本記事では、芦屋市職員採用試験の面接対策で必要な、芦屋市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

芦屋市役所の試験では、「なぜ芦屋市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。芦屋市は求める職員像を一文で公表しており、対人の試験も三度置かれています。何を優先して仕上げるかは、早い段階から決めておきましょう。

本記事で扱う試験の構成は、令和8年度実施の一般事務職A・Bの採用案内で確認できた範囲です。芦屋市は他の職種を別に募集していますので、ご自身が受ける職種の採用案内とあわせてお読みください。

なお芦屋市は「第一次試験」から「第四次試験」という表記を用い、第二次を「面談試験」、第三次と第四次を「面接試験」と呼び分けていますので、本記事もそれに合わせています。

第1部|自治体研究編

芦屋市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは芦屋市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 兵庫県の南東部、大阪と神戸のほぼ中間に位置し、隣接するのは神戸市と西宮市の2市だけ。
  • 東西約2.5km・南北約9.6kmと南北に細長い市域で、北は六甲の山並み、南は大阪湾に面している。
  • 人口は93,349人(令和8年1月1日現在)、面積は18.47km²。
  • 65歳以上は総人口の31.1%、75歳以上は18.7%で、兵庫県全体の29.5%・17.6%をいずれも上回る(同日現在)。
  • 求める職員像として「芦屋市に誇りをもち、常に挑戦し成長する職員」を掲げている(芦屋市人材育成・確保基本方針)。
  • 令和8年度実施の一般事務職A・Bの試験は、筆記から始まり、面談試験と2回の面接試験へと進む4段階。
  • 市の花はコバノミツバツツジ、市の木はクロマツ。市役所は精道町にあり、阪神電車の芦屋駅の南すぐ。

芦屋市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「芦屋市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

人口の内訳に加えて、市域のかたちが分かるように東西と南北の長さも入れました。兵庫県全体の値も参考として並べています。

項目内容
総人口93,349人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口29,023人(総人口の31.1%)
75歳以上人口17,429人(総人口の18.7%)
総面積18.47km²
人口密度約5,054人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
市域の形東西約2.5km・南北約9.6km。北は六甲の山並み、南は大阪湾
隣接自治体神戸市、西宮市
市役所所在地〒659-8501 兵庫県芦屋市精道町7番6号
市の花・市の木市の花はコバノミツバツツジ、市の木はクロマツ
(参考)兵庫県の総人口5,364,773人(令和8年1月1日現在)
(参考)兵庫県の高齢化率29.5%(同日現在。75歳以上は17.6%)

総人口・年齢別人口・高齢化率は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の市区町村別の値によります。面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理し、人口密度は上記の人口と面積から当研究会が算出しました。市域の東西・南北の長さは芦屋市の公表値です。兵庫県が公表する推計人口や国勢調査ベースの人口とは調査の基準が異なりますので、本表の数値と並べて増減を計算しないようご注意ください。

数字から考えられる市政課題

芦屋市の数字は、かたちと年齢構成の二つで読めます。まずかたちです。18.47km²という市域に9万3千人あまりが暮らし、人口密度は約5,054人/km²になります。

ただしこの市域は東西約2.5km・南北約9.6kmと細長く、北端は六甲の山並み、南端は大阪湾です。市の南北で条件がまったく違うため、道路も避難路も学校の配置も、市域の平均では語れません。

もう一つが年齢構成です。65歳以上31.1%・75歳以上18.7%は、同じ調査による兵庫県全体の29.5%・17.6%をいずれも上回ります(令和8年1月1日現在)。

高齢者のうち6割ほどが75歳以上という内訳で、坂の多い市域では移動そのものが支援の対象になります。地形と数字をひとまとめにして、こう述べる手もあります。

「芦屋市は南北に細長くて、北のほうは山だと知りました。65歳以上の方の割合も3割を超えていますので、坂の上に住んでいる方が買い物や通院で困らないようにする工夫が要るのではと感じています」

芦屋市の経済・産業

職と住が分かれるまち

芦屋市は大阪市と神戸市のほぼ中間にあり、市域の広さは18.47km²です。この規模で大きな産業用地を抱えることは難しく、まちの性格は住む場所としての側に寄ります。

