本記事では、河内長野市職員採用試験の面接対策で必要な、河内長野市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

河内長野市役所の面接試験では、「なぜ河内長野市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、市が抱える条件を知らなければ言葉が空回りする質問が想定されます。河内長野市がどんな地形と年齢構成のなかで行政を営んでいるのかを先につかんでおけば、志望の理由に手ざわりが出ます。

本記事は、令和8年度に公表された募集案内のうち令和9年4月採用試験の一般職員採用をもとに、事務(社会人等/上級)を軸として整理しています。同じ年度には令和8年10月採用試験も実施されており、試験内容は同じですが、合格者はそれぞれの試験ごとに決まります。

第1部|自治体研究編

河内長野市の特徴

河内長野市は、大阪府の南東端にあります。府内の他の市とはかなり違う条件を抱えているので、まずは次の7項目で輪郭をつかんでください。

  • 人口は96,571人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、大阪府内33市のうち22番目の規模。
  • 市域は109.63km²で大阪府内33市のなかで3番目に広く、その7割を森林が占める。
  • 府内では堺市・和泉市・大阪狭山市・富田林市・南河内郡千早赤阪村と、府外では奈良県五條市、和歌山県橋本市・伊都郡かつらぎ町と接する。三つの府県に境を接している。
  • 人口密度は約881人/km²。府内の市としては低く、人の暮らす区域が市域の一部に集まっていることを示す。
  • 高齢化率は37.8%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、大阪府内33市のなかで最も高い。
  • 消防は市単独ではなく、令和6年4月に広域化した大阪南消防局が担い、市内には河内長野消防署が置かれている。
  • 市の花はキク、市の木はクスノキ。市役所は河内長野市原町にある。

河内長野市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「河内長野市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

下の表には、市の条件を説明するときに何度も参照することになる数字を並べました。数字の暗記が目的ではなく、その数字が市のどんな状態を表しているのかを言えることが目的です。

項目内容
総人口96,571人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳。大阪府内33市のうち22番目)
65歳以上人口36,540人(高齢化率37.8%。大阪府内33市で最も高い)
75歳以上人口22,241人(総人口の23.0%。こちらも府内33市で最も高い)
総面積109.63km²(大阪府内33市で3番目に広く、7割を森林が占める)
人口密度約881人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体堺市・和泉市・大阪狭山市・富田林市・南河内郡千早赤阪村、奈良県五條市、和歌山県橋本市・伊都郡かつらぎ町
市の花・木キク(花)・クスノキ(木)

総人口と65歳以上・75歳以上の人口および割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。府内順位も同じ統計の大阪府内33市を比較したものです。本文で挙げる大阪府全体の8,775,326人・26.8%・16.4%も同じ統計の値で、割合の分母にもこれを用いています。府の推計人口や国勢調査の結果は調査の基準が異なるため、これらの数値と直接比べることはできません。総面積・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。

数字から考えられる市政課題

府全体の値は、同じ統計で高齢化率26.8%、75歳以上の割合16.4%。これに対して河内長野市はそれぞれ37.8%・23.0%です。高齢化率は府平均を11ポイント上回り、府内33市で最も高い水準にあります。

人数にすると65歳以上が3万6千人、うち75歳以上が2万2千人。人口9万6千人の市で、およそ5人に2人が65歳以上という構成です。

この数字に、109.63km²という市域の広さと森林7割という土地の使われ方が重なります。人が暮らす区域は市域の一部に集まっている一方で、行政が管理する範囲は広い。

移動の手段、医療や介護へのアクセス、道路や施設の維持が、いずれもこの二つの条件の掛け算で難しくなります。

人の集まる区域と、行政が管理する範囲の差は、面接でこう言葉にできます。

「河内長野市は65歳以上の方が4割近くを占めていて、府内でも高齢化が最も進んでいると知りました。市域は広くて7割が森林ですので、住んでいる場所によって暮らしやすさに差が出やすいのではと感じています。まずは市民の方の声を直接うかがえる仕事から始めたいです」

河内長野市の経済・産業

三つの府県に接する南東端の市域

河内長野市は、大阪府の南東の端に位置します。府内側では堺市・和泉市・大阪狭山市・富田林市・千早赤阪村と接し、市域の外へ出れば奈良県五條市、和歌山県橋本市とかつらぎ町です。

