本記事では、加東市職員採用試験の面接対策で必要な、加東市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

加東市役所の面接試験では、「なぜ加東市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市の実情や政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、加東市ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

以下は、令和9年4月採用(前期日程)の職員採用試験のうち、一般事務職(大学新卒等)の区分を軸に整理しています。公務員経験者の区分では第1次試験の内容も第3次試験の中身も変わりますので、自分が申し込む区分の募集要領と読み合わせながら進めてください。

第1部|自治体研究編

加東市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは加東市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 兵庫県のほぼ中央、北播磨に位置する内陸の市。面積は157.55平方キロメートルで、西脇市・三木市・小野市・三田市・加西市・丹波篠山市の6市に接する。
  • 人口は3万9,132人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。人口密度は1平方キロメートルあたり約248人と、市域に対して人口は薄く分布している。
  • 高齢化率28.1%、75歳以上率16.0%で、いずれも兵庫県全体(29.5%、17.6%)を下回る。
  • 市域を加古川が流れ、その景勝地である闘竜灘は「ひょうごの景観ビューポイント150選」に選ばれている。
  • 自主防災組織はすべての地区に置かれ、組織率は100.0%(令和6年4月1日現在)。兵庫県平均は98.4%。
  • 市の花はコスモス、市の木はサクラ。
  • 職員採用では第1次試験に適性検査(SPI)を用い、第3次試験でグループ討議を課している。

加東市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「加東市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

次の表に、人口と年齢構成、市域の広さ、地域の防災体制、採用の規模をまとめました。加東市の場合、人口の規模と採用予定人員の関係に目を向けると、市の置かれた状況が見えてきます。

項目内容
総人口39,132人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口10,990人(高齢化率28.1%)
うち75歳以上人口6,253人(総人口の16.0%)
総面積157.55km²
人口密度約248人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接する自治体西脇市、三木市、小野市、三田市、加西市、丹波篠山市の6市
自主防災組織組織率100.0%(令和6年4月1日現在。兵庫県平均は98.4%)
一般事務職(大学新卒等)の採用予定人員8名程度(令和9年4月採用・前期日程)

総人口と年齢別人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)、面積と隣接自治体は当研究会が整理した基礎データ、自主防災組織は兵庫県の消防防災年報、採用予定人員は令和9年4月採用(前期日程)の募集要領によります。人口密度は住民基本台帳人口を面積で割った参考値です。市民経済計算にあたる数値は本記事では扱わず、経済の姿は市域の条件から見ていきます。

数字から考えられる市政課題

加東市の高齢化率は28.1%、75歳以上率は16.0%。同じ住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で兵庫県全体は29.5%・17.6%ですから、どちらも県平均を下回っています。

県が国勢調査をもとに出している推計値は基準が違いますので、その数字と直接並べることはできません。若い市だと言えますが、油断できる材料ではありません。

県全体が高齢化していくなかで先行していないというだけで、加東市自身の高齢化が止まっているわけではないからです。

もう一つ目を引くのが採用の規模です。人口3万9千人台の市が、前期日程だけで一般事務職を8名程度採ろうとしています。

人口1万人あたりおよそ2人という採用規模は、市役所の側にそれだけの体制が要るということを示しています。

157.55平方キロメートルという広さに人口が薄く分布し、そのすべてに行政サービスを届けなければなりません。市域の条件が、職員に求められる守備範囲の広さを決めています。

広さと人口の薄さを、面接ではたとえば次のように語れます。

「加東市は高齢化率が3割弱で、県の平均より低いと聞きました。ただ、面積は150平方キロを超えていて、人口は4万人ほどです。広い市域に分かれて暮らしている方に、どうやって同じようにサービスを届けるか。そこに関わる仕事がしたいと考えています」

加東市の経済・産業

6つの市に接するという位置

加東市の地理条件でまず押さえたいのは、接している自治体の多さです。西脇市、三木市、小野市、三田市、加西市、そして丹波篠山市。北播磨の内陸にありながら、丹波の側とも境を接しています。

