加古川市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

加古川市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ加古川市消防本部を志望したのか」「消防官としてどのような仕事をしたいのか」といった、1市2町を受け持つ管轄への理解を前提とする質問が想定されます。

加古川市消防本部が稲美町・播磨町の消防事務まで受託して担っている事情を知っておくことで、どの消防本部にも当てはまる一般論を避け、この本部に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

ここでの整理を出発点に、自分の経験と加古川市消防本部の仕事がどこで重なるのかを考えてみてください。

第1部|組織研究編

加古川市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは加古川市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 加古川市消防本部は加古川市が単独で設置する消防本部だが、播磨町とは昭和53年4月1日、稲美町とは昭和57年4月1日にそれぞれ「消防事務委託協定」を結び、両町の消防事務を受託して1市2町を管轄している。
  • 沿革は昭和23年3月7日、消防組織法の施行に伴い加古川町消防本部・加古川町消防署へ改称したことに始まる。
  • 管内には中央消防署・東消防署の2署のもとに、西・志方・両荘・稲美・播磨・野口の6分署が置かれている。
  • 消火・救急・救助を担う消防吏員は355名を数え、うち13名が女性である(令和7年4月1日現在)。
  • 令和6年中の出動件数は火災93件・救急19,873件・救助367件と、その大半を救急が占めている。
  • 消防職員採用試験の実施・問合せ窓口は消防本部総務課であり、市長部局の人事課とは別系統で運営されている。
  • 令和9年度採用の加古川市消防職員採用試験は、大学卒/短大・高専・専門学校卒/高等学校卒の3区分、採用予定人員9名程度で実施される予定である。

加古川市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、加古川市消防本部がどれくらいの規模で、どこまでを担っているのかという輪郭はつかんでおきたいところです。

下の表は、加古川市・稲美町・播磨町を合わせた管内の人口や吏員数、出動件数など、この本部の体制規模を測る項目をまとめたものです。

項目内容
管轄区域加古川市・稲美町・播磨町(加古川市が設置。稲美町・播磨町は消防事務委託による受託先)
管内人口320,696人(加古川市255,592人・稲美町30,339人・播磨町34,765人の合算。住民基本台帳 令和8年1月1日現在)
消防署2署6分署(中央消防署・東消防署のもとに西・志方・両荘・稲美・播磨・野口の6分署)
消防吏員数355人(うち女性13人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数93件(令和6年中)
救急出動件数19,873件(令和6年中)
救助出動件数367件(令和6年中)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の合算、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する全国の消防本部データによります(吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中で、時点が異なる別々の統計です)。

火災93件と救急19,873件が示す実務の重心

火災93件に対し救急19,873件という開きは200倍を超え、日常の業務量が圧倒的に救急へ傾いていることを意味します。(出典:全国の消防本部データ|総務省消防庁)高齢化率は加古川市29.1%・稲美町32.6%・播磨町27.4%(いずれも住民基本台帳 令和8年1月1日現在)で、1つの管内でも構成する市町ごとに高齢化の進み方が異なる点は、救急需要を語るうえで押さえておきたい構造です。

「加古川市消防本部の出動は、火災が年間100件に満たない一方で、救急は2万件近くにのぼると聞きました。稲美町や播磨町を含めた管内では地域ごとに高齢化の進み方も違うようなので、それぞれの実情を踏まえて対応できる消防官になりたいと考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 加古川市は東播磨地域の中核をなす市で、加古川の下流域に市街地が広がる。
  • 受託先の稲美町には、県内最大のため池である加古大池(水面積49ヘクタール・江戸時代初期の築造)があり、いなみ野台地はため池が集中する地域として知られる。
  • 受託先の播磨町を含め、加古川市消防本部の管轄は1市2町に広がっている。

(参考:消防本部の沿革|加古川市)都市部の市街地から、ため池が点在する台地までを一体的にカバーしているのが、加古川市消防本部の管轄地域を理解するうえでの出発点です。加古川の河口部には工業地帯が広がり、内陸部には田園地帯とため池が点在するなど、同じ管内でも地域によって表情が大きく異なる点も押さえておきたいところです。

東播磨地区石油コンビナート等特別防災区域

加古川市消防本部の管轄には、加古川市地区と播磨町地区の2つの石油コンビナート等特別防災区域が含まれます。加古川市地区は加古川を西端・別府川を東端とする延長約4kmの海岸線沿いで面積5,666,239平方メートル、播磨町地区は面積424,204平方メートルです。

