本記事では、茅野市職員採用試験の面接対策で必要な、茅野市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

茅野市役所の面接試験では、「なぜ茅野市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。茅野市の上級試験は、2次試験で1時間程度の個人面接、3次試験で90分程度の集団面接という順に進みます。

ひとりで話しきる場面を通過したあとに、他の受験者と同じ部屋で話す場面が控えている構成です。

個人面接が先、集団面接があとという並びは、準備の順番にも影響します。以下の各章は、その2つの場面へ持ち込める材料を集めるために組み立てました。

第1部|自治体研究編

茅野市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは茅野市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 諏訪湖の周辺から八ヶ岳の西麓へ広がる諏訪地域の一角を占める市です。諏訪地域は岡谷市・諏訪市・茅野市・下諏訪町・富士見町・原村の6市町村で構成されます。
  • 市域は266.59km²、人口は53,723人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は202人/km²です。
  • 接している自治体は諏訪市・佐久市・伊那市・小海町・佐久穂町・南牧村・富士見町・原村・立科町・長和町の県内10市町村と、山梨県北杜市。県境をまたいで隣県と向き合う位置にあります。
  • 65歳以上の割合は32.0%、75歳以上は19.5%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、長野県全体の32.7%・19.7%をわずかに下回ります。
  • 市の花はりんどう、市の木は白樺。八ヶ岳の裾野に広がる高原の植生が、そのまま市の顔になっています。
  • 諏訪地域は精密機械工業の集積地で、長野県は「東洋のスイス」という言い方でこの地域を紹介しています。
  • 令和8年10月採用予定の職員採用試験は上級区分のみで、募集は事務一般が4名程度、土木・水道が1名程度。申し込めるのはどちらか1つの職種に限られます。
  • 1次試験はSPI3だけで、教養試験も専門試験も課されません。受験案内自身が、公務員試験の対策をしていない方でも挑戦しやすい試験だと明記しています。
  • 選考は1次・2次・3次の3段階。2次が個人面接(1時間程度)、3次が集団面接(90分程度)という順で進みます。

茅野市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「茅野市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

茅野市を数字でつかむなら、5万人台の人口と266.59km²の市域、そして202人/km²という密度の3つを一組にすると扱いやすくなります。同じ諏訪地域でも、諏訪市の109.17km²に対して茅野市は倍以上の広さを持ちます。

項目内容
総人口53,723人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積266.59km²
人口密度202人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合32.0%(長野県全体は32.7%)
75歳以上の割合19.5%(長野県全体は19.7%)
隣接自治体諏訪市・佐久市・伊那市・小海町・佐久穂町・南牧村・富士見町・原村・立科町・長和町/山梨県北杜市
市役所所在地茅野市塚原二丁目6番1号
市の花・市の木りんどう・白樺
(参考)長野県の面積13,561.56km²(全国4位)

65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計上の茅野市の人口は53,723人(うち65歳以上17,176人・75歳以上10,498人)、長野県全体は1,995,882人で、割合の分母にもこの数値を用いています。県が公表する人口1,970,876人(令和7年11月1日現在)は国勢調査を基準とした集計であり、調査の基準日と方法が異なるため、住民基本台帳の数値と直接並べて比較することはできません。

数字から考えられる市政課題

茅野市の266.59km²は、長野県の面積13,561.56km²の約2%にあたります。県は東西約120km・南北約212kmに広がり、埼玉・群馬・山梨・静岡・愛知・岐阜・富山・新潟の8県と接する内陸県で、隣接する都道府県の数は全国で最も多くなっています(出典:長野県のいち、大きさ)。

茅野市もその境界に立つ市の一つで、市の東側は山梨県北杜市と接しています。県境の向こう側と行き来がある地域だという前提は、観光でも防災でも効いてきます。

高齢化は、県全体の水準をわずかに下回る位置にあります。65歳以上32.0%・75歳以上19.5%に対し、長野県全体は32.7%・19.7%(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

ただし割合の低さは負担の軽さを意味しません。75歳以上の実数は10,498人で、この一人ひとりに届く距離が266.59km²の中で大きく違います。

市街地の集合住宅に住む人と、高原の集落に住む人とでは、同じ制度でも届き方が変わるということです。

たとえば面接では、次のように数字と市政をつなげて話せます。

「茅野市の高齢化率は県の平均より少しだけ低いと知りました。ただ75歳以上の方が1万人を超えていますし、市域は諏訪市の倍以上ありますので、同じ制度でも届くまでの手間はずいぶん違うのではと感じています」

