本記事では、大洲市職員採用試験の面接対策で必要な、大洲市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。試験情報は、令和7年度に大洲市が公表した区分と応募状況、および広報おおずに掲載された募集案内を基にしています。

大洲市役所の面接試験では、「なぜ大洲市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

大洲市は平成30年7月の豪雨で大きな被害を受け、その後に避難情報の出し方まで見直した市です。市の歩みを知っているかどうかは、答えの厚みに直結します。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と大洲市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

大洲市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは大洲市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 市域を肱川が貫き、その治水が市政の中心にある。上流に野村ダム、中流に鹿野川ダムを抱える流域の下流部にあたる。
  • 人口は3万8,198人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
  • 面積は432.09平方キロメートルと広く、人口密度は約88人/平方キロメートル。県全体の約225人/平方キロメートルの半分にも届かない。
  • 接しているのは八幡浜市・西予市・伊予市・喜多郡内子町・松山市の5市町(うち松山市とは伊予灘を挟んで接する)で、南予と県都側の双方に開いている。
  • 平成30年7月豪雨では市内で直接死4人・関連死1人の犠牲が出た。肱川の基準点である大洲第二水位観測所は、観測史上最高の8.11メートルを記録した。
  • 南海トラフ巨大地震では県が震度7を想定する7市の一つ。一方で市域の浸水面積は70ヘクタールで、県が浸水面積を示した14市町の中では最も小さい。
  • 高齢化率は38.9%、75歳以上の割合は22.6%。いずれも県全体(34.2%・20.2%)を上回る。
  • 市の花はツツジ。市役所は市の中心部、大洲に置かれている。

大洲市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「大洲市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

大洲市の場合、いちばん効くのは人口と面積の組み合わせです。広い市域に対して住んでいる人がどれだけか、という見方を持っておくと、このあとの章の話がつながります。

項目内容
総人口38,198人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積432.09平方キロメートル
人口密度約88人/平方キロメートル(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上人口1万4,874人(高齢化率38.9%、愛媛県34.2%)
うち75歳以上人口8,622人(22.6%、愛媛県20.2%)
隣接する市町八幡浜市、西予市、伊予市、喜多郡内子町、(海を隔てて)松山市
市の花ツツジ

人口と年齢別の人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」による令和8年1月1日現在の数値です。人口密度は同じ人口を面積で割って求めています。比較に用いた愛媛県の値も同じ調査の県計です。国勢調査や県の推計人口とは基準が異なりますので、それらの数値と並べて増減を論じることはできません。

数字から考えられる市政課題

人口3万8,198人に対して面積は432.09平方キロメートル。

県全体の4割ほどの人口密度で、道路・上下水道・公共交通・学校といった暮らしの土台を維持しなければならないのが大洲市の条件です。

同じ3万人台の市でも、市域が狭ければ施設を集約できますが、広い市域ではそうはいきません。維持にかかる手間と費用が、人口の割に大きくなります。

そこへ高齢化率38.9%が重なります。75歳以上が22.6%を占めており、県の平均より2.4ポイント高い水準です。

移動の足を持たない住民が増えるほど、広い市域は行政サービスの届けにくさとして表れます。この二つを結んで話せると、志望動機が具体的になります。

「大洲市は面積が430平方キロメートルを超えるのに、人口は3万8千人ほどです。1平方キロメートルあたり90人に届かない計算になりますので、道路や水道、それに移動の足をどう保つかが暮らしの土台だと思いました。65歳以上の方が4割近くまで増えていますから、その土台を守る側の仕事に関わりたいです」

大洲市の経済・産業

南予の入り口という位置

愛媛県の産業は地域ごとに性格が異なります。

県の資料は、南予の八幡浜・大洲圏域と宇和島圏域を日本一のみかんの産地と位置づけ、水産業でもたい・はまち・真珠などの養殖が盛んで全国有数の生産量を誇ると説明しています。

東予に集まる紙・パルプや造船、住友グループの工業都市圏とは、まったく違う産業の土台です。(出典:愛媛県の産業の特徴に関する県資料)

