本記事では、徳島県職員採用試験の面接対策で必要な、徳島県の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
徳島県庁の面接試験では、「なぜ徳島県を志望したのか」、「県職員として何に取り組みたいのか」、「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。人口減少や南海トラフ地震への備えといった県の実情を踏まえて話せると、抽象的な回答を避け、徳島県ならではの説得力が生まれます。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と徳島県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
徳島県の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは徳島県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 県庁所在地は徳島市。四国の東部に位置し、東は紀伊水道をはさんで和歌山県と向かい合い、北は香川県、南は高知県、西は愛媛県と接する。
- 県土は約8割を山地が占め、県内最高峰の剣山は標高1,955メートルと四国第2の高山。高知県を水源とする吉野川が大歩危・小歩危の峡谷を刻みながら東へ流れ、下流にくさび形の徳島平野を形づくっている。
- 人口は約67万人(令和8年6月時点の推計)。高齢化率は35.8%で全国3位(令和6年10月時点)と、全国でも高齢化が早く進む県のひとつ。
- 阪神・淡路方面とは大鳴門橋を渡る神戸淡路鳴門自動車道で結ばれ、関西圏との結び付きが強い立地。空の玄関口は徳島阿波おどり空港。
- 「阿波おどり」に代表される文化や、渦の大きさが世界最大級とされる鳴門の渦潮など、全国有数の観光資源を持つ。
- 医薬品・LED・リチウムイオン電池などの工場が立地し、県公式が「LED王国」と称するものづくりの集積地でもある。すだちやなると金時などの農産物も特産。
- 財政基盤は弱く、令和5年度の財政力指数は0.31489と全国的にも低い水準。地方交付税への依存度が高く、将来負担比率が152.2%に上るなど、限られた財源で必要な行政サービスを維持する運営が課題となっている。
徳島県の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「徳島県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、県土の広さ、経済規模、市町村構成など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 約66万9千人(令和8年6月1日推計) |
| 世帯数 | 約30万4千世帯(令和8年6月1日推計) |
| 高齢化率(65歳以上人口割合) | 35.8%(全国3位、令和6年10月時点) |
| 総面積 | 約4,147km²(令和6年7月時点/県土の約8割が山地) |
| 市町村数 | 24市町村(8市15町1村) |
| 名目県内総生産 | 約3兆2,658億円(令和4年度) |
| 1人当たり県民所得 | 317万円(令和4年度) |
| 財政力指数 | 0.31489(令和5年度) |
推計人口・世帯数は令和8年6月1日現在の徳島県推計人口(令和7年国勢調査速報値を基礎)、高齢化率は総務省統計局人口推計(令和6年10月1日現在)、県内総生産・県民所得は令和4年度県民経済計算、財政力指数は総務省「令和5年度全都道府県の主要財政指標」による数値です。
数字から考えられる県政課題
徳島県の人口は、令和8年に入ってからも毎月数百人単位で減り続けています。加えて高齢化率は35.8%と全国3位(令和6年10月時点)で、働き手の減少と支え手側の負担増が同時に進む構造です。
1人当たりの県民所得も令和4年度は対前年度比1.9%減となっており、経済の力強い拡大は見込みにくい状況にあります。
財政面でも、財政力指数は0.31489(令和5年度)と全国的に低く、歳入に占める地方交付税の割合が大きい構造です。自前の税収だけで施策を賄うことは難しく、だからこそ限られた財源と人手をどこに重点配分するかという発想が欠かせません。
人口が多いことを前提にできない県だからこそ、「選ばれる徳島」をめざして何に集中投資するかが問われている、と整理しておくとよいでしょう。たとえば面接では、徳島県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。
徳島県の経済・産業
経済・産業構造の概要
- 名目県内総生産は約3兆2,658億円(令和4年度、対前年度比2.6%減)。人口規模を反映して、全国的には小さな経済圏。
- 1人当たり県民所得は317万円(令和4年度、対前年度比1.9%減)。
- 医薬品・LED・リチウムイオン電池などの工場が立地し、機械製品の製造業や、家具・仏壇などの木工業も地場産業。
- 農業は吉野川沿いの徳島平野を中心に、なると金時(さつまいも)やすだちの生産が盛ん。
つまり、「人口は小さくても、LEDや医薬品など特定分野に強いものづくりの県」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:県民経済計算|令和4年度)
ものづくり産業
「LED王国」と県公式が称するとおり、徳島県は特定分野に強みを持つ工業県です。県内には医薬品、LED、リチウムイオン電池などの大きな工場が立地し、機械製品の製造業のほか、家具・仏壇などの木工業も代表的な地場産業です。
県は「徳島バッテリーバレイ構想」を掲げ、全国トップクラスの補助制度による蓄電池関連企業の誘致や、高校・高専・大学と連携した蓄電池人材の育成を進めています。面接で産業を語るなら、規模の大きさより「特定分野の強み」を切り口にすると徳島らしさが出ます。(参考:徳島県の産業紹介(工業))
農林水産業
