本記事では、大和市職員採用試験の面接対策で必要な、大和市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
大和市役所の採用選考では、「なぜ大和市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「これまでの経験を市の仕事にどうつなげるのか」といった質問が想定されます。
一般行政事務は録画した動画を提出する形式の面接から始まるため、画面越しでも伝わる話し方から準備が必要になる選考だという点を最初に押さえておきましょう。
読みながら、自分の経験のどれが大和市政の話題とつながるかに印をつけていきましょう。それが回答づくりの出発点になります。
第1部|自治体研究編
大和市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは大和市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口は246,500人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で県内19市のなかで8番目。一方、面積は27.09平方キロメートルで15番目と小さい。
- その結果、人口密度は9,099人/平方キロメートルとなり、政令指定都市の川崎市に次ぐ県内19市で2番目の高さになっている。
- 横浜市、座間市、相模原市、綾瀬市、藤沢市、海老名市と接し、さらに東京都町田市と都県境を接する位置にある。
- 平成12年11月1日に特例市へ移行し、現在は施行時特例市として、県から移譲された環境・産業経済・都市計画建設分野の事務を処理している。
- 令和7年4月から大和市第10次総合計画が始まり、これに合わせて人財マネジメント方針が定められた。
- 同方針が掲げる市の未来像は「みんながつながる健幸都市やまと」である。
- 採用選考の第1次試験は、自宅等のパソコンで受ける総合適性検査(Web-GAB)と録画面接の組み合わせ。
- 市は技術職・専門職の専門試験(筆記)を廃止し、第2次試験の口頭試問で専門性を直接確かめる方式に切り替えている。
大和市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「大和市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
大和市の性格は、人口の多さよりも人口密度に表れます。県内19市のなかでの順位と、県全体の数値をあわせて確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 246,500人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 27.09km²(県内19市で15番目) |
| 人口密度 | 9,099人/km²(上記の総人口と総面積から算出。県内19市で2番目) |
| 65歳以上人口・高齢化率 | 59,153人・24.0%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 75歳以上人口・75歳以上率 | 35,272人・14.3%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 隣接自治体 | 横浜市、座間市、相模原市、綾瀬市、藤沢市、海老名市、東京都町田市 |
| 市役所所在地 | 〒242-8601 神奈川県大和市下鶴間一丁目1番1号 |
| 市の花・市の木 | ノギク・ヤマザクラ |
| (参考)神奈川県の総人口 | 9,194,723人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| (参考)神奈川県の高齢化率 | 25.8%、75歳以上率15.4%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
上の表のうち人口・面積・人口密度・隣接自治体・市役所所在地・市の花木は、各機関の公表値を当研究会がまとめ直したものです(総人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在で、人口密度はこれを総面積で割って算出しています。県内順位も同じ基礎データで19市どうしを比べたものです)。高齢者の人口と割合は、総務省が公表する住民基本台帳にもとづく令和8年1月1日現在の値です。国勢調査や推計人口とは調査そのものが異なるため、国勢調査ベースの数値と並べて増減を論じることはできません。
数字から考えられる市政課題
住民基本台帳にもとづく令和8年1月1日現在の値で、大和市の高齢化率は24.0%、75歳以上率は14.3%です。同じ基準の神奈川県全体は25.8%・15.4%ですから、大和市はどちらも県の水準を下回っています(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在)。