大洲市はその八幡浜・大洲圏域に含まれます。同時に、北は伊予市を挟んで県都に近く、伊予灘を隔てて松山市とも向かい合っています。

南予の一次産業圏と県都圏の両方に足をかけた位置にあることが、産業の話題を語るときの出発点になります。

肱川という地勢が決めてきたもの

大洲の市街地は、肱川の流れとともにあります。上流の野村ダム、中流の鹿野川ダムは、いずれも洪水調節の役割を負っており、その操作は下流の大洲市の水位に直結します。

平成30年7月豪雨のときには、野村ダム上流域で2日間に421ミリ、鹿野川ダム上流域で380ミリという計画規模を上回る雨が降りました。(出典:野村ダム・鹿野川ダムの操作に関わる検証等の場 とりまとめ|平成30年12月)

川は恵みでもあります。流域に開けた土地が農業を支え、市街地の形をつくってきました。

産業を語るときも防災を語るときも、大洲市では肱川が共通の背景になる、と押さえておきましょう。

県全体の観光と、隣の町並み

令和6年(1月から12月)の愛媛県内の観光客総数は2,304万2千人でしたが、観光消費総額は926億円と、前年の1,054億円から12.1%減っています。

人の数と落ちるお金が同じ方向に動いていないことが、県全体の課題として表れています。

隣接する喜多郡内子町の八日市護国は、昭和57年に重要伝統的建造物群保存地区へ選定された町並みで、こうした広域での回遊をどう組み立てるかも論点になります。(出典:愛媛県観光客数と消費額の調査|令和6年)

大洲市の主な行政課題

ここまでの数字と地勢を重ねると、大洲市が抱えている論点は自然と絞られてきます。面接で市の課題を問われたときに備えて、次の4点を押さえておいてください。

平成30年7月豪雨と、その後の見直し

愛媛県が令和5年6月1日時点でまとめた確定値では、平成30年7月豪雨による県内の犠牲者は直接死27人・関連死6人の計33人、重傷者35人、住家被害は全壊627棟・半壊3,118棟を含む6,663棟でした。このうち大洲市では直接死4人・関連死1人の犠牲が出ています。(出典:平成30年7月豪雨による愛媛県内の被害状況)

この災害は、大洲市の行政運営そのものを変えました。詳しくは重点政策の章で扱いますが、避難情報をいつ、どんな言葉で出すかという根本が問い直されています。

面接で防災に触れるなら、大洲市についてはここを外せません。

広い市域を、少ない人数で支える

人口密度は約88人/平方キロメートルです。集落が点在する形で、施設や路線を集約すれば済むという話にはなりません。

維持管理の対象は減らないのに、それを担う職員も、支える住民も減っていきます。

県の将来推計では、生産年齢人口が2020年の73万7,231人から2060年には37万3,840人へと49.3%減る見通しです。(出典:愛媛県の将来推計人口|令和5年公表)

高齢化率38.9%という水準

大洲市の高齢化率38.9%は、県全体の34.2%を4.7ポイント上回ります。75歳以上の割合も22.6%と県より高い。

愛媛県総合計画が現状と課題の第一に「人口減少・超少子高齢化は全国より深刻」と書いていますが、大洲市はその県平均よりさらに先を進んでいる、という位置づけになります。(出典:愛媛県総合計画 未来につなぐえひめチャレンジプラン)

担い手が集まらない区分がある

大洲市は職員採用試験の実施状況を公表しています。

令和7年度は、事務職Ⅰ(上級)が採用予定3人程度に対して応募20人、事務職Ⅱ(上級)が2人程度に対して18人と事務系には応募が集まりましたが、技術職の土木(上級)と建築(上級)にはいずれも応募がありませんでした。

追加募集をかけて、建築にようやく1人という結果です。専門職の欠員は、そのまま既存の職員の仕事量に乗ります。(出典:令和7年度 大洲市職員採用試験実施(応募)状況について)

大洲市の重点政策|肱川と向き合う治水と避難

大洲市の市政を貫いているテーマを一つ挙げるなら、肱川の治水と避難です。

平成30年7月豪雨のあと、国は「野村ダム・鹿野川ダムの操作に関わる情報提供等に関する検証等の場」を設けて4回にわたり審議し、平成30年12月にとりまとめを公表しました。