加古川市地区の特定事業所は関西熱化学株式会社加古川工場・株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所、播磨町地区は住友精化株式会社別府工場・田岡化学工業株式会社播磨工場・多木化学株式会社本社工場・住友金属鉱山株式会社播磨事業所です。(出典:兵庫県石油コンビナート等防災計画|令和8年4月修正)市街地の消火・救急に加えて、産業事故への備えも担う管轄だと理解しておきましょう。

住宅地と工業専用地域が隣り合う立地は、平時の予防指導と事故発生時の対応力の両方が求められる、この本部ならではの環境だと言えます。

南海トラフ地震のリスク

兵庫県の南海トラフ巨大地震・津波被害想定(県独自・平成26年6月3日公表)では、神戸市・阪神・播磨地域の広範囲で最大震度6強が想定されており、加古川市はこの播磨地域に含まれます。

同想定では、県全体で死者は最大時(夏の昼間12時発災)約29,100人、建物全壊は最大時(冬の夕方18時発災)で約38,500棟とされています。(出典:南海トラフ巨大地震・津波被害想定|兵庫県(平成26年6月))コンビナートを抱える沿岸部と、県内広域におよぶ地震想定域の両方に向き合っているのが、この本部の管轄地域の姿だと整理できます。

加古川市消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と管内の姿を踏まえると、加古川市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

救急需要の増加は、全国の消防が共通して抱える変化です。

令和6年中の全国の救急自動車の出動件数は確定値で771万8,380件、搬送人員は676万9,172人にのぼりました。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)加古川市消防本部の19,873件(令和6年中)もこの流れの中にあり、稲美町32.6%・播磨町27.4%という管内の高齢化率を踏まえると、地域ごとにきめ細かな対応が今後さらに求められると考えられます。

大規模災害・産業事故への備え

第1部3章で見たとおり、加古川市消防本部の管轄には2つの石油コンビナート等特別防災区域があり、播磨地域の広範囲に最大震度6強という南海トラフ地震の想定が及んでいます。

本部の枠を超えて助け合う仕組みとして緊急消防援助隊があり、全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が登録しています。(出典:令和6年版 消防白書)市街地の地震対応と、産業施設が集まる沿岸部の事故対応を両方見据えた備えが、この本部には求められます。

予防・住宅防火

全国的には、住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)の74.5%を65歳以上が占めています(令和5年中762人)。

(参考:令和6年版 消防白書)加古川市29.1%・稲美町32.6%・播磨町27.4%という管内の高齢化率を重ねると、住宅用火災警報器の普及など、日頃の予防・啓発の取組が持つ意味の大きさが見えてきます。火災93件(令和6年中)という数字の裏に、こうした予防行政の視点があることも押さえておきたいところです。

管轄の広がりへの理解

加古川市消防本部は、播磨町とは昭和53年4月1日、稲美町とは昭和57年4月1日にそれぞれ消防事務委託協定を結び、両町の消防事務を受託しています。

受託元である加古川市だけでなく、受託先の稲美町・播磨町の地域事情まで理解しておくことが、この本部を志望するうえで欠かせません。設置団体と受託先を混同せず、それぞれの実情を分けて説明できるかどうかが、理解の深さを示すポイントになります。

人材確保と女性吏員の活躍

消防吏員355名のうち女性は13名で、割合にすると約3.7%です。

全国平均は約3.8%(消防吏員168,230人中女性6,386人・令和7年4月1日現在)とほぼ同水準で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています。(参考:女性消防吏員の活躍推進|総務省消防庁)女性を含む多様な人材が働き続けられる環境をどう整えるかは、これから入る受験者自身の働き方にも直結するテーマです。

重点方針|稲美町・播磨町への消防事務委託と広がる管轄

加古川市消防本部は、独自の運営方針や基本理念にあたる文書を公表していません(2026年9月時点・当研究会調べ)。一方で、稲美町・播磨町への消防事務委託がどのように積み重ねられてきたかを見ると、この本部が管轄をどう広げ、体制を整えてきたかが見えてきます。

受託の歩みと分署整備

受託先委託協定成立分署開設
播磨町昭和53年4月1日東消防署播磨分署(平成12年4月1日開設)
稲美町昭和57年4月1日東消防署稲美分署(昭和58年11月1日開設)

(出典:消防本部の沿革|加古川市)協定の締結から分署の開設まで、それぞれ数年をかけて受託先の地域に根を張ってきたことが分かります。

委託協定が結ばれて終わりではなく、現地に拠点を置いて初めて日常の消防・救急体制が完成する、という順序を理解しておくと、管轄の広がりを説明する言葉に厚みが出ます。稲美分署は稲美町国安に、播磨分署は播磨町東本荘に置かれており、いずれも受託先の町の中に拠点を構えて日常の消防・救急を支えています。

