本記事では、三田市職員採用試験の面接対策で必要な、三田市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
三田市役所の面接では、「なぜ三田市を志望したのか」「市の職員としてどんな仕事がしたいのか」「あなたの経験を三田市政のどこで生かせるのか」といった、市の成り立ちを知らないままでは表面的な答えになってしまう質問が想定されます。
三田市は人口の増え方も年齢構成も、他の市とはっきり違う経緯をたどってきた市です。そこを押さえておくと、話の説得力が変わります。
試験に関する記述は、令和8年度実施(令和9年4月採用)の三田市正規職員採用試験の募集要項で公表されている事務職の内容を軸にしています。年度や職種が変われば構成も変わりますので、その前提でお読みください。
第1部|自治体研究編
三田市の特徴
面接対策に入る前に、三田市がどんな道のりを歩んできた市なのかを一度に見ておきましょう。ここだけでも読んでおくと、以降の数字の意味がつかみやすくなります。
- 読みは「さんだ」。兵庫県の南東部にあり、神戸市の中心部から六甲山系を越えて北へ約25キロメートル、大阪市からは北西へ約35キロメートルの位置にある。
- 昭和33年に、兵庫県で20番目の市として発足した。
- 武庫川右岸の丘陵地に北摂三田ニュータウンが開発され、昭和56年から入居が始まった。これにより人口が急増し、昭和62年から平成8年まで10年連続で人口増加率が日本一となった。
- 人口は105,561人(令和8年1月1日現在)。住民基本台帳ベースで兵庫県内29市のうち10番目にあたる。
- 市域は210.32平方キロメートルと広く、人口密度は約502人/km²。市街地と農村部の両方を抱えている。
- 65歳以上は31.0%と県平均を上回る一方、75歳以上は15.0%で県平均を下回るという、他ではあまり見ない年齢構成になっている。
- 神戸市・宝塚市・三木市・加東市・丹波篠山市と川辺郡猪名川町に接しており、都市部と内陸部の両方が隣り合っている。
- 採用試験では動画投稿による事前選考が行われ、これを通過した人だけが1次試験へ進む。市は令和5年1月から職員の軽装での勤務を通年で実施しており、受験時の服装も軽装で構わないと案内している。
三田市の基礎データ
細かい統計値を覚え込む必要はありませんが、三田市がどれくらいの規模で、どんな年齢の人が暮らす市なのかは押さえておきたいところです。
人口とその年齢構成、市域の広さ、接している自治体を、兵庫県全体の値と並べて整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 105,561人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 32,675人(総人口の31.0%) |
| 75歳以上人口 | 15,869人(総人口の15.0%) |
| 総面積 | 210.32km² |
| 人口密度 | 約502人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 神戸市、宝塚市、三木市、加東市、丹波篠山市、川辺郡猪名川町 |
| 市制施行 | 昭和33年(兵庫県で20番目の市) |
| 市役所所在地 | 〒669-1595 兵庫県三田市三輪二丁目1番1号 |
| 市の花・市の木 | 市の花はサツキ、市の木はアカマツ |
| (参考)兵庫県の総人口 | 5,364,773人(令和8年1月1日現在) |
| (参考)兵庫県の高齢化率 | 29.5%(同日現在。75歳以上は17.6%) |
総人口・年齢別人口・高齢化率および県内順位は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の市区町村別の値によります。面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理し、人口密度は上記の人口と面積から当研究会が算出しました。兵庫県が別に公表している推計人口は、国勢調査を基礎とする系列の異なる数値です。この表の値と突き合わせて増減を出さないようご注意ください。
数字から考えられる市政課題
三田市の年齢構成は、少し立ち止まって読む価値があります。65歳以上は31.0%で兵庫県全体の29.5%を上回っているのに、75歳以上は15.0%と県全体の17.6%を下回っています(いずれも令和8年1月1日現在)。
差し引きすると、65歳から74歳の層が総人口のおよそ16%を占めており、県全体の同じ層より厚いということになります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在)。
これはニュータウンに一斉に入居した世代が、そろって同じ年代に差しかかっていることの表れだと考えられます。裏を返せば、いまはまだ元気な世代が、10年後には一斉に後期高齢期へ移るということでもあります。
医療や介護の需要は、いまの数字ではなく、これから急に立ち上がる。三田市の高齢化は、他の市より遅れて来て、来たときは一気に来る性格を持っています。
この読みを、面接ではたとえば次のように口に出せます。
三田市の経済・産業
人口増加率日本一だった時代
