本記事では、三木市職員採用試験の面接対策で必要な、三木市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
三木市役所の面接試験では、「なぜ三木市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市の実情や政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、三木市ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。
以下は、令和9年4月採用の職員採用試験のうち事務職A(大卒・短大卒等)の区分を軸に整理しています。三木市はAからEまでの5区分のいずれか1つしか受験できませんので、自分が申し込む区分の試験案内と読み合わせながら進めてください。
第1部|自治体研究編
三木市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは三木市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 兵庫県南部の北播磨に位置する市。面積は176.51平方キロメートルで、神戸市・三田市・加古川市・小野市・加東市と加古郡稲美町の6つの自治体に接する。
- 人口は7万2,286人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。人口密度は1平方キロメートルあたり約410人で、市域に集落が分かれて点在する。
- 市自身が職員採用試験案内の表紙で「三木市 金物と酒米とゴルフのまち」と名乗っている。
- 播州三木打刃物は、天正8年(1580年)の三木城落城後の復興に集まった大工と、その道具をつくる鍛冶職人から発展した。平成8年4月8日に伝統的工芸品に指定されている。
- 兵庫県立三木総合防災公園と兵庫県広域防災センターが市内に立地し、災害時には県の広域防災拠点として機能する。
- 市の花はサツキ、市の木はマツ。
- 職員採用試験は、事務職Aの第1次試験に教養試験120分を課す構成。第2次が集団面接、第3次が個人面接という流れになっている。
三木市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「三木市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
下の表は、人口と年齢構成、市域の広さ、地域の防災体制、採用の規模を並べたものです。三木市の場合は高齢化率の高さが他の項目の意味を変えますので、そこを起点に眺めてみてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 72,286人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 25,888人(高齢化率35.8%) |
| うち75歳以上人口 | 15,995人(総人口の22.1%) |
| 総面積 | 176.51km² |
| 人口密度 | 約410人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接する自治体 | 神戸市、三田市、加古川市、小野市、加東市、加古郡稲美町の6市町 |
| 自主防災組織 | 組織率100.0%(令和6年4月1日現在。兵庫県平均は98.4%) |
| 事務職Aの採用予定人員 | 5名程度(令和9年4月採用) |
総人口と年齢別人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)、面積と隣接自治体は当研究会が整理した基礎データ、自主防災組織は兵庫県の消防防災年報、採用予定人員は令和9年4月採用の試験案内によります。人口密度は住民基本台帳人口を面積で割った参考値です。市民経済計算にあたる数値は本記事では扱わず、経済の姿は市域の産業から見ていきます。
数字から考えられる市政課題
三木市の高齢化率は35.8%、75歳以上が総人口の22.1%です。
同じ住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で兵庫県全体を見ると高齢化率29.5%・75歳以上率17.6%ですから、県平均を6ポイント以上、75歳以上率では4ポイント以上上回る水準にあります。国勢調査をもとにした県の推計値は基準が異なるため、そちらの数字と並べて比べることはできません。
ここに市域の広さが重なります。176.51平方キロメートルに7万2千人ですから、人口密度は1平方キロメートルあたり約410人。
市域に集落が分かれて点在し、そのそれぞれで高齢化が進んでいるということです。窓口へ来てもらう前提の行政サービスが成り立ちにくくなる、という言い方もできます。
集落の点在と高齢化は、面接で次のように結び付けられます。
三木市の経済・産業
金物のまちとしての土台
三木市の産業を語るとき、外せないのが金物です。播州三木打刃物の起源は、天正8年(1580年)の三木城落城のあとにさかのぼります。
