本記事では、八幡浜市職員採用試験の面接対策で必要な、八幡浜市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。試験情報は、令和8年度の職員採用試験のうち、市が構成を公表している一般事務職(初級)を中心に整理しました。
八幡浜市役所の面接試験では、「なぜ八幡浜市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。八幡浜市は津波と原子力という二つの避難を同時に抱える市であり、この条件を知っているかどうかで、防災の話の深さが変わります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と八幡浜市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
八幡浜市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは八幡浜市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 宇和海に面した港のまちで、市の木にはミカンが選ばれている。市の花はスイセン。産業がそのまま市のしるしになっている。
- 人口は2万9,379人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、3万人を下回っている。
- 面積は132.64平方キロメートルと小さくまとまり、人口密度は約221人/平方キロメートル。県全体の約225人/平方キロメートルとほぼ同じ水準にある。
- 接しているのは西予市・大洲市・西宇和郡伊方町の3市町で、佐田岬半島の付け根側に位置する。
- 高齢化率は41.9%で、4人に1人(25.3%)が75歳以上。県全体(34.2%・20.2%)を大きく上回る。
- 南海トラフ巨大地震では、八幡浜港の最大津波高が8.7メートルと想定され、市域の浸水面積は463ヘクタールと見込まれている。
- 伊方発電所の原子力災害対策重点区域のうち、概ね5キロメートルから30キロメートル圏にあたるUPZに含まれる市のひとつ。
- 市役所は北浜に置かれ、職員採用の申込みは自治体求人サイトを通じたインターネット受付に切り替わっている。
八幡浜市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「八幡浜市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
八幡浜市を語るときの起点は、年齢構成です。人口の少なさよりも、その中身の偏り方に市政の性格が出ます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 29,379人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 1万2,298人(高齢化率41.9%、愛媛県34.2%) |
| うち75歳以上人口 | 7,436人(25.3%、愛媛県20.2%) |
| 総面積 | 132.64平方キロメートル |
| 人口密度 | 約221人/平方キロメートル(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接する市町 | 西予市、大洲市、西宇和郡伊方町 |
| 市の花・市の木 | スイセン、ミカン |
総人口と年齢別の人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在による値です。人口密度は、この人口を市の面積で割って算出しました。比較のために置いた愛媛県の数値も、同じ調査の県計から取っています。国勢調査や県が公表する推計人口とは調査の基準が違うため、それらの値と並べて増減を論じることはできません。
数字から考えられる市政課題
高齢化率41.9%のうち、75歳以上が25.3%を占めます。市民の4人に1人が後期高齢者という構成は、行政サービスの中身そのものを変える水準です。
また、県全体の20.2%と比べても5.1ポイント高い。介護や医療の需要はもちろん、通院や買い物の移動、災害時の避難支援まで、あらゆる分野で「動きにくい住民をどう支えるか」が前提になります。
一方で、人口密度は約221人/平方キロメートルと、県全体とほぼ変わりません。市域が132.64平方キロメートルとコンパクトなためです。
広い市域に集落が散らばる自治体とは条件が違い、施設や路線を集約しやすい面はあります。ただし後述するとおり、その市域の多くが津波の想定区域と重なります。
