本記事では、須坂市職員採用試験の面接対策で必要な、須坂市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

須坂市役所の面接試験では、「なぜ須坂市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。須坂市は年度によって募集する職種も選考の組み方も変わる市で、行政職で合格者を出さなかった回もあります。

だからこそ、募集の枠組みを取り違えないことが最初の一歩になります。ここから並べる事実を、自分の経験と市の仕事が重なる場所を探す材料として読んでください。

第1部|自治体研究編

須坂市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは須坂市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口は約4.9万人、面積は149.67平方キロメートル、人口密度は1平方キロメートルあたり約320人。長野県内19市のうち、人口は11番目、面積は13番目にあたる。
  • 隣接するのは長野市・上田市・小布施町・高山村と、群馬県嬬恋村の5市町村。県境をまたぐ隣接を持つ市である。
  • 高齢化率は32.9%、75歳以上の割合は20.3%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳)。市民の5人に1人が75歳以上という段階に入っている。
  • 職員採用では、社会人経験者向けの「長野市・長野地域連携中枢都市圏内市町村職員採用共同選考(社会人経験者1)」に、長野市・千曲市・小布施町・高山村・信濃町・飯綱町とともに参加している(参加7市町村)。
  • 一方、6月に実施される新卒等向けの「共同試験」(長野市・小布施町・高山村・信濃町・飯綱町の5団体)に須坂市は参加していない。名称も参加団体も異なる別の枠組みなので、混同しないよう注意が必要。
  • 採用パンフレットでは「目指す職員像」として「すすむ」「かわる」「つなぐ」の3語を掲げている。
  • 採用職種は行政(大卒程度)、行政(自己アピール)、行政(情報処理)、行政(社会福祉士)、保健師、保育士(社会経験者含む)、一般事務(高卒程度)、消防(救急救命士含む)と幅広い。
  • 2021年から2025年の採用実績では、既卒者の割合63.2%、女性の割合66.3%、職員の定着率96.1%(2021年度以降の採用者における2025年4月1日時点の在籍者)。
  • 自主学習促進助成によって自己研鑽を奨励し、その成果を人事評価にも反映している。2025年度に続き2年連続で健康経営優良法人に認定。
  • 市の花はレンゲツツジ、市の木はクマスギ。

須坂市の基礎データ

小規模な市の面接では、統計の細かさよりも「この市の規模なら職員は何をどこまで担うのか」を想像できているかどうかが効いてきます。

ここでは、人口と年齢構成、市域、そして採用の規模という、須坂市の仕事の輪郭が見える項目を並べました。

項目内容
総人口48,837人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳)
65歳以上人口16,065人(32.9%)
75歳以上人口9,895人(20.3%)
総面積149.67km²
人口密度約326人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体5市町村(群馬県嬬恋村を含む)
行政(大卒程度)の採用2024年度は受験者25人・採用者6人(2021年度は74人・12人)
入庁時年齢の構成10代8.4%・20代73.7%・30代16.8%・その他1.1%(2021〜2025年)
職員の定着率96.1%(2021年度以降の採用者・2025年4月1日時点)
市の花・市の木レンゲツツジ・クマスギ

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値で、割合の分母にも同じ総人口を用いています。面積・隣接自治体は当研究会が整理した自治体基礎データ、人口密度は上記の総人口を総面積で割って当研究会が算出した値、採用に関する数値は須坂市の2026年度版採用パンフレットによるもので、それぞれ基準日が異なります。なお、長野県が公表する県全体の高齢化率は毎月の推計を土台にした別系統の数字ですので、住民基本台帳による市の割合と横並びにはできません。

数字から考えられる市政課題

高齢化率32.9%という数字よりも、75歳以上が20.3%を占めている点に注目してください。65歳以上のうち6割強が75歳以上という構成で、支援の必要度が高い層が厚くなっています。

長野県全体では令和7年10月1日現在で65歳以上33.3%・75歳以上20.0%が公表されていますが、これは推計にもとづく別系統の統計です。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)

