本記事では、愛媛県職員採用試験の面接対策で必要な、愛媛県の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

愛媛県庁の面接試験では、「なぜ愛媛県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。面接では、覚えた知識をそのまま述べるのではなく、県の課題と自分の経験を結び付けて語れるかどうかが見られます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と愛媛県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

愛媛県の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは愛媛県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 県庁所在地は松山市。四国の北西部に位置し、北は瀬戸内海、南西は宇和海に面する。徳島県、香川県、高知県と山地を隔てて接し、海を挟んで広島県や大分県とも向き合う。
  • 人口は約124.7万人と四国4県で最も多いものの、昭和60年の約153万人をピークに減少が続いている(総合計画の現状認識)。
  • 県土は5,676km²で全国26位。瀬戸内海と宇和海に面し、入り組んだ海岸線の延長は1,695kmと全国5位の長さがある。
  • 背後に西日本最高峰の石鎚山(標高1,982m)がそびえ、森林が県土の約71%を占める自然豊かな地勢である。
  • 東予・中予・南予の三つの地域に大きく分かれ、産業や風土がそれぞれ異なる。東予はものづくり、中予は県都松山を核とする都市機能とサービス、南予は柑橘や水産養殖が地域を支える。
  • 交通面では、瀬戸内しまなみ海道が今治と広島県尾道を結び(平成11年5月全通)、松山空港は国内10路線が就航して四国内で最も便数が多い(2023年1月時点)。
  • 道後温泉やサイクリングで知られるしまなみ海道など観光資源に恵まれ、令和6年の観光客数は延べ約2,304万人にのぼる。
  • 県財政は地方交付税に依存する構造で、余裕のある状況ではない。財政力指数は0.4205(令和5年度)と1を大きく下回り、人口減少に伴う税収基盤の縮小と、防災や老朽インフラ更新などの歳出増が同時に見込まれている

愛媛県の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「愛媛県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、県土の広さ、高齢化の状況、財政の姿など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口約124.7万人(全国28位)
65歳以上人口の割合(高齢化率)34.00%(令和7年度)
総世帯数約60.1万世帯
総面積5,676km²(全国26位)
海岸線の延長1,695km(全国5位)
森林率県土の約71%
県庁所在地松山市
財政力指数0.4205(令和5年度)

総人口と世帯数は愛媛県の推計人口(令和8年6月1日現在)、全国順位は令和2年国勢調査を基にした県公式紹介値、高齢化率は令和7年度の県高齢者人口統計、財政力指数は令和5年度の総務省財政状況資料集による数値です。

数字から考えられる県政課題

愛媛県の人口は現在も四国で最も多い一方、減少のスピードは全国平均より速いとされています。総合計画は、直近5年間の人口減少率が過去最大の3.64%に達したこと、県独自の推計で2060年には約78万人まで減る見通しであることを、最重要課題に位置づけています。

高齢化率もすでに34.00%(令和7年度)に達し、生産年齢人口の急速な減少が見込まれています

とりわけ深刻なのが働き手の減少です。県の将来推計では、生産年齢人口(15〜64歳)が2020年の約73.7万人から2060年には約37.4万人へとほぼ半減(49.3%減)する見通しで、地域経済の担い手や行政サービスの支え手をどう確保するかが問われます。

直近でも、令和8年6月の1か月間の人口動態は死亡が出生を上回る自然減が主因となっており、若い世代の県内定着と、医療・介護を含む暮らしの体制づくりを併せて考える必要があります。

たとえば面接では、愛媛県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「愛媛県は人口が124万人ほどで、四国では一番多い県ですけれども、この5年ほどで3%を超える減り方をしていると聞きました。数の多さよりも、減っていくスピードにどう向き合うかが大事になると感じています」

愛媛県の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 産業は地域ごとに主力が分かれ、東予はものづくり、中予は都市機能とサービス、南予は農林水産業が中心となっている。
  • 東予では、今治のタオルと造船、四国中央市(宇摩地域)の紙・パルプ、新居浜・西条の住友グループ系の素材産業が集積している。
  • 南予では、みかんをはじめとする柑橘の生産が全国有数で、たいやはまち、真珠などの養殖も盛んである。
  • 観光では、令和6年の観光客数が延べ約2,304万人、観光消費額が926億円で、道後温泉やしまなみ海道が主要な集客資源となっている。

つまり、「一つの大産業に頼るのではなく、地域ごとに異なる主力産業が集まる分散型の構造」を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(参考:愛媛県の地域産業に関する資料

