本記事では、山口県職員採用試験の面接対策で必要な、山口県の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

山口県庁の面接試験では、「なぜ山口県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。県の実情や政策を知っておくことで、どこの県でも通用する一般論を避け、山口県ならではの事情を踏まえた説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と山口県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

山口県の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは山口県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 県庁所在地は山口市。中国地方の西端に位置する本州の最西端の県で、陸では島根県・広島県と接し、関門海峡を挟んで九州(福岡県)と向き合う。
  • 県の中央部を中国山地の支脈が走るが、高い山は少なくなだらかな山容が多い。県東部の寂地山(1,337m)が県内最高峰で、森林率は71%と全国平均(67%)を上回る。
  • 令和7年国勢調査の速報では、人口は約126万人。令和2年から5年間で5.8%減少し、令和5年8月には県人口が130万人を割り込んだ。人口減少が想定より速いペースで進行中
  • 日本最大のカルスト台地である秋吉台、錦帯橋、萩の城下町、角島大橋など、個性的な観光資源を各地に持つ。令和6年には海外メディアの紹介などを背景に外国人の延べ宿泊者数が過去最高となった。
  • 瀬戸内海沿岸には石油化学コンビナートをはじめとする基礎素材型産業が集積し、付加価値額が全国トップクラスの工業県としての顔を持つ。
  • 県内を山陽新幹線が東西に貫き、山口宇部空港・岩国錦帯橋空港の2空港と中国自動車道・山陽自動車道が広域交通を支えている。
  • プライマリーバランスの黒字を13年連続で堅持し、比較的健全な財政運営を続けている。一方で、人口減少下でも必要な行政サービスを維持できる持続可能な行財政基盤の確立が引き続き課題となっている。

山口県の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「山口県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、県土の広さ、高齢化の状況、産業規模など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口約126万人(令和7年国勢調査速報1,264,006人・令和2年比5.8%減)
老年人口(65歳以上)約45万5千人(高齢化率35.5%・令和6年度)
総面積6,113.00km²
総世帯数587,131世帯(1世帯当たり2.15人)
財政力指数0.4307(令和5年度)
製造業出荷額約7兆6,150億円(令和4年)

人口・世帯数は令和7年国勢調査(速報)、高齢化率は令和6年度、総面積は国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」(令和7年1月1日時点)、財政力指数は総務省「令和5年度地方公共団体の主要財政指標一覧」、製造業出荷額は山口県の工業統計(令和4年)による数値です。

数字から考えられる県政課題

山口県は今も百万人を超える人口を抱えていますが、その規模は年々小さくなっています。令和7年国勢調査の速報値は約126万人で、令和2年からの5年間で5.8%減少しました。

人口の多さそのものより、減少のスピードと高齢化の深さに目を向ける必要があり、高齢化率は令和6年度時点で35.5%と全国平均を上回っています。

世帯数も令和2年から2.0%減り、1世帯当たりの人員は2.15人まで小さくなっているため、単身化や高齢世帯の増加もあわせて起きています。ここに若い世代の県外流出が重なっている点も、あわせて押さえておきたいところです

たとえば面接では、山口県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「山口県は約126万人が暮らす県ですけれども、人口減少が進んでいて、数年前には130万人を割り込んだと聞きました。これからは人口の規模だけでなく、高齢化や若い人の県外流出を見据えた行政が大事になるのではと感じています」

山口県の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 製造業出荷額は約7兆6,150億円(令和4年)で、業種別では化学工業製品が32.4%と最も大きな割合を占める。
  • 1事業所当たり・従業者1人当たりの付加価値額がいずれも全国1位(2023年経済構造実態調査)。
  • 瀬戸内海沿岸に石油化学コンビナートなどの基礎素材型産業が集積する、全国有数の工業県である。
  • 観光客数は令和5年に約3,102万人(前年比116.5%)まで回復し、観光も県経済を支える柱の一つとなっている。

つまり、「少ない事業所が高い付加価値を生む、基礎素材型の工業県」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:山口県の工業統計|令和4年

工業(基礎素材型産業の集積)

山口県の経済を語るうえで欠かせないのが、瀬戸内海沿岸に連なる工業地帯です。周南・宇部・岩国などの臨海部には石油化学・化学・鉄鋼などの大規模なコンビナートが立地し、令和4年の製造業出荷額約7兆6,150億円のうち化学工業製品が32.4%を占めています。

