本記事では、川西市職員採用試験の面接対策で必要な、川西市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

川西市役所の面接では、「なぜ川西市を志望したのか」「市の職員として何に取り組みたいのか」「これまでの経験を川西市政のどこで生かすのか」といった、市そのものを調べていなければ答えに深さが出ない質問が想定されます。数字と事実で市の姿をつかんでおけば、どの市にも当てはまる話に流れずに済みます。

試験に関する記述は、川西市が市公式サイトで公表している令和7年4月1日採用(令和6年度実施)の職員募集要項にもとづく事務職の内容です。年度や職種が変われば構成も変わりますので、その前提でお読みください。

第1部|自治体研究編

川西市の特徴

本格的な面接対策に入る前に、川西市がどんなまちなのかを一度に見渡しておきましょう。急ぎの方はこの節だけでも構いません。

  • 兵庫県の南東部に位置する市。接している7つの自治体のうち4つが大阪府側という、府県境に立つ立地が最大の地理的特徴。
  • 兵庫県側では伊丹市・宝塚市・川辺郡猪名川町と、大阪府側では池田市・箕面市・豊能郡豊能町・能勢町と接している。
  • 人口は152,198人(令和8年1月1日現在)。住民基本台帳ベースで、兵庫県内29市のうち9番目にあたる。
  • 市域は53.44平方キロメートル。人口密度は約2,848人/km²で、市街地に人が集まった形をしている。
  • 清和源氏発祥の地として知られる。清和天皇のひ孫にあたる源満仲が多田盆地に移り住んで創建した多田院が、現在の多田神社にあたる。
  • 市内には加茂遺跡をはじめ多数の遺跡がある。特産品はいちじく、桃、栗、いちじくワイン。
  • 市は自らを猪名川の西側に位置する大阪・神戸の通勤圏の住宅都市と説明している。
  • 65歳以上が31.6%、75歳以上が20.4%(令和8年1月1日現在)。県平均より高齢化が進んだ年齢構成になっている。
  • 自主防災組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)で、県平均98.4%を上回る。

川西市の基礎データ

統計を丸暗記する必要はありませんが、川西市がどのくらいの規模で、どんな年齢構成の市なのかだけは頭に入れておきましょう。

人口とその年齢構成、市域の広さ、接している自治体の顔ぶれを、兵庫県全体の値と並べて整理しました。

項目内容
総人口152,198人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口48,080人(総人口の31.6%)
75歳以上人口31,080人(総人口の20.4%)
総面積53.44km²
人口密度約2,848人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体(兵庫県側)伊丹市、宝塚市、川辺郡猪名川町
隣接自治体(大阪府側)池田市、箕面市、豊能郡豊能町、豊能郡能勢町
市役所所在地〒666-8501 兵庫県川西市中央町12番1号
市の花・市の木市の花はリンドウ、市の木はサクラ
(参考)兵庫県の総人口5,364,773人(令和8年1月1日現在)
(参考)兵庫県の高齢化率29.5%(同日現在。75歳以上は17.6%)

人口・年齢別人口・高齢化率および県内の順位は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の市区町村別データを用いています。面積・隣接自治体・市の花木は公表値から整理し、人口密度は当研究会がこの人口と面積をもとに計算しました。兵庫県が公表している推計人口は国勢調査を基礎とする別の系列ですので、この表の数値と並べて増減を計算しないようご注意ください。

数字から考えられる市政課題

川西市の年齢構成は、県全体と比べてはっきり高齢化が進んでいます。

65歳以上が31.6%で県の29.5%を上回るだけでなく、75歳以上が20.4%と、市民のおよそ5人に1人が後期高齢期に入っています(令和8年1月1日現在)。県全体の17.6%と比べると2.8ポイントの差です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在)。

ここで効いてくるのが市域の狭さです。面積は53.44平方キロメートルで、人口密度は約2,848人/km²。

距離としては職員が回りやすい市ですが、その分だけ一人の職員が受け持つ市民の実数は多くなります。移動の負担は軽くても、対応する件数そのものは減らないという構図です。

面接でこの点に触れるなら、たとえば次のような言い方ができます。

「川西市は15万人ほどのまちですが、75歳以上の方が5人に1人くらいいらっしゃると知りました。市の面積は広くないので伺うこと自体はできると思うのですが、それでも人数が多いので、限られた人手でどう回すかという工夫が要るのだと感じています」