農林水産業

南予地域は日本一のみかんの産地として知られ、八幡浜・大洲・宇和島の各圏域を中心に柑橘栽培が盛んです。県は「柑橘類のブランド化」を成長戦略の一つに掲げ、県産品の販売力強化を進めています。

宇和海ではたい、はまち、真珠などの養殖業が発達し、全国有数の生産量を誇ります。面接で一次産業の話題に触れるなら、「柑橘と養殖」という愛媛ならではの強みを、担い手不足や価格変動、輸出の可能性といった論点とセットで語れるようにしておきましょう。

ものづくり産業

東予地域は四国有数の工業地帯です。今治は全国一のタオル産地であり、造船業の集積地でもあります。

四国中央市は紙・パルプの日本有数の産地で、新居浜・西条は住友グループの企業城下町として素材・化学工業が発展してきました。造船や海運は瀬戸内海の要衝という地の利を背景に育った産業であり、「海」を軸とした産業の広がりも愛媛らしさの一つです。

志望動機で産業振興を語るなら、こうした地場産業の集積と、脱炭素や人材確保、半導体など先端成長産業の誘致といった今後の論点を結び付けると説得力が増します

観光業

令和6年の観光客数は延べ約2,304万人(県内793か所の入込推定)で、うち県外客が約992万人、県内客が約1,312万人でした。県外からの誘客と、県都松山だけでなく南予や東予への周遊をどう広げるかが鍵になります

一方、観光消費額は926億円と前年(1,054億円)から12.1%減少しており、来訪者数を消費や宿泊にどう結び付けるかが課題です。道後温泉やしまなみ海道サイクリングなどの資源を、面接では「地域経済への波及」という視点で語れると強みになります。(出典:観光客数調査|令和6年

愛媛県の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、愛媛県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少と超少子高齢化

愛媛県が最大の課題と位置づけるのが人口減少です。直近5年間の人口減少率は過去最大の3.64%に達し、県独自の推計では2060年に約78万人まで落ち込む見通しです。

若者の県外への転出と自然減が重なり、生産年齢人口の急減が地域経済や行政サービスの担い手確保に影響します(出典:愛媛県総合計画(概要版)

大規模災害への備え

南海トラフ地震と豪雨災害への備えは、県政の最優先課題です。令和7年の地震被害想定調査では、南海トラフ巨大地震(陸側ケース)で直接死者が最大約1万2,750人と見込まれ、津波による死者は西条市や宇和島市など臨海部で多いと想定されています。

また平成30年7月豪雨(西日本豪雨)では県内で33人が犠牲となり、住家被害は全壊・半壊を含めて6,663棟に及びました。県はこの豪雨からの創造的復興を今も続けながら、南海トラフ地震に備えた地域防災力の向上や、原子力防災対策の強化にも取り組んでいます

面接で防災を語るなら、「起きてから」ではなく「起きる前」の備えという視点を持っておくと、県の姿勢と重なります(出典:地震被害想定調査|令和7年平成30年7月豪雨の被害記録

地域経済の活性化と産業の担い手確保

柑橘や養殖、タオルや造船、紙・パルプといった地場産業は愛媛の強みですが、価格変動や後継者不足、脱炭素への対応といった課題を抱えています。県民所得の向上と「稼ぐ力」の強化が総合計画の柱の一つに掲げられ、新産業の創出や企業誘致、県産品の販路拡大が進められています。

医療・福祉と暮らしの安心

高齢化率が34.00%(令和7年度)に達するなか、医療や介護、福祉サービスの担い手確保が課題です。65歳以上のうち後期高齢者(75歳以上)が約25万人を占め、医療・介護の需要は今後さらに高まると見込まれます。

中山間地域や離島を多く抱える愛媛では、地域交通の維持や生活基盤の確保も重要で、デジタル技術を使ったスマート行政の推進が模索されています。県は総合計画で、高齢者や障がいのある人が安心して暮らせる社会づくりと、地域ぐるみで支え合う仕組みの整備を掲げています

地域間の状況の違い

同じ県内でも、東予・中予・南予で人口構成や産業、交通事情が大きく異なります。県の総合計画は、地域ごとの特性を活かした地域づくりを、次の三つのエリア構想として整理しています。

エリア主な圏域特徴と課題のキーワード
東予今治市、新居浜市、西条市、四国中央市 などものづくり産業を核とする活力創造エリア。タオル・造船・紙パルプ・住友系素材産業の集積、競争力強化と脱炭素
中予松山市、伊予市、東温市 など県都松山を核に人・モノ・情報が集まる多機能エリア。都市機能とサービス業の集積、交通
南予宇和島市、八幡浜市、大洲市 など豊かな自然と癒やしの交流促進エリア。柑橘・養殖の一次産業と観光、人口減少・高齢化・地域交通の維持

