本記事では、横須賀市職員採用試験の面接対策で必要な、横須賀市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
横須賀市役所の面接では、「なぜ横須賀市を志望したのか」、「市職員として何に取り組みたいのか」、「これまでの経歴を市の仕事にどうつなげるのか」といった質問が想定されます。事務Aの選考は書類選考と適性検査、そして最大3回の面接だけで進みますので、対策の重心は最初から人物試験の側にあります。
面接が最大3回続く以上、話す材料は多いほど楽になります。以降にまとめた横須賀市の事実を、自分の経験と結び付けられそうなものから拾っていってください。
第1部|自治体研究編
横須賀市の特徴
対策に入る前に、横須賀市がどういう市なのかを押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 三浦半島に位置する市で、横浜市、逗子市、三浦市、三浦郡葉山町と接し、東京湾をはさんで千葉県富津市とは海上で隣接している。
- 人口は374,851人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積は100.80平方キロメートル、人口密度は3,719人/km²。
- 平成13年4月1日に、全国で28番目の中核市へ移行した。中核市は県から事務の権限を受け、市民の用事が市役所で済むようにする仕組み。
- 中核市として保健所を設置しており、庁内には保健所健康危機・感染症対策課が置かれている。北健康福祉センター(船越)と南健康福祉センター(久里浜)も設けられている。
- 住民基本台帳をもとにした令和8年1月1日現在の集計で、高齢化率は33.0%。65歳以上が123,523人、うち75歳以上が77,020人。
- 横須賀港は重要港湾に位置づけられている(神奈川県内で国際戦略港湾とされているのは横浜港と川崎港)。
- 市内には米軍施設があり、神奈川県内に残る米軍基地の中でも横須賀海軍施設は代表的なものとして県の資料に挙げられている。
- 市の花はハマユウ、市の木はオオシマザクラ。
- 職員の資格取得助成が整備されており、自己啓発助成金のほか、一級建築士や電気主任技術者の資格取得、大学院の受講に対する助成の要綱が公表されている。
横須賀市の基礎データ
統計を細かく暗記する必要はありません。必要なのは、横須賀市がどれくらいの規模で、どんな人口構成なのかを一言で言えることです。
表は上から市の値、最後の2行だけが神奈川県の値になっています。県の高齢化率は市と同じ住民基本台帳の集計ですので横に並べて読めますが、県の人口は国勢調査の速報値で調査の系統が異なりますから、市の値と突き合わせることはお控えください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 374,851人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 123,523人(うち75歳以上77,020人・令和8年1月1日現在) |
| 高齢化率(住民基本台帳) | 33.0%(令和8年1月1日現在)/75歳以上は20.5% |
| 総面積 | 100.80平方キロメートル(神奈川県の面積の約4.2%) |
| 人口密度 | 3,719人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 市の位置づけ | 中核市(平成13年4月1日移行・全国で28番目)。保健所設置市 |
| 隣接自治体 | 横浜市、逗子市、三浦市、三浦郡葉山町/千葉県富津市(海上で隣接) |
| 市役所所在地 | 〒238-8550 神奈川県横須賀市小川町11番地 |
| 市の花・市の木 | ハマユウ/オオシマザクラ |
| (参考)神奈川県の人口 | 9,193,657人(令和7年10月1日現在・令和7年国勢調査速報) |
| (参考)神奈川県の高齢化率 | 25.8%、75歳以上率15.4%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
総人口・総面積・隣接自治体・市の花と市の木は、市の公表値をもとに当研究会が整理した基礎データです(総人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。人口密度は上記の総人口を総面積で割った値、神奈川県の面積に占める割合は市の総面積を県の面積2,416.55平方キロメートル(令和7年10月1日現在・国土地理院)で割った値で、いずれも当研究会による計算です。高齢化率と75歳以上の割合は、市の値も県の値も、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の集計から引いています。神奈川県の人口だけは令和7年国勢調査の速報値で、市の住民基本台帳の値とは集計の系統が異なりますので、直接の比較はお控えください。最新の統計は横須賀市公式サイトであわせてご確認ください。
