四国中央市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

四国中央市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ四国中央市消防本部なのか」「新居浜市別子山地区への救急業務の一部受託をどう理解しているか」といった、組織の管轄そのものへの理解を前提とする質問が想定されます。製紙産業が集積する管内の産業特性や、市域を越えた救急業務の受託関係を知っておくことで、一般論に終わらない受け答えがしやすくなります。

ここでの整理を出発点に、四国中央市消防本部で働くイメージを自分の言葉にしていきましょう。

第1部|組織研究編

四国中央市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは四国中央市消防本部の全体像を把握しておきましょう(時間のない方はここだけでもチェック)。

  • 四国中央市が単独で設置する消防本部だが、救急業務については平成15年の合併時から新居浜市別子山地区の一部を受託しており、管轄を四国中央市のみと言い切ることはできない。設置団体(四国中央市)と受託先(新居浜市別子山地区)を区別して理解する必要がある。
  • 平成27年4月1日の機構改革で消防防災センターの運用を開始し、川之江分署・土居分署を東分署・西分署に改称して1本部1署2分署2分遣所体制となった。
  • 消防吏員は138人(うち女性1人・令和7年4月1日現在、総務省消防庁)である一方、市の消防年報が示す職員配置は136人(本部19・本署59・東分署21・西分署21・新宮分遣所8・嶺南分遣所8)と、定義の異なる別の集計として示されている。階級別では消防監1人から消防士34人まで幅広く配置されている。
  • 消防防災センターはRC造5階建で、市内公共施設で初めての基礎免震構造施設である。1階に体験型学習施設「防災学習コーナー」、3階に高機能消防指令センター、4階に市災害対策本部室を備える。付属棟には濃煙熱気訓練室や災害用備蓄倉庫、主訓練塔には各種救助訓練設備を設けている。
  • 管内の危険物施設は534施設にのぼり、うち第4類(引火性液体等)が505施設を占める。製紙産業の集積によるコンビナート的な性格を持つ。
  • 令和6年中の出動は火災23件・救急4,656件・救助35件で、救急が出動全体の大部分を占めている。救助35件のうち交通事故が18件(全体の51.4%)と最も多い。
  • 消防職員の平均勤続年数は16年0月、平均年齢は38.0歳(令和7年4月1日現在)で、車両等の保有数は本部・本署・分署・分遣所をあわせて31台である。

四国中央市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、四国中央市消防本部のおおよそのスケール感を知っておくことは大切です。

下の表には、管内人口・組織体制・出動件数を集めました。

項目内容
管内人口約8万人(79,536人・住民基本台帳人口、令和8年1月1日現在)
高齢化率34.7%(同時点、75歳以上率20.3%)
管轄面積421.24km²(令和7年3月31日現在・消防年報)
世帯数38,658世帯(同時点)
組織体制1本部1署2分署2分遣所(本署・東分署・西分署・新宮分遣所・嶺南分遣所)
消防吏員数138人(うち女性1人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数23件(令和6年中)
救急出動件数4,656件(令和6年中)
救助出動件数35件(令和6年中)
危険物施設数534施設(令和7年3月31日現在)

管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する消防本部データ、管轄面積・世帯数・組織体制・危険物施設数は四国中央市消防本部「消防年報」(令和6年版)によります。管轄面積・世帯数は令和7年3月31日現在、消防吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中の集計で、基準となる時点が異なる点にご注意ください。(出典:総務省消防庁が公表する消防本部データ|令和7年4月1日現在/消防年報|四国中央市消防本部(令和6年版))

数字から考えられる四国中央消防の課題

最初に押さえたいのが、火災23件に対して救急が4,656件という開きです。件数の差は200倍を超えており、消防の仕事の大部分を救急対応が占めている実態が数字に表れています。

令和6年中の救急出動は1日平均12.7件(前年12.1件)のペースで、管内住民18.9人に1人が救急車で搬送された計算になります。

搬送人員は4,280人、高速自動車道における救急出動も30件(搬送人員34人)にのぼり、愛媛県ドクターヘリの出動要請32件のうち23件が実際に出動しています。

138人という体制でこの需要を支えていることを押さえておきましょう。

「四国中央市消防本部では、令和6年中の救急出動が4,600件を超えると聞きました。火災の200倍を超える数字を見ると、消防の仕事のうち救急にあたる時間がとても大きな割合を占めているのではと感じています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 四国中央市の「パルプ・紙・紙加工品製造業」の製造品出荷額等は6,082億4,940万円(2023年実績)で全国市町村1位。平成16年の市町村合併以降、20年連続で日本一を維持している。
  • 管内には危険物施設が534施設あり、うち引火性液体等を扱う第4類が505施設を占める。製紙産業の集積によるコンビナート的な性格を持つ管轄である。
  • 四国中央市は宇摩地区市町村圏組合消防本部の発足以来、昭和48年以降で令和5年に最少の火災9件を記録したが、令和6年は23件(約2.5倍)に増加した。
  • 令和6年中の火災による焼損床面積は1,326平方メートル、り災人員は34人で、死者1人・負傷者6人が生じている。