「取り組みたい仕事」を考えるときも、どの地域のどんな課題を想定しているのかまで具体化しておくと、回答に説得力が出ます。

愛媛県の重点政策|えひめチャレンジプラン

愛媛県の総合計画は『えひめチャレンジプラン』(令和5年6月策定)です。正式名称を『愛媛県総合計画~未来につなぐ えひめチャレンジプラン~』といい、計画期間は令和5年度から令和8年度までの4年間です。基本理念には「愛のくに 愛顔あふれる愛媛県」を掲げています。(出典:愛媛県総合計画~未来につなぐ えひめチャレンジプラン~

「愛顔」とは、どのような困難も乗り越える前向きな気持ちと思いやりの心が結び付いた、愛のある笑顔を指す県独自の言葉です。

計画を貫く考え方

計画がめざす将来像は「若者をはじめ、県民誰もが自らの希望を実現でき、安全・安心で豊かな人生を送れる持続可能な愛媛県」です。高齢者人口が最大となる2040年頃の姿から逆算する「バックキャスト」の発想で、「人」「経済」「暮らし」の三つの分野に方向性を定めているのが特徴です。

受験生としては、①若者の定着と子育て支援 ②稼ぐ力の向上と県民所得の増加 ③防災と暮らしの安心、という具体像で理解しておくとよいでしょう。

三つの分野と九つの政策

分野扱う主な分野
【人】次世代を育み、誰もが活躍できる愛媛移住・定住の促進、若者や女性の活躍、子育て支援、健康づくり、教育立県えひめ
【経済】"稼ぐ力"を高め、県民所得が向上した愛媛農林水産業・製造業の振興、新技術の研究開発、企業誘致、観光・インバウンド
【暮らし】安全・安心で快適に暮らせる持続可能な愛媛福祉、地域交通、スマート行政、防災・減災、環境・脱炭素

三つの分野はさらに9つの政策と37の施策に枝分かれしますが、まずは大きな方向性をつかんでおけば十分です。面接では、自分の取り組みたい仕事がどの分野に位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

令和8年度の県政運営のポイント

令和8年度の一般会計当初予算は7,827億2,000万円と過去最大(前年度当初比103.79%)で、「『新ステージ』の挑戦」を掲げ、①人口減少対策 ②DX・官民共創の推進 ③防災・減災対策 ④地域経済の活性化、の四つを重点施策としています。

防災・減災対策には120億円あまり、DX・官民共創には80億円あまりが充てられました。具体的には、人口減少対策として移住促進体制の強化や外国人材の受入・定着(約52億円)、DX・官民共創として新設する官民共創拠点を核とした課題解決やデジタル人材の育成、地域経済の活性化として松山空港国際線の活性化やスタートアップ支援などが挙げられています。

令和8年度は総合計画の総仕上げの年にあたり、県は成果重視の姿勢を前面に掲げています(出典:令和8年度当初予算(案)の概要

POINT|37の施策をすべて暗記しなくてよい

施策名をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③現在の事業 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。

悪い例「愛媛県の観光振興に携わりたいです」

改善例「道後温泉やしまなみ海道への来訪を、南予の柑橘や食といった地域の消費にまで広げる仕組みづくりに携わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 愛媛県職員採用候補者試験の受験案内/採用サイト(求める職員像・仕事紹介)
  • 愛媛県総合計画(えひめチャレンジプラン)の概要版
  • 最新年度の当初予算(案)の概要/関心分野の個別計画
  • 「愛媛県のすがた」など県勢に関する統計資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、愛媛県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。愛媛県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

愛媛県庁の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

愛媛県の面接の概要

ここからは、愛媛県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

愛媛県の面接の流れ

愛媛県の上級[通常型]試験は、人物試験が総合得点の約8割を占める人物重視型の試験です。事務職では、教養・専門の筆記(合計90点)に対して、第2次試験の個別面接(240点)と集団討論(100点)で計340点が配点され、面接での評価がそのまま合否を大きく左右します。

項目内容(令和8年度・上級[通常型]〈事務職〉)
試験の段階第1次試験(教養試験・専門試験)→ 第2次試験(個別面接・集団討論・適性検査)。第2次は第1次試験合格者に対して実施
個別面接人物について総合的に評定(配点240点)
集団討論討論と、討論終了後の各自のレポート作成(配点100点)。社会性・指導性・表現力等を評定
適性検査自宅等のWeb環境でオンライン実施(合否判定の参考)
人物試験の配点個別面接240点+集団討論100点=計340点(事務職の総合430点の約79%)