県の平均とほぼ同じ密度で、半島に広がる市
面積100.80平方キロメートルは神奈川県全体のおよそ4.2%。人口密度は3,719人/km²です。
令和7年国勢調査速報の県人口を県の面積で割るとおよそ3,800人/km²になりますので(当研究会による単純計算)、横須賀市の密度は県全体の平均とほぼ変わりません。(出典:令和7年国勢調査結果速報(神奈川県)|令和7年10月1日現在)
ただし、これは市全体をならした数字です。三浦半島に広がる市域には、市街地も、丘陵も、海岸線も含まれます。
同じ市の中でも、住宅の密集した地区と、坂と緑に囲まれた地区では、暮らしの条件がかなり違います。施策は地区ごとの事情を前提に組み立てる必要がありますので、この点は志望動機を語るときに効いてきます。
高齢化率33.0%という人口構成
総務省が住民基本台帳をもとに集計した令和8年1月1日現在の値では、横須賀市の人口374,851人のうち65歳以上が123,523人で、高齢化率は33.0%です。75歳以上は77,020人、率にして20.5%にあたります。
この集計に神奈川県内の19市を並べ直すと、横須賀市の33.0%は市の中で3番目に高い位置にあります(当研究会による集計)。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)
同じ集計での神奈川県全体は、高齢化率25.8%、75歳以上率15.4%です。横須賀市は高齢化率で7ポイント以上、75歳以上率で5ポイント県を上回っており、県の平均より高い層を厚く抱えていることが読み取れます。
人口37万人規模で高齢化率が3割を超えるということは、対象となる人数そのものが大きいということでもあります。制度の設計も、窓口の混み方も、この人数を前提に考える必要があります。
横須賀市の経済・産業
港と基地が並ぶ海岸線
横須賀港は、国土交通省の資料で重要港湾に位置づけられています。神奈川県内で国際戦略港湾とされているのは横浜港と川崎港で、横須賀港はそれとは別の役割を担う港です。(出典:神奈川県内の港湾(国土交通省港湾局)|令和7年)
同じ海岸線には、米軍施設もあります。神奈川県によれば、県内には現在も12か所の米軍基地があり、面積はおよそ17.38平方キロメートル、県土のおよそ1%にあたります。
横須賀海軍施設は、厚木海軍飛行場やキャンプ座間などと並んで県の資料に挙げられている代表的な施設です。平和条約が発効した昭和27年当時は162か所・およそ35.9平方キロメートルでしたので、長い時間をかけて減ってきた経緯があります。
港湾と米軍施設が同じ海岸線に並ぶという構造が、横須賀市の産業と土地利用の前提になっています。(出典:神奈川県内の米軍基地)
三浦半島の観光という柱
神奈川県の入込観光客調査によると、令和6年(1月から12月)の三浦半島エリアの入込観光客数は1,627万人でした。
県全体では同じ年に2億806万人(前年比8.9%増)と過去最高を記録し、うち日帰りが1億8,783万人、宿泊が2,023万人です。
エリア別に見ると、横浜・川崎の7,887万人、湘南の5,036万人、箱根の3,377万人に次ぐ規模が三浦半島にあることになります。(出典:神奈川県入込観光客調査|令和6年)
観光を志望分野にするなら、来訪者の数を挙げて終わらせないことです。宿泊が伸びているという県全体の傾向を踏まえ、訪れた人にどう長く滞在してもらうかという角度まで進めると、観光が経済の話であることが伝わります。
県全体の産業構造という土台
市の経済を数字で語るときの足場は、県全体の統計に取ります。
横須賀市の産業は県内の経済と地続きですから、まず県の規模と構成を押さえておくと、市の固有の柱が説明しやすくなります。令和5年度の神奈川県の名目県内総生産は37兆3,313億円(前年度比5.4%増)で、1人当たり県民所得は334万9千円です。
経済活動別に見ると第3次産業が76.5%、第2次産業が22.6%、第1次産業が0.1%という構成になります。(出典:神奈川県県民経済計算|令和5年度)
県全体ではサービス経済型の構造でありながら、業種別では製造業が18.3%で最大です。横須賀市の場合は、その県全体の構造の上に、港湾と観光という地域固有の柱が重なります。
面接で経済を語るなら、県の構造を土台にして市の固有性を上に乗せる順番で組み立てると、話が散らかりません。
横須賀市の主な行政課題
ここまでに見た規模と人口構成、そして港と基地という条件から、横須賀市の課題を5つ挙げます。市の課題を問われたときに取り出せる材料として使ってください。
人口減少局面と、3割を超える高齢化
神奈川県の人口は、令和7年国勢調査の速報値で9,193,657人。前回の令和2年調査から43,680人(0.5%)減りました。
神奈川県は、この5年間で人口が増加から減少へ転じた6つの府県の一つです。県は基本構想で、2040年ごろに高齢者数と高齢化率がともにピークを迎え、総人口は900万人を下回るという見通しを示しています。
