本記事では、尼崎市職員採用試験の面接対策で必要な、尼崎市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

尼崎市役所の面接では、「なぜ尼崎市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。尼崎市は求める職員のすがたを短いキャッチフレーズで公表していますので、その言葉と自分の経験がどこで重なるかを先に見ておきましょう。

本記事で扱う選考の構成は、令和8年度実施の事務(新卒)の試験案内で確認できた範囲です。尼崎市は事務(既卒)・高校既卒・デジタル・法務を別の案内で募集していますので、ご自身が受ける区分の試験案内とあわせてお読みください。

なお尼崎市は「第1次試験」ではなく「1次選考」という表記を用いており、本記事もそれに合わせています。

第1部|自治体研究編

尼崎市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは尼崎市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 兵庫県の南東端にあり、伊丹市・西宮市と接するほか、府県境をまたいで大阪府の大阪市・豊中市とも接している。
  • 人口は458,008人(令和8年1月1日現在)、面積は50.70km²。兵庫県内29市のなかで4番目に人口が多い(同日現在の住民基本台帳による)。
  • 平成21年4月1日に中核市へ移行し、福祉・衛生・まちづくりなどの分野の事務を市が処理している。
  • 65歳以上は総人口の27.0%、75歳以上は16.6%で、兵庫県全体の29.5%・17.6%をいずれも下回る(同日現在)。
  • 自主防災組織の組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)で、県平均98.4%を上回る。
  • 市の花はキョウチクトウ、市の木はハナミズキ。
  • 令和8年度実施の事務(新卒)の選考は、エントリーシートの審査から始まり、SPIとオンライン面接、対面面接と進む3段階。

尼崎市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「尼崎市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模と年齢の内訳、市域の広さ、中核市という区分など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。兵庫県全体の値も添えています。

項目内容
総人口458,008人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口123,770人(総人口の27.0%)
75歳以上人口76,024人(総人口の16.6%)
総面積50.70km²
人口密度約9,034人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
市の区分中核市(平成21年4月1日移行)
隣接自治体伊丹市、西宮市、大阪府大阪市、大阪府豊中市
市役所所在地〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号
市の花・市の木市の花はキョウチクトウ、市の木はハナミズキ
(参考)兵庫県の総人口5,364,773人(令和8年1月1日現在)
(参考)兵庫県の高齢化率29.5%(同日現在。75歳以上は17.6%)

総人口・年齢別人口・高齢化率は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の市区町村別の値によります。面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理し、人口密度は上記の人口と面積から当研究会が算出しました。兵庫県が公表する推計人口や国勢調査ベースの人口とは調査の基準が異なりますので、本表の数値と並べて増減を計算しないようご注意ください。

数字から考えられる市政課題

尼崎市の数字でまず目に入るのは、密度です。50.70km²に45万人あまりが暮らし、人口密度は約9,034人/km²になります。

県内で4番目の人口が50km²あまりの市域に収まっている形で、道路や上下水道、公園といった都市基盤が住宅と隣り合って詰まっています。用地を新しく確保しにくいという条件は、施設の建て替えや再編を考えるときに必ず効いてきます。

年齢構成は、県全体と比べると若い側です。65歳以上27.0%・75歳以上16.6%は、同じ調査による兵庫県全体の29.5%・17.6%をいずれも下回ります(令和8年1月1日現在)。

ただし割合が低いことは、対象が少ないことを意味しません。65歳以上は12万3千人を超え、75歳以上だけで7万6千人います。

割合で語ると軽く見え、実数で語ると重く見える。この二重性は、尼崎市の福祉を語るときの前提になります。

実際の受け答えに載せるなら、次のような組み立てになります。

「尼崎市は65歳以上の方の割合が県の平均より低いと知りました。ただ人口が45万人ほどありますので、人数でいうと12万人を超えるはずです。割合だけを見て安心できる話ではないのではと感じています」