三田市を語るとき、避けて通れないのが北摂三田ニュータウンです。武庫川右岸の丘陵地に開発され、昭和56年から入居が始まりました。
これによって人口が急増し、昭和62年から平成8年までの10年間、三田市は人口増加率で日本一を記録し続けました。
大都市に近い山あいの土地に、住宅地をまとめて造る。そこへ大阪や神戸で働く世帯が移り住む。この構図が三田市の骨格をつくりました。
市の経済も、工場や港湾ではなく、そこに住む人の暮らしを土台に組み立てられています。急に増えた人口は、そのまま急に高齢化する人口でもあります。
ニュータウンを持つ市の経済と行政を考えるうえで、この時間差はいちばんの論点です。
県全体の経済のなかでの位置
兵庫県の令和5年度の県内総生産は名目で23兆9,895億円(前年度比2.7%増)、県民総所得は25兆4,318億円(同1.7%増)でした。県が挙げる自らの強みは、ものづくり産業の集積、科学技術の基盤、多彩な食材と食文化、そして国際性豊かな地域社会です(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度)。
県の資料によれば、兵庫県の人口の6割が県土面積の14%にあたる神戸・阪神地域に集まっています。三田市はその集積地の縁に位置し、市域の内側には農村部も抱えています。
また県全体では平成23年以降、東京圏と大阪府への転出超過が続いており、とくに20歳代の流出が続く一方、0歳から14歳と30歳代の層では転入超過が広がっているという分析も示されています。子育て世帯に選ばれるかどうかが、三田市のような住宅地を持つ市の将来を左右します(出典:兵庫県の現状と課題の整理|2023年)。
位置と広がり
三田市は神戸市の中心部から六甲山系を越えて北へ約25キロメートル、大阪市からは北西へ約35キロメートルの位置にあります。
都市部への距離としては通える範囲でありながら、市域は210.32平方キロメートルと広く、人口密度は約502人/km²にとどまります。都市に近いのに、まちの姿は都市型ではないという二面性が、三田市の行政の難しさであり面白さでもあります。
県全体の観光を見ると、令和5年度の入込客数は1億2,232万人で、内訳は日帰客1億1,085万人・宿泊客1,147万人と、日帰りが9割を占めます。
目的別ではスポーツやレクリエーションが3,549万人で最も多く、歴史・文化が2,724万人と続きました(出典:兵庫県観光客動態調査報告書|令和5年度)。近隣の都市部から日帰りで訪れやすい位置にあることは、自然や農のある景観を持つ三田市にとって使える条件です。
三田市の主な行政課題
ここまでの成り立ちと数字を重ねると、三田市がこれから向き合う論点が見えてきます。市の課題を尋ねられたときのために、次の5つを引き出しに入れておきましょう。
一斉高齢化の入口に立っていること
65歳以上が31.0%で県平均を上回り、75歳以上は15.0%で県平均を下回る。この組み合わせは、後期高齢期の人口がこれから急に増える段階にあることを示しています。
介護施設の量、在宅医療の体制、見守りの担い手。どれも需要が立ち上がってから整えたのでは間に合いません。
いまの数字が落ち着いて見えることが、かえって難しさになっている市だといえます。
広い市域に人がまばらに住むこと
人口密度約502人/km²という数字は、住宅が連なる市街地型のまちとは違う人の分布を意味します。市域が210.32平方キロメートルある以上、窓口も移動手段も、市街地と農村部で同じ形にはできません。
県が2023年に整理した資料でも、公共交通空白地域が可住地面積の23.4%を占めるとされており、移動手段の確保は県内共通の論点です。高齢化と広い市域が重なると、この課題はさらに重くなります。
若い世代に選ばれ続けること
かつて人口増加率日本一を10年続けた市が、いまは選ばれ続けられるかどうかを問われる側に回っています。県全体で20歳代の転出超過が続く一方、子育て世帯では転入超過が広がっています。
三田市が持つ住環境や自然は、この層に向けた強みになり得ます。ただし、それを届ける努力をしなければ選択肢にすら入りません。
志望動機で移住・定住に触れるなら、何を、誰に、どう伝えるかまで考えておきましょう。
まちびらきから40年を超えた住宅地の更新
北摂三田ニュータウンの入居開始は昭和56年です。すでに40年以上が経過しており、住宅そのものも、道路や上下水道といった基盤も、更新を考える時期に入っています。
建物と人が同時に年を重ねるのは、計画的に開発された住宅地に共通する宿題です。三田市の職員採用で土木・建築の技術職が事務職と並んで募集されているのも、この領域の仕事が続いていくことの表れだと読めます。
災害への備え
兵庫県が公表している南海トラフ巨大地震の被害想定では、神戸・阪神・播磨地域の広い範囲で最大震度6強が見込まれています(出典:兵庫県南海トラフ巨大地震・津波被害想定|平成26年)。
三田市は海に面していませんが、山あいの地形と広い市域を抱えており、避難の呼びかけ方や物資の届け方は市街地と農村部で変わります。県全体では自主防災組織率が98.4%(令和6年4月1日現在)まで高まっており、次に問われるのは組織の数ではなく、実際に動く力のほうです。
重点政策|三田市のまちづくりの方向性