つまり四国中央市消防本部は、全国1位の製紙産業が集積する工業地域の危険物リスクと、後述する南海トラフ巨大地震のリスクの両方に向き合う本部だと整理できます。(出典:2024年経済構造実態調査|四国中央市(令和7年8月29日公表)/消防年報|四国中央市消防本部(令和6年版))

南海トラフ巨大地震のリスク(令和7年公表の新想定)

愛媛県は令和7年9月2日、地震・津波被害想定の中間報告を公表しました。四国中央市は県内で震度7が想定される7市の一つで、市町別の浸水面積(1cm以上)は726ヘクタールとされています。(出典:愛媛県地震被害想定調査|中間報告・令和7年9月2日公表/愛媛県地震被害想定調査|市町別浸水面積・中間報告)

製紙産業が集積し危険物施設534施設を抱える管内で震度7・浸水面積726ヘクタールという想定が示されている点は、単なる建物被害だけでなく、工場火災や危険物流出といった複合的なリスクを想像させます。

内閣府が公表する市町村別ケース別の最大津波高(満潮位・地殻変動考慮・11ケースの最大値、令和7年3月31日公表)では、四国中央市は松山市・今治市・新居浜市・西条市・上島町とあわせて4メートルとされており、地震・水害への備えと、産業集積地ならではの予防行政の両方が、この本部の災害対応を特徴づけています。

主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、四国中央市消防本部がいま向き合っている課題が見えてきます。面接で課題を問われたときに取り出せるよう、次の4点にまとめました。

救急需要の増加

全国でも救急の出動は増え続けています。令和6年中の救急自動車の出動件数は、全国で771万8,380件(確定値)にのぼりました。

四国中央市消防本部の令和6年中の救急出動4,656件もこの流れの中にあり、管内の高齢化率は34.7%(令和8年1月1日現在)と高い水準にあります。

高速自動車道上の救急出動やドクターヘリとの連携も含め、広域応援も見据えた救急体制の理解が問われます。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

予防・危険物対策

管内には危険物施設が534施設あり、うち引火性液体等を扱う第4類が505施設(製造所2・貯蔵所331・取扱所201)を占めます。

令和6年中の火災は前年(過去最少の9件)から23件へと約2.5倍に増加し、損害額4,264万円・焼損棟数37棟・り災世帯16世帯という被害が生じましたが、前年より損害額が4億3,952万9千円減少しており、消防年報は前年に発生した大規模な工場火災のような事案がなかったことを要因として挙げています。

製紙産業の集積地ならではの予防行政の重要性がうかがえます。

大規模災害への備えと広域の消防連携

全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が緊急消防援助隊に登録されており、四国中央市消防本部もその一員です。震度7・浸水面積726ヘクタールという県内有数の被害想定に加え、新居浜市別子山地区への救急業務の一部受託という市域を越えた連携関係も担っている点は、この本部の大規模災害対応を特徴づけています。(出典:緊急消防援助隊|消防庁)

人材確保と女性消防吏員の活躍

四国中央市消防本部の消防吏員138人のうち女性は1人で、割合は約0.7%です。

全国では消防吏員168,230人のうち女性は6,386人・約3.8%にとどまっており(令和7年4月1日現在)、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げていますが、達成には全国的にまだ距離があります。

四国中央市消防本部の水準はこの全国平均を大きく下回っており、多様な人材をどう確保していくかは重要なテーマだといえます。(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

重点方針|四国中央市消防本部の採用試験の設計

四国中央市は「人を育て、人を活かす。~新たな組織マネジメントの構築~」と題する人材育成基本方針(平成19年4月策定)を公表していますが、策定から約19年が経過しており、消防職を含む現行の「求める人物像」として断定的に扱うことは避けます。

方針には「意識改革・行動改革に向けた施策の実行」「個性と能力を伸ばせる組織づくり」というコンセプトが示されています。ここでは、より直接的な手がかりとなる採用試験の設計から、本部の方向性を読み解いていきます。

