状況と自分の関心を結ぶ線が引けているかどうかです。

悪い例「養父市の農業振興に携わりたいです」

改善例「まずは窓口の仕事から覚えていきたいです。そのうえで、養父市は使われていなかった農地を企業と一緒に戻してきたと聞きましたので、地元の農家の方と新しく入ってきた事業者の間をつなぐような仕事に、いずれ関わりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

一次試験の一般教養試験は高校卒業程度です。筆記の負担が読みやすい分、資料を読む時間は確保しやすいはずです。

順番は、自分が受ける職種区分の情報から。

  • 養父市職員候補者採用試験の募集要項(自分の職種区分の一次試験の科目と、受験方式の選択肢が書かれています)
  • 市が公表している国家戦略特別区域の取組に関するページ
  • 養父市のまちづくりの方向性を示す最新の計画文書と、直近の当初予算に関する市の発表資料
  • 兵庫県の統計・計画(県と市の役割の違いをつかむ材料として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、養父市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。養父市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

養父市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

養父市役所の面接の概要

ここからは、養父市役所の試験の形と流れ、質問の全体像、そして差がつく場所を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

選考の流れ(令和9年4月採用・日程B)

選考は一次試験と二次(最終)試験の2段階で、二次試験の内容は「面接試験(口述により実施)」です。人物を見る場は、この一度きり。

そして募集要項には、二次試験で「一次試験時の職場適応性検査を使用」と明記されています。一次で受けた検査の結果が、面接の場で使われるということです。

項目内容(令和9年4月採用・日程B)
試験の段階一次試験 → 二次(最終)試験の2段階。二次試験は一次試験合格者に対して実施
一次試験(一般事務職【一般枠】=区分A/【高校新卒枠】=区分B)一般教養試験90分《高校卒業程度の文章理解等》、事務適性検査10分《基本的な事務処理能力検査》、職場適応性検査20分《職場の適応性検査》
一次試験(総合技術職=区分C/司書=区分D)職場能力試験60分《社会常識や基礎的な読解力等》、事務適性検査10分、職場適応性検査20分
一次試験(技能労務職=区分E)業務適性検査20分《現場作業の適応性検査》、職場適応性検査20分
一次試験の受験方式区分A・B・C・Dは会場試験(マークシート方式・養父市立養父公民館)とテストセンター試験(パソコン操作)の選択制。区分Eは会場試験のみ
二次(最終)試験面接試験(口述により実施)。あわせて一次試験時の職場適応性検査を使用
面接の形式個別面接か集団面接かの別と実施回数について、確認した養父市の募集要項に記載はありません。集団討論に関する記載もありません
配点各試験の配点および合否決定の方法は公表されていません。最新の募集要項でご確認ください
採用予定人数一般事務職【一般枠】5名程度、【高校新卒枠】若干名、総合技術職5名程度、司書1名、技能労務職1名
試験結果の開示一次・二次とも、受験者本人が書面で「総合得点及び順位」の開示を請求できます(試験結果通知の日から1か月間)

受験資格にも特徴があります。一般事務職【一般枠】は「平成3年4月2日以降に生まれた人」かつ「高等学校以上の学校を卒業した人」で、大学卒業程度・短大卒業程度といった学歴別の区分は設けられていません。

また区分A・C・Dでは、国や都道府県、他の市区町村の任期の定めのない常勤職員として同一の行政機関で同じ職務経験が3年以上ある人について、一般教養試験または職場能力試験が免除され、職場適応性検査のみの受検となります。(出典:養父市職員候補者採用試験募集要項|令和9年4月採用)

上記は養父市の令和9年4月採用(日程B)の募集要項にもとづく内容です。試験の構成・職種区分・採用予定人数は、年度や日程によって変わります。受験の際は、必ずご自身が受ける職種区分の最新の試験情報をご確認ください。

選考の設計から読める評価軸

養父市の募集要項に、「求める職員像」にあたる定型の記載はありません。そこで、選考の組み立てそのものから読み取ります。

一次で職場適応性検査を受け、その結果を二次の面接で使う。この設計を素直に受け取れば、面接官はあなたの適応性検査の結果を手元に置いて質問をしてくることになります。

検査で出た傾向と、口で語る自分像が食い違えば、そこは当然掘られます。

用意した理想の人物像に寄せて話すより、自分の素の傾向を認めたうえで、それを仕事にどう生かすかまで説明できるほうが、受け答えは崩れにくくなります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。養父市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク緊張していますか?面接が一度きりの試験で、最初の数十秒をどう使うか。硬さを隠すより、素直に受け答えできるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間でもできる話で止まっていないか。人口2万人台のこの市を選んだ理由まで届いているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?職場適応性検査の結果と、自分で語る自己像がそろっているか
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください困難の大きさではなく、その場面で何を考えどう動いたか。二次の面接で最も深く掘られる領域
⑤ 学業・経歴卒業論文(研究)のテーマについて、簡単に説明してください学歴別区分のない試験のため、何を学んだかより、それをどう仕事に持ち込むかが問われる
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?部署が細かく分かれない規模の市で、幅の広い仕事を引き受ける構えがあるか
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?社会の動きを追っているか。中山間地域に関わる話題を自分の言葉で説明できるか

