西はりま消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

西はりま消防本部の面接試験では、「なぜ警察官・自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ西はりま消防本部なのか」「自分の強みや経験を消防の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。西はりま消防本部は5つの市町にまたがる広い管轄を持つため、構成する地域の特性を具体的に語れるかどうかが、他の受験者との差につながります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と西はりま消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

西はりま消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは西はりま消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 西はりま消防本部は、相生市・たつの市・宍粟市・太子町・佐用町の5市町で構成する「西はりま消防組合」が設置する消防本部である。採用試験も組合が直接実施する「西はりま消防組合消防職員採用試験」として行われている。
  • 5市町の現場を担う消防吏員は300人で、うち女性は8人である(令和7年4月1日現在)。
  • 出動件数は令和6年中で火災80件・救急10,465件・救助176件となっている。
  • 本部の所在地はたつの市揖保川町正條で、5市町にまたがる播磨西部の広い区域を管轄する。
  • 令和9年度採用の試験区分は大学卒・短大等卒・高校卒・消防吏員経験者の4区分で、消防吏員経験者枠は初任教育修了かつ離職後5年以内という条件を持つ。
  • 試験は教養試験・適性検査・論文試験・集団面接・集団討論・体力検査・個別面接という多段階の構成で、面接だけでも集団面接・集団討論・個別面接の3種類が課される。
  • 求める人物像として「地域の安全安心を目指して、強い使命感と広い視野、柔軟な発想を持つ方」を公表している。
  • 受験申込は郵送または持参のみで、電子申請は用いられていない。

西はりま消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「西はりま消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

西はりま消防組合は5市町で構成されているため、まずは構成市町ごとの人口を押さえたうえで、本部全体の吏員数・出動件数を見ていきます。構成市町の中で最も人口が多いのはたつの市、最も少ないのは佐用町で、その差は5倍以上にのぼります。

構成市町人口(住基・令和8年1月1日現在)高齢化率
相生市26,646人36.7%
たつの市71,448人32.5%
宍粟市33,071人38.7%
太子町33,270人27.6%
佐用町14,340人45.0%

人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります(構成5市町の合算178,775人)。

項目内容
管内人口(5市町合算)178,775人(住基・令和8年1月1日現在)
消防吏員数300人(うち女性8人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数80件(令和6年中)
救急出動件数10,465件(令和6年中)
救助出動件数176件(令和6年中)

吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する全国の消防本部データによります(吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中で、時点が異なります)。

数字から考えられる西はりま消防の課題

表を見て気づくのは、救急の件数と火災の件数の差です。

令和6年中の救急出動は10,465件で、火災の80件と比べて130倍以上の開きがあります。

5市町合計で18万人近い人口を、吏員300人で支えていることになります。

高齢化率にも注目してください。

佐用町45.0%、宍粟市38.7%、相生市36.7%と、県平均を大きく上回る町が複数含まれています。

同じ組合の中でも高齢化の進み方には差があり、この差を把握しているかどうかで、地域理解の深さが伝わります。

一方で太子町は27.6%と5市町の中では最も低く、同じ管轄内でも地域によって年齢構成にばらつきがある点も特徴です。

「西はりま消防組合を構成する5市町の高齢化率を見ると、佐用町では45%を超えていると知りました。高齢化が進んだ地域を含む分、救急の需要も大きくなっているのではと考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 相生市は瀬戸内海に面した沿岸部の都市で、造船業ゆかりの相生ペーロン祭(毎年5月最終日曜、大正11年伝来)が知られる。(出典:相生ペーロン祭|相生市)
  • たつの市の地場産業は醤油・手延素麺・皮革で、皮革産業は全国有数の生産高を誇る。播磨平野の小麦、良質の大豆、赤穂の塩、揖保川の水に恵まれて育まれてきた産業である。(出典:地場産業|たつの市)
  • 宍粟市は岡山県・鳥取県と接する県中西部の山間地域で、面積約658.54km²は兵庫県総面積の7.8%を占め、林業・木工製品・家具製造が地場産業となっている。播磨国一宮の伊和神社も所在する。
  • 太子町・佐用町を含め、沿岸部の都市から中山間地域まで、地形も産業も幅の広い5市町を一つの本部が管轄している。

つまり西はりま消防本部は、瀬戸内海沿岸の都市部と、県境に接する山間地域という、性格の異なる地域を一体で管轄する本部だと整理できます。同じ管轄の中でも、海に近い地域と山あいの地域とでは想定される災害の種類も異なるため、5市町のうちどの地域に関心を持ったのかを具体的に示せると、志望動機に説得力が増します。

平成21年台風第9号災害の教訓(佐用町)