茅野市の経済・産業

精密機械が根づいた諏訪という地域

茅野市の産業を語るには、市の外枠である諏訪地域から入るのが早道です。長野県は諏訪地域について、明治期に岡谷を中心として製糸業が発達し、戦後は精密機械工業が発展したと説明しています。

豊富な水と澄んだ空気が精密機械に適していたことから「東洋のスイス」として名を馳せ、現在は電気機械・一般機械などの先端技術による産業が集積している、というのが県の記述です(出典:諏訪地域の情報)。

湖と高原の風景の裏側に、ものづくりの現場が並んでいるのが諏訪地域の姿です。志望動機を自然環境だけで組み立てると、この足元の雇用構造が抜け落ちます。

県全体の製造業という背景

長野県全体では、製造業の事業所数が6,148、従業者数が20万6,238人、製造品出荷額等は7兆1,391億6,000万円です(2023年6月1日時点の経済構造実態調査)(出典:長野県の製造業(経済構造実態調査)|2023年)。20万人を超える人が製造の現場で働いている県だということです。

市役所の仕事は工場の中には入りませんが、そこで働く人の子育ても、通勤の道も、住まいも市政の対象です。産業振興の部署に配属されなくても、この構造は暮らしの側から関わってきます。

観光は諏訪地域で県全体の16.2%

令和6年の諏訪地域の観光地延利用者数は13,796千人で、長野県全体の16.2%を占めました。観光地消費額は410億700万円です。

主要観光地では上諏訪温泉・諏訪湖が3,797千人で県内3位、霧ヶ峰高原が2,263千人で6位、諏訪大社が1,010千人で18位となっています(出典:長野県観光地利用者統計調査結果|令和6年)。県全体で見ると、同じ年の延利用者数8,515万人のうち日帰り客が5,781万人、宿泊客が2,734万人で、日帰りが上回る構造です。

観光を志望分野に挙げるなら、来訪者の数を増やす話よりも、通り過ぎている人にどう滞在してもらうかという角度のほうが、市の実務に近い問いになります。

茅野市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を重ねると、茅野市が向き合っている論点が見えてきます。面接で市の課題を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

広い市域に同じ水準のサービスを届けること

人口密度202人/km²という数字は、市街地と高原の集落が同じ市の中に並んでいることを示します。長野県自身も、人口減少により社会インフラ・医療・教育・行政サービス等の維持が困難になることを公式の課題として認識しています(出典:長野県の人口減少の現状と課題)。

茅野市にとってこの一文は、どの施設を残すか、どの路線を維持するかという毎年の判断として現れます。

進学・就職期に若者が県外へ出ていくこと

長野県では18歳から22歳の年齢層で男女ともに転出超過が続いており、同年齢層の転出超過数は16,950人で、静岡県に次いで全国2番目の多さです。とくに20代前半の女性の転出超過が課題とされています。

茅野市もこの流れの中にあり、高校を出た若者がいったん市外へ出ることは前提になっています。問題はそのあとです。

戻る選択肢が見えているか、戻ったときに働く場と住む場があるか。

若者定着を志望動機に使うなら、どの段階に手を入れたいのかまで言えると具体的になります。

最大震度7が想定されている市であること

長野県内には6つの主要活断層帯があり、糸魚川-静岡構造線断層帯では気象庁マグニチュード8程度の地震が想定されています。さらに同断層帯の全体が動く地震(マグニチュード8.5)では、長野市・松本市・上田市・諏訪市・千曲市・安曇野市・大町市などとともに、茅野市も最大震度7が想定される市町村として名前が挙がっています(出典:第3次長野県地震被害想定調査報告書(概要版)|平成27年)。

県は活断層による地震のほか、想定東海地震と南海トラフ巨大地震も被害想定の対象としています。防災は危機管理の担当だけの仕事ではなく、名簿を扱う窓口や福祉の部署と地続きだという理解が要ります。

山地災害の多い県土という前提

長野県の土砂災害危険箇所は、土石流が5,912渓流(全国8位)、地すべりが1,241箇所(全国1位)、急傾斜地が8,868箇所(全国15位)で、地すべり危険箇所数は全国最多です。八ヶ岳の裾野に集落が点在する市では、避難先へ向かう道そのものが使えなくなる前提で計画を立てる必要があります。

