本記事では、高石市職員採用試験の面接対策で必要な、高石市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

高石市役所の面接試験では、「なぜ高石市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、市の実情を調べていないと言葉が薄くなる質問が想定されます。令和9年4月採用の試験は、職種によって第1次試験の中身が入れ替わる設計になっており、自分の受験区分に合わせた準備が欠かせません。

まちの規模と抱えている論点を押さえたうえで、自分の経験を高石市の仕事に接続する言い方を用意していきましょう。

第1部|自治体研究編

高石市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは高石市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 市域は11.30平方キロメートル。当研究会が整理した基礎データで大阪府内の33市を比べると、2番目に小さい市域にあたる。
  • 接しているのは堺市、和泉市、泉大津市の3団体。市役所は加茂四丁目に置かれている。
  • 住民基本台帳による人口は5万5,601人(令和8年1月1日現在)。人口密度は1平方キロメートルあたり約4,920人。
  • 高齢化率は28.0%、75歳以上の割合は17.1%(同日現在)。大阪府全体の26.8%・16.4%をいずれも上回る。
  • 消防事務は平成20年10月から堺市に委託しており、市の職員採用試験に消防職の区分はない。
  • 市の花はキク、市の木はマツ。
  • 令和9年4月採用の採用予定人員は、事務職33名程度、技術職〔土木〕3名程度、保育士9名程度、保健師5名程度。
  • 事務職は第1次試験がエントリーシート選考と録画動画面接で、筆記から入らない選考になっている。

高石市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、高石市がどのような規模と年齢構成の市なのかは、志望動機を語る前提として押さえておきたいところです。

次の表には、人口・年齢構成・市域・周囲との接し方に加えて、受験する側から見て意味のある採用の規模までを並べました。

項目内容
総人口55,601人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口1万5,559人(28.0%)
うち75歳以上人口9,482人(17.1%)
総面積11.30平方キロメートル(大阪府内33市のうち2番目に小さい)
人口密度4,920人/平方キロメートル(上記の総人口と総面積から算出)
接する自治体堺市、和泉市、泉大津市
消防平成20年10月から堺市に消防事務を委託
採用予定人員(令和9年4月採用)事務職33名程度、技術職〔土木〕3名程度、保育士9名程度、保健師5名程度

人口・年齢別人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の値です。人口密度は、同じ人口を面積で割って当研究会が算出した値です。面積、接する自治体、市の花と木は、当研究会が整理した基礎データを用いています。採用予定人員は令和9年4月採用の試験案内によります。国勢調査にもとづく大阪府全体の数値とは調査の系列が違うため、両者を並べた比較はしていません。

数字から考えられる市政課題

高石市の年齢構成は、大阪府全体より一段進んでいます。高齢化率28.0%は府の26.8%を上回り、75歳以上の割合17.1%も府の16.4%を超えています(いずれも令和8年1月1日現在の同じ系列の値)。65歳以上1万5,559人のうち9,482人が75歳以上で、支援の必要度が高い層が中心を占めている構成です。

一方で、市域は11.30平方キロメートルと小さく、人口密度は1平方キロメートルあたり約4,920人。

移動距離が短い分、訪問や見守りといった手のかかる業務は組み立てやすい環境だといえます。面接で人口の話をするときは、率の高さを心配して見せるより、この地理的条件と結び付けたほうが具体的になります。

「高石市は大阪府の中でも面積の小さい市で、人口は5万5千人ほどだと知りました。65歳以上の方のうち6割ほどが75歳以上と伺っていますので、距離が近いという強みを生かして、訪問や見守りのように人が動く仕事を丁寧に積み上げていく必要があるのではと感じています」

高石市の経済・産業

働く場は市の境界の外にも広がる

高石市の産業を考えるとき、前提になるのが大阪全体の雇用の規模です。令和3年経済センサス活動調査によると、大阪の製造業の従業者数は41万7,816人(前回調査比1.8%減)、事業所数は1万4,412事業所(同10.7%減)、製造品出荷額等は16兆9,758億円(同1.7%増)でした。