ここから先は、計画の目次をたどる代わりに、数字と制度の側から三田市の輪郭を描きます。
公表資料で確かめられる範囲に絞り、三田市が先送りにできない仕事を並べました。計画の現物は市の公式サイトに置かれていますので、志望が固まった段階で一度は開いておきましょう。
時間差のある高齢化への準備
65歳以上が3割を超えながら75歳以上は県平均以下、という年齢構成は、施策の設計に独特の条件を与えます。いま必要なのは介護の量を増やすことだけではなく、元気な前期高齢者が地域の担い手として動ける仕組みを作っておくことです。
ここは福祉部門だけの話ではなく、生涯学習、地域活動、公共交通、住まいの相談といった広い分野にまたがります。志望分野が福祉でなくても、この時間差は説明できるようにしておきたいところです。
採用のやり方に表れている市の姿勢
三田市の採用試験は、動画投稿による事前選考から始まり、1次はSPI3、2次は個人面接とグループワーク、3次は個人面接という組み立てです。教養試験も専門試験も課さず(技術職の専門試験を除く)、人物の見極めに手数をかける設計になっています。
受験時の服装を軽装で構わないと案内している点も、市が令和5年1月から職員の軽装勤務を通年化していることと地続きです。市の職場のあり方が、そのまま採用のやり方に出ている例だといえます。
広さと近さの両立
神戸から北へ約25キロメートルという近さと、210.32平方キロメートルという広さ。この二つを同時に成立させることが、三田市のまちづくりの基本条件です。
都市部の便利さを求める人にも、自然のある暮らしを求める人にも応えられる位置にありますが、両方に同じ量の投資はできません。何を優先するかという判断がつきまとう市だ、という理解を持っておくと、施策の話が具体的になります。
POINT|覚える量より、つなげ方
面接官が知りたいのは、覚えた量ではなく、その内容を自分の関心へ引き寄せられているかどうかです。気になる分野を一つ決めて、「①三田市で何が起きているか → ②市はどうしたいのか → ③いまどんな取り組みがあるか → ④市だからできる部分はどこか → ⑤自分は何をするか」の順に調べていきましょう。
悪い例「三田市の子育て支援に携わりたいです」
改善例「はじめは市民の方の手続きをお手伝いする仕事から覚えたいです。その上で、三田市は昔ニュータウンに一斉に入られた世代が多いと知りましたので、その方たちに支えてもらいながら子育て世帯を迎える、というつなぎ方の仕事に関わっていきたいです」
あわせて確認したい公式資料
三田市の一次情報が置かれている場所をまとめました。順に読破するのではなく、気になった数字の出どころを確かめる、という向き合い方で構いません。
- 三田市の正規職員採用試験の募集要項(最新年度)と、市の職員採用ページ
- 三田市の総合計画(市公式サイトの現行版)
- 三田市の人口ビジョン・都市計画に関する資料
- 三田市の防災に関するページ(ハザードマップ、避難情報)
- 県内での位置を確かめたいときの、兵庫県の統計資料や県民経済計算
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、三田市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。三田市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
三田市役所の面接の概要
ここからは、三田市役所の選考がどう組み立てられているかを確認し、そこから準備の方向を決めていきます。
三田市役所の面接の流れ
令和8年度実施(令和9年4月採用)の事務職は、他の市とはっきり違う組み立てになっています。1次試験の前にエントリーシートと動画投稿による事前選考があり、これを通過した人だけがSPI3へ進みます。
その後、2次で個人面接とグループワーク、3次で個人面接。教養試験も専門試験も課されません。
筆記で差をつける発想が最初から想定されていない試験だといえます。
| 項目 | 内容(令和8年度実施・令和9年4月採用) |
|---|---|
| 選考の段階 | 事前選考 → 1次試験 → 2次試験 → 3次試験の4段階 |
| 事前選考 | 申込時に応募者情報とエントリーシートを入力し、動画を投稿する。動画は何度でも撮り直せる。通過者のみが1次試験へ進む |
| 1次試験 | SPI3(総合能力試験)。教養試験・専門試験は課されない |
| 1次試験の受験方法 | テストセンター(東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・福岡の常設会場または臨時会場)か、自宅等のオンライン会場を選ぶ。性格検査を先に受けないと能力検査の予約が確定しない仕組み |
| 2次試験 | 個人面接とグループワーク |
| 3次試験 | 個人面接 |
| 技術職の構成 | 土木・建築は2次で専門試験(120分・択一式)と個人面接。指定資格の保有者や民間等で3年以上の実務経験がある人は専門試験が免除される |
| 採用予定人員 | 事務職12名程度。技術職は採用予定人員を定めず、資質を備えた人を積極的に採用する方針が示されている |
| 受験時の服装 | スーツは不要で、軽装での受験を案内している。市は令和5年1月から職員の軽装勤務を通年で実施している |