事業所の数自体は多くないものの、1事業所当たり・従業者1人当たりの付加価値額はいずれも全国1位で、少数の大規模事業所が高い生産性を生み出しているのが特徴です。面接では、この基礎素材型産業を「守り育てる対象」であると同時に「脱炭素という大きな転換を迫られている対象」として語れると、県の産業政策への理解が伝わります。

観光業

山口県は、秋吉台や錦帯橋、萩の城下町、角島など、性格の異なる観光資源を県内各地に持っています。観光客数は令和5年に約3,102万人(前年比116.5%)まで戻り、令和元年以来の3千万人台を回復しました。

たとえば岩国市の錦帯橋には令和5年に約54万人が訪れましたが、その約9割が日帰り客で、宿泊や地域内消費への波及が課題として残ります

令和6年には海外メディアの紹介などを背景に外国人の延べ宿泊者数が過去最高となっており、この追い風を県全体の滞在・消費へどう広げるかが問われています。面接で観光を志望分野にするなら、こうした「日帰り中心からの脱却」という具体的な論点まで掘り下げておきましょう。(出典:山口県の観光客数の動向|令和5年

交通と広域の玄関口

本州の西の端という位置は、山口県を人・モノの結節点にしています。1975年に山陽新幹線が全線開業して県内を東西に貫き、1983年の中国自動車道、1997年の山陽自動車道の全線開通で東西方向の陸路が整いました。

空の便でも、令和6年度の山口宇部空港(東京羽田線)の利用者数は約87.1万人(前年比+1.6%)、岩国錦帯橋空港は約52.3万人と過去最高を記録しました。関門海峡を挟んで福岡県と隣接し、九州とのつながりが深いことも山口県ならではの強みです

志望動機で交流や産業を語るときは、こうした広域交通の基盤が「新たな人の流れ」を生む土台になっている点に触れると、県の方向性を踏まえた話になります。(参考:県内空港の利用状況|令和6年度

山口県の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、山口県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少と少子高齢化

山口県の総合戦略は、予測より早いペースで人口減少が進んでいると現状を認識しており、令和5年8月に県人口が130万人を割り込んだとしています。

自然減(死亡が出生を上回る動き)が減少の大きな要因で、高齢化の進行で死亡数が高止まりする一方、少子化により合計特殊出生率の目標達成が厳しい状況です。子育て支援だけでなく、若者の生活基盤、教育、雇用、医療・介護の担い手確保までを関連付けて考える必要があります。(参考:令和7年国勢調査速報(山口県)

若者・女性の県外流出

山口県は、進学や就職を機に若者が県外へ流出する傾向が一貫して続いており、特に女性の流出が男性より大きいことを課題として挙げています。コロナ禍のあと、東京圏などへの流出(社会減)が再び拡大傾向にある点も見逃せません。

県内に魅力ある雇用の場をつくり、若い世代、とりわけ女性が働き続けたいと思える環境を整えられるかが、人口減少対策の要になります(参考:山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略

基幹産業の強化と脱炭素の両立

瀬戸内海沿岸の基礎素材型産業は県経済の柱ですが、化学や鉄鋼などはエネルギーを多く使う産業でもあり、脱炭素(グリーン成長)への対応が避けて通れません。県は総合計画で「未来へ挑戦するグリーン成長プロジェクト」を掲げ、成長分野への投資や産業集積の拡大を進めています。

既存の産業競争力を保ちながら、いかに二酸化炭素の排出を減らす方向へ転換していくか。この両立が、山口県の産業政策の中心的なテーマです

大規模災害への備え

瀬戸内海に長い海岸線を持つ山口県では、南海トラフ巨大地震への備えが重要です。令和7年に見直された県の被害想定では、最大震度6強(柳井市)、最大津波高3.7m(光)、死者502人(うち津波によるもの474人)などが見込まれ、瀬戸内海沿岸の全15市町が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されています。

人口が集中する臨海部や、大規模なコンビナートを抱える地域の危機管理も、県が担う大きな役割です(参考:南海トラフ巨大地震被害想定(山口県)|令和7年

地域による状況の違いと持続可能な地域づくり

瀬戸内海側の工業都市と、日本海側や中山間地域とでは、人口動向、産業、交通事情、行政需要が大きく異なります。県土の71%を森林が占め、中山間地域では人口減少と高齢化がより深刻に現れます。

都市部の活力を保ちつつ、条件の厳しい地域でも暮らしを支える仕組みを維持できるかが、県全体としての持続可能性を左右します。「取り組みたい仕事」を考えるときも、県内のどの地域のどんな課題を想定しているのかまで具体化しておくと、回答に説得力が出ます。