もうひとつ見ておきたいのが、採用の規模です。行政(大卒程度)の採用者数は2021年度の12人から2024年度は6人へ、受験者数は74人から25人へ動いています。

年に採る行政職が一桁という組織では、一人の職員が受け持つ仕事の幅が自然と広くなります。この構造は、後半の面接対策編で繰り返し効いてきます。(出典:須坂市職員採用パンフレット|2026年度版)

須坂市の経済・産業

長野県のものづくりを背景に読む

長野県の製造業は、2023年経済構造実態調査(2023年6月1日時点)で6,148事業所・20万6,238人・製造品出荷額等7兆1,391億6,000万円という規模です。内陸県でありながら製造業の厚みを保ってきたのが長野県の産業の特徴で、地域ごとに集積の性格が異なります。

須坂市単独の事業所や産業の数字は、市が公表する統計資料で押さえておくと、志望分野の話に具体性が出ます。(出典:長野県 製造業の統計|2023年)

長野市に隣接するという条件

須坂市は県庁所在地の長野市に隣接し、長野地域連携中枢都市圏の一員です。人口密度は1平方キロメートルあたり約320人と、市街地と農地・山地が近い距離で同居する構成になっています。

通勤・通学や買い物の行き先が市外にも広がる条件のもとでは、市内に住み続けてもらう理由をどうつくるかが、産業政策と定住施策の共通のテーマになります。

県全体の観光の規模

令和6年、長野県内の観光地を訪れた人は延べ8,515万人で前年比6.1%増、観光地消費額は3,327億円で同7.6%増となりました。

このうち県外客は5,442万人、日帰り客は5,781万人。外から来て日帰りで帰る流れが太い、というのが県全体の姿です。

来訪の数を、市内での滞在時間と消費にどうつなげるかという問いは、観光地の名前を持たない市にとっても他人事ではありません。(出典:長野県観光地利用者統計調査結果|令和6年)

須坂市の主な行政課題

人口の構成と採用の規模を並べると、須坂市が抱えている課題の位置がはっきりしてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

75歳以上の増加に支えを届けること

市民の20.3%が75歳以上という構成は、介護・医療・移動手段・見守りといった分野の需要が同時に増えることを意味します。須坂市の採用職種に保健師や社会福祉士が置かれているのも、この需要と無関係ではありません。行政職で入ったとしても、福祉や健康づくりの部署に配属される可能性は十分にあります。

働き手と担い手の確保

長野県は「人口減少により、社会インフラ、医療、教育、行政サービス等の維持が困難に」なることを公式の課題として掲げており、18歳から22歳の転出超過数は16,950人と、静岡県に次いで全国2番目の多さです。出生数は2023年に11,125人まで減り、合計特殊出生率も4年連続で低下して1.34となりました。

地域の担い手が減っていくなかで、行政が担う範囲そのものを見直す判断が避けられなくなっています。(出典:長野県の人口減少の現状と課題)

地震と土砂災害への備え

長野県内には6つの主要活断層帯があり、糸魚川・静岡構造線断層帯では気象庁マグニチュード8程度の地震が想定されています。

加えて長野県は、土石流の危険渓流が5,912渓流で全国8位、地すべり危険箇所が1,241箇所で全国1位、急傾斜地が8,868箇所という土砂災害の条件を抱えています。(出典:第3次長野県地震被害想定調査報告書 概要版|平成27年3月/長野県 土砂災害危険箇所の状況)

また、令和元年東日本台風では千曲川の堤防が決壊し、県内の住家被害は全壊920棟を含む8,345棟にのぼりました(令和3年9月6日現在で確定)。(出典:長野県「令和元年東日本台風(台風第19号)人的被害・住家被害の状況」)

広域で分担するという選び方

須坂市が社会人経験者の採用を近隣6市町村と共同で行っているのは、単独では組みにくい仕組みを、圏域で分け合って成立させている一例です。第一次選考だけを共同で実施し、第二次選考以降は各自治体が個別に行うという設計は、入口を広げつつ、誰を採るかの判断は自分たちで持つという考え方の表れでもあります。