横須賀市の高齢化率33.0%は、その県平均より先行した水準です。人口37万人規模で75歳以上が7万7千人を超えるということは、介護や医療の需要が、市の規模に見合った量ではなく、それ以上の量で発生するということでもあります。
福祉分野を志望する場合はもちろん、都市計画や交通を志望する場合でも、この人口構成は前提として押さえておきましょう。
中核市として保健所を持つということ
横須賀市は中核市として保健所を設置しており、庁内には保健所健康危機・感染症対策課が置かれています。
北健康福祉センター(船越)と南健康福祉センター(久里浜)もあわせて設けられています。中核市制度は平成7年4月に施行された仕組みで、県から事務の権限を市へ移すことにより、市民の用事をできるだけ身近な市役所で済ませられるようにし、地方分権を進めることを目的としています。
中核市に必要な人口要件は、平成27年4月から30万人以上より20万人以上へ引き下げられました。(出典:中核市について(横須賀市))
保健所を自前で持つということは、感染症への対応も、健康危機の管理も、県を経由せず市の判断で動かせるということです。県との距離の近さではなく、市が自分で決められる範囲の広さが中核市の意味だと理解しておくと、志望理由に厚みが出ます。
米軍施設と市域の土地利用
神奈川県は、県内に12か所ある米軍基地について、整理、縮小、返還の促進を国に働きかけています。
基地の面積は県土のおよそ1%にあたり、昭和27年当時と比べれば大きく減ってきました。横須賀市を志望する人にとって、この論点は避けて通れません。
面接で触れるときの姿勢は、立場を断定することではなく、市域の土地利用や地域経済との関わりという行政の視点で語ることです。県が国へ働きかけているという事実と、市域に施設が現に存在するという事実の両方を、正確に述べられるようにしておきましょう。
三浦半島断層群の地震への備え
神奈川県は、県内に影響を与える6つの想定地震について被害想定調査を行っています。都心南部直下地震、三浦半島断層群の地震、神奈川県西部地震、東海地震、南海トラフ巨大地震、大正型関東地震の6つで、三浦半島断層群の地震が名指しで挙がっている点は横須賀市に直結します。
県の被害想定のうち最も深刻なのは大正型関東地震で、冬18時に発生した場合、死者19,780人(うち揺れ等13,360人、津波6,070人)、建物全壊303,300棟、最大避難者数2,365,850人と見込まれています。これは県全体の想定ですが、長い海岸線と丘陵を抱え、37万人が暮らす市では、津波と、坂の多い地区での避難という二つの論点が具体的になります。(出典:神奈川県地震被害想定調査)
職員の確保と、専門性の育て方
横須賀市は、職員の資格取得を支える制度を整えています。
自己啓発助成金、建築主事等の資格取得にかかる費用の交付、一級建築士の資格取得助成、電気主任技術者の資格取得にかかる費用の交付、大学院の受講助成といった要綱が公表されています。
一級建築士の助成制度については、市自身が「県内初の充実した助成制度」と紹介しており、令和6年4月に拡充されました。いずれも市の職員採用情報のページで要綱が公開されています。
これだけの制度を並べているということは、専門職の確保と定着が市政の課題になっているということでもあります。事務職を志望する場合でも、市が職員に専門性を求めているという方向性は読み取っておきましょう。
入庁後に何を身につけたいかを問われたときの答えが変わってきます。
横須賀市の重点政策|市が公表する「求める人材」と中核市の役割
横須賀市は、求める人材を職員採用情報のページで明確に示しています。面接対策としては、まずこの4つの言葉から出発しましょう。
市が掲げる4つの人材像
市が挙げているのは、「人が好きな人」「すぐ動く人」「深く考え、自分の意見を言える人」「なんとかする人」の4つです。それぞれに説明が添えられています。
- 人が好きな人
地域はそこに住む人でつくられているという前提のもと、人に会い、人と話し、一緒に街をつくるという意識がある人。 - すぐ動く人
すぐ動き、現場を訪れ、課題を発見できる人。その道のプロや専門家にアドバイスを求め、政策に活かせる人。 - 深く考え、自分の意見を言える人
前例踏襲に価値を見出さず、前例を改良したり、今まで疑問を持たずに行っていたことを一から見直すことができる人。 - なんとかする人
市はこの一言だけを掲げています。
4つを並べると、方向がはっきりします。人に会い、現場へ出て、前例を疑い、それでも結論を出す。
机の上で完結しない仕事の進め方が求められているということです。なお、学校推薦枠などでは職種ごとの「求める人物像」が別のPDFで公表されています。
ここで扱っているのは採用情報ページに掲げられた4項目のほうですので、志望区分によっては別の資料もあわせて確認してください。(出典:横須賀市が求める人材)
4つの言葉を、横須賀市の条件に置き直す