地震と土砂は別々の災害ですが、備えの現場では同じ地図の上で考えることになります。

一度の採用が4名程度という規模

令和8年10月採用予定の上級試験は、事務一般が4名程度、土木・水道が1名程度の募集です。5万3千人が暮らす市の仕事に、この回で加わる新しい担い手はこの人数ということになります。

担当が変われば扱う制度も相手も入れ替わりますし、同じ制度でも市街地と高原の集落では段取りから組み直しになります。入って間もない時期から、制度の入口と出口を自分の目で追えるということでもあります。

重点政策|茅野市第6次総合計画と求める職員像

総合計画は改定のたびに施策の並びが入れ替わりますので、茅野市の最新版は市公式サイトで直接あたってください。この節で扱うのは、計画の細目ではなく、計画と採用が結びついているという構造のほうです。

採用の3項目は総合計画から来ている

茅野市の受験案内は、求める職員像として掲げた3項目について、茅野市第6次総合計画の中で市民と行政が一緒にまちづくりをすすめるための3つのポイントとしても掲げていると明記しています(出典:茅野市職員採用試験受験案内|令和8年10月採用予定)。

採用側が独自に用意した人物像ではなく、まちづくりの進め方そのものを職員の要件に翻訳している形です。面接で計画の話題に触れるとき、この3項目を出発点にすると、計画と自分の志望が別々の話になりません。

県の5か年計画という外枠

長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」は、計画期間を2023年度から2027年度までとし、人口減少・少子化・気候変動といった危機を大変革により乗り越えて「ゆたかな社会」を実現することを基本目標に掲げています(参考:しあわせ信州創造プラン3.0|令和5年度から令和9年度)。

県の人口は2001年の2,220,208人をピークに減り続け、2024年2月に200万人を下回りました。市の施策を読むときは、この県全体の見通しのどこに手を打とうとしているのかという目で見ると、事業の意図がつかみやすくなります。

POINT|事業名を並べても志望動機にはならない

順序を変えると準備が楽になります。まず茅野市の数字を一つ選び、その数字の裏で誰が困っているのかを書き出し、市がそこに何をしているかを確かめ、最後に自分の経験を当てはめる。四つ目まで進んで、はじめて自分の話になります。

悪い例「八ヶ岳の自然に恵まれた茅野市で、地域の活性化に貢献したいです」

改善例「まずは配属された部署で基本を覚えたいです。そのうえで、茅野市は市域が広くて集落も離れていますから、高齢の方が病院や買い物に行く手立てをどう確保するかという仕事に、いずれ関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

下の4つは、優先順位をつけて開いてください。1つ目は全員が読む前提、残りは自分が話したい分野に近いものから手をつければ十分です。

  • 茅野市職員採用試験受験案内(最新年度)と、市の職員採用のページ
  • 茅野市第6次総合計画(求める職員像の3項目が出てくる元の計画)
  • その年度の予算に関する市の説明資料と、関心分野の個別計画
  • 長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」(県全体の方向を押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、茅野市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。茅野市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

茅野市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

茅野市役所の面接の概要

ここからは、個人面接と集団面接を1回ずつ課す茅野市の選考が、受験者に何を求めているのかを、公表資料と当研究会の分析から整理していきます。

茅野市役所の試験の構成

令和8年10月採用予定の茅野市職員採用試験は、1次・2次・3次の3段階で実施されます。筆記型の学力試験はSPI3のみで、人物を見る場面が2回置かれた構成です。

しかも順序は、2次が1時間程度の個人面接、3次が90分程度の集団面接です。多くの自治体が集団から個人へと絞り込むのに対し、茅野市は先に一対一で向き合い、最後に他の受験者と並ぶ場面を置いています。