山口県の重点政策|やまぐち未来維新プラン

山口県の総合計画は「やまぐち未来維新プラン」(令和4年12月策定)です。計画期間は2022年度から2026年度までで、産業維新・大交流維新・生活維新の「3つの維新」を、安心・安全(安)、デジタル(D)、グリーン/脱炭素(G)、人づくり(人)という「4つの視点」を踏まえてさらに進化させる構成になっています。(出典:やまぐち未来維新プラン

計画を貫く考え方

プランが基本目標として掲げるのは「安心で希望と活力に満ちた山口県」の実現です。

人口減少・少子高齢社会にあっても、活力ある産業やにぎわい、安心・安全で持続可能な地域社会の中で、県民誰もが山口ならではの豊かさと幸福を感じられる姿を目指しています。

受験生としては、①強みを活かして産業力を伸ばす ②新たな人・モノの流れをつくる ③安心して暮らし続けられる基盤を築く、という3つの方向で理解しておくとよいでしょう。県政推進の基本姿勢として「現場重視・成果重視・スピード重視」を掲げている点も、あわせて押さえておきたいところです。

3つの維新と20のプロジェクト

維新(テーマ)扱う主な分野
産業維新(5プロジェクト)産業DX、グリーン成長、産業力強化、中堅・中小企業の底力、強い農林水産業の育成
大交流維新(4プロジェクト)交流拡大による活力創出、新たな観光県やまぐち、国内外での市場拡大、新たな人の流れの創出・拡大
生活維新(11プロジェクト)結婚・妊娠・出産・子育て応援、働き方改革、持続可能な社会づくり、医療と介護、健康づくり、防災、暮らしの安心・安全、人口減少の克服など

面接では、自分の取り組みたい仕事がどの維新のどのプロジェクトに位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

令和8年度の県政運営のポイント

山口県は独立した施政方針演説を公表しておらず、その年の重点方針は当初予算の中で示されます。県の予算規模は、令和6年度当初予算(一般会計)で約7,440億円(令和5年度当初比△500億円・△6.3%)でした。令和8年度予算は「成長と安心の好循環」を掲げ、①物価高・賃上げへの集中的な支援 ②暮らしを支える「強い産業」の実現と4つの「安心」の確立 ③県政運営を支える行財政改革、という3つの柱で編成されています。(出典:令和8年度当初予算の概要

POINT|20のプロジェクトをすべて暗記しなくてよい

名称をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③現在の取組 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。

悪い例「山口県の産業振興に携わりたいです」

改善例「まずは県職員として、地元の中小企業の相談に丁寧に向き合うところから始めたいです。そのうえで、瀬戸内の化学産業が脱炭素という大きな転換に直面していますので、企業の設備の切り替えを後押しする仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 山口県職員採用試験の受験案内/採用パンフレット
  • やまぐち未来維新プラン(本編・概要版)
  • 令和8年度当初予算の概要/関心分野の個別計画
  • 統計やまぐちなどの統計資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、山口県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。山口県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

山口県庁の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

山口県の面接の概要

ここからは、山口県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

山口県の面接の流れ

山口県の大学卒業程度試験(行政)は、第1次試験で教養試験と専門試験を、第2次試験で論文試験と口述試験を課す2段階構成です。ここで注目したいのは、最終合格者を決める得点の作り方です。教養試験の得点は第1次試験の合否判定にしか使われず、最終合格は口述試験140点が過半(約54%)を占める配点で決まります(出典:令和8年度職員採用試験受験案内

項目内容(令和8年度・大学卒業程度〈行政・通常枠〉)
試験の段階第1次試験(教養試験・専門試験)→ 第2次試験(論文試験・口述試験)。論文試験は第1次試験日に実施し、第1次試験合格者のみ採点します
口述試験の種類個別面接及び集団討論(行政区分。人物について総合的に評定します)
第1次試験の配点教養試験40点・専門試験60点
第2次試験の配点論文試験60点・口述試験140点
最終合格の算定専門60点+論文60点+口述140点=260点満点(教養試験は第1次合格の判定にのみ使用)
採用予定人員40人程度

注目してほしいのは配点の偏りです。総合得点260点のうち、人物を評定する口述試験だけで140点を占め、論文60点と合わせると第2次試験の比重が非常に大きくなります。