4つの言葉が、なぜこの並びで置かれているのか。市はそこまで説明していません。
以下は横須賀市の条件から当研究会が組み立てた解釈であり、市の見解ではないものとしてお読みください。横須賀市は人口37万人、面積100.80平方キロメートル、中核市として保健所まで自前で持つ市です。
県から移された事務を市の判断で回すということは、県に判断を預けられないということでもあります。加えて、市域には港湾があり、米軍施設があり、丘陵と海岸線があり、高齢化率は3割を超えています。
こうした条件がそろうと、市役所の中だけで完結する課題のほうが少なくなります。
港湾は国や事業者と、基地は国や県と、医療や介護は事業者や地域の団体と話をしながら進むことになるからです。市が「すぐ動く人」「専門家にアドバイスを求め、政策に活かせる人」と書いているのは、この構造と無関係ではないでしょう。
現場に出て事実をつかむ力と、外の相手と話をまとめる力の両方が求められやすくなります。しかも予算も人手も無限ではありませんから、理想の案ではなく、実際に回る案へ落とし込む作業が続きます。
「なんとかする人」という一語は、その現実を指していると読めます。気をつけたいのは、この4つを自己紹介に貼り付けようとすることです。
市が言葉にしたのは職員の働き方の輪郭であって、応募者が名乗るべき肩書きではありません。人と会って進めた経験があるなら、その一つを普通に話せば足ります。
それが4つのどれかに触れていれば、市の言葉を借りずとも伝わります。
POINT|「すぐ動く人」を、どう証明するか
この言葉は、行動力を自称するだけでは伝わりません。①いつ、何をきっかけに動いたか → ②誰に会い、何を確かめたか → ③その結果、判断や進め方がどう変わったか、の3点をそろえてはじめて証明になります。行き先が市役所の外に及んでいれば、なお伝わります。
悪い例「私は行動力があるので、何事もすぐに動いて解決してきました」
改善例「サークルの会計で赤字が続いていたときに、まず過去の帳簿を全部見に行きました。それでも原因が分からなかったので、前の代の方に直接お話を聞きに行きまして、支出の締め日が実態と合っていないと分かりました。締め日を変えてからは赤字が出なくなりました」
あわせて確認したい公式資料
読む順番だけ決めておきましょう。自分の区分の受験案内が最優先で、残りは志望動機に関わるものから当たれば十分です。
要点は、手元を見ずに話せるところまで持っていってください。
- 自分が受験する区分の受験案内(事務Aと技術職Aなどは別建てで公表されています)
- 横須賀市の職員採用情報のページ(求める人材、資格取得助成の要綱)
- 中核市についての市の説明ページ(県から移された事務の範囲)
- 横須賀市の総合計画と、最新年度の予算に関する資料
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、横須賀市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。横須賀市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
横須賀市役所の面接の概要
ここからは、横須賀市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。
横須賀市役所の試験の流れ
令和8年度の職員採用試験A・事務(新卒枠、第二新卒枠、社会人枠)は、書類選考から始まり、適性検査を経て、面接を重ねる構成です。
受験案内に教養試験、専門試験、論文、集団討論の記載はなく、筆記に相当するのは適性検査のSPI3だけ。人物試験は個別面接が2回から3回です。
| 項目 | 内容(令和8年度・職員採用試験A・事務) |
|---|---|
| 選考の流れ | 書類選考(エントリーフォーム及びプロフィールによる審査)、適性検査、第1次面接、第2次面接、第3次面接の順に進みます |
| 枠による違い | 新卒枠と第二新卒枠は第3次面接まで。社会人枠は第2次面接が最終です |
| 筆記に相当する科目 | 適性検査のSPI3のみ(テストセンター方式。指定された期間内に、各自で会場を予約して受験します)。教養試験・専門試験・論文・集団討論の記載はありません |
| 人物試験 | 個別面接が2回から3回(枠により異なります) |
| 申込方法 | 申込サイト「パブリックコネクト」の会員登録が必要な電子申請です |
| 提出書類 | プロフィールの基本情報(自己PR、資格・語学力は必ず入力)と職歴・学歴(職務内容を詳しく入力)の入力が必須。「面接カード」という名称の様式は受験案内に記載がありません |
| 採用予定人員 | 新卒枠・第二新卒枠・社会人枠の3枠合計で20名程度 |
| 採用の時期 | 令和8年10月1日又は令和9年4月1日(新卒枠は令和9年4月1日)。最終合格者は職員採用候補者名簿に登載され、名簿の有効期間は令和10年3月31日までです |