尼崎市の経済・産業

兵庫県という土台

  • 令和5年度の兵庫県内総生産(名目)は前年度比2.7%増の23兆9,895億円で、名目・実質とも3年連続の増加となった。
  • 兵庫県の県民総所得(名目)は25兆4,318億円、前年度から1.7%の増。
  • 兵庫県は神戸・阪神、播磨、但馬、丹波、淡路の「五国」からなり、県内には29の市と12の町がある。
  • 県は自らの強みとして、ものづくり産業の集積、科学技術の基盤、気候風土に恵まれた食材と食文化、国際性豊かな地域社会を挙げている。

尼崎市が属するのは、この五国のうち阪神地域です。県の資料は、県人口の6割が県土面積の14%にあたる神戸・阪神地域に集まっていると整理しています。

つまり尼崎市は、県のなかで人が最も濃く集まっている側に位置しています。県全体の課題をそのまま持ち込むと話がずれるのは、このためです(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度/兵庫県の現状と課題の整理|令和5年)。

中核市として担う仕事の幅

尼崎市は平成21年4月1日に中核市へ移行しました。市の説明によれば、中核市が処理できる事務には「福祉、衛生、まちづくりなどの分野の事務があります。」とされ、具体例として社会福祉法人の監査などを市が行うことが挙げられています。

中核市の指定要件は人口20万人以上で、平成27年4月1日からこの基準に緩和されました(出典:尼崎市 中核市への移行|平成21年)。

この一点は、志望動機を組み立てるうえで大きな意味を持ちます。窓口で手続きを受けるだけでなく、事業者を指導し、監査する側の仕事が市の中にあるということだからです。

市の職員が扱う制度の範囲が広いという事実は、「なぜ県庁ではなく市役所か」への答えにも直結します。

大阪と神戸に挟まれた立地

尼崎市が接するのは、兵庫県側では伊丹市と西宮市、府県境を越えては大阪市と豊中市です。通勤や通学、買い物の流れは、市境の内側で完結しません。

県の資料は、兵庫県が東京圏と大阪府への転出超過を続けている一方で、0歳から14歳と30歳代のファミリー層では転入超過が拡大していると整理しています。住む場所として選ばれるかどうかが、そのまま人口構成の行方を左右する位置にあるということです。

尼崎市の主な行政課題

尼崎市の課題は、45万人という規模と、狭い市域に人が濃く集まっているという条件から立ち上がってきます。ここでは4つを取り上げます。

どれが自分の関心に近いかを考えながら読み進めてください。

割合ではなく実数で来る高齢化

尼崎市の65歳以上人口は123,770人、うち75歳以上が76,024人です(令和8年1月1日現在)。総人口に対する割合は27.0%と16.6%で、兵庫県全体の29.5%・17.6%を下回ります。

しかし高齢者の3人に2人近くがすでに75歳以上という内訳で、支援の必要度が上がる年代に人数が寄っています。県内で人口4番目の市ですから、同じ1ポイントの上昇でも動く人数が大きくなります。

県全体で進む人口減少との関係

県の将来像も見ておきましょう。兵庫県の将来推計人口は、県人口が2009年の560万人をピークに減少し、2050年には423万人(2015年比24%減)まで落ち込むと見込んでいます。

65歳以上人口が4割を占め、4人に1人が75歳以上になるという見通しです(出典:兵庫県の現状と課題の整理|令和5年)。県は2011年以降、東京圏と大阪府への転出超過が続いているとも整理しており、大阪に隣接する尼崎市は、この人の流れの通り道に位置しています。

中核市の権限をどう使うか

中核市であることは、権限が増えるぶん責任も市に来るということです。福祉や衛生の分野で県ではなく市が判断する場面がある以上、制度の運用を誤ったときの影響も市が引き受けます。

市の規模で専門職を確保し、判断の質を保ち続けられるかは、移行から年数を重ねた市ほど問われる論点になります。行政のしくみに関心があるなら、ここは具体的な材料になります。

大規模災害への備え

兵庫県が公表する南海トラフ巨大地震・津波被害想定(県独自・平成26年6月)では、神戸・阪神・播磨地域の広範囲で最大震度6強が想定されています。

避難所生活者はピークで約168,700人、帰宅困難者は約591,000人(いずれも夏の昼間12時に発災した場合)とされています(出典:南海トラフ巨大地震・津波被害想定(兵庫県)|平成26年)。