注目してほしいのは配点の偏りです。人物試験340点のうち個別面接だけで240点を占めており、用意した答えを言えるかではなく、掘り下げられても自分の言葉で答え続けられるかが問われる構造だと言えます。

なお、令和8年度からは第2次試験の作文試験が廃止され、適性検査が自宅などのWeb環境で受けられるようになりました

上記の試験構成は、愛媛県人事委員会が公表した令和8年度上級[通常型]試験案内にもとづく事務職のものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

愛媛県が求める人物像

愛媛県は採用サイトで、理想とする職員像として「困難な課題に、スピード感を持って前向きに取り組み、限られた時間の中で成果を追求する実践型職員」を掲げています。

あわせて、県民目線に立って自ら行動できること、経営感覚を持つこと、官民共創の意識を持って創造的な政策を立案し実行できることなどを、求める人材像として示しています。(参考:県の職員採用案内

「官民共創」を重視する県だけに、行政のなかで完結させるのではなく、企業や地域と手を組んで課題を解決していこうとする姿勢は、面接でも見られるポイントになります

自己PRでは、「積極性があります」と述べるだけでなく、その力を使って何を行い、周囲にどんな変化をもたらしたのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。愛媛県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ本県を志望するのですか?「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動から、入庁後にも再現できる強みを確かめています
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて学んだことは何ですか?自分の選択を説明できるか。学びと仕事の接点を作れているか
⑥ 適性・将来10年後、どんな職員になっていたいですか?働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し
⑦ 公共性・社会性最近、気になっている社会問題はありますか?社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点

ただし、この7カテゴリーは愛媛県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「愛媛県ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「愛媛県ならでは」の質問

「なぜ市役所ではなく、県庁を志望するのですか」
「愛媛県の課題を一つ挙げて、あなたならどう取り組みたいか教えてください」

どちらも、愛媛県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「愛媛県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい愛媛県の事実答え方のヒント
人口減少直近5年間の人口減少率は過去最大の3.64%。県独自推計では2060年に約78万人まで減少する見通し「四国で一番人口の多い県でも減少が加速している」という転換点を押さえると、課題認識に厚みが出ます
県の総合計画「えひめチャレンジプラン」(令和5〜8年度)。基本理念は「愛のくに 愛顔あふれる愛媛県」で、人・経済・暮らしの3分野9政策37施策で構成やりたい仕事を9つの政策のどれかに位置づけて話せると、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります
防災・減災平成30年7月豪雨で県内の死者は33人。南海トラフ地震(陸側ケース)では直接死が最大約1万2,750人と想定豪雨からの復興と南海トラフへの備えという県の二本柱に触れ、事前の備えの話につなげます
地場産業南予のみかんは日本一の産地、今治のタオルは全国一、東予は紙パルプと住友系の素材産業が集積志望分野が産業なら、地域ごとの強みと、担い手不足や脱炭素の課題を結び付けて語れると強い
大型プロジェクト第76回全国植樹祭えひめ2026を令和8年5月に松山市で開催(愛媛県では60年ぶり2回目)「最近の県の取組」を問われたときに触れられると、県政への関心の高さを示せます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める職員像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
県民目線と主体性相手の立場で考え、自分から動いた経験があるか部活動やアルバイトで「相手に合わせて動いた」「自分から動いた」場面を、愛媛の現場でどう生かすかまで言葉にする
スピード感と前向きさ困難な状況でも前向きに取り組み、工夫して続けた経験があるか結果の大小より「なぜ取り組み、何を変えたか」を、限られた時間でどう動いたかとあわせて話せるようにする
成果を追求する姿勢課題の原因を整理し、成果につなげる力があるか課題の原因を掘り下げて成果に結び付けた経験を一つ用意し、えひめチャレンジプランの37施策のうち志望分野に近いものへどうつなげるかを整理しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の受験案内を読み、試験の段階と、個別面接・集団討論の配点や進め方を確認する
  2. 高校や大学での経験を棚卸しする。学業、部活動やサークル、アルバイトから、話せる具体例を一つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、愛媛県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

愛媛県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

愛媛県庁の想定問答集を見る

さいごに

愛媛県の上級試験は、筆記の配点を大きく上回る点数が個別面接と集団討論に置かれた、人物本位の試験です。言い換えれば、知識の量よりも、自分の経験をどれだけ自分の言葉で語れるかで評価が決まります

愛媛が向き合う人口減少や南海トラフへの備えといった課題を、どこか遠い話としてではなく、自分がこの県で何をしたいのかという問いに引きつけて考えてみてください。

準備を重ねた分だけ、面接室での言葉には落ち着きが宿ります。あなたの受験を、当研究会は応援しています。