| 提出書類 | 最終試験の受験者は卒業(見込)証明書と学業成績証明書、最終合格者は住民票記載事項証明書を提出。技術職で専門試験の免除を受ける人は資格者証の写しを提出 |
上記は、三田市の令和8年度実施(令和9年4月採用)正規職員採用試験募集要項の内容を当研究会が要約したもので、本記事の解説は事務職を軸にしています。各試験の配点については、同要項に記載を確認できていません。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の受験案内でご確認ください(出典:三田市正規職員採用試験募集要項|令和8年度実施)。
倍率から見える難しさ
市が公表している実施結果もあわせて見ておきましょう。令和8年度採用の事務職(大学卒から45歳まで)は、申込者183人に対して最終合格者17人で競争率10.7倍でした。
令和7年度採用でも、新卒から45歳までを対象とした区分で申込者172人・最終合格者17人・10.1倍、初めての転職者を対象とした区分で申込者54人・最終合格者4人・13.5倍と、いずれも10倍を超えています。
一方、技術職は令和8年度採用の土木が申込者5人・最終合格者3人で1.6倍、令和7年度採用の建築が申込者6人・最終合格者2人で3.0倍でした。事務職と技術職で、置かれている状況がまったく違うことがわかります(いずれも追加募集分を除く)。
三田市役所が求める人物像
三田市の正規職員採用試験募集要項には、「求める職員像」にあたる定型の記載がありませんでした。最新の掲載状況は、三田市の職員採用ページでご確認ください。
公表文言がない以上、ここからは選考の設計を手がかりにした当研究会の読みになります。三田市の選考でいちばん目を引くのは、筆記より前に動画で人物を見る段階を置いていることです。
しかもその動画は何度でも撮り直せます。つまり、とっさの反応を測るためではなく、自分をどう見せたいかを考え抜いた結果を見るための工程だと考えられます。
加えて2次にはグループワークがあり、面接だけでなく他の受験者と一緒に何かを進める場面も観察されます。面接対策の言葉に翻訳すれば、「自分の言葉で人に伝える力」「他の人と一緒に物事を進める力」「三田市を選んだ理由の具体性」の3点が、まず整えておきたい方向になります。
規模と環境という別の角度からも、補足しておきたい点があります。三田市は人口10万人規模で、事務職の採用は年に12名程度。組織としては、大都市のように部署が細かく分かれるほどではなく、かといって職員一人が何もかも抱える小規模市とも違う位置にあります。
市域が210.32平方キロメートルと広く、市街地と農村部の両方を持つため、同じ制度でも地区によって説明の仕方を変える場面が出てきます。こうした環境では、決まった答えのない案件を相手に合わせて組み立てられる人や、現場で見聞きしたことを制度の側へ持ち帰れる人が、面接で好意的に受け止められやすいのではないかと当研究会は見ています。
自己PRでも「行動力があります」で終えず、どんな状況で、何を確かめてから動いたのかまで話せるようにしておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。三田市の面接も、この見取り図に沿って準備すれば大きな抜けは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどうやって来られましたか? | 軽装での受験を認めている試験でも、姿勢や話し方は見られている。構えを解いて対話に入れるか |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | 民間でもできる説明にとどまっていないか。三田市で働くという選択が自分の経歴とつながっているか |
| ③ 自己理解 | ご自身の弱みはどこだと思いますか? | 事前選考の動画で語った自己像と、面接での説明がずれていないか |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も苦労した経験と、その乗り越え方を教えてください | 出来事の大きさではなく、その場面で何を判断し、誰を巻き込んだかという中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に取り組んだ研究や学びについて教えてください | 専門外の人に伝わる言葉へ置き換える力。その学びが三田市の業務のどこで効くかを描けているか |
| ⑥ 適性・将来 | 採用後はどの分野の仕事に関わりたいですか? | 事務職として市街地も農村部も担当する前提を理解しているか。希望と違う配属でも働けるか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になっている社会の出来事はありますか? | 世の中の動きを市の仕事に引き寄せて語れるか。グループワークの場でも要点を短く言えるか |
ただ、この7つの区分自体は三田市に限った話ではありません。多くの受験者が同じ準備をしてきますから、ここでの優劣は小さくなります。
違いが出るのは、次に挙げる三田市固有の質問のほうです。
合否を分けるのは「三田市役所ならでは」の質問