| 不合格時の情報提供 | 各試験の不合格者は、本人に限り当該試験の順位と得点の情報提供を受けられます(人事課の窓口で、合格発表日から1か月間。電話や郵便、電子メール、ファクスによる請求はできません) |
| (参考)勤務条件 | 大学卒(新卒)の初任給は地域手当を含めて267,904円。地域手当の支給率は給料月額の12%、勤務時間は一週間当たり38時間45分(令和8年4月1日現在) |
上記は横須賀市の令和8年度職員採用試験A・事務の受験案内にもとづく内容です。一般事務はAとBのターム制で、Bタームでは事務(高卒程度)が実施されますので、「大学卒程度は年1回だけ」ではない点にご注意ください。このほか事務(福祉)A、技術職A、資格職A、経験者主任採用、一般任期付職員、学校推薦枠、医師の通年募集など、区分ごとに受験案内が別建てで公表されています。配点や合否の決定方法は、この受験案内には示されていません。受験の際は、必ずご自身が申し込む区分と枠の最新の受験案内をご確認ください。(出典:令和8年度横須賀市職員採用試験A(事務)受験案内)
書類とプロフィールが、面接の土台になる
この試験でまず効くのは、申込時に入力するプロフィールです。自己PRと、資格・語学力の入力は必須。
職歴・学歴も、職務内容まで詳しく書くことが求められます。書類選考はこの入力内容による審査ですから、面接官が最初に読むのはあなたが書いた文章だということになります。
面接が2回から3回続くということは、同じ経歴について、別の面接官から角度を変えて問われるということです。1回目で話した内容と、2回目、3回目で話す内容がずれないように、書いたプロフィールの一行ずつに理由を用意しておきましょう。
SPI3はテストセンター方式で、指定期間内に自分で会場を予約して受ける形ですから、早めに日程を押さえて、対策の時間を面接に回す組み立てが現実的です。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。横須賀市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどちらからいらっしゃいましたか | 構えのいらない問いへの応じ方。面接が複数回ある試験では、初回の印象が次へ引き継がれます |
| ② 動機・志望 | 民間ではなく自治体を選んだ理由を聞かせてください | 他の選択肢と比べたうえでの結論か。志望の理由が経歴の流れに乗っているか |
| ③ 自己理解 | プロフィールに書いた自己PRを、口頭でも説明してください | 書いた内容と話す内容が一致しているか。書類の言葉を自分で背負えているか |
| ④ 経験・行動 | 自分から現場へ足を運んで確かめた経験を教えてください | 市が掲げる「すぐ動く人」との相性。動いた先で何をつかんだか |
| ⑤ 学業・経歴 | これまでの職務や研究の内容を、専門外の人にも伝わるように話してください | 専門の言葉を、相手の分かる言葉へ置き換えられるか。窓口や説明の場面がそのまま試されます |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後、どんな分野の力を伸ばしたいですか | 資格取得助成を整えている市として、成長の道筋を考えているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | このところ気になっている社会の動きはありますか | 社会の動きへの目配りと、それについての自分なりの受け止め |
ここまでの7カテゴリーは全国の官公庁でほぼ共通です。受験者の多くが同じように備えてきますので、差がつくのは次の横須賀市ならではの質問になります。
差がつくのは「横須賀市役所ならでは」の質問
とくに1問目は、中核市である横須賀市では答えやすい質問です。県から事務の権限を受けている市ですから、県と市の役割の違いを制度の事実として説明できるからです。
裏を返せば、中核市という事実を手元に持っているかどうかで、答えの具体性がはっきり分かれる質問でもあります。
面接で使いやすい横須賀市の事実を、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい横須賀市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 平成13年4月1日に全国で28番目の中核市へ移行。県から事務の権限を受け、保健所も市が設置している | 中核市という制度名を挙げるだけで終えず、県を経由せず市の判断で動かせる範囲が広いという点まで説明します。制度の理解が志望の理由と結び付きます |
| 市の規模と人口構成 | 人口374,851人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積100.80平方キロメートル。住民基本台帳による令和8年1月1日現在の高齢化率は33.0%、75歳以上は20.5% | 割合の高さだけでなく、75歳以上が7万7千人という人数の規模に触れます。人数で語ると、必要な仕事量の話に進めます |