八幡浜市の経済・産業
みかんと養殖という土台
愛媛県の資料は、南予の八幡浜・大洲圏域と宇和島圏域を日本一のみかんの産地と位置づけ、水産業でもたい・はまち・真珠などの養殖が盛んで全国有数の生産量を誇ると説明しています。八幡浜市の木がミカンであることは、この産業構造がまちの成り立ちそのものだということを示しています。(出典:愛媛県の産業の特徴に関する県資料)
一次産業が土台の地域では、行政の関わり方が幅広くなります。生産の支援だけでなく、担い手の確保、販路の開拓、加工や物流、そして港湾の維持。
農業と水産業が、産業政策であると同時に、雇用政策でも人口政策でもあるという点を押さえておきましょう。
県の産業地図の中での位置
同じ愛媛県内でも、東予地域はまったく別の顔をしています。四国中央市を含む宇摩圏域は紙・パルプの日本有数の産地、新居浜・西条圏域は住友グループの企業城下町、今治圏域は全国一のタオルと中小造船の集積地です。
八幡浜市が属する南予は、そうした重工業の集積とは異なる道筋を歩んできました。県庁と市役所の違いを問われたときに、この地域差は使える材料になります。
県全体の観光の動き
令和6年(1月から12月)の愛媛県内の観光客総数は2,304万2千人でした。ところが観光消費総額は926億円で、前年の1,054億円から128億円(12.1%)減っています。
一方で、訪れる人の数と、地域に落ちるお金が同じ方向を向いていません。八幡浜市のように一次産業と食が強い地域では、産品をどう消費に結び付けるかが、観光を語るときの論点になります。(出典:愛媛県観光客数と消費額の調査|令和6年)
八幡浜市の主な行政課題
年齢構成と地形、そして産業。この3つが交わるところに、八幡浜市の論点は集まっています。
面接で市の課題を問われたときの引き出しとして、次の4つを用意しておきましょう。
後期高齢者が4人に1人という段階
75歳以上が25.3%という水準は、支援の必要度が高い層が厚いということを意味します。県の将来推計では、2020年から2060年にかけて65歳以上の人口は22.0%減にとどまる一方、生産年齢人口は49.3%減る見通しです。
支える側だけが先に細っていく構図は、八幡浜市ではすでに現実の段階に入っています。(出典:愛媛県の将来推計人口|令和5年公表)
津波避難にかけられる時間
愛媛県が令和7年9月に公表した地震被害想定調査の中間報告によれば、八幡浜港の最大津波高は8.7メートル、最大津波到達時間は72分、30センチメートルの浸水が始まるまでが58分と想定されています。宇和海沿岸では第1波が最大波になると想定されており、避難のやり直しがきかないとされています。
内閣府が令和7年3月に公表した市町村別の最大津波高の一覧では、八幡浜市は10メートルです。こちらは市域内の最大値で、岬部なども含めて取った数値であり、県が示す八幡浜港という主要港の値とは地点の取り方が異なります。(出典:愛媛県地震被害想定調査 中間報告|令和7年9月/南海トラフ巨大地震の市町村別最大津波高一覧|内閣府)
一次産業の担い手をどう保つか
みかんの栽培も養殖も、人の手が要る産業です。高齢化率41.9%という数字は、そのまま生産者の年齢構成にも重なります。
産業振興という言葉を使うときは、売上や販路の話だけでなく、誰がその仕事を続けるのかという担い手の問題まで含めて語れると、話に厚みが出ます。
県全体と同じ、人口減少という前提
愛媛県総合計画は、現状と課題の第一に「人口減少・超少子高齢化は全国より深刻」と掲げ、県人口が昭和60年の153.0万人を境に減り続けていること、直近5年間の減少率が過去最大の3.64%になったことを記しています。八幡浜市はその県平均より高齢化が進んだ位置にあり、県が挙げる課題がより早く表れる地域だといえます。(出典:愛媛県総合計画 未来につなぐえひめチャレンジプラン)
八幡浜市の重点政策|津波と原子力、二つの避難
八幡浜市の防災を、他の市と同じ枠で語ることはできません。宇和海の津波と、伊方発電所の原子力災害。
性質のまったく違う二つの避難を、同じ市域について同時に考えなければならないのがこの市の条件です。志望分野が防災でなくても、ここは押さえておく必要があります。
宇和海沿岸という条件
県の中間報告は、宇和海沿岸の5つの市町について、地震の発生後数十分で津波が襲来し、最初に襲来する第1波が最大波になると想定しています。八幡浜市の場合、30センチメートルの浸水が始まるまでが58分、最大津波到達時間が72分。
1時間前後という時間をどう使うかが、被害の大きさを分けます。市域の浸水面積は463ヘクタールと見込まれています。