消防職は「A日程(一般事務職・学芸員・消防職)四国中央市職員採用試験」の一区分として、四国中央市総務部人事課が実施します。第1次試験は教養試験のみで専門試験は課されず、第2次試験は性格検査(WEB方式)・PRシート作成・個人面接試験・作文試験・消防職のみの体力試験(種目は非公表)という5つの試験で構成されます。

消防職の職務内容は実施要綱に「消防業務及び救急救命業務に従事する。」と明記されています。

受験資格にも消防職ならではの特徴があります。

上級区分は平成9年4月2日から平成17年4月1日までに生まれ、普通自動車免許を取得(見込)した4年制大学の卒業(見込)者が対象ですが、中級区分は平成9年4月2日以降に生まれ、救急救命士資格を持つ者、または令和8年度末までに国家試験受験資格を得て同年度中に受験見込みの者が対象で、大学卒業(見込)者は中級を受験できません。

実施要綱には「消防職は、業務上、準中型自動車を運転する機会があるため、準中型免許の取得を検討してください」との注記もあります。

第1次試験の会場は四国中央市消防防災センター3階大会議室で、応募人数によっては変更する場合がある旨も注記されています。(出典:四国中央市職員採用試験(A日程)実施要綱|令和8年度)

POINT|古い方針ではなく、試験の設計そのものから人物像を読む

19年前に策定された人材育成基本方針の文言をそのまま志望動機に使うのは避けましょう。それよりも、上級・中級で受験資格が明確に分かれ、PRシートと個人面接、作文まで課す丁寧な選考設計から、どのような資質が求められているかを自分なりに考えることが重要です。

悪い例「体力に自信があるので、消防吏員を志望します」

改善例「大学の実習で救急救命士の活動に同行し、限られた時間の中で的確な判断を重ねる姿を見てきました。四国中央市消防本部は製紙産業が集積する地域を管轄し、救急需要も大きいと知り、この経験を活かして地域の安全に貢献したいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

四国中央市職員採用試験(A日程)の実施要綱と、四国中央市消防本部の消防年報をあわせて読むと、試験の設計と組織の実態の両方を具体的にイメージしやすくなります。

  • 四国中央市職員採用試験(A日程:一般事務職・学芸員・消防職)実施要綱
  • 四国中央市消防本部「消防年報」(令和6年版)
  • 総務省消防庁が公表する四国中央市消防本部の吏員数・出動件数データ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、四国中央市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。四国中央市消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

四国中央市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

四国中央市消防本部の面接の概要

ここからは、四国中央市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

四国中央市消防本部の面接の流れ

消防職の採用試験は、四国中央市職員採用試験(A日程)の一区分として実施されます。第1次試験は教養試験のみ、第2次試験は個人面接試験を含む5種目で人物・適性を総合的に確かめる二段階制です。

項目内容(令和8年度・A日程〈消防職〉)
試験区分消防職(上級2人程度・中級3人程度)。上級は大学卒業(見込)者、中級は救急救命士資格関連者が対象
第1次試験教養試験のみ。専門試験は課されない
第2次試験性格検査(WEB方式)・PRシート作成・個人面接試験・作文試験・体力試験(消防職のみ、種目は非公表)
面接の種類個人面接試験(全職種共通)。集団討論等の実施は確認できず
試験結果の通知第1次試験の受験者全員に、合否・本人の得点及び合格基準点を通知
配点公表されていません。最新の受験案内でご確認ください

上記の試験構成は、四国中央市が公表した令和8年度A日程の職員採用試験実施要綱にもとづく消防職のものです。試験の構成・区分・配点等は年度によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

注目してほしいのは、上級と中級で受験資格そのものが分かれている点です。中級区分は救急救命士資格の保有、または国家試験の受験見込みが条件で、大学卒業見込者は受験できません。

自分がどちらの区分に該当するのかを、早い段階で正確に把握しておく必要があります。

四国中央市消防本部が求める人材

四国中央市消防本部については、消防職向けに現行の「求める人物像」を明文で公表した資料が2026年9月時点で見当たりません(当研究会調べ)。手がかりになるのは、138人という吏員数で1本部1署2分署2分遣所を運営する組織の規模感と、性格検査・PRシート・個人面接・作文という手厚い第2次試験の設計です。

署所の数が絞られているぶん、一人ひとりの職員が消火・救急・予防・総務といった複数の持ち場を経験年数とともに幅広く担いやすい構造だと考えられます。

特定の分野だけを極めたいという志向よりも、どの持ち場に配属されても学び直して務める柔軟さと、少人数の当直チームで長い時間をともにするうえでの協調性が、面接でも意識されやすいポイントです。