項目内容(令和8年10月採用予定・上級)
試験の段階1次試験・2次試験・3次試験の3段階
募集職種と採用予定数事務一般4名程度(社会福祉士の資格を有する人の採用を一部予定)、土木・水道1名程度。申し込みはいずれか1つの職種に限る
1次試験SPI3(性格検査と基礎能力検査)65分程度。集合は不要で、自宅等のパソコンにより受験する
1次試験の出題分野公務員として必要な、言語的理解力、論理的思考力、数量的処理力
教養試験・専門試験いずれも実施しない(専攻分野を問わず受験しやすいSPI3検査方式と受験案内に明記)
2次試験全職種共通で個人面接試験(1時間程度)。会場は茅野市役所
3次試験全職種共通で集団面接試験(90分程度)。会場は茅野市役所
提出書類最終学校の成績証明書(社会人経験者は不要)、卒業証明書、資格取得証明書の写し。申込フォームへの画像添付に加え、書面の郵送または持参も必要
申込方法インターネット(LoGoフォーム)のみ。令和8年度に実施する職員採用試験を受験できる回数は、やむを得ない事情等を除き1回限り
初任給232,000円(令和8年4月1日現在)。社会人経験者は職務経験等に応じて加算

直近の実施状況も公表されています。令和7年度は全区分の合計で願書提出者数115人・第1次合格者数85人・最終合格者数32人でした。

このうち上級の事務一般は48人が願書を提出し、第1次合格37人、最終合格16人。願書の段階から見ればおおむね3倍の関門です。

1次で85人まで残り、そこから半分以下に絞られているという形は、選考の重心がどこにあるかを素直に示しています。

上記は茅野市の令和8年10月採用予定の職員採用試験受験案内および同案内が掲げる令和7年度試験状況にもとづく内容です。各試験種目の配点および人物試験の比重は案内に記載がなく、公表されていません。また、この案内が対象とするのは上級区分(事務一般・土木・水道)のみで、令和7年度の実施状況には中級・初級・障害者採用枠も並んでいます。茅野市は年度内に複数回・複数区分の試験を実施していますので、受験の際は必ずご自身が受ける区分の最新の案内をご確認ください。

茅野市役所が求める人物像

茅野市は受験案内の中で、求める職員像を明確に示しています。キャッチとして掲げられているのが「『幸せを実現できるまち』たくましく やさしく しなやかに 行動する職員」で、その内訳として次の3項目が並びます。

  • 目的志向を持てる方
    ゴールから考える
  • 未来志向を持てる方
    未来への種まき
  • 自分ごと化できる方
    自分がつくるみんなの茅野市

この3項目が第6次総合計画と共有されていることは前章で触れたとおりです。ここまでが受験案内に書かれていることで、ここから先は性格が変わります。

募集の規模と266.59km²という市域を並べると何が起きるか、当研究会の側から補足しておきます。事務一般4名程度で市域全体の事務を回すとなれば、担当の線引きは制度ごとではなく地区ごとに引かれる場面が出てきます。

市街地の窓口で受けた相談と、高原の集落から寄せられた同じ相談とでは、次に踏む手順が変わるということです。その違いを自分で見つけて段取りを組み直せるかどうかは、この規模の市役所では軽くない要素だとみています。

3項目の「自分ごと化」は、その組み直しを指示待ちにしない姿勢の言い換えとして読めます。

もう一つ、試験設計から読み取れることがあります。筆記型の学力試験がSPI3だけである以上、受験者の情報の大半は、1時間の個人面接と90分の集団面接から得られることになります。

しかも面接カードやエントリーシートに相当する様式は案内に記載がなく、提出物は成績証明書・卒業証明書・資格取得証明書です。あらかじめ紙に書いた自己PRが下敷きになる試験ではない、ということです。

提出物が証明書類だけである以上、1時間の個人面接で口にした中身が、そのまま判断の材料になります。

だとすれば準備の実体は、話し方を磨く作業ではなく、話す種を選び直す作業のほうにあります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。茅野市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク市役所まではどうやって来られましたか1時間の個人面接の入口で、硬さが取れるまでの速さ
② 動機・志望公務員を選んだ理由を教えてください民間との比較を自分の中で済ませてきたかどうか
③ 自己理解ご自身の弱いところはどこだと思いますか集団面接で他の受験者と並んでもぶれない自己認識
④ 経験・行動思うようにいかなかった経験を一つ教えてください1時間かけて掘られても輪郭が崩れない出来事の厚み
⑤ 学業・経歴学生時代に最も時間を使ったことは何ですかSPI3では測らない部分、つまり取り組みの中身の語り方
⑥ 適性・将来事務一般はどの部署にも配属されますが大丈夫ですか職種をまたいで異動する一括採用の意味を理解しているか
⑦ 公共性・社会性気になっている社会の出来事はありますか集団面接で他の人と重ならない切り口を持てるか

