本記事では、丹波市職員採用試験の面接対策で必要な、丹波市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

丹波市役所の面接では、「なぜ丹波市を志望したのか」「市の職員としてどんな仕事を担いたいのか」「あなたの経験を丹波市政のどこで生かせるのか」といった、市の地理と歩みを知らなければ深く答えられない質問が想定されます。

広い市域に約6万人が暮らし、大きな水害を経験して立て直してきた市です。その背景を押さえておくと、志望動機の重さが変わります。

試験に関する記述は、丹波市が公表している令和7年4月採用(新卒採用者)の丹波市職員採用候補者試験の実施結果を軸にしています。丹波市は年度内に複数回の募集を行っており、回次や区分によって構成が異なりますので、その前提でお読みください。

第1部|自治体研究編

丹波市の特徴

面接対策に入る前に、丹波市がどんなまちなのかを一度に見ておきましょう。急いでいる方は、この節だけ読んでも大枠はつかめます。

  • 兵庫県の内陸部に位置する市。丹波篠山市・西脇市・朝来市・多可郡多可町と、京都府福知山市に接している。府県境をまたぐ市のひとつ。
  • 人口は59,202人(令和8年1月1日現在)。住民基本台帳ベースで兵庫県内29市のうち16番目にあたる。
  • 市域は493.21平方キロメートルと広く、人口密度は約120人/km²。約6万人が、この広さの中に分かれて住んでいる。
  • 65歳以上は36.1%、75歳以上は21.4%(令和8年1月1日現在)。市民のおよそ5人に1人が後期高齢期にあたる。
  • 平成26年8月の豪雨で、市島町を中心に大規模な土砂流出と浸水が発生した。市はその後、被害の大きかった地区を重点地区に位置づけて復旧・復興に取り組んできた。
  • 市の花はかたくり、市の木はもみじ。山あいの自然が身近にある。
  • 職員採用は市が単独で「丹波市職員採用候補者試験」として実施している。年度内に新卒採用者向け、経験者向け、二次募集・三次募集と複数回に分けて行われる。
  • 試験区分は事務職・土木職・建築職に分かれ、さらに事務職は一般枠・高校生枠・障がい者枠が別立てになっている。

丹波市の基礎データ

統計を丸ごと覚える必要はありませんが、丹波市がどれくらいの広さに、どれくらいの人が暮らす市なのかという感覚は持っておきたいところです。

人口の規模と年齢の内訳、市域の広さ、隣り合う自治体を、県全体の数字とあわせて並べます。

項目内容
総人口59,202人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口21,375人(総人口の36.1%)
75歳以上人口12,689人(総人口の21.4%)
総面積493.21km²
人口密度約120人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体丹波篠山市、西脇市、朝来市、多可郡多可町、京都府福知山市
市役所所在地〒669-3692 兵庫県丹波市氷上町成松字甲賀1番地
市の花・市の木市の花はかたくり、市の木はもみじ
(参考)兵庫県の総人口5,364,773人(令和8年1月1日現在)
(参考)兵庫県の高齢化率29.5%(同日現在。75歳以上は17.6%)

人口と年齢別人口、高齢化率、県内の順位は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の市区町村別の数値です。面積・隣接自治体・市の花木は公表値から整理し、人口密度はこの人口と面積をもとに当研究会が算出しています。なお、兵庫県の推計人口は国勢調査を基礎とする別系列の数値です。基準が違いますので、この表の値と並べて差を計算しないでください。

数字から考えられる市政課題

丹波市の数字は、二つの方向から同じ課題を指しています。ひとつは年齢構成です。

65歳以上が36.1%、75歳以上が21.4%で、兵庫県全体の29.5%・17.6%をどちらも大きく上回ります(令和8年1月1日現在)(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在)。

もうひとつは市域の広さです。493.21平方キロメートルという面積に約6万人が暮らすため、人口密度は約120人/km²にとどまります。

支援が必要な人の割合が高く、しかもその人たちが広い範囲に散らばっているという組み合わせは、行政サービスを届けるうえでいちばん手間のかかる形です。窓口を待つだけでは届かない相手がいるという前提から仕事が始まります。

面接でこの二つを結ぶなら、たとえば次のような言い方になります。

「丹波市は5人に1人くらいの方が75歳以上だと知りました。しかも市域がとても広いので、市役所まで来ていただくのを待つのではなく、こちらから出向いたり、地域の方に間に入っていただいたりする工夫が要るのだと思います」