行政区分では個別面接に加えて集団討論も課されるため、用意した答えを一人で話す力だけでなく、他の受験者と議論する場での振る舞いも見られる構造です。参考までに、行政区分の競争倍率は令和7年度で1.9倍(受験者93人・合格者49人)、前年度の令和6年度は1.8倍でした。

上記の試験構成は、山口県人事委員会発出の令和8年度受験案内(通常枠)にもとづく大学卒業程度試験(行政)のものです。令和8年度から「行政・警察行政」は論文試験を第1次試験日に実施する方式へ変更されています。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

山口県が求める人物像

山口県は、総合計画「やまぐち未来維新プラン」の中で、県政推進の基本姿勢として「現場重視・成果重視・スピード重視」の3つを掲げ、市町や企業・大学、そして県民の力を結集して県づくりを進めるとしています。採用試験の対策としては、この基本姿勢を「県が求める職員像」に読み替えて準備しておくとよいでしょう。自己PRでは、「積極性があります」と述べるだけでなく、その力を使って実際に何を行い、周囲や相手にどのような変化をもたらしたのかまで説明できるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。山口県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ本県を志望するのですか?「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて取り組んだことは何ですか?物事への取り組み方や、そこから何を学んだかを説明できるか
⑥ 適性・将来10年後、どんな職員になっていたいですか?働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し
⑦ 公共性・社会性最近、気になっている社会問題はありますか?社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点

ただし、この7カテゴリーは山口県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「山口県ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「山口県ならでは」の質問

「なぜ市役所ではなく、山口県庁を志望するのですか?」
「山口県の課題は何だと思いますか。あなたならどう取り組みますか?」

どちらも、山口県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「山口県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい山口県の事実答え方のヒント
人口減少令和7年国勢調査速報で人口は約126万人と令和2年比5.8%減。令和5年8月には130万人を割り込んだ「減少のスピードが速まっている」という認識を最初に示すと、その後の対策の話に現実味が出ます
若者・女性の流出進学・就職で若者が県外流出し、特に女性の流出が大きい。コロナ後に東京圏などへの社会減が再拡大「働く場」と「働き続けたい環境」の両方が必要だという視点で、自分の関心分野に結び付けます
県の総合計画「やまぐち未来維新プラン」(令和4年12月策定)。3つの維新と20のプロジェクトで構成やりたい仕事をどの維新のプロジェクトに位置づけて話せると、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります
基幹産業と脱炭素製造業出荷額約7兆6,150億円のうち化学が32.4%。付加価値額は全国1位だが脱炭素が課題「強みを守る」だけでなく「転換を支える」という両面で語ると、産業政策への理解が深く見えます
防災・危機管理南海トラフ被害想定は死者502人・最大津波高3.7m。瀬戸内海沿岸の全15市町が推進地域に指定臨海部の産業集積地を抱える県ならではの備えに触れ、事前の対策の話へつなげます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める職員像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
現場を重視する姿勢相手や状況をよく見て動いた経験があるか。机上ではなく足を運んで確かめたかアルバイトや部活動で「現場の様子を見て対応を変えた」場面を、山口県の現場重視の姿勢に重ねて話す
成果にこだわる力やりっぱなしにせず、結果を確かめて次につなげたか。困難でも最後までやり切ったか取り組みの前後で何がどう変わったのかを、数や具体的な状態で語れるようにしておく
連携・協働する力立場の異なる人と協力して物事を進めた経験があるか。集団討論での関わり方県が市町や企業・大学と力を結集する姿勢に触れつつ、自分がチームで果たした役割を整理する

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

とりわけ山口県の行政区分では集団討論も課されるため、その場で考えを組み立てて他者と対話する練習も重ねておくと安心です

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の受験案内を読み、試験の段階・配点と、申込方法(やまぐち電子申請サービス)を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。集団討論を想定した話し合いの練習も加える

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、山口県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

山口県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

山口県庁の想定問答集を見る

さいごに

山口県の大学卒業程度試験(行政)は、最終合格を決める260点のうち、口述試験140点と論文60点で第2次試験が大きな比重を占めます。

人物を総合的に評定する口述試験には個別面接だけでなく集団討論も含まれるため、一人で答えを述べる力と、他の受験者と対話しながら考えを深める力の両方が試されます

だからこそ、山口県の現状や計画という材料を手元にそろえ、自分の経験と結び付けて語れるように準備しておけば、その一つひとつが得点につながっていきます。本記事で押さえた事実を土台に、自分だけの言葉で話せる状態まで練習を重ね、本番に臨んでください。