6つの市に囲まれた結節点であることは、人と物の行き来という点で加東市の資産です。

同時に、通勤や買い物で市外へ出ていく流れも生まれやすく、市内で経済を回す工夫が要る立地でもあります。

加古川と闘竜灘

市域を流れる加古川には、闘竜灘という景勝地があります。兵庫県の「ひょうごの景観ビューポイント150選」に選ばれており、市もフットパスの案内などで紹介しています。(参考:闘竜灘(加東市))

県全体で見ると、令和5年度の兵庫県の観光入込客数は1億2,232万人(対前年度比106.8%)で、うち日帰客が1億1,085万人と全体の90.6%を占めます。目的別ではスポーツ・レクリエーションの3,549万人が最も多い分類です。

宿泊を前提にした誘客は簡単ではありませんが、県全体の9割が日帰りだという事実は、近隣6市から人を呼びやすい加東市の条件と噛み合います。(出典:兵庫県観光客動態調査報告書|令和5年度)

県全体の経済のなかで

経済の規模を市単位で示す統計は限られます。県の数字を土台に置きましょう。兵庫県内総生産(名目)は令和5年度で23兆9,895億円、前年度から2.7%増えました。

名目・実質のどちらで見ても3年続けての増加です。県民総所得(名目)は25兆4,318億円で、伸び率は1.7%でした。

県は強みの筆頭に「ものづくり産業の集積」を置いています。(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度)

面接で経済を語るときは、県全体の数字を引くだけで終わらないようにしましょう。

加東市がその集積のどこに位置し、6市との行き来のなかで何を担っているのか。そこまで自分の言葉にできると、話が市の話になります。

加東市の主な行政課題

ここまでの数字と市域の姿を踏まえると、加東市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

広い市域に薄く分布する人口

157.55平方キロメートルに約3万9千人。人口密度は1平方キロメートルあたり約248人です。

県の資料では、公共交通空白地域が可住地面積の23.4%を占め、そこに住む人は約169,638人(県人口の3.1%)とされており、淡路地域や播磨地域の内陸部に多いという整理がなされています。広い市域に人口が薄く分かれている市では、同じ水準のサービスを届けること自体がコストになります。

窓口、送迎、見守り、災害時の連絡。どれも距離がそのまま難しさに変わります。(出典:兵庫県の現状と課題の整理|2023年)

県平均より若いことを、どう使うか

高齢化率28.1%、75歳以上率16.0%という県平均を下回る数字は、加東市に時間の余裕があることを意味します。県の将来推計によれば、兵庫県の人口は2050年に423万人(2015年比24%減)となり、そのとき65歳以上が4割、4人に1人が75歳以上を占めます。

その姿へ向かう途中にいる県のなかで、加東市はまだ手前にいます。この差をただの余裕として過ごすのか、備えの時間として使うのかで、10年後の姿は変わります。

人口減少と、県内で偏っていく人の流れ

県統計課が公表する推計人口は、令和8年6月1日現在で5,304,414人。前月から2,783人減りました。

5月中の内訳は自然減2,290人と社会減493人で、県内10地域のどこも人口を減らしています。県はこれに加えて、2011年以降の転出超過と、県土面積の14%にあたる神戸・阪神地域に県人口の6割が偏っていることを課題に挙げています。

6市に接する加東市にとって、人の行き来のしやすさは、転入にも転出にも同じように働きます。

南海トラフ巨大地震と内陸の市の役割

平成26年6月に兵庫県がまとめた南海トラフ巨大地震・津波被害想定は、淡路地域の洲本市・南あわじ市で最大震度7、神戸・阪神・播磨地域の広い範囲で最大震度6強を見込みます。

死者は夏の昼間12時に発災した場合が最多で約29,100人、うち約27,970人(約96%)は津波によるものです。建物の全壊は冬の夕方18時発災で最大約38,500棟とされています。(出典:南海トラフ巨大地震・津波被害想定(兵庫県)|平成26年)

内陸に位置する加東市は津波の直接の想定域ではありません。その分、被災した沿岸部を支える側や、避難してきた人を受け入れる側に回る場面が想定されます。

市内の自主防災組織の組織率が100.0%であることは、その備えの土台にあたります。ただし、広い市域で組織を維持し続けるには、担い手をつないでいく作業が欠かせません。(出典:兵庫県消防防災年報|令和6年版)