R9年度採用に見る間口の広さ

令和9年度採用の加古川市消防職員採用試験は、大学卒/短大・高専・専門学校卒/高等学校卒の3区分、採用予定人員9名程度で実施される予定です。年齢要件は下限のみが定められており、上限は設けられていません。学歴区分を分けながらも幅広い年代に門戸を開いている点は、この本部の採用姿勢を示す材料になります。

POINT|受託先まで含めて管轄を語れるようにする

加古川市消防本部を志望するときは、「①管轄はどこまで広がっているか → ②その広さが業務にどう影響するか → ③消防だからこそ担える役割は何か → ④自分の経験・強みをどう生かすか」という順で考えると、受託先の町まで含めた理解が伝わりやすくなります。

悪い例「安定した仕事だと思うので、消防官を志望します」

改善例「学生時代のアルバイトで、立場の異なる人たちと連携して1つの作業を仕上げる経験を重ねてきました。加古川市消防本部は稲美町や播磨町の消防事務も受託していると知りましたので、地域ごとの違いに目を配りながら、管内全体のために働きたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

加古川市消防本部を志望するなら、試験の続報が出る場所と、志望動機の材料になる資料を、次の4点に整理して追いかけておきましょう。

  • 加古川市消防職員採用試験の受験案内(加古川市消防本部総務課)
  • 消防本部の沿革ページ(加古川市公式サイト)
  • 総務省消防庁が公表する全国の消防本部データ
  • 兵庫県石油コンビナート等防災計画・南海トラフ巨大地震被害想定

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、加古川市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。加古川市消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

加古川市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

加古川市消防本部の面接の概要

ここからは、加古川市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

加古川市消防本部の面接の流れ

令和9年度採用の加古川市消防職員採用試験は、第1次試験=筆記試験(SPI)と集団面接・体力試験、第2次試験=個人面接及び作文試験の2段階で構成されます。(出典:加古川市消防職員採用試験の受験案内|令和9年度採用)

項目内容(令和9年度採用)
試験の段階2段階。第1次試験=筆記試験(SPI・言語/非言語)+集団面接・体力試験、第2次試験=個人面接及び作文試験
面接の種類第1次=集団面接(20分程度)、第2次=個人面接の計2回
面接以外の検査体力試験(第1次。5分間走・上体起こし・立ち三段跳び・反復横跳び・握力・腕立て伏せの6種目。採点基準は性別により設定)
配点公表されていません。最新の受験案内でご確認ください
面接カード提出書類の一覧は受験案内に記載がなく、かこがわオンライン申請システム内で完結する申込方式

注目したいのは、第1次合格が筆記・集団面接・体力試験の総合成績で決まる点です。受験案内は、このいずれかで一定の基準に達しない場合は他の成績にかかわらず不合格になると明記しています。

年齢要件は下限のみで上限は設けられておらず、大学卒/短大・高専・専門学校卒/高等学校卒の3区分で幅広い年代に開かれた設計になっています。第1次の集団面接と第2次の個人面接という異なる形式で2回、人物を確かめる構成である以上、集団の中でどう振る舞うかと、1対1でどう深く語れるかの両方を意識した準備が必要です。

上記の試験構成は、加古川市が公表する令和9年度採用の加古川市消防職員採用試験にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご確認ください。

加古川市消防本部が求める人材

加古川市消防本部は、消防職の採用ページで「求める人物像」を明文では公表していません(2026年9月時点・当研究会調べ)。手がかりになるのは、355名という吏員数を抱える本部の規模と、稲美町・播磨町まで含めた管轄の広がりです。

吏員が数百名規模の本部では、専任の救助隊・予防部門を持ちながらも救急が業務量の大半を占める傾向があり、現場活動と地道な予防業務の両方に向き合う適性が自然と重視されやすいと考えられます。この本部の場合、受託先の町まで含めて管内をどう理解し支えていくかという視点まで語れると、志望動機に厚みが出ます。

体力に自信があると伝えるだけでなく、コンビナートを抱える沿岸部から台地部まで性格の異なる地域に向き合う本部だという理解を踏まえて、自分がどの場面でどう力を発揮したいのかまで語れるかどうかが差になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。加古川市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ加古川市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と加古川という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。集団面接と個人面接の両方で崩れず語れるか
⑤ 学業・経歴これまでの経験の中で、力を入れてきたことは何ですか何に時間を使い、どんな順番で工夫を重ねたのかを説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?体力試験6種目に象徴される、現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