川西市の経済・産業

府県境に立つ住宅都市という性格

川西市の経済を考えるうえで外せないのが、生活圏が兵庫県内で完結していないことです。市が接している7つの自治体のうち、池田市・箕面市・豊能町・能勢町の4つは大阪府側にあります。

市自身も、猪名川の西側に位置する大阪・神戸の通勤圏の住宅都市だと説明しています(参考:川西市公式サイト|観光案内)。

県の資料によれば、兵庫県の人口の6割が、県土面積のわずか14%にあたる神戸・阪神地域に集まっています。川西市はその集中している側に属します。

一方で県全体は平成23年以降、東京圏と大阪府への転出超過が続いており、とりわけ20歳代の流出が止まりません。0歳から14歳と30歳代の子育て層では転入超過が広がっているという分析もあり、世代によって人の動きが逆を向いています。

住宅都市である以上、この動きの差は市の将来に直結します(出典:兵庫県の現状と課題の整理|2023年)。

県全体の経済規模から見た位置

兵庫県の令和5年度の県内総生産は名目で23兆9,895億円(前年度比2.7%増)、県民総所得は25兆4,318億円でした。県は自らの強みを、ものづくり産業の集積、科学技術の基盤、多彩な食材と食文化、国際性豊かな地域社会と整理しています(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度)。

川西市はこの県内で、工業や港湾ではなく人が住む場所そのものを土台にしている市です。

市民の多くが市外へ働きに出るということは、市の仕事の中心が生産の支援より、暮らしの基盤の維持に寄るということでもあります。市の職員採用で建築・土木・電気・機械の技術職が別枠で立てられているのも、施設や設備を自前で抱え続ける組織だからだと読めます。

歴史資源と地場の産品

川西市は清和源氏発祥の地として知られています。清和天皇のひ孫にあたる源満仲が多田盆地に移り住んで多田院を創建し、それが現在の多田神社にあたります。

市内には加茂遺跡をはじめ多数の遺跡があり、特産品としてはいちじく、桃、栗、いちじくワインが挙げられています(参考:川西市公式サイト|多田神社)。

兵庫県全体の観光を見ると、令和5年度の入込客数は1億2,232万人(対前年度比106.8%)で、内訳は日帰客1億1,085万人・宿泊客1,147万人と、日帰りが9割を占めます。

目的別では歴史・文化が2,724万人で、スポーツやレクリエーションに次ぐ2番目でした(出典:兵庫県観光客動態調査報告書|令和5年度)。歴史をたどれる場所が市内にあることは、日帰りの人の流れを呼び込む手がかりになります。

ただし観光を志望動機に据えるなら、来た人の数ではなく、その来訪が市民の暮らしや商いにどう返ってくるかまで考えておきたいところです。

川西市の主な行政課題

ここまでの数字と立地を重ねると、川西市が向き合っている論点がいくつか浮かびます。面接で市の課題を問われたときに備え、次の5つを整理しておきましょう。

5人に1人が後期高齢期という現実

75歳以上の割合20.4%は、単に高齢者が多いという話にとどまりません。介護保険の利用、在宅医療、見守り、認知症への対応といった行政需要は、65歳ではなく75歳を境に一気に立ち上がります。

川西市はその段階に、県全体より数年早く入っている市だといえます(令和8年1月1日現在)。県の将来推計でも、2050年には県全体で4人に1人が75歳以上になる姿が示されており、川西市の現在地はその先取りに近い形です。

暮らしが府県をまたぐこと

通勤先も買い物先も大阪府側という市民が少なくない市では、市の施策と府県の制度が生活の中で交錯します。子どもの通学、救急搬送、公共交通、災害時の避難。

どれも市境の内側だけで完結しない領域です。面接で「なぜ兵庫県庁ではなく川西市役所か」と問われたとき、この府県境の位置は、住民に一番近い場所で調整に関わりたいという理由を具体化する材料になります。

住宅都市としての担い手確保

県全体の20歳代の転出超過が続く一方で、子育て世帯の転入超過は広がっています。

住まいとして選ばれ続けられるかどうかが、住宅都市である川西市の税収と担い手の厚みを決めます。市の魅力を語るときも、名所の紹介で止めず、その魅力が定住にどうつながるかまで話を進めておきましょう。

備えの水準をどこまで上げるか

県の消防防災年報によると、川西市の自主防災組織率は100.0%で、県平均98.4%を上回っています(令和6年4月1日現在)(出典:兵庫県消防防災年報|令和6年版)。

組織があること自体は達成済みなので、次に問われるのは中身のほうです。県が平成26年に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、神戸・阪神・播磨地域の広い範囲で最大震度6強が見込まれています。