市が接するのは神戸市と西宮市の2市だけで、通勤や通学、買い物の流れは市境を越えて両隣と両都市へ伸びます。働く場所と住む場所が分かれているという前提は、税収の性格にも、昼と夜で変わる市内の人口にも影響します。

六甲と大阪湾に挟まれた市域

北の六甲山系と南の大阪湾に挟まれた細長い地形は、この市の景観をつくると同時に、行政の仕事の形も決めています。

平成7年の兵庫県南部地震で山腹崩壊が多数発生したことを受けて始まった六甲山系グリーンベルト整備事業は、神戸市垂水区から宝塚市に至る表六甲山麓の約1,600ヘクタールを全体の対象地としており、土砂災害の防止、無秩序な市街地の拡大防止、安全に自然と親しめる場の提供を目的としています(出典:六甲山系グリーンベルト整備事業(兵庫県)|令和8年)。

芦屋市はこの表六甲山麓の区間の中ほどに位置します。山を背負う市域を持つということは、景観の管理と土砂対策が同じ地図の上で重なるということです(参考:芦屋市 都市計画の概要|令和8年)。

兵庫県のなかでの位置

神戸・阪神、播磨、但馬、丹波、淡路。この「五国」が兵庫県を構成し、県内には29の市と12の町が置かれています。

県土は8,400.95km²で全国12番目の広さです(参考:兵庫県の概要|令和5年)。

令和5年度の兵庫県内総生産(名目)は前年度比2.7%増の23兆9,895億円で、名目・実質とも3年連続の増加となりました(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度)。

芦屋市が属する神戸・阪神地域は、この五国のなかで最も人が濃く集まる区域にあたります。県全体の課題をそのまま持ち込むと話がずれるのは、市によって置かれた条件がここまで違うからです。

芦屋市の主な行政課題

芦屋市の課題は、9万人規模という大きさと、南北で条件が変わる細長い市域から立ち上がってきます。ここでは4つを挙げます。どれか一つでも自分の言葉で語れるようになれば、志望動機の芯になります。

県平均を上回る高齢化

芦屋市の65歳以上人口は29,023人、うち75歳以上が17,429人です(令和8年1月1日現在)。総人口に対する割合は31.1%と18.7%で、兵庫県全体の29.5%・17.6%をいずれも上回ります。

支援の必要度が上がる年代に人数が寄っている状態です。北側の斜面地に住宅が広がる市域では、移動の支援や見守りの設計が、平坦なまちとは違う組み立てを求められます。

財政運営をめぐる歩み

芦屋市は震災後、復旧・復興事業を最優先課題として取り組みましたが、その費用負担と景気低迷による税収減で財政が悪化し、財政再建団体への転落が懸念される局面を迎えました。市は平成15年から徹底した行財政改革を断行してこの危機的状況を回避し、現在は「世界一美しく、清潔で安全なまち芦屋」の実現を目指しています(出典:芦屋市 市の概要|令和8年)。

財政を立て直した経験が、いまの市政の前提として市自身の言葉で語られている市だということです。事業の優先順位をどうつけるかという問いは、この市では抽象論になりません。

南北で異なる災害リスク

北に六甲山系、南に大阪湾という配置は、そのまま二種類の災害リスクを意味します。北側では大雨のときの土砂災害、南側では高潮や津波が問題になり、避難の方向も呼びかけ方も変わります。同じ市内で、山へ逃げる場面と海から離れる場面が同時に起こりうるという条件は、防災の担当でなくても知っておきたい前提です。

大規模災害への備えと語り継ぎ

兵庫県が独自に行った南海トラフ巨大地震・津波被害想定(平成26年6月)は、神戸・阪神・播磨地域の広範囲に最大震度6強を見込んでいます。夏の昼間12時に発災した場合、避難所で暮らす人はピークで約168,700人、帰宅困難者は約591,000人にのぼるという想定です(出典:南海トラフ巨大地震・津波被害想定(兵庫県)|平成26年)。

県は毎年1月17日を中心に「ひょうご安全の日のつどい」を実施しており、テーマは「震災を風化させない」に「忘れない」「伝える」「活かす」「備える」、さらに「繋ぐ」を加えたものとされています(参考:ひょうご安全の日のつどい(兵庫県)|令和7年)。