県は阪神・淡路大震災の経験と教訓を、防災・減災だけでなく医療や介護、子育て、防犯まで含めた県民生活全体の安全安心に活かしてきたと整理しています。

尼崎市の自主防災組織の組織率は100.0%で、県平均の98.4%を上回ります(令和6年4月1日現在)(参考:兵庫県消防防災年報|令和6年版)。

組織が地域にそろっていることと、いざというときに動けることは別ですから、次の課題はそこに移ります。

重点政策|尼崎市のまちづくりを読む手がかり

尼崎市の個別の計画については、市の公式サイトで公表されている最新版に直接あたってください。計画を読む前に手に取っておきたいのは、市が職員に何を求めているかを一言で示した言葉です。

尼崎市は求める職員のすがたを「市民とともに、勇気と智恵を」というキャッチフレーズで公表しています。各計画に並ぶ事業も、この言葉が示す方向の上に置かれていると考えて読むと、自分の志望動機に使える記述を選びやすくなります(出典:尼崎市 職員採用に関するQ&A|令和8年度)。

志望分野を絞り込む視点

名称をそろえる作業に、面接での意味はありません。尼崎市では、志望先の分野を一つ選んだうえで、それが中核市として市に移ってきた仕事に含まれるのかどうかを確かめてください。

含まれるなら、県との違いをその分野の言葉で説明できます。「市民とともに、勇気と智恵を」という言葉と自分の姿勢が重なる場面も、あわせて用意しておきましょう。

POINT|計画の名称や事業名を丸暗記しなくてよい

名称を並べるより、志望分野と尼崎市の事情がどこで結び付くかを説明できるほうが、オンラインでも対面でも効きます。

悪い例「住みやすいまちである尼崎市で、市民に寄り添った行政サービスを提供したいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の相談を受けたいと思っています。その上で、尼崎市は中核市になって福祉や衛生の分野の仕事を市が担っていると知りましたので、施設を回って現場を見る側の仕事にも関わってみたいです」

あわせて確認したい公式資料

次の4つが出発点になります。受ける区分に近いものから順に開いてください。

  • ご自身が受ける区分の尼崎市職員採用選考の試験案内(事務(新卒)と事務(既卒)等は別建てです)
  • 尼崎市の求める職員のすがたと、人材育成基本方針「はたらきガイド」
  • 尼崎市の総合計画と、高齢者福祉・防災に関する分野別計画
  • 最新年度の当初予算と、市政運営に関する市長の説明

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、尼崎市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。尼崎市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

尼崎市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

尼崎市役所の面接の概要

ここからは、尼崎市役所の選考の形式と流れ、質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

尼崎市役所の選考の流れ

令和8年度実施の事務(新卒)の試験案内によると、選考は1次選考・2次選考・3次選考の3段階です。1次選考はエントリーシートの事前審査で、筆記は課されません。

2次選考でSPIの性格検査・能力検査とオンラインの個人面接、3次選考で対面の個人面接という並びになります。集団討論や集団面接は課されません。

試験案内の冒頭には「POINT1 特別な公務員対策は不要!SPI試験での受験が可能です」「POINT2 ご自身の予定に合わせた面接日時の設定が可能!」と掲げられており、民間企業の選考と並行して受けやすい設計であることが打ち出されています(出典:尼崎市職員採用試験案内 事務(新卒)|令和8年度)。

もう一つ、設計として見逃せない一文があります。試験案内は「各試験結果は当該試験の合格決定後、リセットし、次の試験で加味しません。」と明記しています。

つまり前の段階で高く評価されても、その得点は次の選考に持ち越されません。3段階それぞれが、その場でゼロから伝え直す場になるということです。

項目内容(令和8年度実施・事務(新卒))
選考の段階1次選考・2次選考・3次選考の3段階です
1次選考エントリーシートの事前審査です
2次選考SPI(性格検査・能力検査)と、オンラインの個人面接です。性格検査は自宅等、能力検査は全国のテストセンター会場で受験します
3次選考対面の個人面接です(尼崎市役所周辺で実施)
集団討論・集団面接この区分では課されません
得点の扱い「各試験結果は当該試験の合格決定後、リセットし、次の試験で加味しません。」と明記されています
SPI(性格検査)の位置づけ「面接や採用時の参考資料とするために実施します」と明記されています
提出書類1次選考のエントリーシート、エントリー時の顔写真データ、2次選考合格者が提出する全ての履修科目を確認できる書類(成績証明書等)のデータです
採用予定人数事務(新卒)は10人程度です
申込方法「パブリックコネクト」によるインターネット申込のみで、市役所窓口では受け付けません