その中には、ダムの放流情報を考慮した避難情報の発令基準の見直しと、防災行政無線による緊急放送内容の見直しが、大洲市と西予市の取組として明記されています。

ダムと避難情報のあいだで起きたこと

豪雨の当日、野村ダムでは洪水貯留準備操作によって洪水調節容量を従来の350万立方メートルから600万立方メートルまで拡大して防災操作を行いました。

それでも容量を使い切り、操作規則に基づいて異常洪水時防災操作へ移行しています。

ダムへの流入量は野村ダムで毎秒1,942立方メートル、鹿野川ダムで毎秒3,800立方メートルと、いずれも過去最大を大きく上回りました。

肱川の基準点である大洲第二水位観測所は、観測史上最高の8.11メートルを記録しています。

ここから読み取れるのは、ダムがあれば安全という話ではないということです。容量には限りがあり、それを超えたときに何が起きるかを住民へどう伝えるか。

避難情報の基準と無線の言い回しを見直したのは、まさにその部分です。行政の仕事が、施設の管理だけでなく、伝え方の設計まで含むことがよく分かる事例だといえます。

工事として動いていること

制度の見直しと並行して、土木の側でも対策が進みました。

鹿野川ダム下流の国管理区間と県管理区間(菅田地区)では、平成30年9月から河川激甚災害対策特別緊急事業による河川整備に着手しています。

とりまとめには、肱川緊急治水対策として堤防整備等とあわせ「より効果的なダム操作」を段階的に進める方針も明記されました。

鹿野川ダムではトンネル洪水吐等の改造事業が行われ、令和元年6月に完成して運用されています。

地震のリスクは、形が違う

水害と並んで押さえておきたいのが地震です。愛媛県が令和7年9月に公表した地震被害想定調査の中間報告では、大洲市は震度7が想定される7市の一つとされました。

ところが南海トラフ巨大地震による市域の浸水面積は70ヘクタールで、県が浸水面積を示した14市町の中では最も小さい値です。

内閣府が令和7年3月に公表した市町村別の最大津波高の一覧でも、大洲市は4メートルとされています。(出典:愛媛県地震被害想定調査 中間報告|令和7年9月)

つまり大洲市のリスクは、揺れと川の水害が主で、津波の想定は宇和海沿岸の市町ほど大きくありません。同じ愛媛県内でも、備えの重点が置かれる場所は市によって違います。

この違いを説明できると、志望先を自分で調べたことが伝わります。

POINT|災害の話は、被害の数字で終わらせない

面接で豪雨に触れるとき、犠牲者数や水位を挙げただけで話を切ると、資料をなぞっただけに聞こえます。「①何が起きたか → ②行政は何を変えたか → ③その変更は誰に届くのか → ④自分はどの部分に関わりたいか」の順に並べ直すと、志望動機の形になります。

悪い例「平成30年の豪雨で大洲市は大きな被害を受けたので、防災に力を入れたいです」

改善例「あの豪雨のあと、大洲市は避難情報を出す基準と、防災行政無線で流す言葉を見直したと聞きました。決めた基準を住民の方に伝わる形にするところまでが行政の仕事だと思いますので、地域の集まりに出て説明する側の仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

下の4つは、通読して覚えるための資料ではありません。豪雨と治水に関心があるなら4つ目から、市政全体をつかみたいなら2つ目から、というように自分の関心に近いところだけを開き、面接で口に出せる長さに縮めておけば足ります。

  • 大洲市の職員採用試験の受験案内(募集期間中に公開される最新のもの)と、実施状況のページ
  • 大洲市公式サイトに掲載されている総合計画と、地域防災計画の現行版
  • 大洲市の最新年度の当初予算と、市長の議会説明に関する資料
  • 野村ダム・鹿野川ダムの操作に関わる検証等の場のとりまとめ(国土交通省四国地方整備局)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、大洲市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。大洲市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

大洲市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

大洲市役所の面接の概要

ここからは、大洲市役所の採用の入り口と質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

大洲市役所の採用の入り口

大洲市が公表している採用関連の資料のうち、受験を考える段階でいちばん役立つのは実施状況です。区分ごとに、採用予定数と実際の応募者数が並べられています。

試験区分採用予定数応募者数
事務職Ⅰ(上級)3人程度20人
事務職Ⅱ(上級)2人程度18人
技術職 土木(上級)2人程度応募なし
技術職 建築(上級)1人程度応募なし
保育士・幼稚園教諭3人程度8人
保健師3人程度4人
事務職(初級)2人程度5人
技術職 土木(初級)2人程度1人