町を建て直すために各地から大工が集まり、続いてその道具をつくる鍛冶職人が現れたことで発展したと整理されています。平成8年4月8日に伝統的工芸品の指定を受け、現在ものこぎり・のみ・かんな・こて・小刀が手づくりされています。(出典:播州三木打刃物(兵庫県))
つまり、三木市の金物は観光資源である前に、400年以上続いてきた職の集積だということです。
市が採用試験案内の表紙で「金物と酒米とゴルフのまち」と名乗っているのも、産業と土地の歴史がそのまま市の看板になっているからでしょう。志望動機で産業を語るなら、名産品の紹介ではなく、この技術を誰がどう受け継いでいくのかという側から入ると、話の質が変わります。
県全体の経済のなかで
市ごとの経済統計は限られるため、県の水準を手がかりにします。令和5年度の兵庫県内総生産(名目)は前年度比2.7%増の23兆9,895億円で、名目・実質とも3年連続の増加でした。
兵庫県民総所得(名目)は25兆4,318億円(前年度比1.7%増)です。(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度)
県が自分の強みとして最初に置いているのが「ものづくり産業の集積」です。三木市の打刃物は、その集積の最も古い層にあたるものです。
県全体の話に寄せるのではなく、県の強みのどの部分を三木市が担っているのかまで言えると、県との違いを問われたときにも効いてきます。
人を呼ぶ資源としてのゴルフ場と防災公園
市が自ら掲げる3つのキーワードの3つ目がゴルフです。加えて市内には、全体計画面積202.5ヘクタールの兵庫県立三木総合防災公園があり、平常時はスポーツ振興の拠点として使われています。(出典:兵庫県立三木総合防災公園(兵庫県))
県全体で見ると、令和5年度の兵庫県の観光入込客数は1億2,232万人(対前年度比106.8%)で、うち日帰客が1億1,085万人と全体の90.6%を占めます。
目的別ではスポーツ・レクリエーションの3,549万人が最も多い分類です。日帰りでスポーツを目的に訪れる人が多いという県の傾向は、三木市の持つ資源とよく噛み合います。(出典:兵庫県観光客動態調査報告書|令和5年度)
三木市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、三木市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
県平均を大きく超える高齢化
高齢化率35.8%、75歳以上率22.1%という数字は、県全体(29.5%、17.6%)を明確に上回ります。
県の将来推計では、兵庫県全体で2050年に人口423万人(2015年比24%減)まで縮み、65歳以上が4割、4人に1人が75歳以上になると見込まれています。県が2050年に見込む姿の一部を、三木市はすでに先取りしていることになります。(出典:兵庫県の現状と課題の整理|2023年)
広い市域と、移動の確保
同じ県資料では、公共交通空白地域が可住地面積の23.4%を占め、そこに住む人は約169,638人(県人口の3.1%)とされています。淡路地域や播磨地域の内陸部に多いという整理です。
三木市は北播磨の内陸に位置し、面積176.51平方キロメートルに約7万2千人が分かれて暮らしています。高齢化と広い市域という2つの条件が重なると、移動の確保は福祉の問題そのものになります。
買い物、通院、行政手続き。どれも「そこまで行けるか」が前提になるからです。
南海トラフ巨大地震への備え
兵庫県が平成26年6月に公表した南海トラフ巨大地震・津波被害想定では、神戸・阪神・播磨地域の広い範囲で最大震度6強、淡路地域の洲本市・南あわじ市で最大震度7が想定されています。県全体の死者は最大時(夏の昼間12時発災)で約29,100人、うち約96%にあたる約27,970人が津波によるもの、建物全壊は最大時(冬の夕方18時発災)で約38,500棟という想定です。(出典:南海トラフ巨大地震・津波被害想定(兵庫県)|平成26年)
内陸に位置する三木市は津波の直接の想定域ではありませんが、その分だけ役割が変わります。
県の広域防災拠点が市内にあるということは、被災地を支える側に回る可能性が高いということだからです。三木市で防災を語るなら、市民を守る話と、県全体を支える話の両方を持っておきましょう。
伝統産業の担い手をどうつなぐか
播州三木打刃物は、のこぎりやのみを1本ずつ手づくりする技術です。担い手の高齢化が全国の伝統的工芸品に共通する課題であることを踏まえると、高齢化率35.8%の市でこの産業を次の世代へ渡していく難しさは、想像に難くありません。
産業振興、観光、教育、移住定住。どの入り口からも関われるテーマなので、志望分野と結び付けやすい素材です。
神戸に接することは、追い風か向かい風か
兵庫県の推計人口(県統計課公表)は令和8年6月1日現在で5,304,414人、前月から2,783人減りました。令和8年5月中の増減は自然減2,290人・社会減493人で、県内10地域すべてで人口が減っています。
県はあわせて、2011年以降の転出超過が続いていること、県人口の6割が県土面積の14%にあたる神戸・阪神地域に集まっていることを課題として整理しています。三木市は神戸市に接する市ですが、その近さが転入につながるのか、それとも流出の経路になるのかは、市の打ち手次第という面があります。