上記は令和8年度実施の尼崎市職員採用選考のうち、事務(新卒)の試験案内にもとづく内容です。事務(既卒)・高校既卒・デジタル・法務は別の試験案内で募集され、受付期間や採用予定人数も異なります。各選考の配点は同案内に記載がないため、本記事でも触れていません。選考の構成・区分・採用予定人数は年度や区分によって異なりますので、受験の際は必ずご自身が受ける区分の最新の試験案内でご確認ください。

尼崎市役所が求める職員のすがた

尼崎市は求める職員のすがたを「市民とともに、勇気と智恵を」というキャッチフレーズで示し、それぞれの要素をこう説明しています。

  • 市民とともに
    市民の立場にたって、市民とともに考え行動することができ
  • 勇気
    困難な課題に対して果敢に取り組み
  • 智恵
    新たな発想や豊富な知識・技術・経験を備えている

3つの要素は、並列というより一続きの文になっています。市民の側に立って考え、難しい課題から逃げず、そのうえで手持ちの知識や経験を使って形にする。

求められているのは、姿勢と実行力が一本につながっている状態だと読めます。自己PRでは「積極的に取り組めます」と述べるだけでなく、実際に引き受けた場面で何を決め、どこまで動かしたのかまで説明したいところです。

なお、新規採用職員研修では公務員倫理、接遇・マナー、人権、パソコンなどを扱い、OJTと職場外派遣研修を組み合わせて実施すると公表されています。

では、この3つの要素は日々の仕事のどこに現れるのか。ここからは当研究会の分析としてお読みください。

福祉や衛生の分野で市が判断を担う一方、人の流れは大阪市や豊中市とつながり、都市基盤の更新には用地の制約がついて回ります。市の仕事が市境の内側だけで片づく場面は、そう多くありません。

となると、地域の団体や事業者、周辺の自治体と手を組みながら、限られた資源で実行できる形に落とし込める人が力を発揮しやすい。そう考えて準備しておいて損はありません。

住民から出た声を制度に乗る形へ整え、決まった制度をもう一度わかる言葉で返す。その往復ができるかどうかが、この規模の市では効いてきます。

そのうえで、準備の仕方は選考の設計から決めるのが早道です。尼崎市は各選考の結果をリセットする方式をとり、しかも1次はエントリーシート、2次はオンライン、3次は対面と、伝える媒体が段階ごとに変わります。

書いた自分と、画面越しの自分と、目の前の自分が食い違えば、そこが引っかかります。

逆に言えば、核になる経験を一つ決めて、書くとき・画面越しに話すとき・目の前でやり取りするときのどれでも同じ中身が出てくる状態にしておく。そこまで持っていければ、段階が変わっても崩れません。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。尼崎市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイクまず自己紹介を1分程度でお願いします2次はオンライン、3次は対面と場が変わるなかで、同じ導入を出せるか
② 動機・志望なぜ尼崎市で働きたいと思ったのですか中核市として市が担う事務の幅を知ったうえでの理由になっているか
③ 自己理解ご自身の強みを一言で表すと何ですかエントリーシートに書いた内容と、口頭の説明がそろっているか
④ 経験・行動周りを巻き込んで何かを進めた経験を教えてください「市民とともに」という言葉を、自分の経験で裏づけられるか
⑤ 学業・経歴これまでに一番手応えのあった取り組みは何ですか履修科目の書類を出す選考で、学びの中身を自分の言葉で語れるか
⑥ 適性・将来10年後、市役所でどんな役割を担っていたいですか45万人規模の市で仕事が広がっていくことを織り込めているか
⑦ 公共性・社会性行政と市民が協働するとは、どういうことだと思いますか公表された「市民とともに」を自分の言葉で言い換えられるか