府境をまたいだ人の行き来がある一方、市域の7割は森林という構成で、平地に暮らしが集まり、その外側を山が囲んでいます。大阪の都市部を思い浮かべながら志望動機を書くと、この市の実際とずれます。

府域の製造業が置かれている局面

大阪府全体の製造業の数字も見ておきましょう。令和3年経済センサス活動調査(令和3年6月1日現在)では、事業所数1万4,412事業所、従業者数41万7,816人、製造品出荷額等16兆9,758億円。前回調査と比較すると、事業所数は1,720事業所(10.7%)、従業者数は7,692人(1.8%)減った一方で、出荷額等は2,899億円(1.7%)増えました。

府域の製造業は、拠点を絞りながら生産額を保つ段階に入っています。

産業や雇用を志望動機に含めるなら、この段階を踏まえてから市の話へ入ってください。(出典:大阪の製造業の概況(経済センサス活動調査)|令和3年)

8つの区分で人を採る設計

市が抱える仕事の幅は、採用区分の並びに表れます。令和9年4月採用試験の一般職員採用は、事務(社会人等/上級)8人程度、事務(上級(障がい者))1人程度、情報処理(上級)1人程度、社会福祉士1人程度、公認心理師1人程度、文化財保護1人程度、保育士1人程度、土木3人程度という構成でした(事務以外の募集人数は、副主査級職員採用(経験者)と合わせた人数です)。

情報処理、公認心理師、文化財保護といった専門を、それぞれ1人程度の枠で立てているところに、この市が守ろうとしている機能が見えます。(出典:河内長野市職員採用試験募集案内|令和8年度)

河内長野市の主な行政課題

ここまでの地形と年齢構成を並べると、河内長野市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

府内で最も高齢化が進んでいる市であること

高齢化率37.8%・75歳以上23.0%(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳)は、どちらも大阪府内33市のなかで最も高い値です。府が平成28年3月に策定した人口ビジョンでは、府全体の高齢化率が2040年に35.9%へ達すると見込まれています。

河内長野市はその水準に、すでに到達していることになります。府が2040年に想定している社会が、この市ではもう日常だという読み方をしておくと、市の課題への理解が一段深くなります。(出典:大阪府人口ビジョン|平成28年)

府全体の人口減少という背景

令和7年国勢調査の速報値が示す大阪府の人口総数は876万4,578人(令和7年10月1日現在)で、前回の令和2年調査から73,107人・0.83%減りました。府の人口減少は平成27年調査から3回続いています。

その一方、世帯数は430万7,758世帯へ17万1,879世帯・4.16%増え、1世帯当たり人員は2.03人まで下がりました。世帯が小さくなるということは、家族のなかで支え合える範囲が狭くなるということでもあります。

高齢化が府内で最も進む市では、この変化がそのまま行政の仕事量に返ってきます。(出典:令和7年国勢調査 大阪府結果速報|令和7年)

大規模地震への備え

南海トラフ巨大地震について、大阪府は平成26年1月に府域の最大被害想定をとりまとめています。震度5弱から6強、死者13万4千人、建物全壊17万9千棟・半壊45万9千棟、避難所生活者191万5千人、水道断水832万人、経済被害28.8兆円。

府はこの想定をもとに、平成24年から大津波警報の発表を前提とした緊急速報メールの一斉配信訓練を府域で実施しています。高齢の市民が多く、住まいが分散している市では、情報の伝達と避難の支援がそのまま防災の中心になります。(出典:大阪府 南海トラフ巨大地震等被害想定|平成26年)

広い市域の消防を8市町村で支える

河内長野市の消防は、令和6年4月1日に広域化した大阪南消防局が担当しています。構成するのは柏原市・富田林市・河内長野市・羽曳野市・藤井寺市と、太子町・河南町・千早赤阪村。

広域化を始めた時点の管轄人口は約48万人、管轄面積は約290km²でした。その管轄面積のうち4割近い109.63km²を河内長野市が占めています。

令和7年4月1日現在の消防吏員は570名で、うち14名が女性です。令和6年中の出動件数は、火災が72件、救急が32,887件、救助が664件でした。

市内には河内長野消防署が置かれています。(出典:大阪南消防局の消防吏員数・出動件数|令和6年)