丹波市の経済・産業

内陸の市という立ち位置

丹波市は海に面していない内陸の市で、兵庫県側では丹波篠山市・西脇市・朝来市・多可町と、府県境を越えて京都府福知山市と接しています。

県の資料によれば、兵庫県の人口の6割が県土面積の14%にあたる神戸・阪神地域に集まっており、丹波市はその集中の外側にあたります。県全体では平成23年以降、東京圏と大阪府への転出超過が続き、とくに20歳代の流出が止まらないという分析も示されています(出典:兵庫県の現状と課題の整理|2023年)。

人口の集まる側ではないということは、市の仕事が「増える人をさばく」型ではなく、減っていく人数と限られた財源のなかで暮らしを保つ型になるということです。志望動機を組み立てるときも、にぎわいを作る話だけでなく、いまある暮らしをどう守るかという側から入ると、この市の実情に合いやすくなります。

県全体の経済のなかでの位置

兵庫県の令和5年度の県内総生産は名目で23兆9,895億円(前年度比2.7%増)、県民総所得は25兆4,318億円(同1.7%増)でした。

県が強みとして掲げているのは、ものづくり産業の集積、科学技術の基盤、食材と食文化の豊かさ、国際性のある地域社会の4点です(出典:兵庫県民経済計算|令和5年度)。県が食材と食文化を強みに挙げていることは、農林業の営まれる地域を抱える丹波市にとって、そのまま自分たちの位置づけを説明する材料になります。

災害の記録から見える産業の広がり

平成26年8月の豪雨災害の被害額を見ると、丹波市の産業の姿が浮かび上がります。公共土木施設の被害が県と市あわせて46億円・136箇所だったのに対し、農林施設の被害は20億円・2,422箇所にのぼりました。

箇所数でみると農林施設は公共土木施設の18倍近くにあたります。それだけ細かな施設が市域のあちこちに広がっている、つまり農林業が市の隅々で営まれているということです(出典:平成26年8月豪雨災害の被害状況(兵庫県)|平成26年)。

県全体の観光に目を向けると、令和5年度の入込客数は1億2,232万人で、日帰客1億1,085万人・宿泊客1,147万人と日帰りが9割を占めます。

目的別ではスポーツやレクリエーションが3,549万人で最多、歴史・文化が2,724万人と続きました(出典:兵庫県観光客動態調査報告書|令和5年度)。日帰りが中心の県内で、山あいの自然や農のある景観をどう見てもらうかは、丹波市が考え続けている問いのひとつです。

丹波市の主な行政課題

ここまでの数字と歩みを重ねると、丹波市が向き合っている論点が浮かびます。面接で課題を問われたら、この5つのどれかへ話を寄せられるようにしておきましょう。

高齢化が県平均を大きく上回ること

65歳以上36.1%、75歳以上21.4%という数字は、県全体より一段進んだ段階を示しています。介護、在宅医療、見守り、買い物や通院の足。

必要とされる支援の種類が増え、その一つひとつに人手がかかります。高齢化への対応は、丹波市にとって選べる政策ではなく前提条件です。

どの分野を志望するにしても、この土台の上に自分のやりたいことを置く形になります。

広い市域に暮らしが分かれていること

493.21平方キロメートルという広さは、同じ市の中でも地区によって事情が違うということを意味します。同じ制度でも、説明の場をどこに設けるか、誰に間に入ってもらうかで届き方が変わります。

人口密度が約120人/km²という市では、一人の職員が受け持つ地区の範囲も広くなります。行政の効率を上げる話と、目の届く範囲を保つ話が、いつも同時に問われる市だといえます。

平成26年8月豪雨の教訓を体制に残すこと

平成26年8月16日から17日にかけての豪雨では、市島町北岡本で最大日雨量414ミリ、最大時間雨量91ミリが観測されました。市島地域を中心に土砂が流出し、それが河川をふさいだことで浸水が広がるという連鎖が起きています。

人的被害は死者1名・負傷者4名、住家被害は全壊18棟を含めて1,014棟にのぼりました。市はその後、被害の大きかった前山・竹田・美和・幸世の4地区を重点地区に位置づけて土砂災害への対策を進め、災害対応の内容と課題を記録した復興記録誌を発刊しています。

被害が最も大きかった市島町谷上地区には、防災学習の拠点も設けられました(参考:丹波市公式サイト|災害からの復旧・復興)。

面接でこの災害に触れるときは、被害の大きさを語るのではなく、そこから何が制度として残ったのかという側に必ず接続しましょう。

地域防災力をどう厚くするか

県の消防防災年報によると、令和6年4月1日現在の丹波市の自主防災組織率は90.4%で、県平均の98.4%を下回っています(出典:兵庫県消防防災年報|令和6年版)。豪雨災害を経験した市であっても、地域ぐるみの備えの網は完全には広がっていません。