加東市の重点政策|市が制度に込めている意思

市の方向を読む方法は、計画書を開くことだけではありません。加東市の場合、職員の勤務条件として公表されている制度に、市が何を大事にしているかがかなり率直に出ています。

県の見通しのなかでの加東市

兵庫県の人口は2009年の560万人が頂点で、そこから減少に入りました。県の推計では2050年に423万人(2015年比24%減)まで下がり、その時点で65歳以上が4割、4人に1人が75歳以上になります。

加東市の年齢構成は現在まだ県平均より若く、この見通しの手前に位置しています。手前にいるうちに何を仕込めるかが、市政の焦点になっているとみるのが自然な読み方でしょう。

市独自の制度に表れているもの

加東市の募集要領には、市独自の制度として2つが明記されています。ひとつは住居手当で、最高28,000円という額に加えて、「加東市内に住む40歳未満の職員は、5,000円加算」という規定があります。

もうひとつは子の看護休暇で、5日という日数に「障害等を持つ子を看護する職員は、子が18歳まで取得可」という上乗せが置かれています。(出典:加東市職員募集要領|令和9年4月採用(前期日程))

この2つは、性格の違う制度でありながら同じ方向を指しています。若い職員に市内で暮らしてほしい。障害のある子を育てる職員が働き続けられるようにしたい。

人口が減り、市域が広いという条件のもとで、人を市内に留め、働き続けられるようにすることを、市は自分の課題として引き受けているということです。

年間休日128日、年次有給休暇が勤務初日から年間20日という条件も、同じ線の上にあります。

POINT|制度の内容より、それが置かれた理由を考える

関心のある分野を1つ決め、「①加東市の人口や市域の条件がその分野にどう効いているか → ②市はどんな制度や仕組みで応じているか → ③自分のどの経験がそこに触れるか」の順に考えていけば、志望動機の中心が決まります。

悪い例「加東市は福利厚生が整っていて働きやすそうだと思いました」

改善例「加東市は市内に住む若い職員に住居手当を上乗せしていると知りました。人に住み続けてもらうことを、市が自分の課題として引き受けているのだと感じます。私もその側で働きたいです」

あわせて確認したい公式資料

加東市は職種と区分によって第1次試験の内容も第3次試験の中身も変わります。どの区分で受けるかを確定させてから、必要な資料を手元に集めましょう。

  • 令和9年4月採用(前期日程)の加東市職員募集要領(3段階の構成、第1次のSPI、第3次のグループ討議、市独自の勤務条件)
  • 加東市公式サイトの職員採用のページ(前期日程以外の募集の有無と、区分ごとの違い)
  • 加東市の防災・危機管理に関する市公式ページ(地域の防災組織や避難に関する市の案内)
  • 関心のある分野の市の個別計画を1本(福祉、都市計画、産業振興など、志望動機に触れるもの)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、加東市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。加東市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

加東市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

加東市役所の面接の概要

ここからは、加東市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

加東市役所の面接の流れ

令和9年4月採用(前期日程)の一般事務職(大学新卒等)は、第1次から第3次までの3段階です。

第1次は適性検査(SPI)で、性格検査を自宅のパソコン等で、能力検査をテストセンター会場で受けます。募集要領の表紙には「公務員試験対策不要! 第1次試験はSPI試験を実施!」と大きく掲げられています。

そのうえで注目したいのが第3次試験です。個別面接に加えてグループ討議が課されます。

ただし募集要領には「受験者数等により、第3次試験の内容は変更になる場合があります」という注記も添えられていますので、実施を前提に準備しつつ、変更の可能性も頭に置いておいてください。