| 市が求める人材 | 「人が好きな人」「すぐ動く人」「深く考え、自分の意見を言える人」「なんとかする人」の4つを採用情報ページで公表 | 4つを暗唱するのではなく、自分の経験がどれに当たるかを1つ選んで先に話します。市の言葉は最後に添える程度で十分です |
| 港と基地 | 横須賀港は重要港湾。県内には12か所の米軍基地があり、面積は県土のおよそ1%。県は整理、縮小、返還の促進を国に働きかけている | 立場を断定せず、市域の土地利用と地域経済という行政の視点で述べます。県と国と市の役割の違いに触れられると、理解の深さが伝わります |
| 観光 | 令和6年の三浦半島エリアの入込観光客数は1,627万人。県全体は2億806万人で過去最高、うち宿泊は2,023万人 | 来訪者の数を挙げたあと、滞在時間や宿泊をどう伸ばすかという角度へ進めます。数字を経済の話につなげる練習になります |
| 防災 | 県の被害想定は、三浦半島断層群の地震を含む6つの想定地震を対象に実施。冬18時に大正型関東地震が起きた場合、県全体で死者19,780人、建物全壊303,300棟と想定 | 県全体の想定だと断ったうえで、津波と、坂の多い地区での避難の二つに触れます。自分の暮らしの中でできる備えを一つ添えると、話が地に足のついたものになります |
6つを全部抱え込む必要はありません。志望する分野に近いものを2つ選び、事実を土台に、自分の問題意識と、市職員として手をつけたいことまでを一本の線でつないでおいてください。
想定される評価の観点
面接は、市が公表している人材像に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 人と会って進める力 | 誰に会い、何を聞き、それをどう次の判断に使ったか | 市は「人に会い、人と話し、一緒に街をつくる」という言い方をしています。相手の名前や立場まで具体的に言える経験を1つ用意しておく |
| 現場で確かめる姿勢 | 資料や伝聞で済ませず、自分で見に行った場面があるか | 「すぐ動く人」は市が挙げた4項目の一つです。動いたきっかけと、動いた後で変わった判断をセットで話せるようにしておく |
| 前例を見直す視点 | 決まっていたやり方に疑問を持ち、何をどう変えたか | 市は前例踏襲に価値を見出さないと明記しています。変えた結果だけでなく、周囲の同意をどう得たかまで話せると強い |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
横須賀市は面接が2回から3回続きますので、この傾向はより強く出ます。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受験する区分と枠の受験案内を読み、申込サイトの会員登録と、プロフィールに入力する項目を確認する
- これまでの経験を書き出す。学業、部活動、アルバイト、職務、地域での活動のそれぞれから、話せる場面を1つずつ拾っておく
- プロフィールの自己PRと職務内容を書き上げ、書いた一行ごとに「なぜそう書いたか」を口頭で説明できるか確かめる
- SPI3の受験日を早めに押さえ、残る時間を面接の準備へ回す
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、中核市としての位置づけ、人口37万人と高齢化率33.0%、港と基地という条件を、自分の言葉で説明できるようにする
- 声に出して練習する。面接が複数回あることを踏まえ、同じ経験を別の角度から掘られたときの返し方も書き足していく
優先順位に注意
ステップ5の自治体研究は、ほかの受験生と差をつけるための工程です。ただし横須賀市の場合、ステップ3のプロフィール入力が選考の入口そのものになりますので、こちらを先に仕上げてください。書いて出した文章は、面接が終わるまであなたの言葉として残り続けます。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、横須賀市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
横須賀市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
横須賀市の選考には、筆記で挽回するという道がほとんどありません。
書いたプロフィールと、SPI3と、そして2回から3回の面接。評価の材料はそれだけです。
だからこそ、市が掲げた4つの言葉のうち、自分がどれに当たるのかを先に決めてしまうのが近道です。人に会って進めてきたのか、自分で確かめに行くほうなのか、決まりを見直してきたのか。
37万人が暮らし、高齢化率が3割を超え、港と基地が同じ海岸線に並び、県から移された事務を市の判断で回す市で、その持ち味をどこに使いたいのか。
書いた文章と、話す言葉が、同じ人のものになっているか。提出する前に、そこだけは読み返しておきましょう。