この時間の読み方は、面接でも差が出るところです。1時間あれば逃げられると考えるか、支援が必要な住民を含めて全員が高台へ移るには短いと考えるか。
高齢化率41.9%という数字と重ねれば、後者の見方が現実的でしょう。
伊方発電所の重点区域に入るということ
八幡浜市は、伊方発電所の原子力災害対策重点区域のうちUPZ(概ね5キロメートルから30キロメートル圏)に含まれます。内閣府と伊方地域原子力防災協議会がまとめた資料によれば、PAZ(概ね5キロメートル圏)は伊方町の一部で人口4,888人、UPZは八幡浜市・大洲市・西予市・宇和島市・伊予市・伊方町・内子町と山口県上関町にわたり、人口108,336人です。
PAZの西側にあたる佐田岬半島部(4,137人)は、PAZに準じた避難等の防護措置を準備する区域として「予防避難エリア」に位置づけられています。(出典:伊方地域の緊急時対応|内閣府・伊方地域原子力防災協議会)
原子力災害の避難は、津波の避難とは考え方が逆になる場面があります。屋内退避が指示されることもあれば、広域へ移動することもある。
地震と津波が同時に起きれば、道路も港も使えるとは限りません。複数の災害が重なる前提で計画を組む必要があるという点が、八幡浜市の防災行政のいちばん難しいところだといえます。
県が置いている前提
愛媛県総合計画も「増大するリスクに対処する体制づくり」を掲げ、南海トラフ地震や頻発化・激甚化する豪雨災害への対応を課題としています。県の令和8年度当初予算(一般会計)は7,827億2,000万円と過去最大の規模になり、防災・減災対策として庁舎の複合化や警察署庁舎の整備なども計上されました。
県と市が同じ方向を向いているからこそ、市の側で何を担うのかを自分の言葉で語れるかどうかが問われます。(出典:愛媛県の令和8年度当初予算)
POINT|避難の話は、時間と人で具体化する
防災について語るとき、想定の数字を挙げるだけでは足りません。「①どれだけの時間があるか → ②その時間で動けない人は誰か → ③行政はその人にどう関わるか → ④自分はどの部分を担いたいか」の順に並べると、抽象論から抜け出せます。
悪い例「南海トラフ地震に備えて、防災対策に力を入れたいです」
改善例「八幡浜市は津波が来るまでに1時間ほどあると想定されていると聞きました。ただ、市民の4人に1人が75歳以上ですから、その1時間で自力では動けない方が必ず出てきます。日ごろから誰がどこに住んでいるかを地域の方と共有しておく仕事に関わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
次の4つは、通読の対象というより、面接で引くための材料庫です。防災に触れるつもりなら2つ目と4つ目を先に開き、使えそうな一節に印をつけておくところから始めてください。
- 八幡浜市の職員採用試験の募集ページ(募集期間中に公開される区分ごとの案内)
- 八幡浜市公式サイトの総合計画と、地域防災計画・原子力災害対策編の現行版
- 八幡浜市の最新年度の当初予算と、市長の議会説明に関する資料
- 愛媛県地震被害想定調査と、内閣府の伊方地域の緊急時対応
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、八幡浜市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。八幡浜市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
八幡浜市役所の面接の概要
ここからは、八幡浜市役所の試験の組み立てと質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
八幡浜市役所の面接の流れ
八幡浜市の令和8年度の職員採用試験は、第1次試験と第2次試験の2段階で行われました。
市が種目まで公表しているのは一般事務職(初級)で、第1次に書類選考と筆記試験(教養試験・作文試験・適性検査)を置き、第2次を面接試験とする構成です。
書いたもので絞ってから、人物を見るという順番になっています。
| 項目 | 内容(令和8年度・一般事務職 初級) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験と第2次試験の2段階 |
| 採用予定数 | 1人程度 |
| 第1次試験の種目 | 書類選考および筆記試験(教養試験、作文試験、適性検査) |
| 第2次試験の種目 | 面接試験 |
| 申込方法 | 自治体求人サイト「パブリックコネクト」の八幡浜市採用情報ページからのインターネット申込み |