ただし、割合の低さを楽観の材料にはできません。率が県より低くても、65歳以上は59,153人、75歳以上は35,272人という実数です。
27.09平方キロメートルの市域にこの人数が暮らしているという密度で考えると、支援を必要とする市民との距離は、面積の広い市よりむしろ近くなります。
密度の高さは、行政サービスの設計そのものを変えます。徒歩や自転車で届く範囲に多くの市民がいるということは、拠点を一つ整えたときの効果が大きいという意味でもあり、逆に一つの施設が使いにくければ影響が広く及ぶという意味でもあります。
面接では、この条件を次のように言葉にできます。
大和市の経済・産業
県の経済のなかでの位置
令和5年度の神奈川県の1人当たり県民所得は334万9千円(前年度比5.6%増)、県民所得は30兆9074億円です(出典:神奈川県県民経済計算|令和5年度)。
県内総生産の業種別構成では製造業18.3%に次いで不動産業が17.5%を占めており、住宅やオフィスの集積そのものが県経済の大きな部分を支えている構造が読み取れます。
この構造は、大和市のような住宅地としての性格が強い市を考えるときの手がかりになります。
人が住むこと自体が経済活動として県内総生産に積み上がっているという見方をしておくと、ベッドタウンという言葉を消極的な意味で使わずに済みます。
市単位の生産統計は市の公表資料で確認する必要がありますが、県の構造から入ると話の順序を組み立てやすくなります。
都県境に立つということ
大和市は6つの市と接するほか、東京都町田市とも境を接しています。
通勤・通学や買い物の行き先が都県をまたぐ市では、市民の生活実感が市域の内側だけで完結しません。
市が整えるサービスの利用者が、日中は市外にいることも珍しくないという前提があります。
この位置は、施策を考えるときの制約にも強みにもなります。都心方面へ通う世代を呼び込む条件が整っている一方で、その世代が働く場所も学ぶ場所も市外にあるなら、市との接点は朝晩と休日に限られます。
接点の少ない市民にどう情報を届け、どう意見を聞くかという課題は、志望動機を語るときにも使える視点です。
市が自前で持つ権限
大和市は平成12年4月に施行された特例市制度に基づき、同年11月1日に特例市へ移行しました。
特例市制度そのものは平成26年度で廃止されましたが、指定を受けていた市は施行時特例市として、それまでに移譲された事務を引き続き処理しています。
移譲の対象は環境行政、産業・経済、都市計画・建設行政に関する25法令29項目で、うち大和市が現に処理しているのは23法令27項目です(出典:大和市への権限移譲について|ページ更新日2025年8月5日)。
数字そのものを覚える必要はありません。押さえるべきは、県が担う分野の一部を市が直接処理しているという事実です。
「なぜ県庁ではなく市役所か」を問われたとき、住民に近いという一般論に加えて、この制度上の位置を一言添えられると説明の質が変わります。
大和市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、大和市政が向き合うテーマの輪郭が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
限られた市域に24万人が暮らすこと
27.09平方キロメートルという面積は県内19市で15番目です。
学校、福祉施設、公園、道路といった都市の機能を新たに置こうとしても、使える土地には限りがあります。
用地に余裕のない市では、新しく建てるより既にある施設をどう使い直すかが政策の中心になるという条件を、まず頭に入れておきましょう。
高齢者の実数の重み
高齢化率は県平均を下回るものの、65歳以上は59,153人、75歳以上は35,272人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)にのぼります。
さらに神奈川県は、新かながわグランドデザイン基本構想で、2040年頃に高齢者数と高齢化率がともにピークを迎えると見通しています(出典:新かながわグランドデザイン基本構想|策定版)。
いまの数字が最大値ではないという前提で施策を組む必要があります。
県全体の人口が減少に転じたこと
令和7年国勢調査の人口速報集計で、神奈川県の人口は919万4千人と東京都に次ぐ全国第2位を保ちましたが、前回調査からは0.5%の減少となりました。
人口密度は6,475.7人/平方キロメートルの東京都、4,600.2人/平方キロメートルの大阪府に次いで全国3位です(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計結果(総務省統計局)|令和7年10月1日現在)。
密集した県で人口が減り始めたという状況は、住民に選ばれ続けるための条件を、各市が自分で考えなければならない局面を意味します。
大規模地震への備え
神奈川県は6つの想定地震について被害想定調査を実施しています。このうち都心南部直下地震では、冬18時に発生した場合、死者1,850人、建物全壊42,920棟、最大避難者数1,064,620人が想定されています(出典:神奈川県地震被害想定調査|令和5〜6年度調査)。