市の仕事を語るとき、「須坂市だけで完結する仕事」と「圏域で組む仕事」の両方があることを意識しておきましょう。

須坂市の重点政策|目指す組織像と職員像

須坂市は、採用パンフレットのなかで組織のあり方と職員像を正面から言葉にしています。事業の一覧よりも、この2つのほうが面接では直接効いてきます。

目指す組織像

須坂市が掲げる「目指す組織像」は5つの風土で構成されています。主体的なキャリアと学びを奨励し、互いに高め合い成長し続けられる風土、イノベーションとチャレンジを歓迎する風土、相互支援と協力を重んじる風土、心理的安全性が確保されオープンコミュニケーションを推奨する風土、ワークライフバランスを重視し多様な働き方を認める風土の5つです。

言葉だけを見ると理念的ですが、実際の制度と対応しています。自主学習促進助成で自己研鑽を後押しし、その成果を人事評価に反映する仕組みがあること。

2025年度に続いて2年連続で健康経営優良法人に認定されていること。異動先の参考になる「須坂市オリジナル業務カタログ」を各係で作成していること。

掲げた風土を運用に落とそうとしている市だと読めます。

目指す職員像は3語

もう一方の柱が、「すすむ」「かわる」「つなぐ」という3語です。市の説明では、すすむは協調性と向上心をもち行動で示せること、相互に高め合い主体的に成長できること。

かわるは論理性と共感力で新たな価値を創造すること、より良い未来をまもるため変化と挑戦を惜しまないこと。

つなぐは多様な価値観を受容し、市民との共創を大切にしながら、次世代へ誇りと愛着を継承することとされています。

市の外側に目を向けると、長野県の総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」(計画期間2023〜2027年度)が、副題に「大変革への挑戦」を掲げ、確かな暮らしを守りながら信州から「ゆたかな社会」を創ることを基本理念に据えています。

須坂市の総合計画や個別計画については、市公式サイトの計画のページで最新版の名称と期間まで押さえておきましょう。(参考:長野県総合5か年計画 しあわせ信州創造プラン3.0|2023〜2027年度)

POINT|3語のどれに自分が近いかを決める

「すすむ」「かわる」「つなぐ」を全部にまたがって語ろうとすると、話がぼやけます。自分の経験がどれに一番近いかを先に決めて、「①その語を選んだ理由 → ②根拠になる出来事 → ③須坂市の仕事でどう使えるか」の順に組み立ててみてください。

悪い例「協調性があり、変化にも対応でき、人をつなぐこともできます」

改善例「私は『つなぐ』が一番近いと思っています。学生のときに世代の違う方と一緒に活動して、間に立って言葉を置き換える役をよくやっていましたので、その経験は市民の方と接する仕事で生かせるのではと感じています」

あわせて確認したい公式資料

須坂市の場合、採用パンフレットが市の考え方を最もまとまった形で説明している資料です。まずはここを読み込むところから始めてください。

  • 須坂市職員採用パンフレット(目指す組織像・職員像・採用実績・研修制度)
  • 須坂市の職員採用ページ(募集中の職種と受験案内、試験結果の公表)
  • 共同選考(社会人経験者)を受ける場合は、その受験案内
  • 須坂市の総合計画と、関心分野の個別計画
  • 長野県総合5か年計画 しあわせ信州創造プラン3.0(県全体の方向)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、須坂市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。須坂市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

須坂市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

須坂市役所の面接の概要

ここからは、須坂市役所がどんな段取りで人を選んでいるのか、どんな質問が想定されるのか、そして差がつく問いへの備え方を、公表資料と当研究会の分析から順にたどります。

須坂市役所の選考の流れ

直近で内容が公表されているのは、2026年5月に募集された職員採用試験です。この回は行政・保健師・公務員経験者枠等の区分で、1次試験・2次試験・最終試験の3段階で実施されました。2次試験の合格者は行政が「該当者なし」、保健師2名、公務員経験者枠1名で、須坂市は合格者の受験番号を公表しています。