| 問い合わせ先 | 総務企画部 総務課 人事係 |
上記の種目は、八幡浜市が公表した令和8年度の一般事務職(初級)のものです。一般事務職A・Bなど他の区分の試験科目、面接の形式と回数、集団討論の有無、配点は、募集期間中に公開される区分ごとの案内でご確認ください。試験の構成や区分の設け方は、年度によって異なります。
令和8年度の合格者数から見える規模
令和8年度の第2次試験に合格したのは、一般事務職Aが5人、一般事務職Bが3人、管理栄養士が1人、保育士・幼稚園教諭が3人でした。合わせて12人という規模です。
市の職員が毎年この程度ずつ入れ替わっていくと考えると、一人ひとりに割り当てられる役割の大きさが想像しやすくなります。(出典:令和8年度八幡浜市職員採用試験 第2次試験合格者)
申込みが自治体求人サイト経由に変わっている点も、実務上は重要です。会員登録や入力項目の準備に時間がかかりますから、募集の開始前に手順を確認しておきましょう。(参考:八幡浜市職員(初級)の募集について)
八幡浜市役所が求める人物像
確認した八幡浜市の人事・採用情報のカテゴリと、募集・採用のカテゴリの掲載ページには、求める人物像にあたる定型の文言や、職員採用のパンフレット、人材育成の基本方針に該当するものが置かれていません。確認できる範囲では、公表された人物像を暗記して臨むという準備の仕方は、この市では取りようがありません。
そのぶん、選考の組み立てそのものが手がかりになります。第1次に書類選考と作文を置き、第2次で面接に絞る。
書いたものと話すことの一致を確かめやすい設計だと読めます。申込時に入力した内容は、面接の下敷きになる前提で書いておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。八幡浜市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどちらから来られましたか? | 移動の話から入る何気ない一往復。内容よりも、間の取り方と表情 |
| ② 動機・志望 | 民間企業も受けていますか? | 他の選択肢と並べたときの、志望の順位と理由の一貫性 |
| ③ 自己理解 | 長所を一つ挙げるとしたら何ですか? | 長所の申告そのものではなく、それを裏づける場面を持っているか |
| ④ 経験・行動 | 人に頼られて動いた経験を教えてください | 頼られたという事実ではなく、そのとき何を優先し、どこまでやったか |
| ⑤ 学業・経歴 | その専攻を選んだ理由を教えてください | 選択の理由を後付けでなく語れるか。学びと市の仕事のつながり |
| ⑥ 適性・将来 | この地域で長く働くイメージはありますか? | 同じ地域で働き続けることへの現実的な見通しと、その理由 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 地域の行事に参加した経験はありますか? | 地域社会との関わり方と、そこで自分が何を感じたか |
土台としては、この7分野で足ります。ただし土台である以上、ここで抜きん出るのは簡単ではありません。
八幡浜市の面接で印象が変わるのは、次に挙げる、市の条件を知らなければ手が出ない質問のほうです。
合否を分けるのは「八幡浜市役所ならでは」の質問
八幡浜市の条件を知らないまま臨めば、この2問には一般論しか返せません。だとすれば、津波と原子力という二重の条件を先に押さえた人だけが、この2問で具体的な話に入れることになります。
こうした質問に答えるための「八幡浜市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい八幡浜市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 津波避難にかけられる時間 | 八幡浜港の想定最大津波高8.7メートル、最大津波到達時間72分、30センチメートル浸水開始まで58分 | 1時間ほどあるという読み方と、その時間で動けない住民がいるという読み方を両方示します |
| 原子力防災 | 伊方発電所の重点区域のうちUPZに含まれる。PAZは伊方町の一部で人口4,888人、UPZは八幡浜市・大洲市・西予市・宇和島市・伊予市・伊方町・内子町と山口県上関町で人口108,336人 | 避難の考え方が津波とは異なることに触れ、計画を二重に持つ難しさとして語ります |
| 高齢化の進み方 | 高齢化率41.9%、75歳以上25.3%。県全体の34.2%・20.2%を大きく上回る | 数字を挙げたうえで、通院や買い物の足という日常の場面へ落とし込みます |