個別面接そのものは第2次と第3次の2回で、公務員経験者の区分ではグループ討議が免除されます。

項目内容(令和9年4月採用・前期日程・一般事務職(大学新卒等))
試験の段階第1次試験 → 第2次試験 → 第3次試験の3段階(全職種共通)
第1次試験適性検査(SPI)。性格検査を自宅のパソコン等で、能力検査をテストセンター会場で受験します。全国のテストセンターやオンライン会場から都合の良い日程を選べます
第2次試験個別面接
第3次試験個別面接とグループ討議。募集要領には「受験者数等により、第3次試験の内容は変更になる場合があります」との注記があります
面接の種類個別面接が2回(第2次・第3次)。加えて第3次でグループ討議が実施されます
配点具体的な配点は募集要領に記載がありません。不合格者本人に限り、口頭で総合得点および総合順位の情報提供を受けられます
提出書類一般事務職(公務員経験者)は電子申請に加えて職務経歴書を人事課へメール送付します。その他の職種について、面接カードや自己PRシート等の提出書類は記載されていません
採用予定人員一般事務職(大学新卒等)8名程度。ほかに一般事務職(公務員経験者)若干名、精神保健福祉士1名、建築職若干名、土木職若干名

この構成が示しているのは、一人で話す力と、複数人の場で話す力の両方が見られているということです。個別面接だけを想定した準備では、第3次で足元をすくわれかねません。

グループ討議は、うまいことを言う場ではなく、議論を前へ進める場です。自分の意見を短く出し、他の人の意見を拾い、時間内に何かをまとめます。

この3つができれば形になります。

上記の試験構成は、加東市の令和9年4月採用(前期日程)の職員募集要領にもとづく一般事務職(大学新卒等)の区分のものです。配点の具体値は募集要領に記載がありません。公務員経験者の区分では第1次がSPIの性格検査のみとなり能力検査が免除され、第3次のグループ討議も免除されます。試験の構成・日程・配点等は年度や区分によって異なりますので、必ずご自身が受ける区分の最新の受験案内でご確認ください。

加東市が求める人物像

加東市の令和9年4月採用(前期日程)の募集要領を通して読むと、人物像にあたる見出しは立てられていないことが分かります。その代わり、市が何を見ようとしているかは選考の組み立てから読み取れます。

SPIで公務員試験向けの筆記対策を求めず、個別面接を2回、そしてグループ討議を1回。人と向き合う場面に、試験の重心が置かれています。

ここに市の条件を重ねてみます。人口3万9千人台で、面積は157.55平方キロメートル。一般事務職の採用は前期日程で8名程度です。

市域が広く人口が薄いということは、担当者が机の前だけで仕事を終えられないということでもあります。集落まで出向いて話を聞き、地域の団体や近隣の市と段取りをそろえ、その結果を持ち帰って書類にします。

一つの案件を入口から出口まで同じ人が追いかける場面が、この規模の市では珍しくありません。

そう考えると、グループ討議が置かれている理由も見えてきます。庁内でも庁外でも、複数の人と一つのことを決めていく場面が仕事の中心にあるからです。

加えて、市内在住の若手職員に住居手当を加算する制度を持つ市であることを思えば、この地域で暮らしながら働く姿を面接官が思い描けるかどうかも、案外きいてくるはずです。もっとも、募集要領が定めているのは試験の手続きまでで、そこから人物像の輪郭を引いたのは当研究会です。

個別面接が2回とグループ討議という組み合わせは、同じ人が違う場面でどう振る舞うかを見る構えです。ひとりで問われる場と、他の受験者と並ぶ場。

どちらでも出てくるのは、これまで自分が実際にやってきたことだけです。一人で決めた場面と、人と決めた場面を両方そろえておきましょう。

それが、この試験設計への一番実際的な備えになります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。加東市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイクSPIはどちらの会場で受けられましたか?日程も会場も自分で選ぶ方式だからこそ出る雑談。段取りの話を自然に返せるか
② 動機・志望接している6つの市ではなく加東市を選んだ理由を教えてください周囲に市が多い環境で、なぜここなのかを自分の言葉で言えるか
③ 自己理解ご自身の弱みはどこにあると思いますか弱みを認めたうえで、どう補ってきたかまで話せるか
④ 経験・行動複数人で一つのことを決めた経験を教えてくださいグループ討議を課す市として、合意をつくる場面での振る舞い
⑤ 学業・経歴大学で力を入れて学んだことを説明してください短い時間で要点を絞る力。討議の場でも同じ力が問われます
⑥ 適性・将来加東市で暮らすとしたら、どんな生活を思い描きますか通勤先としてではなく、生活の場として市を見ているかどうか
⑦ 公共性・社会性最近気になった地域の話題はありますか市の側から物事を見る習慣。討議のテーマにもつながる視野