重点政策|河内長野市が働く条件として示しているもの

府内で最も高齢化が進み、市域の7割が森林という条件のもとで行政を続けるには、担い手を確保し続けなければなりません。河内長野市の公表資料には、その課題への向き合い方が具体的な数字と制度の形で並んでいます。

職員の働き方を数字で公表している

募集案内の「その他」欄によれば、河内長野市は職員兼業推進条例を制定して職員の兼業を応援しています。あわせて示されているのが働き方の実績値です。

育児休業の取得率は男性職員92.9%・女性職員100%(令和7年実績)、休暇取得日数は年次休暇13.8日・夏季休暇6.3日(令和7年実績)、時間外勤務は月平均7.5時間(令和6年度実績)。

勤務時間は9時から17時30分までで、令和8年8月からは8時45分から17時15分に変更する予定とされています。数字を出して働き方を説明するという姿勢そのものが、市の採用戦略の一部だと読めます。(参考:河内長野市職員採用情報|令和8年度)

年度に2回、同じ内容の試験を実施する

令和8年度の募集案内は「河内長野市職員採用試験委員会」の名義で公表され、令和8年10月採用試験と令和9年4月採用試験の2回を実施すると説明しています。試験内容は同じですが、合格者はそれぞれの試験ごとに決定されます。

年度内に複数の入口を用意しているということで、受験する側にとってはどの回に応募するかという判断が発生します。なお、初級区分の採用試験も別に予定されています。

公正な採用選考を明記している

募集案内には「公正採用選考について」という項目が置かれています。市民の人権を擁護する責任を負っていることを踏まえ、正職員や会計年度任用職員といった市政の担い手の採用にあたっては応募者の適性や能力のみに着目して公正な採用を行う、という考え方が示され、公正採用選考のためのマニュアルを作成して採用担当者・面接担当者で内容を共有しているとされています。

受験者から見れば、問われるのは適性と能力だけだと市が宣言しているということです。

POINT|働き方の数字は志望動機の主役にしない

休暇や時間外の数字は魅力的ですが、そこを志望理由の中心に据えると「働きやすそうだから選んだ」に聞こえます。市が何のためにその条件を整えているのかまで含めて語ってください。

悪い例「時間外勤務が少なく休暇も取りやすいので、河内長野市を志望しました」

改善例「河内長野市が働き方の数字をきちんと公表しているのを見て、長く働いてもらうことを本気で考えている市だと感じました。高齢化が進んでいる分だけ経験を積んだ職員が必要になると思いますので、自分もそこに加わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

次の資料は、いずれも河内長野市や大阪府の公式サイトで読めます。応募する回と区分を決めることが先で、そのうえで市の計画に目を移すのが効率的です。

  • 河内長野市職員採用試験の募集案内(最新年度のもの)と、市の職員採用情報のページ
  • 市の総合計画と、最新年度の予算・市政運営に関する資料
  • 高齢者福祉・地域包括ケアに関する市の計画
  • 大阪南消防組合の広域化と管轄に関する資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、河内長野市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。河内長野市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

河内長野市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

河内長野市役所の面接の概要

ここからは、河内長野市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

河内長野市役所の面接の流れ

令和9年4月採用試験の選考は4段階です。エントリーシートによる書類選考、第1次試験(性格検査・基礎能力試験)、第2次試験(面接試験)、第3次試験(面接試験)。

申込者にはまずエントリーシート選考が行われ、これを通った人だけが第1次試験へ進みます。申込みイコール受験ではないという点は、最初に押さえておくべき構造です。

第1次試験は総合能力試験SPI3(基礎能力試験・性格検査)で、受験者の自宅などWebに接続できる任意の場所で受験します。インターネットに接続された端末が必要です。

性格検査の結果は第1次試験の合否には影響しません。第2次試験は面接試験で、こちらもWEB面接を予定しており、自宅など任意の場所で受験します。

パソコンや通信回線のトラブルを理由とする再受験はできないと明記されている点には注意してください。第3次試験の面接試験は、河内長野市役所で行われます。

市の採用ページには「試験は、企業でよく使われる『総合能力試験(SPI3)』と面接試験を中心に実施しますので、『公務員試験対策』は必要ありません。」と書かれています。4段階のうち3段階が書類と対話で人物を見る場だという構成が、この一文の背景にあります。