高齢化が進む市で、組織の名簿が実際に動く仕組みへどう育てるか。ここは行政だけでは完結しない領域です。

市の顔をどう伝えるか

清和源氏発祥の地という歴史、多田神社、加茂遺跡、いちじくをはじめとする特産品。素材は揃っていますが、大阪と神戸に挟まれた位置では、まちの名前そのものが埋もれやすいという難しさもあります。

移り住む先として、あるいは訪ねる先として川西市を選んでもらうために何を前に出すか。正解が決まっていない分、自分の考えを持っている受験生は印象に残ります。

重点政策|川西市のまちづくりの方向性

計画の体系をなぞっても、それだけでは面接の言葉になりません。ここでは公表資料から確実に言い切れる範囲で、川西市が手を打たなければならない場面のほうを拾い出します。

総合計画をはじめとする現行の計画は市の公式サイトから確認できますので、志望が固まったら現物にあたってください。

採用の職種構成から見える守備範囲

令和7年4月1日採用の募集では、事務職15〜20人に加えて、建築技術職2人、土木技術職2人、電気技術職と機械技術職をあわせて4人という採用予定が示されていました。

人口15万人規模の市で建築・土木・電気・機械の4分野をそれぞれ立てているのは、道路や施設、設備の維持管理を自前で回している組織だということです。事務職として入っても、こうした技術部門と隣り合って仕事をする場面は出てきます。

高齢化への対応が動かせない柱であること

75歳以上が5人に1人という年齢構成は、施策の優先順位を自動的に決めてしまう性格の数字です。福祉、医療、介護、そして移動手段の確保。

どの分野を志望するにしても、市の仕事の相当部分がこの層に向いていることは前提として押さえておきましょう。窓口に来られない人にどう届けるかという問いは、福祉部門に限らず市役所全体の課題です。

歴史と府県境の位置を生かせるか

清和源氏ゆかりの地という歴史資源と、大阪府側に開いた立地。この二つは、うまく組み合わせれば市外から人を呼ぶ材料になります。

県全体の観光は日帰りが9割ですから、遠方からの宿泊を狙うより、府県境を越えてすぐの人たちに何度も来てもらう形のほうが実態に合うでしょう。こうした読み替えができると、志望動機がぐっと具体的になります。

POINT|広く浅くより、一つを深く

面接で見られるのは知識の量ではなく、その知識を自分の関心とつなげているかどうかです。気になる分野を一つ決めて、「①川西市で何が起きているか → ②市はどうしたいのか → ③いまどんな取り組みがあるか → ④市だからできる部分はどこか → ⑤自分は何をするか」の順に調べていきましょう。

悪い例「川西市の高齢者福祉に関わりたいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の相談を受けるところから始めたいです。その上で、75歳以上の方が5人に1人という状況だと知りましたので、ご自身で市役所まで来られない方に必要な情報をどう届けるか、という部分に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

次に挙げるのは、川西市を語る材料が置いてある場所です。全部を読み通す前提ではなく、この記事で気になった箇所の裏を取りに行く、という使い方で十分です。

  • 川西市の職員募集要項(最新年度)と、申込専用システムの登録画面
  • 川西市の総合計画(市公式サイトの現行版)
  • 最新年度の予算・市政運営に関する市長の説明資料
  • 川西市の防災に関するページ(ハザードマップ、自主防災組織、避難情報)
  • 兵庫県の統計や県民経済計算(県内での位置づけを確かめたいとき)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、川西市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。川西市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

川西市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

川西市役所の面接の概要

ここからは、川西市役所の選考がどう組み立てられているかを確認し、そこから準備の方向を決めていきます。

川西市役所の面接の流れ

令和7年4月1日採用(令和6年度実施)の事務職は、3段階の選考でした。1次試験は全国のテストセンター会場で受ける筆記のみ。

2次試験で個別または集団の面接とエントリーシート、3次試験で個別面接という流れです。

そして募集要項がはっきり書いているのが、いずれかの試験科目で一定の基準に達しなければ、他の科目の成績にかかわらず不合格になることです。得意な科目で穴を埋める形が通用しない設計になっています。