この7区分は、準備を始めるときの地図として使ってください。もっとも、地図が同じなら歩き方も似てきます。

受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「茅野市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「茅野市ならでは」の質問

「なぜ長野県庁ではなく、茅野市役所なのですか」
「茅野市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「茅野市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい茅野市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か令和8年10月採用予定の上級は、事務一般4名程度・土木・水道1名程度の募集。この規模で5万3千人分の行政を担う4名程度という数字を先に置き、そこに自分が入って何をするのかまで話すと、県と市の対比が制度論で終わりません
高齢化の位置65歳以上32.0%・75歳以上19.5%で、いずれも長野県全体をわずかに下回る(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)「県より低い」で止めず、75歳以上10,498人という実数と266.59km²という広さを組み合わせると、割合の紹介では終わらない答えになります
諏訪地域の産業県は諏訪地域を「東洋のスイス」と紹介し、現在は電気機械・一般機械などの先端技術産業が集積していると記載高原と湖の風景から入ったなら、その裏に製造の現場があるところまで必ず戻してください。片方だけでは地域像が半分になります
地震への備え糸魚川-静岡構造線断層帯の全体が動く地震(マグニチュード8.5)で、茅野市は最大震度7が想定される市町村に挙げられている震度7という想定を述べたうえで、いま市民の一人として何を備えているかを一言添えると、知識の紹介から自分の話に変わります
茅野市の魅力と課題諏訪地域の観光は令和6年に延13,796千人・消費額410億700万円。一方、県では18歳から22歳の転出超過が16,950人で全国2番目魅力を観光で語ったなら、課題は若者の転出まで戻してください。2つを並べると、茅野市に住み続ける人の話として一本につながります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接では、受験案内が掲げる3項目が、あなたの過去の行動として実在するかどうかが確かめられます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
目的志向(ゴールから考える)取り組みの説明が、手順の話から始まるか目的の話から始まるか受験案内の3項目の1つ目です。説明するとき「何のためにやったか」を先に置く順序を、1時間の個人面接を想定して練習しておきましょう
未来志向(未来への種まき)その場の成果ではなく、あとに残るものをどう見ていたか2つ目の項目で、第6次総合計画と共有されている言葉です。すぐには実らなかったが続けた取り組みを1つ用意しておくと、この観点に届きます
自分ごと化(自分がつくるみんなの茅野市)与えられた役割の外側へ、自分から手を出したことがあるか3つ目の項目です。90分の集団面接では、他の人の発言を受けて自分の役回りを決める場面がそのまま観察対象になります

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。茅野市の2次試験は1時間程度と、この規模の市としては長めに時間が取られています。

用意した文章を読み上げるだけでは、その1時間は持ちません。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、早い段階から積み上げておいてください。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、事務一般と土木・水道のどちらで申し込むかを決める(申し込めるのは1つの職種だけです)
  2. 成績証明書・卒業証明書・資格取得証明書を早めに取り寄せる。フォームへの画像添付に加えて、書面の郵送または持参も必要になります
  3. SPI3は自宅等のパソコンで65分程度。受験する時間帯と通信環境を先に決めておく
  4. 学業・部活動・アルバイト・仕事から、話せる場面を1つずつ選んで書き留める
  5. 第1部の事実から2つか3つを選び、メモを見ずに30秒で説明できるか確かめる
  6. 1時間の個人面接と90分の集団面接を分けて練習する。集団のほうは、話す長さを自分で切り上げる練習まで入れておく

優先順位に注意

ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ4の経験の棚卸しと、その経験を茅野市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、茅野市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

茅野市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

茅野市役所の想定問答集を見る

さいごに

茅野市の令和7年度の上級・事務一般は、願書を出した48人のうち16人が最終合格しました。筆記の関門は65分のSPI3だけで、残りは1時間の個人面接と90分の集団面接です。

とくに最後の90分は、自分が話している時間より、他の受験者の話を聞いている時間のほうが長くなります。そこで何を考えていたか、どこで口をはさんだかは、黙っていても伝わってしまう部分です。

受験案内が掲げる3つの項目は、第6次総合計画で市民と行政が一緒にまちづくりを進めるためのポイントでもありました。

つまり茅野市は、庁内向けの理想像ではなく、市民と向き合う場面の作法をそのまま職員に求めています。

90分の部屋の中で、あなたが誰の話をどう受け止めるか。そこまで含めて準備を進めていってください。