項目内容(2026年5月募集の回)
選考の段階1次試験・2次試験・最終試験の3段階
2次試験の結果行政は「該当者なし」、保健師2名、公務員経験者枠1名(合格者の受験番号を公表)
集団討議受験案内では保健師・公務員経験者枠で予定されていましたが、須坂市は「実施しません」と公表しました
最終結果の通知試験終了後おおよそ2週間を目途に、受験者全員にメールで通知。ホームページには掲載しないと明記
採用職種行政(大卒程度)、行政(自己アピール)、行政(情報処理)、行政(社会福祉士)、保健師、保育士(社会経験者含む)、一般事務(高卒程度)、消防(救急救命士含む)
社会人経験者の枠組み長野市・長野地域連携中枢都市圏内市町村職員採用共同選考(社会人経験者1)に参加7市町村の一つとして参加。第一次選考のみ共同で実施し、第二次選考以降は各自治体が個別に実施
新卒等の共同試験6月実施の共同試験(長野市・小布施町・高山村・信濃町・飯綱町の5団体)に須坂市は参加していません

ここで大事なのは、集団討議の扱いです。受験案内に書かれていた種目が、実際には実施されなかった回があるということですから、「須坂市は集団討議をする市だ」と決めつけて準備を組むのは危険です。受ける回の受験案内で確認したうえで、変更の可能性も見込んでおくのが安全です。

上記は須坂市が公表した2026年5月募集の職員採用試験に関する情報、2026年度版の採用パンフレット、および共同選考(社会人経験者1)の受験案内にもとづくものです。試験区分・選考の段階・面接の形式・日程は募集の回ごとに異なります。次の募集の内容は、須坂市の職員採用ページで公表される受験案内を必ずご確認ください。(参考:須坂市職員採用試験の実施結果|2026年)

須坂市役所が求める人物像

須坂市が公表しているのは、前章で見た「すすむ」「かわる」「つなぐ」の3語と、5つの風土からなる目指す組織像です。3語はどれも短い言葉ですので、須坂市の採用の実像と重ねて読むと輪郭が出てきます。

行政(大卒程度)の採用は2024年度で6人、直近で結果が公表された回では2次試験で「該当者なし」となりました。8つの職種を人口約4.9万人の市が抱え、そのうち行政職の採用は年に一桁という規模です。

この人数で市域149.67平方キロメートルの行政サービスを回す以上、職員一人が触れる仕事の種類は多くなります。異動先の参考になる業務カタログを各係で作っているという事実も、その裏返しでしょう。

そうした環境では、はじめての分野でも自分で調べ、必要なら周囲に確かめながら、期限までに形にしていける人が力になります。

あわせて、既卒者が63.2%、入庁時年齢の20代が73.7%、定着率が96.1%という数字が示すのは、いろいろな経歴の人が入ってきて、そのまま長く働いている職場だということです。市が心理的安全性や多様な働き方を組織像に掲げているのも、この実態と対応していると当研究会は見ています。

準備の方向としては、3語のうち自分の経験が一番近いものを選び、その根拠になる出来事を一つ差し出せる状態にしておくこと。行政職で「該当者なし」とされた回があるということは、人数を埋めるための採用をしていないという意味でもあります。選ばれる理由は、市の言葉ではなく自分の実績の側から用意しておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。須坂市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、大きな抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は緊張していますか?少人数を選ぶ選考です。構えた受け答えより、普段どおりに話せるかどうかが見られます
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?営利企業でも通る理由にとどまっていないか。長野市ではなく須坂市を選んだ理由まで届いているか
③ 自己理解あなたの短所は何ですか?自分を客観視できているか。3語の職員像に自分を無理に寄せていないか
④ 経験・行動これまでで最も大変だった経験を教えてください出来事の大きさではなく、そこで自分が何をしたか。既卒者が6割を超える市なので、社会人経験も同じ物差しで見られます
⑤ 学業・経歴これまでの学びや職務経験の中身を教えてください行政(情報処理)や行政(社会福祉士)の区分がある市です。専門を行政の仕事へ翻訳できているか
⑥ 適性・将来採用されたら、どの分野で力を発揮したいですか?年に一桁の採用で幅広い職種を抱える市です。希望と違う配属になったときの構えも含めて
⑦ 公共性・社会性関心を持っている社会問題はありますか?世の中の出来事を追っているか。そこから須坂市の暮らしにつながる論点を引き出せるか