都市化した地域が限られる徳島県は、一次産業にも底力があります。農業産出額は令和6年に7年ぶりで1千億円の大台に乗り、すだち・ゆず・なると金時などが知られています。
近年は県産牛肉や阿波尾鶏を軸に海外販路を開拓し、農林水産物の輸出額は令和6年度に過去最高の49億9千万円に達しました。
担い手の育成と「売る力」の強化が、これからの伸びしろです。面接では、特産品の名前を挙げるだけでなく、担い手不足や販路拡大とセットで語れると深みが出ます。
観光業
阿波おどりや鳴門の渦潮に代表される観光資源を持ち、令和6年の延べ宿泊者数は歴代2番目の水準となりました。国際定期便の就航を追い風に外国人宿泊者が急増し、令和7年1月から11月までの県内外国人宿泊者数は約20万9千人泊(前年同期比プラス32.7%)と大きく伸びています。
一方で全国的な順位はなお低く、宿泊や周遊による消費の取り込みが政策課題です。面接で観光を志望分野にするなら、「呼び込む」だけでなく「泊まって回ってもらう」視点まで踏み込みましょう。(出典:宿泊旅行統計調査(県まとめ)|令和6年)
徳島県の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、徳島県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
人口減少と少子高齢化
徳島県の人口は令和8年に入っても毎月減り続け、高齢化率は35.8%で全国3位(令和6年10月時点)です。県の総合計画は、人口減少に伴う労働力不足や過疎化の進行を「静かなる有事」と表現し、今後10年を地方の正念場と位置づけています。
子育て支援だけでなく、若者の県内定着、教育、雇用、地域交通、医療・介護人材までを関連付けて考える必要があります。(参考:高齢化の状況|令和6年)
南海トラフ巨大地震への備え
徳島県が令和8年2月に公表した最新の被害想定では、最悪ケースで死者2万1,700人・建物の全壊焼失8万1,100棟と見込まれ、うち津波による死者が1万8,000人を占めます。
一方で県は、住宅の耐震化率を100%にすれば死者を約3割、さらに早期避難率も100%にすれば約9割減らせると試算しています。現状は耐震化率86%(令和5年時点)、発災時にすぐ逃げる意識を持つ県民が約3割にとどまり、備えの底上げが急務です。(出典:南海トラフ巨大地震・被害想定|令和8年)
医療・福祉を支える人材の確保
急速な人口減少の中で、持続可能な医療提供体制の確保が急務となっています。県によると、人口当たりの35歳未満の医師数は令和2年から令和4年にかけて全国最大の下げ幅を示し、35歳未満の看護職員の割合が全国最下位となった時期もありました。県は臨床研修医への一時金支給や看護師修学資金の貸与枠拡大、県西部・南部で不足する薬剤師への奨学金返還支援などで、若い担い手の県内定着を進めています。
産業の担い手不足と地域経済の底上げ
物価高騰や人手不足が続く中、県内企業の多くが厳しい経営環境にあります。県は生産性向上への設備投資支援、事業承継やM&Aの後押し、スタートアップの育成などを進め、「成長」と「継続的な賃上げ」の好循環をめざしています。
令和8年度には人材確保対策として総額79億円を確保し、医療・福祉、農林水産業、運輸交通など分野ごとの担い手確保に取り組む方針です。就業から定着までの支援や外国人材の活用も、産業全体で重なり合う課題となっています。
中山間地域と地域交通の維持
県土の約8割を山地が占める徳島県では、道路の整備状況が全国的に低い水準にあり、国県道の舗装率は57.5%、改良率は65.4%にとどまります(急峻な山地や河川の橋梁費用が要因)。
人口減少で需要が細る中、中山間地域の暮らしを支える地域交通をどう持続させるかは、県政の重い宿題です。吉野川沿いを東西に貫く四国縦貫自動車道などの幹線網の整備が進む一方、都市部と県西部・県南部とでは人口構成や交通事情が大きく異なる点も、政策を考える際の前提になります。
徳島県の重点政策|徳島新未来創生総合計画
徳島県の総合計画は「徳島新未来創生総合計画」(令和6年3月策定)です。計画期間は令和6年度から令和10年度までの5年間で、県の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」も兼ねています。基本理念に「未来に引き継げる徳島」の実現を掲げ、若者や女性をはじめ県内外から「選ばれる徳島県」をめざしています。(出典:徳島新未来創生総合計画)
計画を貫く考え方
計画が掲げる目指すべき将来像は、「ずっと居りたい」「いつも帰りたい」「みんな行きたい」と感じてもらえる徳島県です。その実現に向けて、県は3つのミッションを立てています。受験生としては、次の整理で理解しておくとよいでしょう。
- 安心度UP=防災、医療・福祉、子育て、教育など、暮らしの安心を高める。
- 魅力度UP=観光、農林水産業、産業、文化・スポーツなど、徳島の強みを磨いて発信する。
- 透明度UP=開かれた県政運営と持続可能な財政運営で、政策を支える土台をつくる。
あわせて、県政運営の基本姿勢として「県民主役」「県民目線」「現場主義」の徹底が示されている点も、面接での志望の語り方に直結します。
三つのミッションと17の戦略
| ミッション | 扱う主な分野(戦略) |
|---|---|
| 安心度UP(戦略1〜7) | 教育再生、共生社会、こどもまんなか、グリーン社会、医療・介護・福祉、危機管理・県土強靱化、県民生活の安全・安心 |
| 魅力度UP(戦略8〜14) | 観光立県、文化芸術、スポーツ立県、攻めの農林水産業、企業成長・新産業、労働力・後継者対策、選ばれる地域づくり |
| 透明度UP(戦略15〜17) | 開かれた県政運営、時代に対応する県政運営体制、持続可能な財政運営 |
計画は、この3ミッションのもとに17の戦略と75の戦術、93のKPI(数値目標)をぶら下げる構成です。面接では、自分の取り組みたい仕事がどのミッション・戦略に位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。