三木市の重点政策|県の広域防災拠点を抱える市として
三木市の立ち位置を一言で説明できる材料は、市域に置かれた県の施設にあります。
人口7万2千人の市が、県全体の災害対応を支える拠点を抱えている。この事実は、市の仕事の性格をかなりの程度説明してくれます。
市内に置かれた県の広域防災拠点
兵庫県立三木総合防災公園は三木市志染町にあり、全体計画面積は202.5ヘクタール。平常時はスポーツ振興の拠点として使われ、災害時には隣接する兵庫県広域防災センターと一体で県の広域防災拠点として機能します。
広域防災センターでは、地震体験や煙避難体験など7つの体験型防災訓練プログラムが提供されています。さらに令和7年3月には、三木総合防災公園が国のプッシュ型支援の分散備蓄拠点の一つとして整備されることが決まりました。
市内の自主防災組織の組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)で、兵庫県平均の98.4%を上回っています。県の拠点を抱えていることと、地域の側の備えが整っていること。この2つは無関係ではないでしょう。(出典:兵庫県消防防災年報|令和6年版)
拠点があることが、仕事の形にどう表れるか
広域防災拠点が市内にあるということは、平時から県や国、他市町との調整が仕事に組み込まれるということです。
備蓄拠点としての整備が決まったことで、その比重はさらに増していきます。あわせて、公園の平常時利用はスポーツ振興でもありますから、防災とスポーツと観光が一つの場所で重なるという、この市ならではの構造も生まれます。
「なぜ県庁ではなく市役所か」を問われたとき、三木市の受験者には具体的な答え方があります。
県の拠点が置かれている市の職員として、県の計画を受け取る側ではなく、市民の暮らしと拠点の運用の両方に足をかけて働きたい。そう言えるのは、この市を受ける人だけです。
POINT|施設名を覚えるより、そこで市が何をするのかを考える
関心のある分野を1つ決め、「①三木市の地形や人口構成がその分野にどう効いているか → ②市はどこまで手を打っているか → ③自分のどの経験がそこに触れるか」の順にたどってみてください。それだけで志望動機の骨が通ります。
悪い例「三木市には県の防災拠点があるので、防災の仕事がしたいです」
改善例「三木市は高齢化率が県より高くて、しかも集落が広く分かれていると知りました。大きな地震が来たときに、拠点があるだけでは足りないと思います。地域の方と一緒に、いざというときの動き方を決めておく仕事に関わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
三木市はAからEまでの5区分のうち1つしか受験できず、同一年度に同じ職種を二度受けることもできません。まず自分がどの区分で受けるかを決め、その前提で資料をそろえてください。
- 令和9年4月採用の三木市職員採用試験案内(区分ごとの試験科目と、事務職だけが第3次試験まで進む構成)
- 三木市公式サイトに掲載されている「三木市が求める人材像」(3項目とその具体的な説明)
- 三木市の防災・危機管理に関する市公式ページ(地域の防災組織や避難に関する市の案内)
- 関心のある分野の市の個別計画を1本(産業振興、福祉、都市計画など、志望動機に触れるもの)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、三木市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。三木市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
三木市役所の面接の概要
ここからは、三木市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
三木市役所の面接の流れ
令和9年4月採用の事務職Aは、第1次から第3次までの3段階で選考が進みます。特徴は2つあります。
ひとつは、第1次試験に教養試験120分が置かれた筆記中心の構成であること。もうひとつは、第2次が集団面接、第3次が個人面接という順序になっていることです。
まず複数人の場で見られ、そのあと1対1で掘られる。この順番を知らずに臨むと、第2次で戸惑います。
| 項目 | 内容(令和9年4月採用・事務職A) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験 → 第2次試験 → 第3次試験の3段階。第3次試験を行うのは事務職のみで、土木職・建築職は第2次試験までです |
| 第1次試験 | 教養試験120分(時事、社会・人文、自然に関する一般知識並びに文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力)と、事務適性検査10分(正確さ、迅速さ等の作業能力をみるもの) |
| 第2次試験 | 集団面接と、性格特性検査20分 |
| 第3次試験 | 個人面接(事務職のみ実施) |
| 面接の種類 | 第2次の集団面接と第3次の個人面接で計2回。試験案内に集団討論の記載はありません |