この7つは、どの自治体の面接でも使える整理です。加東市の第3次にはグループ討議も控えていますから、表を埋めただけの準備では、議論の場に持ち出せる材料が足りません。

次に要るのは、加東市を見ていなければ出てこない中身です。

合否を分けるのは「加東市役所ならでは」の質問

「なぜ兵庫県庁ではなく、加東市役所なのですか」
「加東市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

加東市の場合、6市に接する位置と、県平均より若い年齢構成という2つが、答えの足場になります。

使える事実を数点に絞り、答え方の目安を添えて整理しています。

質問テーマ知っておきたい加東市の事実答え方のヒント
年齢構成の現在地高齢化率28.1%、75歳以上率16.0%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。いずれも県全体の29.5%、17.6%を下回る若さを長所として並べるだけでなく、備えに使える時間が残っているという読み替えまで進めます
なぜ県庁ではなく市役所か面積157.55平方キロメートルに人口約3万9千人。人口密度は1平方キロメートルあたり約248人広域を扱う県との対比に加え、市域を歩いて回れる規模で働きたい理由を経験から言います
市の位置西脇市・三木市・小野市・三田市・加西市・丹波篠山市の6市に接する北播磨の内陸の市近隣との比較で語らず、行き来のしやすさが暮らしにどう効いているかを自分の実感で話します
市の景観資源市域を流れる加古川の景勝地・闘竜灘が「ひょうごの景観ビューポイント150選」に選ばれている名所の紹介で終えず、近隣から日帰りで訪れてもらう仕掛けという視点まで踏み込みます
地域の防災力令和6年4月1日現在の自主防災組織の組織率は100.0%。県内には組織率が90%を下回る市もあるなか、加東市は全地区に組織が置かれている数字を誇るのではなく、広い市域でこの状態をどう保ち続けるかという問いに置き換えて話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

加東市は求める職員像を項目立てて公表していないため、ここでは選考の設計に照らして、確かめられるであろう観点を整理します。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
複数人の場で議論を進める力第3次のグループ討議で、意見をどう出し、他の人の発言をどう扱うかまとめ役を演じようとせず、自分が出せる角度を1つ決めて臨む練習をしておく
生活の場として市を見ているか市内在住の若手職員に住居手当を加算する市で、地域との関わり方をどう語るか加東市で暮らすとしたら何をしたいかを、通勤の話ではなく生活の話として用意する
担当が変わっても立ち上がれるか広い市域を少人数で支える市で、初めて扱う分野をどう自分のものにするかやったことのない役割を引き受けた場面を1つ選び、最初の1週間に何をしたかまで話せるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

加東市は個別面接が2回ありますので、第2次で述べた内容を第3次でさらに掘られる前提で備えてください。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和9年4月採用(前期日程)の加東市職員募集要領を読み、自分が受ける区分と、第3次にグループ討議が含まれるかを確認する
  2. 適性検査(SPI)の受検準備を進める。性格検査は自宅のパソコン等、能力検査はテストセンター会場で、日程は自分で選べる
  3. 高校・大学での経験を棚卸しし、一人で決めた場面と、人と決めた場面を両方そろえる
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. グループ討議に備えて、この記事の前半から市の事実を2つ選び、討議の場に持ち出せる論点の形にしておく
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、最後に差を生む工程です。余裕がなければ、ステップ3の経験の棚卸しから手をつけてください。加東市は個別面接が2回に加えてグループ討議があり、いずれの場でも語られるのは自分の経験です。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、加東市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

加東市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

加東市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和9年4月採用(前期日程)の加東市の一般事務職は、第1次が適性検査で、そこから個別面接が2回、さらに第3次ではグループ討議が組まれています。

筆記の対策に時間を取られない分、人と向き合う場面で何を出せるかに準備が集まる試験だといえます。一人で語る自分と、複数人のなかにいる自分。その両方を面接官に見せることになりますので、どちらの場面の経験も手元にそろえておいてください。

なお第3次の内容は受験者数等により変更となる場合があると案内されていますので、最新の募集要領を必ず確かめておきましょう。