40万人を超える人がものづくりの現場で働いているのが大阪の姿です。市域が11.30平方キロメートルの高石市では、働く場の多くが市の境界の外側にあると考えておいたほうが、実感とずれません。

雇用や産業を話題にするときは、市内で完結する数字だけを追わず、通勤圏として周辺とどうつながっているかまで視野に入れておきたいところです。(出典:大阪府 製造業の概況(経済センサス)|令和3年)

市域を越えて成り立つ暮らし

11.30平方キロメートルという市域は、端から端まで歩ける距離感です。買い物も通勤も通学も、隣接する堺市や泉大津市と行き来しながら成り立っている前提で考えるほうが実態に近いでしょう。

消防事務を堺市に委託していることも、この地理と無関係ではありません。市の施策を語るときに「高石市の中だけで完結させる」発想に寄りすぎると、現実味を欠いた提案になりがちです。

世帯が小さくなる大阪

令和7年国勢調査の速報集計によると、大阪府の人口総数は876万4,578人(令和7年10月1日現在)で、令和2年の前回調査から7万3,107人・0.83%の減少でした。平成27年調査で68年振りに減少へ転じて以来、3回続けて減っています。

ところが世帯数は430万7,758世帯と前回比4.16%増え、1世帯当たり人員は2.03人(前回比0.11人減)まで下がりました。

人が減っているのに世帯は増えるという動きは、単身や二人暮らしの世帯が増えていることの表れです。高齢化が府平均より進む高石市では、支援の単位が家族から個人へ移っていく前提で、窓口や訪問の設計を考える必要が出てきます。(出典:令和7年国勢調査 大阪府の人口速報|令和7年)

府全体で動く人の流れ

大阪府では、人の動きが大きく変わる時期が続いています。府の統計年鑑によると、2023年の日本人旅行者による旅行消費額は6,923億円で、大阪府は全国4番目の規模でした。

2025年大阪・関西万博は2025年4月13日から10月13日までの184日間開催され、総入場者数は2,901万7,924人にのぼっています。高石市が直接手がける事業ではありませんが、府南部の市として来訪や移動の条件が変わる局面にあることは、まちづくりを語るときの背景になります。(参考:大阪府統計年鑑 第6章 観光|令和6年度)

高石市の主な行政課題

ここまでの数字と地理を踏まえると、高石市が抱えている論点の輪郭が見えてきます。面接で「市の課題」を問われたときの引き出しとして、次の4点を整理しておきましょう。

大阪府平均より進んだ高齢化

高齢化率28.0%、75歳以上17.1%という値は、府全体の水準を上回っています。

大阪府人口ビジョン(平成28年3月策定)は、府全体の高齢化率が2040年には35.9%に達すると見込んでおり、高齢者人口は2010年の196万人から2040年に269万人へ増えるとされています。府の平均を先に行く市では、この見通しがより早く現実になる可能性を織り込んで施策を考える必要があります。(出典:大阪府人口ビジョン|平成28年)

小さな市域で行政サービスをどう保つか

高石市は、大阪府内の33市の中で2番目に小さい市域に5万5,601人が暮らす市です。この規模で消防のような大がかりな体制を単独で維持するのは容易ではなく、実際に平成20年10月から消防事務を堺市に委託しています。

ひとつの分野をまるごと近隣に委ねるという判断をした市であることは、行政の効率化を語るときの具体例になります。

「何を自前で持ち、何を任せるか」を市がどう決めてきたか。この視点は、財政や組織の話題でそのまま使えます。(出典:消防の広域化・共同運用の状況(大阪府)|令和8年)

高潮と大規模地震への備え

大阪管区気象台は、府に大きな被害をもたらした災害として、室戸台風(昭和9年9月)、ジェーン台風(昭和25年9月)、第2室戸台風(昭和36年9月)、平成30年台風第21号(平成30年9月)という高潮の記録を挙げています。平成30年台風第21号では、大阪の最高潮位が標高329センチメートルと観測史上第1位を記録しました。