県全体で百万人規模の避難者が想定されるということは、人口が密集する市ほど避難所の収容と運営が現実的な難題になるということです。
大和市域の被害想定と避難所の運営方針は、市の地域防災計画で確認してください。
大和市の重点政策|人財マネジメント方針のMVV
大和市は、令和7年4月に始まった大和市第10次総合計画に合わせて、平成15年策定の職員育成基本方針を定め直し、大和市人財マネジメント方針を策定しました。この方針は、市の存在意義と未来像、そして職員に求められる価値観を三層で示しています(出典:大和市人財マネジメント方針|令和7年4月)。
| 層 | 内容 |
|---|---|
| Mission(大和市の存在意義) | 市民の福祉の増進=市民のウェルビーイング向上 |
| Vision(大和市の未来像) | みんながつながる健幸都市やまと |
| Values(求められる価値観) | 市民志向/つながり/チャレンジ |
Valuesの三つには、それぞれ定義が添えられています。市民志向は「市民の声に積極的に耳を傾け、市民の立場で考え、高い使命感と倫理観を持って行動します。」、つながりは「思いやりの心を持ち、内外問わず多様な主体と連携・協働して、組織の力を最大化します。」、チャレンジは「前例に捕らわれない柔軟な発想と広い視野を持ち、失敗を恐れず挑戦し続け、新たな価値の創造や自らの能力向上に努めます。」です(出典:大和市人財マネジメント方針|2025年4月)。
人を確保し、育て、働き続けられるようにする
同方針は、行政経営を支える人財戦略を「人財確保」「人財育成」「環境整備」の三つに分けています。人財確保では、インターンシップやセミナーの開催、職員採用特設サイトを中心とした採用広報、技術職の確保に向けた学校訪問や職場見学会と学校推薦枠、内定者懇親会による入庁意欲と業務理解の向上が挙げられています。採用の工夫が方針として明文化されている市だという点は、受験者にとって見逃せない情報です。技術職の専門試験を廃止して口頭試問へ切り替えたことも、この文脈の上にあります。
POINT|Valuesは並べず、一つに絞る
三つの価値観をすべて自分に当てはめようとすると、どれも薄くなります。市民志向、つながり、チャレンジのうち一つを選び、その定義に書かれている行動を実際にとった場面を、時系列で説明できるようにしておきましょう。
悪い例「市民志向とつながりとチャレンジ、どれも自分に当てはまると思っています」
改善例「サークルの新歓がうまくいかなかったとき、前の年のやり方をそのまま繰り返していたことに気づいて、内容を一から組み直しました。失敗しても変えてみるほうが早いと学んだので、その姿勢は仕事でも続けたいです」
あわせて確認したい公式資料
全部に目を通す必要はありません。自分の志望動機に関わるものだけを選び、人に説明できる状態まで読み込んでおきましょう。
- 大和市職員採用の特設サイトと、受験する区分の採用試験概要
- 大和市人財マネジメント方針(MissionからValuesまでの三層)
- 大和市第10次総合計画(令和7年4月開始)の概要
- 大和市地域防災計画(人口が密集する市域での避難のしくみ)
- 志望分野の個別計画と、最新年度の予算に関する資料
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、大和市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。大和市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
大和市役所の面接の概要
ここからは、大和市役所の選考の形式と流れ、質問の全体像、備え方を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。
大和市役所の選考の流れ
令和8年度の一般行政事務は、第1次試験が総合適性検査(Web-GAB)と録画面接、第2次試験が個別面談という組み立てです。
最初の関門に、すでに人物を見る場面が置かれていることが、この市の選考の性格をよく表しています。
技術職・専門職は第2次試験が口頭試問となり、事務(特別枠)は第1次試験が書類選考です。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 第1次試験(一般行政事務) | 総合適性検査(Web-GAB)と録画面接。選考の流れは大卒程度・高卒程度ともに同じです |
| 総合適性検査の中身 | 自宅等のパソコンから受験するWeb-GAB。言語理解テスト25分間、計数理解テスト35分間、パーソナリティ検査約20分間 |
| 公務員試験対策の要否 | 市は民間企業の採用試験でも導入されているWeb試験を実施しており、公務員試験用の準備は不要と明記しています |
| 録画面接 | 指定アプリケーションで、受験者の都合のよいタイミングに撮影した動画を提出します。提出前であれば受験期間中は何度でも撮り直せます(事務(特別枠)・障がい者事務・学校推薦枠を除く) |