上記は、大洲市が公表した令和7年度職員採用試験の実施(応募)状況です。このほかに追加募集が行われ、技術職 土木(上級)は2人程度の募集に応募なし、技術職 建築(上級)は1人程度の募集に応募1人という結果でした。試験の段階構成・面接の形式・配点は、募集期間中に公開される受験案内でご確認ください。区分の設け方や採用予定数も、年度によって変わります。

数字の読み方は二通りあります。事務系には志望者が集まっており、採用予定に対する倍率は決して低くありません。

一方で技術職には応募が届かない年がある。職種によって競争の質がまったく違う市だということです。

事務職を志望するなら、選考は相応に絞られる前提で準備を組んでおきたいところです。

「総合適性検査枠」という入口

大洲市の募集で目を引くのが、区分によって入口が分けられていることです。

広報おおずに掲載された募集案内では、事務職Ⅱ(上級)、事務職Ⅲ(ICT・デジタル枠)、技術職 土木(上級)、技術職 建築(上級)に印が付され、「※は総合適性検査枠(公務員試験対策は不要)です」と注記されています。

同じ案内の中で、事務職Ⅰ(上級)にはこの印がありません。(出典:広報おおず 令和7年4月1日採用の職員募集案内)

公務員試験の科目を前提としない枠を用意するということは、その枠では知識の蓄積以外の何かを見るということです。受験する枠によって準備の配分が変わりますから、申し込む前に自分がどちらの入口に立つのかを確かめておきましょう。

大洲市役所が求める人物像

大洲市の採用情報として現在公開されているのは、令和7年度試験の実施状況と、広報おおずに掲載された募集案内です。これらの資料には、求める人物像にあたる決まった一文は掲げられていません。

募集期間中に公開される受験案内で、市が示す最新の記載を確認してください。

公表文言がない場合でも、手がかりがなくなるわけではありません。

公務員試験対策を前提としない枠を設けていること、災害を経て制度の運用を見直してきたこと、区分によっては担い手が集まりにくいこと。

この3つは、市が職員に何を期待しているかを推し量る材料になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。大洲市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク昨夜はよく眠れましたか?張り詰めた空気の最初をどう受けるか。内容よりも、返し方の自然さ
② 動機・志望公務員を志望した理由を教えてください職業選択の理由が、自分の暮らしや経験と地続きになっているか
③ 自己理解周りの人からは、どんな人だと言われますか?自己認識と他者からの評価のずれを、自分で把握できているか
④ 経験・行動チームで意見が割れたとき、どう動きましたか?対立の場面での役割の取り方と、折り合いのつけ方
⑤ 学業・経歴これまでで最も時間をかけて取り組んだ学びは何ですか?どこまで深く入り込んだかと、それを順序立てて説明する力
⑥ 適性・将来10年後、どんな仕事をしていたいですか?配属が変わることを前提にした職業観と、市役所の仕事の幅への理解
⑦ 公共性・社会性行政に関する話題で、気になったものはありますか?制度や政策の話を、自分の言葉で噛み砕いて話せるか

ここまでは、受験先がどこであっても準備してくる領域です。つまり、7つを埋めた時点では他の受験者と横に並んだにすぎません。

大洲市の面接で印象に残るかどうかを決めるのは、この先に挙げる、市を調べていなければ手が出ない質問のほうです。

合否を分けるのは「大洲市役所ならでは」の質問

「なぜ愛媛県庁ではなく、大洲市役所なのですか?」
「大洲市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

大洲市について何も調べずに臨めば、この2問はその場で言葉が出ません。だからこそ、豪雨のあとに市が何を変えたかを一つ知っているだけで、答えの重さが他の受験者と変わってきます。