平成21年8月9日、日本の南海上で台風となった台風第9号により、佐用町佐用では1時間に89ミリ、日降水量326.5ミリという猛烈な雨を観測し、死者18名・行方不明者2名の人的被害をはじめ、1,700戸以上の家屋被害が発生しました。(出典:台風第9号災害検証委員会報告書|佐用町)

佐用町はこの災害を教訓に「台風第9号災害検証委員会」を設置し、90項目にも及ぶ具体的な提言をもとに地域防災計画の根本的な見直し、避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成、全長55キロに及ぶ河川改修・砂防事業、防災行政無線のデジタル化などの情報伝達手段の整備を進めてきました。

平成27年度からは小学生への防災学習も推進しています。

管轄する本部として、この教訓がどう体制整備に活かされているかを理解しておくことは、大規模水害への備えを語るうえで欠かせません。

予防・防災体制の地域差

兵庫県内の自主防災組織率は令和6年4月1日現在で98.4%ですが、たつの市は87.2%と県内で最も低い水準にとどまっています。(出典:令和6年版消防防災年報|兵庫県)

構成5市町の中でも地域防災力には差があり、西はりま消防本部にとって地域との連携強化は継続的な課題の一つだと考えられます。

自主防災組織は、災害発生時に住民が初期消火や避難誘導などを自分たちで行うための組織であり、消防本部の活動だけでは行き届かない部分を補う存在です。

地域ごとの組織率の差を理解しておくと、地域防災力の底上げという課題を具体的に語ることができます。

西はりま消防組合の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、西はりま消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

全国の救急出動は令和6年中に771万8,380件へ達し、昭和38年の統計開始から数えて過去最多となりました。

西はりま消防本部の同年の救急出動10,465件も、この増加基調と無縁ではありません。(出典:令和7年版 救急・救助の現況|総務省消防庁)

特に佐用町・宍粟市・相生市など高齢化率の高い地域を抱えるため、今後も高い水準で推移することが見込まれます。

5市町合計で178,775人の管内人口を吏員300人で支えていることを踏まえると、限られた人員でどう対応力を維持していくかも大切な視点です。

大規模災害・風水害への備え

平成21年の台風第9号災害を教訓に、構成市町では河川改修や情報伝達手段の整備が進められてきました。

55キロに及ぶ河川改修・砂防事業や防災行政無線のデジタル化は、被害を受けた地域が実際にどう体制を立て直してきたかを示す具体例です。

5市町という広い管轄の中で、災害の種類も地域によって異なる可能性があるため、地域ごとの災害特性を踏まえた備えが求められます。

予防・住宅防火

たつの市の自主防災組織率が県内最低水準にとどまるなど、構成市町の中でも地域防災力には差があります。

西はりま消防本部は、住宅密集地の火災予防だけでなく、地域と連携した自主防災の底上げにも力を入れる必要があります。

醤油や手延素麺づくりが盛んなたつの市のように、地場産業と住宅地が近接する地域では、事業所の防火対策も予防業務の一部になります。

人材確保

西はりま消防組合の令和9年度採用は消防士10名程度の枠に対し、大学卒・短大等卒・高校卒に加えて消防吏員経験者枠まで用意されています。

受験区分によって異なるのは教養試験のみで、それ以外の試験内容は共通というFAQ回答が公表されています。

幅広い層から人材を確保しようとする姿勢がうかがえます。

女性吏員の活躍

西はりま消防本部の消防吏員300人のうち、女性は8人です。

全国に目を向けると、消防吏員168,230人に対して女性は6,386人で、割合は約3.8%です(令和7年4月1日現在)。

国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

組合の採用FAQでも「性別によって有利または不利になることはありません」と明記されており、性別を問わない人材確保の姿勢が読み取れます。

採用後は半年間、初任教育のため兵庫県消防学校へ入校し、そのうえで各消防署へ配属される流れになっています。

重点方針|西はりま消防組合の体制整備

西はりま消防組合は、運営方針や重点目標を独立した文書としては公表していません(2026年9月時点・当研究会調べ)。代わりにこの章では、募集要項やFAQから読み取れる採用選考の設計と体制の事実を並べ、組合が何に力点を置いているかを整理します。

広い管轄をカバーする採用・配置の考え方

西はりま消防組合は、5市町という広い管轄を一つの本部でカバーするため、消防士10名程度という比較的まとまった採用予定数を毎年確保しています。

あわせて、初任教育を修了した経験者を対象とする消防吏員経験者枠を設けており、新卒採用だけに頼らない人材確保の方針がうかがえます。

年齢要件も一般区分が平成11年4月2日以降生まれ、消防吏員経験者区分が平成3年4月2日以降生まれと幅を持たせており、経験者が挑戦しやすい設計になっています。

求める人物像

西はりま消防組合が公表する求める人物像は、「地域の安全安心を目指して、強い使命感と広い視野、柔軟な発想を持つ方」です。5市町という性格の異なる地域を横断的に見る視点を持てるかどうかが、この「広い視野」という言葉に込められていると考えられます。