項目内容(令和9年4月採用試験・事務(社会人等/上級))
選考の段階エントリーシートによる書類選考 → 第1次試験 → 第2次試験 → 第3次試験の4段階。第1次試験はエントリーシート選考の合格者に対して実施されます
第1次試験総合能力試験SPI3(基礎能力試験・性格検査)。自宅等Webに接続できる任意の場所で受験します。性格検査の結果は第1次試験の結果に影響しません
第2次試験面接試験。WEB面接を予定しており、自宅等Webに接続できる任意の場所で受験します。通信環境のトラブルを理由とする再受験はできません
第3次試験面接試験。場所は河内長野市役所です
採用予定人数事務(社会人等/上級)は8人程度。同じ試験では事務(上級(障がい者))1人程度、情報処理(上級)1人程度、社会福祉士1人程度、公認心理師1人程度、文化財保護1人程度、保育士1人程度、土木3人程度が募集されました(事務以外は副主査級職員採用(経験者)と合わせた人数)
区分の意味「社会人等」は中途採用全般を指し、「上級」は大学卒業程度の基礎能力を問う試験を指します
結果の通知エントリーシート選考は電子メール、第1次試験は市ホームページでの発表と合格者への郵送、第2次試験以降は合否にかかわらず全員へ郵送で通知されます

上記は河内長野市が令和8年度に公表した募集案内にもとづく、令和9年4月採用試験・事務(社会人等/上級)の内容です。同案内には各試験の配点・満点の記載がなく、人物試験の比重は公表されていません。第2次試験・第3次試験はいずれも「面接試験」と記載されており、個別面接か集団面接かの区別や、集団討論の実施については記載がありません。河内長野市の募集案内と職員採用情報のページには、面接カードや自己PRシートといった名称の提出書類に関する記載もありません。実施主体は河内長野市職員採用試験委員会で、事務は市の人事課が担当します。近隣自治体との共同実施・統一試験の枠組みではありません。試験の構成・区分等は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の募集案内でご確認ください。(出典:河内長野市職員採用試験募集案内|令和8年度)

成績の開示についても定めがあります。第1次試験を受験して、あるいはエントリーシート選考の段階で不合格となった場合、希望する本人に得点と順位が通知されます(エントリーシート選考は順位のみ)。

申請には市ホームページからダウンロードする申請書を使います。自分がどの位置にいたかを確かめられる仕組みがある試験だということです。

河内長野市が求める職員

募集案内の冒頭には「河内長野市が求める職員」として3項目が掲げられています。

住民や組織内外と良好に対話ができるコミュニケーション能力を持つ人、前向きに挑戦するチャレンジ精神と自ら成長する意欲がある人、河内長野市に誇りと愛着を持ちまちづくりに熱い思いを持つ人の3つです。3つ目に「誇りと愛着」という言葉が置かれているところに、この市の姿勢が出ています。

案内に書かれているのはここまでです。この先は、事務8人程度という採用規模と、高齢化率37.8%という市の年齢構成を手がかりにした当研究会の想定です。

人が暮らす区域は市域の一部に集まり、その外側に広い森林が広がっています。市民の4割近くが65歳以上で、住んでいる地区によって暮らしの条件がかなり違う。

こうした市では、机の上で決めたことがそのまま通る場面のほうが少なくなります。加えて、消防を南河内8市町村の広域組織に委ねているように、市の外の組織と歩調を合わせる仕事も日常のなかにあります。

ですから面接では、知識の広さより、相手の事情に合わせて進め方を変えた経験のほうが響きやすいだろうとみています。市が掲げる3項目も、どれも特別な資格を前提にしてはいません。

これまで自分がしてきたことを、高齢の市民が多い窓口や山あいの地区の現場に置き換えて話せるかどうかが、そのまま分かれ目になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。河内長野市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク市役所までは、どのくらいかかりましたか?画面越しの面接を経て初めて対面する場で、話し方の印象が変わらないか
② 動機・志望他の市ではなく河内長野市を選んだ理由を教えてください「誇りと愛着」を掲げる市に対して、その根拠を自分の経験から出せるか
③ 自己理解エントリーシートに書いた強みを、一言で言い直してください書類選考を通った内容と、目の前の受け答えがつながっているか
④ 経験・行動誰も手をつけていなかったことに、自分から取りかかった経験はありますか?チャレンジ精神という言葉に、実際の行動が伴っているか
⑤ 学業・経歴これまでの経験を、市のどの分野で生かせると考えていますか?SPI3で測る力とは別に、話を相手の側へ届けられるか
⑥ 適性・将来山あいの地区へ出向く仕事も想定されますが、どう受け止めますか?市域の7割が森林であることを、事前に理解しているか
⑦ 公共性・社会性高齢化が府内で最も進む市で、行政は何を優先すべきだと思いますか?市の年齢構成を踏まえて、優先順位を自分の言葉で述べられるか