| 受験できる区分 | 事務職A、土木職B・C、建築職D・Eの5区分のうち1つのみ。同一年度内に同じ職種を二度受験することはできません |
| 第1次試験当日の持参物 | 受験票、筆記具(HBの鉛筆、消しゴム)、時計(計時機能だけのもの)。面接カードや自己PRシート等の提出書類は記載されていません |
| 合格から採用まで | 合格者には身体検査を実施。最終合格発表後、最終学歴確認のため卒業証明書の原本を提出します |
| 事務職Aの採用予定人員 | 5名程度 |
この構成から読み取れることは明確です。第1次の教養試験を突破しないかぎり面接の場に立てません。
三木市の対策は、筆記と面接の二本立てで組む必要があります。そのうえで、面接の準備には集団の場での振る舞いという要素が加わります。
集団面接では、他の受験者の回答を聞いたあとに同じ問いへ答える場面が生じますので、準備した文章をそのまま読み上げる形だと不自然に浮きます。(出典:三木市職員採用試験案内|令和9年4月採用)
上記の試験構成は、三木市の令和9年4月採用の職員採用試験案内にもとづく事務職Aの区分のものです。配点の具体値は試験案内に記載がありません。試験の構成・日程・配点等は年度や区分によって異なりますので、必ずご自身が受ける区分の最新の受験案内でご確認ください。併願先によって第1次試験の中身は大きく変わりますので、あわせて確認しておきましょう。
三木市が求める人材像
三木市は「三木市が求める人材像」を公表しており、「あなたのやる気と行動が、三木の未来を創る原動力になる!」という見出しのもとに3項目を掲げています。
「自ら考え行動する人」「市民目線で考え、常に新たな視点を持てる人」「高い倫理観、強い使命感と責任感を持った人」の3つです。(出典:三木市が求める人材像(三木市))
それぞれには具体的な説明が添えられています。1つ目は「上司からの指示を待つのではなく、自ら率先して考え行動する」。
2つ目は「相手の立場に立ち、何が必要かを外からの目線で考える」に加えて「コスト意識を常に持ち、経営感覚を身に付けていく」。3つ目は「常に責任を持ち、最後までやり遂げる」と「協調性を持ち、チームでの仕事を重視する」です。
注目したいのは、2つ目に経営感覚が並んでいることです。市民目線という言葉は多くの自治体が使いますが、三木市はそこへ「コスト意識を常に持ち、経営感覚を身に付けていく」という一文を並べて置いています。
人口7万2千人台で採用は事務職5名程度という規模を思えば、この組み合わせは自然に見えてきます。予算にも人手にも余白の少ない市では、やるかやらないかの判断が担当者のところまで降りてくるからです。
手をつける前に費用と手間を見積もれること、そして見積もりが外れたと気づいたときに早く口に出せること。市が掲げる3項目を、この規模の市の日常に引きつけて読むと、当研究会にはこのあたりが要点に見えます。
準備は、第2次の集団面接から逆算するのが実際的です。他の受験者と同じ問いに続けて答える場ですから、作り込んだ言葉ほど浮きます。
3項目に寄せて話をこしらえるより、率先して動いた場面、相手の立場から考え直した場面、最後までやり切った場面を1つずつ思い出しておくほうが、その場では強い。どれもすでに自分の身に起きたことですから、第3次で角度を変えて問われても中身が痩せません。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。三木市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 三木市には来られたことがありますか? | 広い市域のどこを見てきたか。訪れた事実より、そこで何に気づいたか |
| ② 動機・志望 | なぜ三木市の職員を志望するのですか | 集団面接で他の受験者の答えに続いても揺れない、自分だけの理由か |
| ③ 自己理解 | あなたの短所を教えてください | 短所を認めたうえで、どう付き合っているかまで話せるか |
| ④ 経験・行動 | 自分から動いて周囲を巻き込んだ経験はありますか | 市が1つ目に掲げる「自ら考え行動する」に直結する場面の中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 大学で学んだことを簡単に説明してください | 短い持ち時間で要点をまとめる力。集団面接では特に問われます |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う部署に配属されたらどうしますか | 職員数の限られた市で、担当が変わっても働き続けられるか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 行政のコスト意識について、どう考えますか | 市が人材像に掲げる経営感覚を、自分の言葉で語れるか |
7つのカテゴリーは、併願先の面接でもそのまま使える整理です。
三木市の第2次は集団面接ですから、同じ枠で準備してきた受験者と横に並んで答えることになります。そこで浮き上がるのは、三木市を見てきた人だけが出せる中身のほうです。
合否を分けるのは「三木市役所ならでは」の質問
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