加えて大阪府の南海トラフ巨大地震の府域最大被害想定(平成26年1月とりまとめ)では、震度5弱から6強、水道断水832万人、経済被害28.8兆円という規模が示されています。海からの災害だけではありません。

豊中市から大阪市を経て岸和田市に至る長さ約42キロメートルの上町断層帯では、マグニチュード7.5程度の地震が想定され、30年以内の発生確率は2から3%と、国内の主な活断層の中では高いグループに位置づけられています。府域では平成24年から大阪880万人訓練が続いており、防災を語るならこの前提を共有しておきましょう。(出典:平成30年台風第21号の記録(大阪管区気象台)|平成30年/南海トラフ巨大地震の被害想定(大阪府)|平成26年)

組織を支える人をどう確保するか

令和9年4月採用の試験では、事務職33名程度、技術職〔土木〕3名程度、保育士9名程度、保健師5名程度が予定されています。職種を合わせると50名程度になり、人口5万5,601人の市の1年分としては大きな数字です。

試験案内には、最終合格者が採用を辞退した場合に第3次試験の受験者から高得点順に繰上補充を行うことがあるとも記されています。最終合格者には後日、最終学校卒業(見込み)証明書や各種資格証明書に加えて健康診断書の提出が求められ、健康診断の費用は本人負担とされています。

採用に力を入れている時期だと理解したうえで、「入ってから長く働く」という視点を自分の言葉で持っておくことは、志望動機の説得力に直結します。

高石市の重点政策|高石市が掲げる言葉から読む

高石市がどこを向いているかを短時間でつかみたいなら、計画書より先に読むべきものがあります。市が受験者に向けて表に出している言葉です。そこには、いま職員に何を期待しているかが、飾らない形で出ています。

令和9年4月採用の職員採用試験案内ページに掲げられているキャッチコピーは、「未来へ強烈な一撃を。」です。守りに入った表現ではありません。

前例の踏襲より、動いて変える人を歓迎するという意思表示だと受け取れます。志望動機を組み立てるときは、この言葉に自分がどう応えるかを一度考えておくと、面接での受け答えに芯が通ります。(出典:高石市職員採用試験案内|令和9年4月採用)

志望分野を一つに絞るまで

関心分野を一つか二つ選び、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③現在の事業 → ④市だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。高石市の場合、④を考えるときは「堺市に委ねている領域」と「市が自前で担っている領域」の線引きを意識すると、答えが具体的になります。

POINT|計画名を並べても評価は上がらない

覚えた事業名を口にすることより、自分の関心と高石市の事情が交わる点を説明できるほうが、はるかに伝わります。

悪い例「高石市の福祉施策に貢献し、住みやすいまちづくりに取り組みたいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の相談を受ける仕事から覚えたいです。その上で、高石市は65歳以上の方の6割ほどが75歳以上だと知りましたので、市域が狭くて距離が近いという強みを生かした見守りの仕組みに関わってみたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

第1次試験が書類と動画である以上、読んだ内容を短く言い切る力がそのまま得点に響きます。下の順に目を通し、どれも数行で言えるところまで持っていってください。

  • 令和9年4月採用の高石市職員採用試験案内(受験する職種のもの)
  • 高石市ホームページからダウンロードするエントリーシートの様式
  • 高石市の総合計画と、関心のある分野の個別計画(市公式サイトの最新版)
  • 高石市の人口・世帯数に関する統計のページ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、高石市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。高石市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

高石市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

高石市役所の面接の概要

ここからは、令和9年4月採用の試験案内で公表されている選考の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

高石市役所の面接の流れ

高石市の採用試験は第1次から第3次までの三段階ですが、職種によって第1次試験と第2次試験の中身が入れ替わります。事務職(初級・上級共通)は、第1次がエントリーシート選考と録画動画面接、第2次が集団討論と総合適性検査(SCOA)、第3次が個別面接。

これに対して技術職〔土木〕(初級)と保育士・保健師は、第1次からエントリーシート選考と集団討論を行い、第2次で個別面接とSCOAを受けます。集団討論を受ける段階が職種で異なるため、受験区分の取り違えは致命的です。