当時を知らない世代が住民の多数を占めていく局面で、経験をどう次へ渡すかは、市の職員の仕事として残り続けます。

重点政策|芦屋市のまちづくりを読む手がかり

芦屋市の個別の計画については、市の公式サイトで公表されている最新版に直接あたってください。計画に入る前に押さえておきたいのは、市が自らの目標をどう言い表しているかです。

芦屋市は市の概要のなかで、「世界一美しく、清潔で安全なまち芦屋」の実現を目指すと述べています。美しさ、清潔さ、安全という3つの言葉が並んでいる点が特徴で、景観の話と防災の話が同じ目標のなかに置かれています。

計画を読むときも、この3語のどれに当たる記述かを意識すると、志望動機に落としやすくなります。

志望分野を絞り込む視点

名称を知っていることと、その分野について語れることは別です。芦屋市であれば、テーマを一つに絞り、それが市の掲げる美しさ、清潔さ、安全のうちどれを指しているのかを見定めてください。第二次試験では自己PRシートを提出しますので、そこで整理した内容は、そのままシートに書く材料になります。

POINT|計画の名称や事業名を丸暗記しなくてよい

名称を並べるより、志望分野と芦屋市の事情がどこで結び付くかを説明できるほうが、面談でも面接でも効きます。

悪い例「美しい街並みで知られる芦屋市で、市民に寄り添った行政サービスを提供したいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の相談を受けたいと思っています。その上で、芦屋市は北が山で南が海という細長いまちだと知りましたので、住んでいる場所によって困りごとが変わる前提で、支援を届ける仕事に関わってみたいです」

あわせて確認したい公式資料

自己PRシートを書き始める前に、次の4つには目を通しておきましょう。

  • ご自身が受ける職種の芦屋市職員採用案内(一般事務職はA・Bで採用予定日が異なります)
  • 芦屋市人材育成・確保基本方針に示された求める職員像
  • 芦屋市の総合計画と、高齢者福祉・防災に関する分野別計画
  • 最新年度の当初予算と、市政運営に関する市長の説明

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、芦屋市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。芦屋市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

芦屋市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

芦屋市役所の面接の概要

ここからは、芦屋市役所の試験の形式と流れ、質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

芦屋市役所の試験の流れ

令和8年度実施の一般事務職A・Bの採用案内によると、試験は第一次試験から第四次試験までの4段階です。第一次が筆記試験、第二次が面談試験、第三次と第四次が面接試験という並びで、4段階のうち3段階が対人の試験にあてられています。

第一次試験の科目は教養(SCOA方式・60分)と事務適性(SCOA方式・50分)で、いずれも選択式。テストセンター会場で実施され、47都道府県の約300か所から受験者が日時と会場を選んで予約します(出典:芦屋市職員採用案内 一般事務職A・B|令和8年度)。

注目したいのは、第二次の「面談試験」が面接試験と区別して定義されていることです。

採用案内は、面談試験を「面接試験と比べて(1)試験官の年齢が比較的若く、(2)受験者と試験官の距離が近い対話形式の面接で、リラックスした雰囲気の下、受験者の過度な緊張を抑え、良いところを飾らずアピールしてもらうことを狙いとして実施する試験です。」と説明しています。

飾らずに話してもらうことを目的として設計された段階が最初の対人試験に置かれているということです。

項目内容(令和8年度実施・一般事務職A・B)
試験の段階第一次試験・第二次試験・第三次試験・第四次試験の4段階です
第一次試験筆記試験です。教養(SCOA方式・60分・文章読解能力、数的能力、推理判断能力、人文・社会・自然に関する一般知識及び基礎英語)と事務適性(SCOA方式・50分・事務能力診断)で、いずれも選択式です
第一次試験の受験方法テストセンター会場で実施され、47都道府県の約300か所から日時・会場を選んで予約します
第二次試験面談試験です。試験官の年齢が比較的若く、受験者と試験官の距離が近い対話形式と説明されています
第三次試験・第四次試験いずれも面接試験です
自己PRシート第二次試験に際して提出します。様式は任意でA4縦1枚、doc・docx・pdfで登録します。手書きでもPCでもよく、図表・写真・箇条書きなど表現方法は問いません
自己PRシートの記載事項必須は受験番号、氏名、志望動機について。任意の記載事項として「これまでに力を入れて取り組んだこと」「周囲と協力して成果を上げた経験」「困難を乗り越えた経験」「芦屋市職員として活かせる自分の強み」などが例示されています
第四次試験の提出書類最終学校卒業見込証明書または卒業証明書、学業成績証明書を提出します
採用予定人員・受験資格一般事務職Aは20人程度で、平成8年4月2日以降に生まれ4年制大学を卒業した人(卒業見込みを含む)などが対象です。一般事務職Aは令和8年10月1日、一般事務職Bは令和9年4月1日の採用予定です
重複受験一般事務職A・Bの重複受験および他職種との重複受験はできません。外国籍の人も受験できます
試験結果の開示総合得点及び順位が開示されます。請求できるのは第一次から第三次は不合格者、第四次は受験者全員で、開示期間は合格発表の日から1か月間です