三木市の場合、県の広域防災拠点を抱えているという事実が、1問目の強い足場になります。答えの材料になる事実を絞り込み、それぞれの使いどころとあわせて示します。
| 質問テーマ | 知っておきたい三木市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 高齢化の現在地 | 高齢化率35.8%、75歳以上率22.1%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。県全体は29.5%、17.6% | 数字を挙げるだけでなく、面積176.51平方キロメートルという広さと重ねて、届け方の課題として語ります |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県立三木総合防災公園と県広域防災センターが市内にあり、令和7年3月には国の分散備蓄拠点としての整備も決まった | 県の計画を受け取る側ではなく、市民の暮らしと拠点の運用の両方に関わりたい、という向きで話します |
| 市の産業 | 播州三木打刃物は天正8年の三木城落城後の復興に由来し、平成8年4月8日に伝統的工芸品に指定された | 名産品の紹介で終えず、技術を次の世代へ渡す担い手の話まで踏み込むと深まります |
| 市が掲げる看板 | 職員採用試験案内の表紙に「三木市 金物と酒米とゴルフのまち」と記されている | 市が自分をどう名乗っているかを引いたうえで、その3つのどこに自分が関わりたいかを言います |
| 地域の防災力 | 市内すべての地区に自主防災組織があり、組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)。兵庫県平均は98.4% | すでに整っている領域ですので、高齢化が進むなかで担い手をどう保つかという先の論点まで進めると差がつきます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、三木市が「求める人材像」に掲げた3項目を手がかりに、これまでの行動を確かめていく場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 自ら考え行動する | 指示を待たずに動き出した場面と、そこで何を判断材料にしたか | 誰にも頼まれずに始めたことを1つ選び、始めた理由から話せるようにしておく |
| 市民目線と経営感覚 | 相手の立場から見直した経験。あわせて、限られた時間や費用のなかで優先順位をつけた経験 | コストや手間を減らす工夫をした場面を、数字か手順のどちらかで説明できるようにする |
| 高い倫理観と責任感 | 最後までやり遂げた経験と、チームで役割を引き受けた経験 | 途中で投げ出したくなった場面を含めて話せると、やり遂げた事実に重みが出る |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
三木市では第3次の個人面接がこの役割を担いますので、第2次の集団面接で短く述べた内容を、そこから何段も掘り下げられる前提で備えてください。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 令和9年4月採用の三木市職員採用試験案内を読み、受験する区分を決める。5区分のうち1つしか受けられない点に注意する
- 第1次の教養試験120分と事務適性検査10分に向けて、筆記の学習計画を先に立てる。面接対策はここと並行して進める
- 高校・大学での経験を棚卸しし、率先して動いた場面、相手の立場から考え直した場面、やり遂げた場面を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る。集団面接を想定し、1分以内で言い切れる長さにそろえる
- 記事の前半に戻り、固有質問の対応表から志望分野に近い事実を2つ拾って、自分の問題意識と結ぶ
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ5の自治体研究は、他の受験生への上乗せ分にあたります。ただし三木市の場合、その前にステップ2の筆記対策が控えています。第1次の教養試験を通らなければ面接の場に立てませんので、学習計画とステップ3の経験の棚卸しを先に走らせてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、三木市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
三木市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和9年4月採用の三木市の事務職Aは、教養試験120分を通ってはじめて面接の場に立てます。そして待っているのは、集団面接から個人面接へという二段の構えです。
筆記の学習を進めながら、話す準備も並行して積み上げていく必要があります。負担は小さくありませんが、市が人材像に「自ら考え行動する」と掲げていることを思えば、その準備の進め方そのものが、すでに問われているとも言えます。
まずは受験する区分を決め、試験案内を1枚ずつ確かめるところから始めてください。