| 第2次試験 | 事務職は個別面談。技術職(土木・建築・電気等)・専門職(保育士・保健師等)は口頭試問 |
| 専門試験 | 技術職・専門職の筆記による専門試験は廃止され、口頭試問で専門性を直接確かめる方式に変更されました |
| 提出書類 | 申込は大和市職員採用マイページから。エントリーシート(自己PRシート)の提出は全区分で不要で、履歴書(試験申込書)のみです。ただし事務(特別枠)は第1次が書類選考のため提出が必須です |
| 配点 | 試験種目別の配点は採用試験概要のページに記載がありません |
上記は大和市が公表した令和8年度の採用試験概要にもとづく内容です。区分ごとの選考フローは図表で示されており、第3次試験の有無や最終面接の形式まではテキストで確認できていないため、本記事では段階数を断定していません。試験の構成・区分・実施時期は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の採用情報をご確認ください(出典:大和市職員採用試験の概要|令和8年度)。
市は録画面接について、「大和市の採用選考では人物評価に重きを置いており、1人でも多くの方のお話を聞きたいと考えています。」「文面では読み取れない人柄や熱意などの人物像を評価するもの」と説明しています。
これは市の方針表明であって配点の公表ではありませんから、「人物試験の比重が高い試験」と数値で語ることはできません。
ただし、書類だけで絞らずに動画で話を聞くという設計を選んでいる事実は、準備の重心をどこに置くべきかを教えてくれます。
第2次試験の個別面談についても、市は「面接試験よりもリラックスしたなごやかな雰囲気で実施する、受験者と面接官との距離が近い面談形式の試験」であり、「皆さんが自然体でお話いただく様子を見させていただき、普段の自分らしさをアピールしていただくことを狙い」としていると説明しています。
用意した原稿を読み上げる受け答えは、この形式ではかえって不利になりやすいと考えてよいでしょう。
大和市役所が求める人物像
求める人物像にあたる公表文言としては、人財マネジメント方針のValuesである市民志向・つながり・チャレンジの三つが最も明確です。
いずれも定義文が添えられており、市民志向は市民の立場で考えること、つながりは多様な主体との連携・協働、チャレンジは前例にとらわれない発想と挑戦を指しています。
三つを見比べると、共通しているのは「一人で完結しない」という点です。市民の声を聞く、他者と組む、失敗を経ながら続ける。
いずれも相手や状況が関わる行動で、成果よりも過程に評価の目が向く性質を持っています。
自己PRでは結果を述べるだけでなく、誰とどう関わってその結果に至ったかまで話しましょう。
市の文書からいったん離れて、規模の近い市役所の内側についても触れておきます。24万人が暮らし、県から移された環境や都市計画の事務まで抱える組織では、一つの施策に関わる相手が市民だけで終わりません。
事業者、地域の団体、隣接する市や県の担当者と話をそろえながら進める場面が増えるぶん、立場の違う相手に同じ内容を届く言葉で言い換えられる力に、比重が置かれやすいと見ています。
つながりという価値観を語るときは、仲の良さではなく、この言い換えを実際にやった経験を材料にすると内容が具体的になります。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。大和市の選考も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 緊張していますか? | 場慣れの有無ではなく、想定外の一言に自然な調子で返せるか |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | 民間でもできる動機で止まっていないか。職業選択の筋道が経験とつながっているか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自分を客観視できているか。短所とどう付き合っているかまで語れるか |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 困難の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという行動の中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 卒業論文(研究)のテーマについて、簡単に説明してください | 専門外の相手に伝わる言葉へ翻訳する力。学びを仕事へつなげる視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか? | 市の仕事への理解の解像度。希望どおりの配属でなくても働ける柔軟さ |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近関心を持ったニュースは何ですか? | 社会の動きへのアンテナと、それについて自分の意見を一言で述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは大和市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。では、どこで差がつくのか。それが次の「大和市ならではの事情を踏まえた質問」です。