7つのカテゴリーは受験者全員が対策してくる領域なので、ここだけでは大きな差がつきにくいところです。分かれ目になるのは、尼崎市の事情を知らなければ答えられない質問のほうです。

合否を分けるのは「尼崎市役所ならでは」の質問

「なぜ兵庫県庁ではなく、尼崎市役所を志望するのですか?」
「尼崎市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

尼崎市の現状を知らないままでは答えようがない質問ですが、だからこそ、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。答えに使える「尼崎市の事実」を、面接で扱いやすい形に絞ってまとめました。

質問テーマ知っておきたい尼崎市の事実答え方のヒント
中核市であること平成21年4月1日に中核市へ移行し、福祉・衛生・まちづくりなどの分野の事務を市が処理している(社会福祉法人の監査など)「県ではなく市がやっている仕事」の具体例として挙げ、自分の関心分野と結び付ける
なぜ県庁ではなく市役所か兵庫県庁は五国にまたがる広域の調整を担い、尼崎市役所は45万人が暮らす市域で日々の暮らしに直結する仕事を担う役割の違いの説明で止めず、中核市として市に来ている権限の話まで踏み込む
人口と年齢構成総人口458,008人、65歳以上27.0%、75歳以上16.6%で、兵庫県全体の29.5%・17.6%を下回る(令和8年1月1日現在)割合の低さをそのまま強みにせず、12万人を超える実数の重さに触れる
防災の足元自主防災組織の組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)で、県平均98.4%を上回る数字を挙げたうえで、組織が「ある」ことと「動く」ことの違いに踏み込む
選考の設計1次はエントリーシート、2次はSPIとオンライン面接、3次は対面面接で、各選考の結果は次に持ち越されない段階ごとに伝え直す前提を踏まえ、同じ素材を場に合わせて出す練習をしていると話す

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、尼崎市が公表している「市民とともに、勇気と智恵を」という求める職員のすがたに照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民とともに進める姿勢キャッチフレーズの1つ目に直結する観点として、経験の掘り下げで確かめられる立場の違う相手と一緒に物事を進めた場面を選び、自分が調整に回った部分まで話せるようにする
困難な課題に向かう構え「勇気」の要素として、引き受けた経験の中身が問われる途中でうまくいかなかった局面と、そこで何を変えたかをセットで用意しておく
知識や経験の使い方「智恵」の要素にあたり、SPIの性格検査も面接の参考資料として使われる自分の知識や技術が尼崎市の仕事のどこで使えるかを、分野を絞って具体化しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

尼崎市は2次と3次の両方が個人面接ですから、掘り下げに向き合う機会が二度あります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、エントリーシートの段階から一貫させておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. ご自身が受ける区分の試験案内を読み、受験資格・提出書類・選考の段階を確認する
  2. これまでの経験を書き出す。学業・課外活動・アルバイトの3方向から、1分以内で話せる具体例を1つずつ選ぶ
  3. エントリーシートの下書きを作り、7カテゴリーの代表質問にも一言メモで答えを用意する
  4. この記事の第1部を読み返し、志望分野に近い尼崎市の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の対応表から材料を選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. ステップ3から5でまとめた内容を、画面越しと対面の両方で声に出して確かめる。2次と3次で場が変わるためです

優先順位に注意

ステップ4とステップ5が尼崎市についての自治体研究にあたり、他の受験生と差がつくのもここです。ただし着手の順序は逆で、時間が足りないならステップ2とステップ3を先に固めてください。1次選考がエントリーシートの審査である以上、自分の経験を書けない状態では市の知識を使う場面まで進めません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、尼崎市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

尼崎市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

尼崎市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度実施の事務(新卒)で見るかぎり、尼崎市の選考は書いたもので始まり、画面越しの面接を経て、最後に対面で決まります。各段階の結果はリセットされますから、通過するたびに、同じ人物であることをもう一度示し直すことになります。

中核市として福祉や衛生の仕事まで抱える45万人のまちで、自分はどの現場に立ちたいのか。「市民とともに、勇気と智恵を」のうち、いま自信をもって言えるのはどれで、これから積むべきなのはどれか。

一度書き出して、声に出して読んでみてください。書いた言葉と話した言葉がずれていれば、そこがまだ固まっていない部分です。