ここに挙げた質問は、ほとんどの受験者が準備してきます。外せない土台ではありますが、答えの中身では差が開きにくい部分です。

差が出るのは、次の質問です。

差がつくのは「養父市役所ならでは」の質問

「なぜ兵庫県庁ではなく、養父市役所なのですか?」
「養父市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも、市を調べていなければその場で組み立てようのない質問です。裏返せば、手持ちの材料の差がそのまま答えの差になる質問でもあります。

面接が一度きりである以上、この2問で持ち球を出し切れるかが結果を左右します。以下、面接で使いやすい事実に絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい養父市の事実答え方のヒント
人口と年齢構成住民基本台帳ベースで人口20,485人、高齢化率40.9%、75歳以上24.5%(令和8年1月1日現在)。県全体を同じ統計でみると29.5%・17.6%で、県内29市では養父市の高齢化率が最も高い4人に1人が75歳以上という構成を出発点に、高齢の市民が多い職場で自分に何ができるかを述べます
なぜ県庁ではなく市役所か一般事務職【一般枠】の採用予定は5名程度。人口2万人台の市では、一つの部署が受け持つ分野が広い制度論を語るより、担当が細かく分かれない環境で働きたい理由を、自分の経験に引きつけて述べます
国家戦略特区平成26年に中山間地域農業の改革拠点として区域指定。14社が参入し営農面積約60.3ヘクタール、うち約26.1ヘクタールは未作付だった農地、農業生産高約2.8億円制度の説明で終えず、参入した企業と地元の農家をどうつないでいくかという「続き」の話に踏み込みます
市域の広さ面積422.91平方キロメートルに約2万人。人口密度は約48人/km²で、県は公共交通空白地域の課題を挙げている広さそのものより、そこで暮らす人にどう届けるかを話します。移動手段、書類の届け方、施設の場所のうち関心のある一つを名指しします
職員の確保令和8年4月採用試験は、一般事務職(一般枠)が受験者35人・最終合格者6人。総合技術職(土木・建築)は受験者1人・最終合格者0人採用の難しさを他人事にせず、自分がこの市で働き続ける理由を、生活者としての視点も交えて語ります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

養父市は「求める職員像」を定型の文言では公表していません。

ここでは選考の設計に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場だと捉えます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られていると考えられます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
職場への適応一次で受けた職場適応性検査の傾向と、面接で語る自己像がそろっているか自分の性格を良く見せる方向に寄せず、苦手な状況とその扱い方まで言葉にしておく
仕事の幅を引き受ける構え配属が希望と違ったときの受け止め方。前例のない相談を持ち込まれたときの動き方自分で調べて手順を作り、最後まで運んだ経験を1つ、始まりから終わりまで通して話せるようにする
地域との関わり方住民と近い距離で働くことへの理解。生活者としてこの地域にどう関わるか地元でも市外出身でも、養父市の何に関心があるかを具体的な事実で1つ挙げられるようにする

なお、公務員の面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と掘られることが多いです。

養父市の場合、その掘り下げがすべて二次試験の一度の面接に集まります。細部まで自分の言葉で語れる実体験に根ざした答えを、事前に用意しておきましょう。

この規模の市役所で働くということ

養父市が一度に募るのは、一般事務、総合技術、司書、技能労務の4系統で、予定人数はそれぞれ5名程度から1名です。ここから先は、この採用の形と規模から当研究会が読み取ったことを書きます。

職種の数に対して一つひとつの枠が小さいということは、入ったあとに受け持つ範囲が、職種の名前より広く引かれるということでもあります。

そのため、担当が替わっても引き継げる形に、自分の仕事を残していける人が、この職場では長く効いてくるはずです。422.91平方キロメートルの市域に集落が散らばる条件も重なりますから、書類の上だけでは片づかない場面は少なくないと考えられます。

養父市は、受験者本人が書面で「総合得点及び順位」の開示を請求できる仕組みを設けています。自分がどう評価されたのかを、あとから数字で確かめられる試験だということです。

だからこそ、面接で語る自分は、結果を見返したときに納得できる一人であってほしい。持ち札の経験を、この市の仕事の進み方に合う言い方へ整えることに時間を使ってください。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 養父市の最新の募集要項を開き、自分の職種区分と一次試験の科目、そして会場試験かテストセンター試験かの選択を確認する
  2. 一次試験の一般教養試験は高校卒業程度。出題の範囲を見たうえで、筆記にかける学習量を早めに見積もる
  3. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. この記事の第1部に戻り、養父市の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする。固有質問の対応表から材料を選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 面接は二次の一度きり。声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、他の受験者と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を先に終わらせてください。自分のことを語れないまま市の知識だけを積んでも、面接の評価には届きません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、養父市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

養父市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までを解説していますので、一度の面接で何を出し切るべきかが見えてきます。特に本番までの時間が限られている方は、必要に応じてご活用ください。

養父市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和9年4月採用の日程Bでは、養父市の選考は一次試験と二次(最終)試験の2段階で、二次試験は面接だけです。配点は公表されていませんが、一次の職場適応性検査の結果を面接で使うと明記されている以上、検査と面接は地続きだと考えたほうがよいでしょう。

県内29市でいちばん人口が少なく、いちばん高齢化が進んだ市。使われていなかった農地を、企業と一緒に戻してきた市。

その市で、自分はどんな仕事に手を挙げたいのか。

一度の面接で言い切れるところまで、言葉を絞り込んでいってください。