市を調べずに答えようとすると、途端に一般論へ流れてしまう質問です。逆にいえば、三田市の事実を一つ持っているかどうかで答えの厚みが変わる質問でもあります。
三田市について押さえておきたい事実を、答え方と組みにして整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい三田市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の成り立ち | 北摂三田ニュータウンの入居が昭和56年に始まり、昭和62年から平成8年まで10年連続で人口増加率日本一を記録した | 過去の栄光として語らず、その世代がいま何歳になっているかまで一続きで話すと、市の現在地の話になります |
| 年齢構成 | 65歳以上31.0%で県平均を上回る一方、75歳以上15.0%で県平均を下回る(令和8年1月1日現在) | 二つの数字を並べるだけで、これから急に高齢化が進むという読みを示せます。そこから自分の関心へ橋を架けます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 人口105,561人・面積210.32km²で、市街地と農村部の両方を抱える。神戸から北へ約25kmという位置 | 制度論に寄せず、同じ市の中でも地区ごとに事情が違う場所で、直接住民と向き合いたいという理由に落とします |
| 移動と暮らし | 人口密度は約502人/km²。県が2023年に整理した資料では、公共交通空白地域が可住地面積の23.4%を占めるとされる | 不便さを指摘して終わらせず、限られた資源のなかで何を優先するかという判断の話に進めます |
| 三田市の魅力 | 都市部から通える距離にありながら、市域の広さと自然が残る。市の花はサツキ、市の木はアカマツ | 住みやすさの紹介で止めず、その魅力を誰にどう届ければ選ばれるのか、という行政の仕事として語ります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
三田市には公表された人物像の文言が見当たらないため、選考の組み立てから見て、実際にどう動いてきたかを問われる場だと考えておくとよいでしょう。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 伝える力 | 事前選考の動画で話した内容を、面接の場でも同じ筋で語れるか | 動画に撮った原稿を残しておき、資料を見ずに口頭で再現する練習を一度やっておく |
| 他の人と進める力 | 2次のグループワークで、自分の意見を出しつつ他の人の発言を拾えるか | 役割を取りにいくより、話が止まったときに整理する言い方を2つか3つ持っておく |
| この市を選んだ理由の具体性 | 近隣の市でもよかったのでは、と切り返されたときに答えを持っているか | 三田市の事実を2つか3つ、自分の経験と結びつけた形でメモにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
三田市は2次と3次のどちらにも個人面接があり、同じ話題を別の面接官から改めて問われる可能性があります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでで整理したことを、準備の順番にほどいていきます。
- 最新年度の三田市の募集要項を読み、事前選考の有無と提出物、選考の段階を確認する
- エントリーシートに書く内容と、動画で話す内容の骨子を先に紙へ書き出し、面接で語る材料と食い違わないようにそろえる
- 学業、課外活動、アルバイトの3方向から、面接で話せるエピソードを1つずつ決めておく
- 7つのカテゴリーの代表質問について、一言ずつ答えの芯を書いておく
- この記事の第1部を読み返し、三田市の事実を2つか3つ選んで、資料を見ずに口で言い切れるところまで持っていく
- グループワークを想定して短い発言の型も用意し、声に出して練習しながら「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
自治体研究と練習にあたるステップ5と6は、余力があるときに効いてくる部分です。時間が足りないときは、ステップ2で動画とエントリーシートの中身を固めることと、ステップ3の経験の棚卸しを先に片づけてください。三田市は事前選考を通らなければ1次試験にも進めません。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、三田市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
三田市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度実施の事務職では、動画による事前選考を通らなければSPI3にも進めず、その先も個人面接が2回とグループワークが待っています。
筆記の点数で押し切れる場面がほとんどない試験です。かつて人口増加率日本一を10年続け、いまその世代とともに次の局面へ向かおうとしている10万人のまちで、自分は何をしたいのか。
動画に向かって最初の一言を録るときには、その答えの輪郭ができているはずです。