差がつくのは「大和市役所ならでは」の質問
録画面接では、こうした問いに一人で、しかも短い時間で答えることになります。画面の向こうに相手がいない状態でも成立する説明を作れるかが、最初の関門になるということです。カメラの前でも短く出せる事実を5つ選び、使いどころを添えました。
| 質問テーマ | 知っておきたい大和市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 大和市は施行時特例市として、環境・産業経済・都市計画建設分野の23法令27項目の事務を県から移譲されて処理している | 制度名を並べるより、県の仕事の一部を市が直接担っているという事実を一言で示し、自分が関わりたい分野がそこに含まれるかを述べます |
| 市の規模と密度 | 人口246,500人は県内19市で8番目だが、面積27.09km²は15番目。人口密度9,099人/km²は川崎市に次ぐ2番目 | 密度の順位を出したうえで、施設の使いやすさや土地の制約という具体的な話題へ接続します |
| 市の未来像 | 人財マネジメント方針のVisionは「みんながつながる健幸都市やまと」。令和7年4月開始の第10次総合計画と連動している | 言葉を復唱せず、つながりという語が市の価値観にも未来像にも重ねて置かれている点に触れ、自分の経験を重ねます |
| 市の位置 | 横浜市など6市に加え、東京都町田市とも境を接する | 都県境という条件から、市民の生活圏が市域で完結しない点を指摘し、情報の届け方という課題へつなげます |
| 高齢化の実像 | 高齢化率24.0%は県全体の25.8%を下回るが、65歳以上は59,153人、75歳以上は35,272人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) | 率が低いことを強みとして語るのではなく、実数と市域の狭さを掛け合わせた密度の話に置き換えます |
5行すべてを覚える必要はありません。志望する分野に一番近い行をまず1つ決め、そこから「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話を、録画の尺に収まる長さで作ってしまいましょう。
想定される評価の観点
面接は、求める人物像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 市民志向 | 相手の立場から状況を捉え直した経験があるか | Valuesの定義にある「市民の立場で考え」に対応する場面を選び、自分の判断を変えたきっかけまで話せるようにする |
| つながり | 立場や考えの違う相手と組んで物事を進めたか | 個別面談は距離の近い形式のため、役割分担を説明するより、相手とのやりとりを会話として再現できるよう準備する |
| チャレンジ | 前例のやり方を変えてみた経験と、その結果への向き合い方 | 録画面接で短く伝えることを想定し、何を変え、何が起きたかを30秒程度で言い切れる長さにまとめておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。大和市の第2次試験は距離の近い面談形式ですから、会話のなかで自然に掘り下げられる場面が増えると考えてよいでしょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 大和市職員採用マイページに登録し、受験する区分の選考フローと提出書類を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 録画面接に備えて、実際にカメラの前で話す練習をする。撮り直せる形式だからこそ、間や視線が気になり始める前に本番の環境で慣れておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
独学で対策を進めていて答えの型が固まらない場合は、大和市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
大和市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
大和市の選考は、カメラに向かって一人で話すところから始まり、距離の近い面談へと続きます。
作り込んだ言葉より、普段の話し方のまま中身が伝わるかどうかが問われる流れです。
27平方キロメートルほどの市域に24万人が暮らし、「みんながつながる健幸都市やまと」を未来像に掲げる市で、自分は誰とどうつながる仕事がしたいのか。撮り直しのきく録画のうちに、その答えを自分の声で確かめておきましょう。