POINT|「広い視野」を自分の経験に落とし込む

「広い視野」という言葉をそのまま使うだけでは伝わりません。異なる立場や環境の人と関わった経験、複数の物事を同時に見ながら動いた経験など、自分なりの具体的な出来事に置き換えて準備しましょう。

悪い例「広い視野を持っているので、西はりま消防本部を志望します」

改善例「部活動で複数の学年をまとめる役割を担い、それぞれの学年の事情や希望を聞きながら練習メニューを調整した経験があります。5市町という異なる地域をまたぐ西はりま消防本部でも、地域ごとの事情を踏まえたうえで、住民の方に寄り添って動ける消防官になりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

下の5点のうち、募集要項とFAQは申込の手続きに直結するため早めに確認し、災害・地域に関する資料は志望動機の材料として時間をかけて読み込むと効果的です。

  • 西はりま消防組合の消防職員採用試験の募集要項
  • 採用FAQ(受験区分による試験内容の違い等)
  • 佐用町台風第9号災害検証委員会報告書(構成町の防災の取組の参考として)
  • 兵庫県が公表する消防防災年報(県全体の消防体制の参考として)
  • 構成5市町(相生市・たつの市・宍粟市・太子町・佐用町)の公式サイトの防災・地域紹介ページ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、西はりま消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。西はりま消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

西はりま消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

西はりま消防本部の面接の概要

ここからは、西はりま消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

西はりま消防本部の面接の流れ

西はりま消防組合消防職員採用試験は、第一次・第二次とも2日に分けて実施され、面接だけでも集団面接・集団討論・個別面接の3種類が課される構成です。集団の中での姿を2回、個人としての姿を1回、それぞれ別の角度から確かめる設計だと理解できます。

項目内容(令和9年度採用)
実施主体西はりま消防組合(受付・問合せは西はりま消防本部総務課)
試験の段階第一次〔教養試験・適性検査、別日で論文試験・集団面接〕、第二次〔1日目:集団討論・体力検査、2日目:個別面接〕
面接の種類集団面接(第一次)、集団討論(第二次)、個別面接(第二次)
教養試験・適性検査全国350か所以上のテストセンター方式で実施
受験区分ごとの違い教養試験のみ区分ごとに異なり、その他の試験内容は共通(公式FAQによる)

上記は西はりま消防組合が公表する令和9年度採用の消防職員採用試験にもとづくものです。体力検査の配点等は公表されていません。試験の構成・区分等は年度によって異なる可能性があるため、受験の際は、必ず最新の受験案内でご確認ください。

体力検査は「立ち幅跳び、立位体前屈、反復横跳び、懸垂、腕立て伏せ、握力、5分間走など」の中から、当日指定される複数の種目で行われます。

種目が固定されていないぶん、特定の種目だけを鍛えるのではなく、基礎的な体力を総合的に高めておく準備が必要です。

受験申込書はA4用紙に両面・黒インクで印刷し、黒ボールペンで記入する形式が指定されている点も、他の消防本部と比べて細かく指示されている部分です。

西はりま消防本部が求める人材

西はりま消防組合は、「地域の安全安心を目指して、強い使命感と広い視野、柔軟な発想を持つ方」を求める人物像として公表しています。

教養試験は「実社会で必要とされる基礎的な知的能力および学力を総合的に測定するもの」、適性検査は「意欲・態度や性格面での個人の持ち味を多角的に把握するもの」と説明されています。

教養試験については「公務員専門試験ではありません」と明記されており、専門科目の対策を前提とした試験ではありません。

適性検査については「面接試験の参考資料とするものであり、合否に影響するものではありません」とも説明されており、性格や持ち味そのものより、面接での受け答えとの一貫性が重視されると考えられます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。

西はりま消防本部の面接も、この見取り図を土台に準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

まずは大きな枠組みから埋めていき、そのあとで地域固有の内容を上乗せしていくのが効率的な進め方です。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ西はりま消防本部を志望するのですか?5市町という広い管轄と、自分の関わり方を結び付けて話せているか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。短所への向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動集団の中で意見が分かれたとき、どう対応しましたか?集団討論を課す組織として、集団の中での立ち回り方を見ている
⑤ 学業・経歴これまでの学業や経験で力を入れたことは何ですか?物事に取り組む姿勢を、具体的な経験から説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この7分野で土台を作ったうえで、続いて挙げる西はりま消防本部ならではの論点にどれだけ踏み込めるかが、最終的な評価を左右します。