令和8年度の県政運営のポイント
令和8年度の一般会計当初予算は5,358億円と、過去20年で最大規模(前年度比197億円増)です。知事は「新宝島大作戦」を掲げ、こども・子育て関連に276億円、人材確保対策に79億円、物価高騰対策に55億円、公共事業に716億円を確保しました。
南海トラフ地震対策の抜本強化、若手医師・看護職員の県内定着、0〜2歳児の保育料無償化など「こどもまんなか・とくしま」の推進が重点に挙げられています。(出典:令和8年2月県議会・知事説明)
POINT|17の戦略をすべて暗記しなくてよい
戦略の名称をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③現在の事業 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。
悪い例「徳島県の観光振興に携わりたいです」
改善例「阿波おどりや鳴門の渦潮に来てくれた観光客が、県内のほかの地域にも足を運んでくれるような、周遊を促す仕組みづくりに携わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 徳島県職員採用試験の受験案内/職員採用案内・職種紹介
- 徳島新未来創生総合計画(概要版)
- 最新年度の当初予算・知事説明/関心分野の個別計画
- 徳島県の統計(推計人口・県民経済計算 など)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、徳島県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。徳島県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」、「質問の意図」、「回答のコツ」、「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
徳島県の面接の概要
ここからは、徳島県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
徳島県の面接の流れ
徳島県の大学卒業程度(秋試験)は、第1次試験と第2次試験の2段階で行われます。最終合格者は第1次試験の得点に関わらず、第2次試験の口述試験(面接)の得点順で決まる人物重視の試験です。
| 項目 | 内容(令和7年度・秋試験〈大学卒業程度〉) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験(職務能力試験・適性検査)→ 第2次試験(口述試験) |
| 第1次試験の内容 | 職務能力試験(BEST-A、択一式60問・1時間・100点)と適性検査(BEST-P、配点なし)。テストセンター方式で、受験者が選んだ1日に受験します |
| 面接(第2次)の種類 | 口述試験。個別面接を同日に2回実施 |
| プレゼンテーション | 当日提示される課題について、1〜2分程度で述べる時間を含む |
| 集団討論・集団面接 | 試験種目に含まれない |
| 口述試験の配点 | 200点(最終合格は口述試験の得点順で決定) |
| 提出書類 | 行政事務は「アピールシート」、建築・総合土木・林業は「専門性確認シート」(顔写真を添付)。第2次試験で使用します |
注目してほしいのは選抜の仕組みです。第1次試験の得点は最終合格に持ち越されず、合否は口述試験の200点だけで決まります。用意した答えを言えるかどうかではなく、掘り下げられても自分の言葉で答え続けられるかが問われる構造です。
さらに、当日示される課題を1〜2分で述べるプレゼンテーションもあるため、初めて見るテーマを短時間で整理して話す練習も欠かせません。
上記の試験構成は、徳島県人事委員会が公表した令和7年度秋試験(大学卒業程度)の受験案内にもとづくものです。夏試験や早期枠、社会人経験者枠など、他の日程・区分では面接形式や配点が異なる場合があります。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって変わる可能性があるため、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:令和7年度秋試験の受験案内)
徳島県が求める人物像
徳島県は、採用試験の受験案内で「求める人物像」を一覧の形では示していません。ただ、県の最上位計画である徳島新未来創生総合計画は、県政運営の基本姿勢として「県民主役」「県民目線」「現場主義」の徹底を掲げています。あわせて知事説明では、前例にとらわれない「新次元の政策」への挑戦が繰り返し語られています。つまり徳島県では、相手の立場に立って考え、現場の実情を踏まえながら、自ら課題に挑戦できる人が評価されると考えてよいでしょう。自己PRでは「積極性があります」と述べるだけでなく、その力を使って何に取り組み、周囲や地域にどんな変化をもたらしたのかまで説明しましょう。(参考:徳島県職員採用案内)
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。徳島県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 試験会場までは、どうやって来ましたか? | 緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます |
| ② 動機・志望 | なぜ徳島県を志望するのですか? | 「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています |
| ⑤ 学業・経歴 | (大学等の)専攻分野を選んだ理由を教えてください | 自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか |
| ⑥ 適性・将来 | 10年後、どんな職員になっていたいですか? | 働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近、気になっている社会問題はありますか? | 社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点 |
ただし、この7カテゴリーは徳島県に限らず全国の官公庁でほぼ共通で、受験者の多くが対策してきます。大きな差がつきにくい領域なので、合否を分けるのは次の「徳島県ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「徳島県ならでは」の質問
どちらも、徳島県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えにくい質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「徳島県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい徳島県の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口減少・高齢化 | 推計人口は令和8年6月時点で約66万9千人と毎月減り続け、高齢化率は35.8%で全国3位(令和6年10月時点)。総合計画は人口減少を「静かなる有事」と表現 | 「全国3位の高齢化率」と「毎月続く減少」をセットで押さえると、担い手不足への問題意識に厚みが出ます |
| 県の総合計画 | 「徳島新未来創生総合計画」(令和6年3月策定、令和6〜10年度)。安心度・魅力度・透明度の3ミッションと17戦略で構成 | やりたい仕事が3つのミッションのどれに当たるかまで言えると、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります |
| 南海トラフ地震 | 令和8年2月公表の被害想定は、最悪ケースで死者2万1,700人・建物全壊焼失8万1,100棟。うち津波による死者が1万8,000人 | 「事前の対策で必ず被害を減らせる」という県の考え方に触れ、耐震化や早期避難につなげると具体的です |
| 医療・福祉人材 | 35歳未満の医師数の減り方が全国最大、35歳未満の看護職員割合が全国最下位という時期があり、県は修学資金や一時金で県内定着を進めている | 数字の暗記より「若い担い手をどう県内に残すか」という視点で、自分の経験と結ぶと強い |
| 子育て支援 | 令和6年9月から全24市町村で0〜2歳児の保育料無償化を実施し、東京都に次ぐ手厚い支援と県は説明。「こどもまんなか・とくしま」を掲げる | 『こどもまんなか・とくしま』を掲げる県の新しい動きなので、令和6年に始まったこの無償化を志望のきっかけと結びつけて語れると、面接官の印象に残ります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の県が重んじる姿勢に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 県民目線・県民主役 | 相手の立場で考えた経験があるか。徳島の県民目線を大切にするように、身近で困っている人へ自分から手を差し伸べて動けたか | 高齢化率が高い徳島だからこそ、年配の方や地域の人に合わせて動いた場面を、具体的なエピソードで話せるようにする |
| 現場主義・課題解決 | 現場の実情を自分で確かめ、原因を整理して動いた経験があるか | アルバイトや研究などで「実際に足を運んで気づいた → 原因を考えた → やり方を変えた」という流れを一つ用意する |
| 挑戦する姿勢 | 前例にとらわれず、自分から動いて工夫を続けた経験 | うまくいかなかった経験こそ、なぜ挑もうと思い、何をどう変えたのかまで語れるようにしておくと、人口減少を『静かなる有事』と捉えて挑む徳島県の姿勢とも響き合う |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる、実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受ける区分の受験案内を読み、試験の段階と、アピールシート(または専門性確認シート)の記入項目を確認する
- 高校・大学生活やこれまでの仕事を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイト・職務経験から、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、志望分野に近い徳島県の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習する。当日提示されるプレゼンテーションも想定し、初めてのテーマでも短時間で組み立てる練習をしておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学で、しかも短い時間で仕上げたい場合は、徳島県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
徳島県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、口述試験での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
徳島県の職員採用試験は、第1次試験の得点を最終合格に持ち越さず、口述試験の結果だけで最終合格者を決めます。筆記で少し出遅れたと感じている人にも、面接から一気に挽回できる余地が残された試験です。
加えて、当日示される課題を短く述べるプレゼンテーションもあるため、用意した答えを覚えるだけでなく、その場で自分の考えを組み立てて話す力も問われます。
徳島の人口減少や南海トラフ地震への備えといった課題を、自分の経験と重ねて語れるよう、準備の時間を一歩ずつ積み重ねていきましょう。