項目内容(令和9年4月採用)
試験の段階第1次試験・第2次試験・第3次試験の三段階
第1次試験(事務職・初級および上級)エントリーシート選考および録画動画面接(エントリー動画)
第1次試験(技術職〔土木〕初級・保育士・保健師)エントリーシート選考および集団討論
第2次試験(事務職)集団討論・総合適性検査(SCOA)
第2次試験(技術職〔土木〕初級・保育士・保健師)個別面接・総合適性検査(SCOA)
第3次試験全職種とも個別面接
配点試験案内に各試験の配点および人物試験の比重の記載はありません。「試験の成績が一定の基準に達しない場合は、『合格者なし』とする場合があります」との記載にとどまります
提出書類エントリーシート(本人自筆で作成しスキャンしてPDF化したもの)を申込時にアップロード。事務職はエントリー動画も申込時に提出
論文・作文試験案内に論文試験・作文試験の記載はありません。筆記に相当するのは総合適性検査(SCOA)のみです

事務職の録画動画面接の設問も公表されており、「私の『今も続けていること』と『諦めたこと』」について話す様子を1分程度の動画に収めて提出します。続けたことだけでなく、やめたことまで語らせる設問です。

さらに試験案内には、エントリーシート選考と録画動画面接のいずれについても生成AIを使用することは禁止しますと明記され、生成AIで作成された文書を使用した場合などには受験資格を取り消すことがあるとされています。

なお総合適性検査(SCOA)は第1次試験の合格者に案内され、第2次試験までに全国各地のテストセンターで受験する方式です。指定された期間に自分で会場と日時を押さえる必要があるため、書類と動画の準備と並行して段取りを組んでおきましょう。(出典:高石市職員採用試験案内|令和9年4月採用)

上記の試験構成は、高石市の令和9年4月採用の試験案内にもとづくものです。配点は公表されていません。試験の構成・日程等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の職種の最新の試験案内でご確認ください。

高石市役所が求める人物像

高石市の令和9年4月採用の試験案内には、「求める職員像」にあたる定型の項目が置かれていません。手がかりになるのは、選考の作り方そのものです。

エントリーシートは本人自筆で作成し、スキャンしてPDF化したものを提出するという様式が指定され、生成AIの使用は明確に禁じられています。書いたものが本人の手から出ているかどうかを、ここまで厳密に扱う市だということです。

なぜここまで手書きにこだわるのか。市は理由を書いていませんので、採用の現場を知る立場から補っておきます。

高石市は消防を堺市に委ね、自前で担う領域を絞ってきた市役所です。抱える仕事の範囲を選んできた組織では、残した領域を限られた人数で回すことになります。

そこへ迎える職員について、書面に書かれた姿と本人の実像が食い違わないかどうかを、入口の段階で確かめておきたいと考えるのは自然な流れです。自筆を求め、生成AIを禁じるという二重の縛りは、そこに手をかけている証拠だとみています。

自筆のエントリーシートに書いた一文ずつについて、なぜそう書いたのかを自分の言葉で言える。その状態で第3次の個別面接まで進めば、選考の側が確かめたいことは自然に伝わります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。高石市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク本日はどのようにお越しになりましたか?第3次の個別面接まで進んだ受験者が、力みすぎずに応じられるか
② 動機・志望なぜ高石市を志望するのですか?面積の小さい市を選んだ理由が、自分の関心と結び付いているか
③ 自己理解これまでに諦めたことを教えてください録画動画で語った内容と矛盾しないか。引き際の判断を説明できるか
④ 経験・行動周囲を巻き込んで何かを進めた経験を教えてください集団討論で見せた姿勢と、語る経験が同じ人物のものとして読めるか
⑤ 学業・経歴学生時代に続けてきたことを説明してください続けた事実そのものより、続けるために何を工夫したか
⑥ 適性・将来入庁後、どのような仕事に取り組んでみたいですか?職員数の限られた市役所で、幅広い配属を受け止める姿勢があるか
⑦ 公共性・社会性最近気になった行政に関するニュースはありますか?集団討論でも問われる、短く要点を述べる習慣があるか