7つの枠組みは、加古川市消防本部のように受託先を含む本部でも、単独完結の本部でもおおむね共通します。ここから先、加古川を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問で決まります。

合否を分けるのは加古川市消防本部ならではの質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官なのですか?」
「稲美町や播磨町の消防事務まで受託している加古川市消防本部を、なぜ志望したのですか?」

1問目は消防という仕事そのものへの理解を、2問目は受託先まで含めた管轄への理解を確かめる質問です。受託元の加古川市だけでなく受託先の稲美町・播磨町の事情まで知っているかどうかで、答えの具体性は大きく変わります。面接で使いやすい「加古川市消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい加古川市消防本部の事実答え方のヒント
組織の成り立ち播磨町とは昭和53年4月1日、稲美町とは昭和57年4月1日に消防事務委託協定を結び、1市2町を管轄している(詳細は第1部1章・5章)受託元と受託先を混同せず、それぞれの地域事情を分けて説明できるようにする
出動の実態令和6年中の出動は火災93件に対し救急19,873件で、救急が業務量の大半(詳細は第1部2章)件数の開きに加えて、管内の高齢化率の違いにも触れると理解の厚みが増す
産業とコンビナート加古川市地区・播磨町地区の2つの石油コンビナート等特別防災区域を管轄に含む(詳細は第1部3章)市街地の消火・救急だけでなく、産業事故への備えにも触れる
人材の多様性消防吏員355名のうち女性は13名で割合は約3.7%。国は令和8年度当初までに5%という目標を掲げている(詳細は第1部4章)多様な人材が働き続けられる環境づくりへの関心を示す
採用試験の設計年齢要件は下限のみで上限がなく、3区分で幅広い年代に開かれている(詳細は第2部1章)間口の広さを踏まえ、自分の年齢・経歴を強みとして語れるようにする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

加古川市消防本部は試験の段階と種目を公表していますが、配点の内訳は公表していません。評価の観点は、公表された選考の組み立て方から読み取ることになります。

手がかりとして広く知られているのが、受験者が過去に置かれた場面と、そこで実際にとった行動を順に尋ねていくコンピテンシー評価です。加古川市消防本部がこの手法を用いると明言しているわけではありませんが、第1次の集団面接と第2次の個人面接という異なる形式で2回、人物を確かめる構成を踏まえると、準備の物差しとしては役に立ちます。

同じ経験を、集団の場でも1対1の場でも同じ筋道で語れることが前提になると考えておきましょう。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
集団の中での立ち位置第1次の集団面接で、他の受験者とのやり取りの中で自分の役割を果たせているか目立とうとするより、周囲の話を聞いたうえで自分の考えを短く伝える練習をする
一貫した受け答え第1次・第2次で同じ経験を尋ねられても、話の内容が崩れないか1つの経験を、角度を変えて何度も掘り下げられても答えられるよう細部まで思い出しておく
受託先まで含めた管轄理解加古川市だけでなく、稲美町・播磨町の事情まで理解しているか受託元と受託先の違いを、自分の言葉で説明できるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。集団面接と個人面接が異なる段階で行われる加古川市消防本部の試験ではなおさら、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和9年度採用の受験案内を読み、自分の区分(大学卒/短大・高専・専門学校卒/高等学校卒)と提出方法(かこがわオンライン申請)を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・部活動・アルバイトから、集団の中で役割を果たした場面と、地道に続けてきた場面をそれぞれ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。体力試験6種目に向けたトレーニングも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で加古川市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、加古川市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

加古川市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。集団面接と個人面接が別々の段階に分かれている試験なので、それぞれの場でどう振る舞うかを早い段階から思い描いておくと、落ち着いて臨めます。

加古川市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

加古川市消防本部の選考は、筆記試験・集団面接・体力試験による第1次と、個人面接・作文試験による第2次からなる2段階の構成で、いずれかの成績が基準に達しなければ他の成績にかかわらず不合格になります。播磨町とは昭和53年4月1日、稲美町とは昭和57年4月1日に消防事務委託協定を結び、1市2町を管轄する体制を積み重ねてきました。

火災が年93件にとどまる一方で救急は2万件近くにのぼり、2つの石油コンビナート等特別防災区域と播磨地域に及ぶ南海トラフ地震の想定を併せ持つ管轄であることを踏まえ、自分の経験のどこが加古川市消防本部の実情に活かせるのかを言葉にしていってください。受託先の町まで含めて管内をどう理解しているかまで自分の言葉で語れると、面接での説明に厚みが出ます。