こうした質問に答えるための「大洲市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい大洲市の事実答え方のヒント
平成30年7月豪雨と、その後市内で直接死4人・関連死1人。肱川の大洲第二水位観測所は観測史上最高の8.11メートルを記録した被害の数字で止めず、避難情報の発令基準と防災行政無線の内容が見直されたところまで話をつなげます
なぜ県庁ではなく市役所か令和7年度は事務職Ⅰ(上級)の採用予定3人程度に対し応募20人。技術職の土木と建築には応募がなかった組織の規模を、担当する仕事の幅と住民との距離に言い換え、自分の経験と結び付けます
大洲市の魅力と課題面積432.09平方キロメートルに人口3万8,198人。人口密度は約88人/平方キロメートル広い市域を少ない人数で支える形を押さえ、暮らしの土台を維持するという角度から語ります
災害リスクの形県の中間報告では震度7が想定される7市の一つ。一方で浸水面積70ヘクタールは、県が示した14市町で最小揺れと川の水害が主で、津波の想定は限られるという違いを、他市と比べながら説明します
試験の入口募集案内は一部の区分に「※は総合適性検査枠(公務員試験対策は不要)です」と注記している知識の量だけで測られない入口があると理解し、経験を語る準備に時間を配ったと伝えます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、大洲市が職員に何を期待しているかに照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
場面が変わっても崩れない受け答え用意していない角度から聞かれたときに、考えながらでも話を進められるか知識の暗記より、自分の経験を三つの長さ(10秒・30秒・1分)で語り分ける練習をしておく
想定外の事態での動き方予定どおりに進まなかった場面で、何を優先し、誰に相談したか計画が崩れた経験を一つ選び、判断の順番を時系列で書き出しておく
手が足りない場面での引き受け方担当外のことを引き受けた経験や、抜けた穴を埋めた経験があるか「頼まれたから」で終わらせず、なぜ自分がやると決めたのかまで言えるようにする

令和7年度は、技術職の土木と建築に応募が届きませんでした。追加募集をかけて、建築にようやく1人です。

専門職の空きが埋まらない年があるとすれば、その分の仕事はどこかへ回ります。これは当研究会の推論ですが、回る先は周りの職員の手元でしょう。

事務職で採用された人が、専門外の分野の窓口や関係機関との調整を受け持つ場面も出てきます。

この構図を前提にすると、面接が見ようとするのは知識の量ではなくなります。前例のない相談を持ち込まれたときに、どこまで自分で抱え、どこから人を頼るか。

その線引きをどう決めてきたかを自分の体験で話せるかどうか。当研究会はそこが分かれ目になると読んでいます。

大洲市の場合、その未経験の筆頭が災害対応にあたります。避難情報の基準を作り直すのも、作り直した後にそれを住民へ説明するのも、同じ規模の組織が担っています。

広い市域に3万8千人が散らばっているぶん、行政と住民の関係は一回で終わりません。一度の対応が丁寧だったかどうかが、次の相談のしやすさを左右します。

そして大洲市は、一部の区分に公務員試験対策は不要と添えた枠を用意している市です。知識の量を競わせない入口を設けている相手に、その場だけ通用する受け答えを用意しても長くはもちません。

これまでの自分の行動を、大洲市の仕事の場面に置き換えて語れるかどうかに、準備の重心を置くのが得策です。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 募集期間中に公開される受験案内を入手し、自分が受ける区分が総合適性検査枠かどうかと、試験の段階・種目・配点を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. この記事の第1部と重点政策の章を読み返し、豪雨後の見直し、人口と面積の関係、地震の想定から、志望分野に近い事実を2つか3つ選んで自分の言葉に直す
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習する。予定どおりに進まなかった経験については、判断の順番を掘られる前提で、返しを書き足していく

優先順位に注意

ステップ4と5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間が限られるときは、ステップ2で集めた経験と、それが大洲市の仕事のどこに生きるのかを考える作業を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、大洲市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

大洲市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

大洲市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和7年度の実施状況を見るかぎり、大洲市の事務職には採用予定を大きく上回る応募が集まっています。

試験の段階や配点は募集期間中の受験案内で確かめる必要がありますが、区分によっては公務員試験対策を前提としない枠が設けられた回があることまでは、市の募集案内から分かります。

つまり、知識をどれだけ積んだかではなく、これまで何をしてきた人なのかが問われる場面が確実にあるということです。肱川とともに歩んできたまちが、豪雨のあとに何を変えたのか。

そこを市の資料で読み込んだうえで、自分のどの経験がこの市の仕事につながるのかを、具体的な場面つきで話せるようにしておきましょう。