項目内容(令和7年4月1日採用)
試験の段階1次試験 → 2次試験 → 3次試験の3段階
1次試験「教養・事務適性等」。全職種共通の択一式で、各地に設置されたテストセンターで受験
試験会場全国約350か所のテストセンター会場から選択可能。実施期間内で受験日時と会場を受験者が選ぶ
教養の出題範囲文章読解能力、数的能力、推理判断能力、人文・社会・自然に関する一般知識、基礎英語
事務適性等事務能力診断検査等
2次試験「個別又は集団面接」とエントリーシート(川西市役所ほか)
3次試験個別面接(川西市役所ほか)
技術職の構成建築・土木・電気・機械は事務職と異なり2段階。1次に「教養・事務適性等」と個別面接、エントリーシートが含まれ、2次が個別面接
合否の判定各試験科目のいずれかで一定の基準に達しない場合、他の科目の成績にかかわらず不合格
採用予定数事務職15〜20人、建築技術職2人、土木技術職2人、電気技術職・機械技術職あわせて4人
エントリーシート別送する書類ではなく、申込専用システムでの本登録をもって提出完了
成績開示1次から3次の不合格者が総合得点および順位を、各結果通知の日から1か月間、総務部職員課で本人が直接請求(電話やはがき等による請求は不可)

上記は、川西市が市公式サイトで公表している令和7年4月1日採用(令和6年度実施)の職員募集要項にもとづく内容で、本記事の解説は事務職を軸にしています。各試験の配点については、同要項に記載を確認できていません。より新しい年度の募集内容は、川西市の職員募集ページおよびそこから案内される申込サイトで公開されます。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の受験案内でご確認ください(出典:川西市職員募集要項|令和7年4月1日採用)。

この構成から読み取れることを整理します。まず、1次試験はテストセンターでの筆記だけなので、面接官と顔を合わせるのは2次からです。

事務職の場合、面接の機会は2次と3次の2回しかありません。しかも2次は「個別又は集団面接」と書かれており、他の受験者と同席する形になる可能性があります。

一対一で話す準備だけでは足りないということです。そして基準点の規定がある以上、どの科目も「悪くない状態」まで持っていく必要があります。

川西市役所が求める人物像

川西市の職員募集要項と市公式サイトの職員募集ページには、「求める職員像」にあたる定型の記載を確認できませんでした。最新の掲載状況は、川西市の職員募集ページと、そこから案内される申込サイトでご確認ください。

公表文言がない以上、ここからは選考の設計を手がかりにした当研究会の読みになります。エントリーシートが本登録と同時に提出完了となるということは、申込の時点で書いた内容が最後まで手元を離れて残るということです。

2次でも3次でも、面接官はその記載を見ながら質問を組み立てます。

したがって面接対策の言葉に翻訳すれば、「申込時の記載と口頭の説明が食い違わないこと」「他の受験者がいる場でも自分の話ができること」「川西市を選んだ理由を具体的に言えること」の3点が、まず整えておきたい方向になります。

市の規模と置かれた環境からも、言えることがあります。川西市は人口15万人台で、面積は53.44平方キロメートル。

事務職の採用が年に15〜20人という規模の組織では、一つの部署が担う範囲は政令市ほど細分化されず、かといって職員が何もかも一人で抱える小規模市とも違います。

加えて、接する自治体の半分以上が府県をまたぐ相手です。制度の説明を住民にかみ砕いて伝える場面と、隣の自治体や府県の担当者と話をそろえる場面の、両方が日常的に発生すると考えられます。

そうした環境では、相手に合わせて言葉を選べる人や、決まりきっていない案件を丁寧に確かめながら進められる人が、面接で好意的に受け止められやすいのではないかと当研究会は見ています。自己PRでも「柔軟性があります」で終えず、誰に対して、どう合わせて、何が前に進んだのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。川西市の面接も、この見取り図に沿って準備すれば大きな抜けは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日の試験会場までは迷いませんでしたか?1次が筆記だけの試験では、ここが面接官と交わす最初の言葉になる。硬さをほどいて対話に入れるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?大阪府側にも通える立地の市で、あえて川西市の職員を選ぶ理由が自分の経歴とつながっているか
③ 自己理解ご自身の弱みはどこだと思いますか?エントリーシートに書いた自己像と、口頭で語る自己像がずれていないか
④ 経験・行動これまでで最も苦労した経験と、その乗り越え方を教えてください出来事の大きさではなく、その場面で何を判断し、誰に働きかけたかという中身
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて学んだことを説明してください専門外の人に伝わる言葉へ置き換える力。学んだことを市の仕事へどうつなげるかまで考えているか
⑥ 適性・将来採用後はどの分野の仕事に関わりたいですか?事務職として幅広い部署を回る前提を理解しているか。希望と違う配属でも働けるか
⑦ 公共性・社会性最近気になっている社会の出来事はありますか?身近な出来事を行政の課題として引き取れるか。集団面接なら、長く話しすぎずに要点を言えるか