上記は令和8年度実施の芦屋市職員採用試験のうち、一般事務職A・Bの採用案内にもとづく内容です。他の職種は別の採用案内で募集され、試験科目や採用予定人員も異なります。各試験の配点は同案内に記載がないため、本記事でも触れていません。試験の構成・職種・採用予定人員は年度によって異なりますので、受験の際は必ずご自身が受ける職種の最新の採用案内でご確認ください。

芦屋市役所が求める職員像

芦屋市は求める職員像を「芦屋市に誇りをもち、常に挑戦し成長する職員」と定め、芦屋市人材育成・確保基本方針からの引用として採用案内の表紙に掲げています。

一文のなかに、性格の異なる3つの要素が入っています。誇りは、このまちを選ぶ理由の話です。挑戦は、やったことのない仕事に向かう構えの話です。成長は、採用した後の伸びしろの話になります。

入る前の動機と、入った後の姿勢と、その先の見通しが一続きに書かれているということです。自己PRでは「挑戦できます」と言い切るより、引き受けた場面を一つ差し出して、そこで自分が何を決めたのかを話すほうが伝わります。

求める職員像の一文から、もう一歩進めて考えてみます。以下は当研究会が数字から引き出した想定です。

人口9万3千人・面積18.47km²という大きさでは、職員の数もそれに応じたものになります。一つの部署が受け持つ制度の幅は広く、担当が変われば知らない分野に入る場面も出てきます。

となると、前例のない相談を受けても、そこから調べる筋道を自分で立てて答えまで持っていける人が力を発揮しやすい。そう見立てておくと、準備の的が絞れます。

南北9.6kmの市域に住民が収まる環境では、窓口で交わした一言が地域のなかで伝わる速さも、広い市とは違ってきます。求める職員像の「誇り」という語は、この距離の近さと無関係ではないはずです。

そのうえで、準備の仕方は試験の並びから決めるのが早道です。芦屋市は自己PRシートを第二次試験の前に提出し、そのあと面談試験、面接試験、面接試験と対人の場が三度続きます。

シートに書いた一枚が、三度の対話すべての出発点になるということです。書ける材料と話せる材料をずらさないこと。

書き上げたら声に出して読み、詰まる箇所を先に直しておくこと。この二つを守るだけで、後半の段階はずいぶん楽になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。芦屋市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイクまず自己紹介を1分程度でお願いします飾らずに話す場として設計された面談試験で、構えすぎていないか
② 動機・志望なぜ芦屋市で働きたいと思ったのですか求める職員像の「誇り」に自分の言葉で応えられているか
③ 自己理解ご自身の強みを一言で表すと何ですか自己PRシートに書いた内容と、口頭の説明がそろっているか
④ 経験・行動周囲と協力して成果を上げた経験を教えてくださいシートの任意記載事項に挙がっている項目で、実例を持っているか
⑤ 学業・経歴これまでに一番手応えのあった取り組みは何ですか学業成績証明書を出す試験で、学びの中身まで語れるか
⑥ 適性・将来10年後、市役所でどんな役割を担っていたいですか「成長する職員」という言葉に、自分なりの中身を入れられるか
⑦ 公共性・社会性災害に強いまちをつくるために、行政に何ができると思いますか山と海を同時に抱える市であることを踏まえて答えられるか