| 八幡浜市の魅力と課題 | 市の木はミカン。県資料は南予をみかんと養殖の産地と位置づけている | 産業の紹介で終わらせず、誰がその仕事を続けるのかという担い手の話まで踏み込みます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 令和8年度の第2次試験合格者は、一般事務職A5人・B3人を含めて計12人 | 組織の規模を、担当する仕事の幅と住民との距離に言い換え、自分の経験と結びます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、公表された人物像がない以上、書類と作文の内容に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 書いたことと話すことの一致 | 書類選考と作文を経てから面接に進む流れの中で、記述と発言がずれていないか | 申込時に入力した内容と作文の要旨を手元に残し、面接前に読み返して矛盾を潰しておく |
| この地域に腰を据える見通し | なぜ八幡浜市なのかを、生活者としての視点も含めて語れるか | 出身地であるかどうかにかかわらず、市の課題のうちどれに関わりたいかを具体的に決めておく |
| 非常時に動ける落ち着き | 想定と違う事態で、何を優先し、誰に確認したかを問う質問 | 予定が崩れた経験を一つ選び、そのときの判断の順番を時系列で書き出しておく |
令和8年度の第2次試験合格者は、全区分を合わせて12人でした。当研究会が注目しているのは、この12人に一般事務職だけでなく管理栄養士や保育士・幼稚園教諭が並んでいる点です。
専門職がそれぞれ数人という職場では、隣の担当が何を抱えているかが見えやすく、事務職の側も専門分野の相談に触れる機会が多くなります。大きな組織なら別の課へ渡す話が、ここでは同じ部屋の中で片づきます。
そこで効いてくるのは、どれだけ詳しいかではありません。初めて扱う制度を、初めて会う相手に説明する場面が必ず回ってきます。
相手に通じる言葉へ置き換えられるかどうかが、そこでは効いてきます。八幡浜市の場合、その説明の対象に災害が含まれます。
津波と原子力の両方について、平時から住民に伝える役回りが回ってくる可能性があります。
また、人口が3万人を切った市では、市役所は住民にとって遠い組織ではありません。応対の一つひとつが、そのまま役所全体の評判として受け取られます。
そこは覚悟しておいたほうがよいでしょう。加えて、八幡浜市の第1次には作文と書類選考が置かれています。
書いた文章と面接での話がずれていれば、必ずそこを突かれます。申込みの時点で書いたことを手元に残し、面接の答えをそこから伸ばしていく。
八幡浜市に向けた準備は、その順番で組むと無理がありません。
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自治体求人サイトの会員登録と入力項目を先に確認し、志望する区分の募集案内が出たらすぐ動けるようにしておく
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部と重点政策の章を読み返し、年齢構成、津波の想定時間、原子力防災の区域から、志望分野に近い事実を2つか3つ選んで自分の言葉に直す
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 申込時に書いた内容を読み返しながら、声に出して練習する。書いたことと話すことがずれていないかを、毎回確かめる
優先順位に注意
ステップ4と5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、八幡浜市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
八幡浜市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度の試験を前提にすると、八幡浜市は第1次と第2次の2段階で選考を行い、市が種目を公表している一般事務職(初級)では、書類選考と作文で絞ったうえで面接に進む形をとっています。書いたものが先にあり、そこから人物を確かめていく順番です。
だからこそ、申込みの時点で書く一文一文が、そのまま面接の土台になります。宇和海に面し、津波と原子力の二つの避難を抱えながら、みかんと養殖で成り立ってきたまち。
その条件のもとで働く自分の姿を、書類に落とす前に一度、声に出して確かめておいてください。