もっとも、この7つの区分は川西市だけのものではなく、官公庁の面接に広く共通します。誰もが手を打ってくる範囲ですから、ここで抜きん出るのは簡単ではありません。

勝負どころは、次に挙げる川西市固有の質問です。

合否を分けるのは「川西市役所ならでは」の質問

「なぜ兵庫県庁ではなく、川西市役所なのですか?」
「川西市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

調べていなければ、その場で言葉にしようがない質問です。裏返せば、川西市について何を知っているかだけで差がつく質問だともいえます。

川西市について押さえておきたい事実を、答え方とセットで並べました。

質問テーマ知っておきたい川西市の事実答え方のヒント
年齢構成人口152,198人で県内29市のうち9番目(令和8年1月1日現在)。65歳以上31.6%、75歳以上20.4%で、いずれも県平均を上回る高齢化という言葉で括らず、75歳以上が5人に1人という一点に絞って話します。そこから自分の関心へつなぎます
なぜ県庁ではなく市役所か接する7自治体のうち4つが大阪府側で、市民の暮らしが府県をまたいで成り立っている制度論に寄せず、府県境の内側で住民に一番近い立場で調整に関わりたい、という自分の理由へ落とします
まちの成り立ち清和源氏発祥の地とされ、源満仲が創建した多田院が現在の多田神社にあたる。加茂遺跡など遺跡も多い由来の説明で終えず、その歴史を市外の人にどう届けるかという行政の仕事として語ります
防災自主防災組織率は100.0%で県平均98.4%を上回る(令和6年4月1日現在)。県が平成26年に公表した被害想定では阪神地域で最大震度6強が見込まれる組織があることは前提として、高齢化のなかで実際に動く体制へどう育てるか、という次の段階の話をします
川西市の魅力大阪・神戸の通勤圏の住宅都市。特産品はいちじく、桃、栗、いちじくワイン住みやすさの紹介で止めず、その住みやすさが選ばれ続ける条件は何か、というところまで踏み込みます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

川西市には公表された人物像の文言が見当たらないため、選考の設計から逆算して、これまでどう行動してきたかを確かめられる場だと捉えておきましょう。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
記載と発言の一致本登録したエントリーシートの内容を起点に質問され、書いたときの意図を説明できるか登録した文面を手元に印刷し、一行ずつ「なぜこう書いたか」を口で言えるようにしておく
他の受験者がいる場での話し方2次が集団面接になった場合、持ち時間を占有せずに要点を伝えられるか自己PRと志望動機を60秒版と30秒版の2つ用意し、短いほうから出せるようにしておく
この市を選んだ理由の具体性大阪府側の市でもよかったのでは、と切り返されたときに答えを持っているか川西市の事実を2つか3つ、自分の経験と結びつけた形でメモにしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

川西市は3次にも個別面接がありますから、2次で話した内容をさらに掘られる場面を想定しておきましょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、当日までの段取りに置き換えます。

  1. 最新年度の川西市の職員募集要項を読み、試験の段階と採用予定数、テストセンターの受験期間を確認する
  2. 申込専用システムに登録するエントリーシートの内容を先に紙へ書き出し、面接で話す材料と食い違わないか確かめる
  3. これまでの経験を洗い出し、学業・課外活動・アルバイトのそれぞれから話せる例を1つずつ選ぶ
  4. 7つのカテゴリーの代表質問に、短いメモで答えを当てておく
  5. この記事の第1部を読み返し、川西市の事実を2つか3つ選んで、資料を見ずに口で言い切れるところまで持っていく
  6. 集団面接を想定して30秒版の答えも作り、声に出して練習しながら「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5と6は、他の受験生に差をつけるための上積みの工程です。時間が足りないときは、ステップ2でエントリーシートの内容を固めることと、ステップ3の経験の棚卸しを先に片づけてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、川西市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

川西市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

川西市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和7年4月1日採用の事務職では、1次がテストセンターでの筆記、面接は2次と3次の2回だけでした。しかも2次は個別か集団かが確定していない書き方で、どの科目にも基準点があります。

準備の幅を狭めにくい試験だということです。市民のおよそ5人に1人が75歳以上で、暮らしが府県をまたいで成り立つ15万人のまちで、自分はどの仕事に手を挙げるのか。

エントリーシートに最初の一行を書く時点から、面接はもう始まっています。