高齢化が進み、集落によっては担い手そのものが少ないという事情もあります。組織率を上げること自体より、少ない人数でも動く形をどう作るかが実際の課題です。

担い手をどう確保するか

市の職員採用の実施結果には、担い手不足がはっきり表れています。令和7年4月採用の新卒採用者向け試験では、事務職の一般枠に22人の申込があった一方、土木職と建築職の一般枠は申込者がいませんでした。

技術職の確保は全国の自治体に共通する課題ですが、道路や施設、農林の基盤を広い市域で維持しなければならない市では、その影響がより直接的に出ます。

事務職として入っても、こうした状況の中で仕事を回す前提は理解しておきたいところです。

重点政策|丹波市のまちづくりの方向性

計画の体系を覚えるより、公表された事実から言い切れることを押さえるほうが面接では役に立ちます。この章では丹波市が避けて通れない仕事を、答えに使える形で並べます。

各計画の現行版は市の公式サイトで公開されています。志望分野が決まったら、その分野の計画だけでも読んでおくと安心です。

災害からの復興を体制へ変えること

平成26年の豪雨災害のあと、丹波市は前山・竹田・美和・幸世の4地区を重点地区として土砂災害への総合的な取り組みを進め、災害対応の内容と課題を記録した復興記録誌を発刊しました。被害が最も大きかった市島町谷上地区には防災学習の拠点も置かれています。

起きたことを記録に残し、学ぶ場所を作るというやり方は、次の世代に引き継ぐことを意識した動きです。防災を志望動機に据えるなら、ハード整備の話だけでなく、この引き継ぎの部分にも目を向けてみてください。

高齢化と広さに同時に応えること

75歳以上が5人に1人、人口密度が約120人/km²。この二つが重なると、福祉も交通も教育も、市街地型のまちとは違う設計が必要になります。

窓口をどこに置くか、移動手段をどう確保するか、地域の集まりをどう支えるか。答えが一つに決まらない問いばかりですが、だからこそ市の職員が現場で考える余地も大きい領域です。

採用の区分に表れている市の姿勢

丹波市の職員採用候補者試験は、事務職を一般枠・高校生枠・障がい者枠に分け、土木職にも高校生枠を設けています。年度内に新卒採用者向け、経験者向け、二次募集・三次募集と複数回にわたって募集が行われる点も特徴です。

人口約6万人の市が入口をいくつも用意しているのは、限られた候補のなかから人を確保しなければならない事情の表れであると同時に、いろいろな経歴の人を受け入れる姿勢の表れでもあります。

POINT|一つの分野を最後まで追う

面接で問われるのは、知っている量ではなく、それを自分の関心へ結び付けられているかどうかです。気になる分野を一つ決めて、「①丹波市で何が起きているか → ②市はどうしたいのか → ③いまどんな取り組みがあるか → ④市だからできる部分はどこか → ⑤自分は何をするか」の順に調べていきましょう。

悪い例「丹波市の防災に貢献したいです」

改善例「最初は地域を回って市民の方の話を聞くところから始めたいです。その上で、丹波市は自主防災組織の割合が県の平均より低いと知りましたので、人数の少ない集落でも回る形の防災を、地域の方と一緒に考える仕事に関わっていきたいです」

あわせて確認したい公式資料

丹波市について調べるときの入口を挙げておきます。端から読む必要はなく、自分の関心に近いものだけ開けば十分です。

  • 丹波市の職員採用ページ(最新の募集回次と受験案内の案内先)
  • 丹波市の総合計画(市公式サイトの現行版)
  • 丹波市の災害からの復旧・復興に関するページと復興記録誌
  • 丹波市の防災に関するページ(ハザードマップ、避難情報)
  • 兵庫県の統計や県民経済計算など、県全体の中での位置がわかる資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、丹波市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。丹波市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

丹波市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

丹波市役所の面接の概要

ここからは、丹波市役所の選考がどう組み立てられているかを確認し、そこから準備の方向を決めていきます。

丹波市役所の面接の流れ

丹波市の職員採用は「丹波市職員採用候補者試験」という名称で、市が単独で実施しています。

特徴的なのは、年度内に新卒採用者向け、経験者向け、二次募集・三次募集と複数回に分けて行われることです。一度の募集で採り切る形ではないため、自分がどの回次のどの区分を受けるのかを、まず正確に把握しておく必要があります。