この7カテゴリーは河内長野市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。ただし、受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「河内長野市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「河内長野市役所ならでは」の質問

「なぜ大阪府庁ではなく、河内長野市役所なのですか?」
「河内長野市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「河内長野市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい河内長野市の事実答え方のヒント
市域と人口の現在地人口96,571人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で大阪府内33市のうち22番目。面積109.63km²は府内3番目に広く、7割を森林が占める広さを漠然と語らず、人が暮らす区域と管理する区域の差が行政の負担になるという形で述べる
なぜ府庁ではなく市役所か市は事務のほか情報処理・社会福祉士・公認心理師・文化財保護・保育士・土木を1人程度から3人程度の枠で募集している住民に近いという説明で終えず、少人数の専門枠を抱える市の体制のどこに関わりたいのかを名指しで示す
高齢化の現在地高齢化率37.8%・75歳以上23.0%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、どちらも大阪府内33市で最も高い順位を挙げるだけで終わらせず、65歳以上3万6千人という人数と広い市域を掛け合わせて語る
市が求める職員募集案内の冒頭に、対話ができるコミュニケーション能力、チャレンジ精神と成長意欲、市への誇りと愛着とまちづくりへの熱意の3項目が掲げられている3つを読み上げるのではなく、自分の経験がどの項目に当たるのかを一つ選んで、その場面を細かく話す
選考の設計申込者にはまずエントリーシート選考があり、第1次のSPI3と第2次の面接はいずれも自宅等での受験。市役所へ行くのは第3次試験受けやすい試験だと評するのではなく、書面と画面と対面で同じ人物に見えるよう準備してきた、と自分の話に変える

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

河内長野市が募集案内で掲げる「求める職員」の3項目に照らして、面接では「これまでに実際どう行動してきたか」が確かめられます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
対話ができるコミュニケーション能力立場や年齢の違う相手に、伝わる形で話せた経験があるか65歳以上が4割近い市であることを念頭に、年上の相手とやりとりした場面を選んで用意する
チャレンジ精神と成長意欲前向きに新しいことへ踏み出し、そこから何を身につけたか結果が出た話だけでなく、途中で調べ直したり教わったりした過程を残しておく
市への誇りと愛着河内長野市を選んだ理由が、通いやすさ以外の言葉で語れるか市域の地形や高齢化の数字など、自分で調べた材料を志望の理由に組み込んでおく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

河内長野市は面接試験が2回あり、1回目は画面越し、2回目は市役所での対面という順になります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の募集案内を開き、応募する回と区分を決める。年度内に複数の採用試験があるため、この判断を最初に済ませる
  2. エントリーシートを書き上げる。書類選考を通らなければ第1次試験を受けられないため、ここに一番時間をかける
  3. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い河内長野市の事実を2〜3個、自分の言葉で言えるようにする
  6. WEB面接の環境を整えて練習する。通信のトラブルでは再受験できないため、端末と回線の確認まで含めて一度通してみる

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないなら、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を先に終わらせてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。なお河内長野市では、ステップ2のエントリーシートが最初の関門です。ここを軽く済ませると、以降の準備を使う機会そのものが来ません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、河内長野市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

河内長野市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

河内長野市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和9年4月採用試験の事務(社会人等/上級)は、まずエントリーシートで絞られ、SPI3と1回目の面接は自宅から、最後だけ市役所へ足を運ぶという流れでした。

書いた言葉、画面越しの言葉、目の前での言葉。この三つが同じ人のものとして重なるかどうかが問われます。府内で最も高齢化が進み、市域の7割が森林で、専門職を1人程度の枠で募る市。

その条件を知ったうえで自分は何をしたいのかを、エントリーシートの一行目から通せるところまで練り上げてください。