想定される人物像に自分を寄せるのではなく、これまでの経験のどこがこの規模の組織で活きるのかを見きわめて、そこから語り始めることを考えてみてください。中級区分が救急救命士資格を条件としていることからも、専門性を持った人材を積極的に迎え入れる姿勢がうかがえます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。四国中央市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやってこの会場まで来ましたか?緊張をほぐす何気ない話題に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ四国中央市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と四国中央という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴今の進路を選んだ理由を教えてください進路選択の筋道。自分の決断を順序立てて説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この7カテゴリーの見取り図は準備の出発点にすぎません。四国中央市消防本部ならではの選考を突破するには、この本部固有の事情を踏まえた質問への備えが欠かせません。

合否を分けるのは四国中央市消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官なのですか?」
「製紙工場が集まる四国中央市で、消防はどのような災害に備えていると思いますか?」

製紙工場が集まる管内で何に備えるかという問いは、地震や水害の話だけで終わらせると浅くなります。危険物施設534施設のうち505施設が第4類という管内の姿まで踏み込めるかどうかで、答えの説得力が変わります。

産業の集積がそのまま備えるべき対象になっているという構図を、押さえておきましょう。面接で使いやすい「四国中央市消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい四国中央市消防本部の事実答え方のヒント
想定される災害(地震)県内で震度7が想定される7市の一つで、浸水面積は726ha(詳細は第1部3章)数字だけでなく、危険物施設534施設を抱える管内であることまで結び付けて話す
予防・危険物対策製紙産業の集積で危険物施設534施設(うち第4類505施設)を抱える(詳細は第1部4章)火災件数の推移まで理解したうえで、予防行政の重要性を自分の言葉で説明する
救急需要の増加令和6年中の救急出動は4,656件で、火災23件の200倍を超える(詳細は第1部2章・4章)数の大きさに触れるだけでなく、高齢化率34.7%という背景まで結び付けて話す
広域の消防連携救急業務については新居浜市別子山地区の一部を受託している(詳細は第1部1章)設置団体と受託先の関係を正確に理解していることを、落ち着いて伝える
試験の設計第1次は教養試験のみ、第2次は個人面接試験を含む5種目(詳細は第2部1章)上級・中級で受験資格が異なる点まで理解していることを示す

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

四国中央市の職員採用試験は、第1次試験の得点及び合格基準点を受験者全員に通知していますが、第2次試験の配点は公表されていません。性格検査・PRシート・個人面接・作文という4種目で人物を多面的に確かめる構造から、評価の観点を整理しました。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自己理解の一貫性性格検査・PRシートの内容と、個人面接での受け答えに矛盾がないかPRシートに書く内容を、面接でも同じ軸で語れるように事前に整理しておく
文章と口頭の両方で伝える力作文試験と個人面接の両方で、自分の考えを筋道立てて説明できるか作文で使ったエピソードを、面接でも口頭で説明できるよう練習しておく
組織の一員としての姿勢限られた人員体制の中で、持ち場を越えて協力しながら動けるか少人数のチームで役割分担をした経験を、具体的なエピソードで用意しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. A日程の実施要綱を読み、自分が該当する区分(上級・中級)の受験資格を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、集団の中で役割を果たした具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、PRシート・作文で使う内容と個人面接の受け答えの一貫性を確認する。体力試験に向けた体づくりと、業務上必要とされる準中型免許の取得検討も並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で四国中央市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、四国中央市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

四国中央市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

四国中央市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

四国中央市消防本部は、平成27年の機構改革で消防防災センターを拠点とする1本部1署2分署2分遣所体制を整え、138人の消防吏員で管内の暮らしを支えている組織です。

職員の平均勤続年数は16年0月、平均年齢は38.0歳で、経験を積んだ職員が現場を支えています。

採用試験は教養試験のみの第1次に続き、個人面接試験・PRシート・作文まで課す第2次試験で人物を多面的に確かめる構成となっています。

管内は全国1位の製紙産業が集積し危険物施設534施設を抱える一方、震度7・浸水面積726ヘクタールという地震想定も示されており、救急業務では新居浜市別子山地区の一部も受託しています。

管轄をめぐるこうした事情は、四国中央市消防本部でしか語れない固有の材料です。

組織の体制と管内が抱えるリスクの両方を自分の言葉で説明できるようにしたうえで、これまでの経験のどこがこの組織で活きるのかを、面接の場でしっかり伝えてください。準備を重ねた分だけ、当日の受け答えに厚みが出るはずです。