令和7年4月採用の新卒採用者向け試験は、第一次試験と第二次試験の2段階でした。そして第二次試験は2日間にわたって実施されています。

2日を要する構成である以上、複数の種目が組まれていた可能性が高いといえます。ただし、その内訳は公表されている実施結果には記載がありませんので、自分が受ける回次の受験案内で確かめておきましょう。

項目内容(令和7年4月採用・新卒採用者向け)
試験の名称丹波市職員採用候補者試験
実施の回数年度内に新卒採用者向け、経験者採用、二次募集、三次募集など複数回
試験の段階第一次試験と第二次試験の2段階
第二次試験の日数2日間にわたって実施
試験区分事務職A、事務職B(高校生)、事務職C(障がい者)、土木職D、土木職E(高校生)、建築職F
所管職員課 人事給与係
共同実施の有無近隣自治体との共同実施・統一試験ではなく、市が単独で実施

上記は、丹波市が公表している令和7年4月採用(新卒採用者)の丹波市職員採用候補者試験の実施結果にもとづく内容です。各段階の試験種目・面接の形式・配点は、この実施結果には記載がありません。最新の受験案内は、丹波市の職員採用ページからご確認ください(出典:丹波市公式サイト|職員採用)。

実施結果から読める競争の実際

令和7年4月採用の新卒採用者向け試験の結果は、区分によってはっきり差が出ています。事務職Aは採用予定者数6人に対して申込22人、第一次試験は受験16人・合格12人、第二次試験は受験9人・合格4人で、最終の合格率は4.0倍でした。

第一次で大きく絞るというより、第二次試験でおよそ半分になる形です。2日間の第二次試験が実質的な関門になっていることがわかります。

他の区分は規模が小さく、事務職B(高校生)が採用予定3人に対し申込5人・最終合格2人、事務職C(障がい者)が採用予定1人に対し申込2人・最終合格1人、土木職E(高校生)が申込2人・最終合格2人でした。土木職Dと建築職Fは申込者がいませんでした。

母数が小さいぶん、一人ひとりの印象が結果に直結しやすい試験だといえます(出典:丹波市職員採用候補者試験(新卒採用者)実施結果|令和7年4月採用)。

丹波市役所が求める人物像

丹波市の職員採用ページと試験の実施結果には、「求める職員像」にあたる定型の記載を確認できませんでした。最新の掲載状況は、丹波市の職員採用ページと、そこから案内される受験案内でご確認ください。

公表文言がない以上、ここからは市の環境と選考の設計を手がかりにした当研究会の読みになります。丹波市の事務職の採用は一度に数人という規模です。

493.21平方キロメートルの市域を、この人数を含む職員全体で受け持つことになります。部署の数も、大都市のように細かく分かれてはいません。

一人の職員が一つの分野だけを続けるのではなく、担当が変わるたびに新しい制度を覚え直す働き方になると考えてよいでしょう。そうした職場では、知らないことに出会ったときに調べ、周りに尋ねながら形にしていける人が、面接で好意的に受け止められやすいのではないかと当研究会は見ています。

もう一点、採用の入口が回次ごとに分かれ、事務職だけでも一般枠・高校生枠・障がい者枠に区分されていることは、年齢も職歴もそろわない人たちが同じ職場に並ぶということでもあります。

加えて、農林施設の被害が2,422箇所に及んだ平成26年の記録が示すとおり、市が受け持つ現場は市街地の窓口だけではありません。地区に足を運び、そこで聞いた話を制度の側へ持ち帰れる人の出番は多いと考えられます。

志望動機でもなぜ丹波市なのか、この広い市域のどこに関わりたいのかまで具体化しておくと、準備の差が出ます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。丹波市の面接も、この見取り図に沿って準備すれば大きな抜けは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は市役所まで遠かったでしょうか?受験者の数が多くない試験では、最初のやりとりの印象が残りやすい。硬さをほどいて話に入れるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間との比較で止まっていないか。丹波市で働くという選択が自分の経歴とつながっているか
③ 自己理解ご自身の弱みはどこだと思いますか?2日間にわたる第二次試験で、同じ話題に戻られても揺れない自己像を持っているか
④ 経験・行動これまでで最も苦労した経験と、その乗り越え方を教えてください出来事の大きさではなく、その場面で何を判断し、誰に助けを求めたかという中身
⑤ 学業・経歴学生時代にいちばん時間を使った学びは何ですか?専門外の人に伝わる言葉へ置き換える力。学んだ内容を市の実務に引き寄せて話せるか
⑥ 適性・将来採用後はどの分野の仕事に関わりたいですか?担当が数年ごとに変わる前提を理解しているか。未経験の分野でも取り組めるか
⑦ 公共性・社会性最近気になっている社会の出来事はありますか?気になった出来事を行政の側から見直せているか。長くならずに要点を言えるか