この表の質問は、どの自治体でも形を変えて出てきます。つまり、受験者の多くが手当てを済ませてくる領域であり、ここだけで差はつきにくいということです。高石市の選考で違いが出るのは、次の市そのものへの問いです。

合否を分けるのは「高石市役所ならでは」の質問

「なぜ大阪府庁ではなく、高石市役所を志望するのですか?」
「高石市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも、市を調べていなければその場で組み立てようがない質問です。裏を返せば、下調べの量がそのまま答えの厚みとして表れる質問でもあります。

高石市は第1次で書類と動画、第2次で集団討論、第3次で個別面接と、同じ志望動機を形を変えて三度確かめられる試験です。面接で持ち出しやすい事実を、答え方と組にして並べました。

質問テーマ知っておきたい高石市の事実答え方のヒント
市の規模面積11.30平方キロメートルは大阪府内の33市のうち2番目に小さい。人口5万5,601人(令和8年1月1日現在)、人口密度は1平方キロメートルあたり約4,920人小ささを弱みとして語らず、距離の近さが行政サービスにどう効くかへ話をつなげます
年齢構成高齢化率28.0%、75歳以上17.1%で、いずれも大阪府全体の水準を上回る率の高さを述べるだけで終えず、65歳以上の6割が75歳以上という内訳まで踏み込みます
広域での役割分担平成20年10月から消防事務を堺市に委託している自前で持つ領域と委ねる領域の線引きに触れ、限られた体制での選択として説明します
災害への備え平成30年台風第21号では大阪の最高潮位が標高329センチメートルと観測史上第1位を記録した高潮の記録を挙げたうえで、住民として何を備えるかまで自分の言葉で述べます
採用への姿勢職員採用試験案内のキャッチコピーは「未来へ強烈な一撃を。」。令和9年4月採用は職種を合わせて50名程度の採用予定掲げられた言葉をなぞるのではなく、自分ならどこで力を出せるかを添えて答えます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

高石市は求める職員像を公表していないため、評価の観点は選考の設計から読み解くのが確実です。自筆のエントリーシート、1分間の録画動画、集団討論、そして個別面接。

この四つが並ぶ意味を考えると、見られている軸は次の3つに整理できます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が確かめられます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
書いた言葉への責任自筆のエントリーシートに記した内容を、口頭でも同じ筋で説明できるか提出前に写しを取り、書いた一文ずつに「なぜそう書いたか」を答えられるようにしておく
短時間で伝える力1分の録画動画と集団討論で、要点を絞って話せているか時間を計って60秒で話す練習を繰り返し、削る順番をあらかじめ決めておく
続ける力と切り替える力今も続けていることと諦めたことを、どちらも自分の判断として語れるかやめた経験を負い目として扱わず、そのとき何を優先したのかを整理しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

高石市は書類・動画・討論を経て最後に個別面接が待つ分、その場で作った話は見抜かれます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する職種の試験案内を読み、自分の区分では集団討論が第1次と第2次のどちらにあるかを確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. エントリーシートを自筆で下書きし、記した内容をそのまま口頭で説明できるか声に出して確かめる
  4. 「今も続けていること」と「諦めたこと」を書き出し、1分でまとまるまで削る
  5. この記事の第1部を読み返し、市域の規模・年齢構成・消防事務の委託という3点を、高石市の事実として自分の言葉で言えるようにする
  6. 集団討論を想定して、結論から述べる話し方を練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ3のエントリーシートの中身を先に固めてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、高石市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

高石市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

高石市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和9年4月採用の高石市の選考は、自筆のエントリーシートから始まり、動画か集団討論を経て、最後に個別面接で締めくくられます。配点は公表されていませんが、生成AIの使用を明確に禁じ、手で書いたものを求める姿勢からは、言葉が本人のものかどうかを重く見ていることが伝わってきます。

大阪府内で2番目に小さい市域に5万5千人余りが暮らし、府の平均より高齢化が進むまちで、自分は何をしたいのか。書いた言葉と話す言葉を一致させる作業に、いちばん時間を使ってください。