合否を分けるのは西はりま消防本部に固有の質問

「警察官や自衛官という道もある中で、なぜ消防官を目指すのですか?」
「西はりま消防組合の管内で想定される災害には、どのようなものがありますか?」

2問目は、5市町にまたがる管轄地域の災害特性をどこまで理解しているかを確かめる質問です。沿岸部の相生市、皮革産業のたつの市、山間地域の宍粟市、平成21年台風第9号で大きな被害を受けた佐用町など、構成市町ごとに異なる特性を押さえておく必要があります。

質問テーマ知っておきたい西はりまの事実答え方のヒント
管轄地域の広さと多様性相生市・たつの市・宍粟市・太子町・佐用町の5市町、沿岸部から山間地域まで幅広い地形(第1部1章・3章)どの地域の特性に関心を持ったのかを具体的に述べる
過去の水害と防災体制平成21年台風第9号(佐用町、死者18名・行方不明者2名、1,700戸以上の家屋被害)とその後の河川改修・情報伝達整備(第1部3章)被害の大きさだけでなく、教訓を踏まえた体制整備まで接続する
救急需要と高齢化救急出動10,465件(火災の130倍以上)、佐用町45.0%など地域差のある高齢化率(第1部2章・4章)件数だけでなく、地域ごとの高齢化の違いまで踏み込んで語る
採用選考の設計大学卒・短大等卒・高校卒・消防吏員経験者の4区分、教養試験のみ区分で異なる仕組み(第1部1章・第2部1章)自分の区分に応じた準備の違いを理解していることを示す
求める人物像「強い使命感と広い視野、柔軟な発想」という公表された人物像3つの要素のどれかを、自分の実体験に結び付けて説明できるようにする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

西はりま消防組合は、試験の段階構成と「強い使命感と広い視野、柔軟な発想」という人物像を公表していますが、各段階の配点までは明らかにしていません。

面接が集団面接・集団討論・個別面接の3種類に分かれていることから、集団の場での協調性と、一対一の場での一貫性を、異なる形式で重ねて確かめる設計だと読み取れます。

公務員の採用面接では一般に、その場限りの受け答えよりも、過去の具体的な行動を尋ねることで人となりを確かめる方法が広く用いられていると言われています。

西はりま消防組合がこの方法を明言しているわけではありませんが、複数回にわたって話を聞かれる試験である以上、一貫性のある内容で語れるよう準備しておくと安心です。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
強い使命感困難な状況でも役割を投げ出さずやり遂げた経験があるか途中で投げ出しそうになった場面と、それでも続けた理由を具体的に整理する
広い視野立場や意見の異なる相手の考えを理解しようとした経験があるか集団討論を意識し、複数の意見を聞いたうえで判断した経験を用意する
柔軟な発想決まったやり方が通用しない場面で、自分なりに工夫した経験があるか「言われた通り」で終わらせず、なぜその工夫が必要だと考えたのかまで言葉にしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

集団討論と個別面接の両方がある西はりま消防本部の試験ではなおさらです。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 西はりま消防組合の募集要項を読み、自分が該当する受験区分(大学卒・短大等卒・高校卒・消防吏員経験者)を確認する
  2. 高校・大学生活やアルバイトの経験を棚卸しし、集団の中でどう動いたかという具体例を用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出して練習する。集団面接・集団討論・個別面接と形式が変わっても同じ経験を一貫して語れるよう、体力づくりと合わせて仕上げる

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で西はりまの知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、西はりま消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

西はりま消防本部の選考は集団面接・集団討論・個別面接と面接の機会が複数あり、教養試験も受験区分ごとに異なるため、事前の情報整理だけでも時間がかかります。試験本番までの残り時間に応じて、必要に応じてご活用ください。

西はりま消防本部の想定問答集を見る

さいごに

西はりま消防本部の選考は、教養試験・適性検査・論文試験に加え、集団面接・集団討論・個別面接という3種類の面接が課される、人物面を重ねて確かめる構成です。

相生市の沿岸部から宍粟市の山間地域まで、5市町にまたがる管轄地域の広さと多様性を理解したうえで、平成21年台風第9号の教訓に代表される防災の取組にも目を向けてください。

自分の経験のどこが、この管轄の消防の仕事に活かせるのかを言葉にしていってください。

教養試験・適性検査・論文試験・体力検査・面接3種という試験構成の多さに気後れする必要はありません。一つひとつを丁寧に積み上げていけば、必ず形になります。

5市町で暮らす人たちの安全を支える仕事に向き合う皆さまを、当研究会は引き続き応援していきます。