この見取り図自体は、須坂市だけに通用するものではありません。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「須坂市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「須坂市役所ならでは」の質問

「なぜ長野県庁ではなく、須坂市役所なのですか?」
「須坂市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

須坂市の場合、これに「隣の長野市ではなく須坂市を選んだ理由」が加わることも十分に考えられます。県庁所在地に隣接し、社会人経験者の選考では長野市と同じ枠組みに入っている市だからです。

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「須坂市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい須坂市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か人口約4.9万人・面積149.67平方キロメートルの市で、行政職の採用は年に一桁。8つの職種を市が抱える組織の小ささを、担当の幅として言い換えます。一つの仕事を最初から最後まで見届けたいという動機は、この規模の市では実態に合っています
なぜ長野市ではなく須坂市か長野市に隣接し、社会人経験者の共同選考には7市町村の一つとして参加。ただし6月の新卒等向け共同試験には参加していない枠組みの違いを正確に述べられるだけで、市の情報を自分で確かめてきたことが伝わります。近さではなく、この市で何をしたいかに接続します
市が掲げる職員像「すすむ」「かわる」「つなぐ」の3語と、心理的安全性や多様な働き方を含む5つの風土からなる目指す組織像3語を並べ直すのではなく、一つを選んで自分の出来事で説明します。選ばなかった2つを問われたときの答えも用意しておきます
高齢化への向き合い方高齢化率32.9%、75歳以上が20.3%。採用職種に保健師・社会福祉士が置かれている数字を挙げたうえで、行政職として関われる部分(窓口・計画・地域との連絡)まで具体化すると、職種の理解が伝わります
働き方と人材育成自主学習促進助成を人事評価に反映、2年連続で健康経営優良法人に認定、係ごとの「須坂市オリジナル業務カタログ」、定着率96.1%働きやすさを志望理由の中心に置くと弱くなります。学び続ける仕組みを、自分が伸ばしたい力と結び付けて話しましょう

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、公表されている職員像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
すすむ(協調性と向上心)行動で示した経験があるか。学び続けてきたか自主学習を人事評価に反映する市です。自分で決めて続けた学びを、始めた理由と結果まで含めて短く言えるようにします
かわる(論理性と共感力)やり方を変えた場面で、何を根拠に判断したか年に一桁しか採らない組織では、一人の工夫が全体に影響します。変える前と後の違いがわかる形で用意しておきます
つなぐ(多様な価値観の受容)立場の異なる相手との間に立った経験があるか既卒者が6割を超え、入庁時年齢もばらつく職場です。年齢や背景の違う相手と組んだ経験を一つ選んでおきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。少ない採用枠を選び抜く選考ほど、この掘り方は深くなります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、いくつか手元に置いておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 須坂市の職員採用ページを定期的に確認し、自分が受けられる職種と受験案内の公表を取り逃さない
  2. 高校・大学生活や職務の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイト・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 採用パンフレットを読み、「すすむ」「かわる」「つなぐ」のどれが自分に近いかを決めて、根拠になる出来事を書き出す
  5. この記事の第1部から、志望分野に近い須坂市の事実を2〜3個選び、選んだ1語とつながる形に並べ直す
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、須坂市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

須坂市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

須坂市役所の想定問答集を見る

さいごに

須坂市は、行政職で合格者を出さない回があり、最終結果はホームページに載らず受験者本人へメールで届く市です。採用の一つひとつが個別に扱われている、と言い換えてもよいでしょう。

人口約4.9万人、市民の5人に1人が75歳以上という市の仕事に、自分は何を差し出せるのか。「すすむ」「かわる」「つなぐ」のどれを自分の軸にするかを決めるところから始めてください。