どの受験者もここまでは用意してきます。面談試験と2回の面接で違いが見えるのは、芦屋市を知らなければ答えられない次の質問のほうです。

合否を分けるのは「芦屋市役所ならでは」の質問

「なぜ兵庫県庁ではなく、芦屋市役所を志望するのですか?」
「芦屋市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

準備なしでその場から組み立てるのは難しい質問です。ただ、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。答えの材料になる「芦屋市の事実」を、面談でも面接でも持ち出せるものに絞りました。

質問テーマ知っておきたい芦屋市の事実答え方のヒント
南北に細長い市域東西約2.5km・南北約9.6km。北は六甲の山並み、南は大阪湾に面している景観の話で終えず、住む場所によって困りごとが変わるという行政側の視点まで進める
求める職員像の一文「芦屋市に誇りをもち、常に挑戦し成長する職員」(芦屋市人材育成・確保基本方針)3つの要素のうち自分が今いちばん語れるものを選び、具体的な場面とともに述べる
年齢構成総人口93,349人、65歳以上31.1%、75歳以上18.7%で、兵庫県全体の29.5%・17.6%を上回る(令和8年1月1日現在)割合を挙げるだけでなく、坂の多い市域という条件と組み合わせて話す
財政をめぐる歩み震災後の財政悪化で財政再建団体への転落が懸念され、平成15年からの行財政改革でこれを回避した過去の説明で止めず、限られた財源で何を選ぶかという現在の判断に接続する
市が掲げる目標「世界一美しく、清潔で安全なまち芦屋」の実現を目指すとしている3語のうちどれに関わりたいかを決め、自分の経験と重なる部分を語る

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、芦屋市が掲げる「芦屋市に誇りをもち、常に挑戦し成長する職員」という求める職員像に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。対人の試験が三度置かれているぶん、同じ経験を角度を変えて掘られる前提で備えておきたいところです。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
このまちを選んだ理由の確かさ「誇り」を掲げる市として、志望動機の具体性が繰り返し問われる自己PRシートの必須項目である志望動機を、三度話しても同じ骨格で語れる形にする
未知の仕事に向かう構え「常に挑戦し」の要素として、引き受けた経験の中身が掘られる未経験の役割を任された場面を一つ選び、引き受けると決めた理由まで用意しておく
飾らずに話せるか面談試験が「良いところを飾らずアピールしてもらう」ことを狙いとして設計されている台本を暗記せず、シートに書いた出来事を思い出しながら話せる状態にしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。芦屋市は第三次と第四次が続けて面接試験ですから、同じ話題に二度向き合う場面も想定されます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、自己PRシートの段階から一貫させておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. ご自身が受ける職種の採用案内を読み、受験資格・試験科目・採用予定日と重複受験の扱いを確認する
  2. これまでの経験を書き出す。学業・課外活動・アルバイトの3方向から、1分以内で話せる具体例を1つずつ選ぶ
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. この記事の第1部を読み返し、志望分野に近い芦屋市の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の対応表から材料を選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. ステップ2から5の内容をA4縦1枚に収め、自己PRシートの下書きとして組み立てる。書いたものを声に出して読み、詰まる箇所を直す

優先順位に注意

ステップ4とステップ5が芦屋市についての自治体研究にあたり、他の受験生と差がつくのもここです。ただし着手の順序は逆で、時間が足りないならステップ2とステップ6を先に進めてください。自己PRシートが対人試験3段階すべての出発点になる以上、書く材料がそろっていない状態で市の知識だけを増やしても順番が合いません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、芦屋市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

芦屋市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

芦屋市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度実施の一般事務職A・Bで見るかぎり、芦屋市の試験は筆記を抜けたあと、面談試験と2回の面接試験が続きます。しかもその手前で、A4縦1枚の自己PRシートを自分で組み立てて出すことになります。

様式が自由だということは、何を選び、何を捨てるかまで見られているということです。

北に六甲、南に大阪湾を抱え、財政を立て直した経験を市自身の言葉で語り、いま「世界一美しく、清潔で安全なまち」を目標に掲げている9万人のまち。その一員として自分は何を引き受けたいのか。

一枚に収まる言葉にしてみて、声に出して読んでみてください。読みにくいところが、まだ自分の中で決まっていない部分です。