もっとも、この区分は丹波市だけに当てはまるものではありません。誰もが備えてくる範囲なので、ここで差はつきにくいと考えてください。

本当に効いてくるのは、次に挙げる丹波市固有の質問です。

合否を分けるのは「丹波市役所ならでは」の質問

「なぜ兵庫県庁ではなく、丹波市役所なのですか?」
「丹波市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも、市を知らない受験者にはその場でどうにもできない質問です。裏返せば、調べた分がそのまま答えの差になって出る質問だということになります。

丹波市について押さえておきたい事実を、答え方とあわせてまとめました。

質問テーマ知っておきたい丹波市の事実答え方のヒント
市の規模と広さ人口59,202人で県内29市のうち16番目、面積は493.21km²、人口密度は約120人/km²(令和8年1月1日現在)人が少ないという話にせず、同じ人数が広い市域に散らばっているという言い方をすると、行政の課題として通ります
年齢構成65歳以上36.1%、75歳以上21.4%で、いずれも県平均を大きく上回る数字を挙げたうえで、自分が関わりたい分野にどう影響するかまで一続きで話します
平成26年8月の豪雨災害市島町北岡本で最大日雨量414ミリを観測。市は前山・竹田・美和・幸世の4地区を重点地区として復旧・復興に取り組み、復興記録誌を発刊した被害の描写に踏み込まず、記録を残し学ぶ場を作ったという現在の体制の側に触れます
地域防災力自主防災組織率は90.4%で、県平均98.4%を下回る(令和6年4月1日現在)数字の低さを指摘して終わらせず、担い手の少ない集落でも回る形をどう作るかへ進めます
なぜ県庁ではなく市役所か京都府福知山市と接する内陸の市で、市域の隅々まで農林業が営まれている制度論に寄せず、地区ごとに事情の違う場所で直接住民と向き合いたい、という自分の理由に落とします

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

丹波市には公表された人物像の文言が見当たらないため、選考の組み立てに照らして、これまでの行動そのものを確かめられる場だと想定しておきましょう。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
知らないことへの向き合い方未経験の分野を任されたらどうするか、という趣旨の問いに具体的に答えられるか初めてのことを人に聞きながら覚えた経験を、順番がわかる形で話せるようにしておく
この土地との関わり方近隣の市でもよかったのでは、と切り返されたときに丹波市を選ぶ理由を持っているか丹波市の事実を2つか3つ、自分の経験や暮らし方と結びつけた形でメモにしておく
2日間を通した一貫性第二次試験が2日間にわたるなかで、話す内容や姿勢がぶれないか話す軸を1つに決め、どの質問からもそこへ戻れるように筋道を作っておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

丹波市は第二次試験が2日間ありますから、同じ話題に別の角度から戻ってくる場面を想定しておきましょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておくことが、いちばん確実な準備です。

本番までの準備6ステップ

以上を、本番までにやることの順番へ落とし込みます。

  1. 丹波市の職員採用ページを確認し、自分が受ける募集回次と試験区分を特定する(年度内に複数回あるため、まずここを間違えないこと)
  2. その回次の受験案内を読み、試験の段階・種目・提出書類を書き出す
  3. これまでの経験を書き出し、学業・課外活動・アルバイトから語れる場面を1つずつ確保する
  4. 7つのカテゴリーの代表質問に、一行ずつ答えを用意する
  5. この記事の第1部を読み返し、丹波市の事実を2つか3つ選んで、資料を見ずに口で言い切れるところまで持っていく
  6. 2日間を想定して、同じ話題を別の角度から聞かれる練習をし、「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5と6は、他の受験生より一歩前に出るための工程です。時間が足りないときは、ステップ1で受ける回次を確定させることと、ステップ3の経験の棚卸しを先に片づけてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、丹波市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

丹波市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

丹波市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和7年4月採用の新卒採用者向け試験では、事務職Aの申込は22人、最終合格は4人でした。

受験者の数が多くないぶん、一人ひとりの受け答えが結果に直結します。493.21平方キロメートルの市域に約6万人が暮らし、5人に1人が75歳以上で、大きな水害からの立て直しを経験してきたまちで、自分は何を担うのか。

募集回次を選ぶところから、その答えを言葉にする作業は始まっています。