本記事では、四條畷市職員採用試験の面接対策で必要な、四條畷市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。試験に関する記述は、令和8年度の9月試験(令和9年4月採用)の募集要項にもとづいています。
四條畷市役所の面接試験では、「なぜ四條畷市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。9月試験は第1次から最終試験まですべてが個人面接で、筆記の教養試験がありません。話した内容だけで最初から最後まで判断される試験だといえます。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と四條畷市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
四條畷市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは四條畷市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 大阪府の東端で奈良県生駒市と府県境を接する、人口約5万4千人のまち。
- 面積は18.69km²。寝屋川市・交野市・大東市と接し、東は府県境を挟んで奈良県生駒市に向き合う。
- 市は組織運営理念に「日本一前向きな市役所」を掲げ、募集要項では「組織のコンパクトさが強み」だと自ら説明している。
- 「日本一受験しやすい環境」をめざす取り組みとして、採用試験の第1次を録画によるビデオ面接、第2次をWeb面接とし、遠方に住む人や在職中・育児中の人も受けやすい形にしている。
- 高齢化率は26.9%(令和8年1月1日現在)で、大阪府全体の26.8%とほぼ同じ水準。ただし75歳以上の割合は17.4%と、府の16.4%を上回る。
- 消防は市単独ではなく、大東市とともに設ける一部事務組合大東四條畷消防組合(平成25年11月設立)が担っており、市の採用試験の募集職種に消防職はない。
- 大阪府内には、生駒山地と大阪平野の境界付近を枚方市から羽曳野市までほぼ南北に延びる生駒断層帯(全長約38km)があり、四條畷市はその南北の範囲の中に位置する。
- 市の花はサツキ、市の木はクスノキ。
四條畷市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「四條畷市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
四條畷市の場合、まず人口の少なさと、面積のわりに低い人口密度を押さえてください。府内の市街地としては人口が薄く広がっている形で、そこが行政サービスの届け方に関わってきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 53,599人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 14,394人(高齢化率26.9%) |
| 75歳以上人口 | 9,310人(総人口に占める割合17.4%) |
| 総面積 | 18.69km² |
| 人口密度 | 約2,868人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 寝屋川市・交野市・大東市・奈良県生駒市 |
| 消防の体制 | 大東四條畷消防組合(大東市・四條畷市による一部事務組合。平成25年11月設立) |
| 市の花・木 | サツキ(花)・クスノキ(木) |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口および高齢化率は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。総面積・隣接自治体・市の花木は当研究会が整理した基礎データ、消防の体制は大阪府の公表資料によります。人口密度は、上記の住民基本台帳人口を総面積で割って算出した値です。年齢3区分別の人口や総世帯数、市内総生産(市民経済計算)の公表状況については、四條畷市の統計のページで最新の情報をご確認ください。
数字から考えられる市政課題
大阪府全体の人口は、令和7年国勢調査の速報値で876万4,578人(令和7年10月1日現在)でした。
前回の令和2年調査から73,107人・0.83%の減少で、平成27年調査で減少に転じて以来3回続けて減っています。この府の数字は国勢調査を土台にしたもので、上の表の住民基本台帳による市の人口とは基準が異なりますので、両者を並べて増減を計算することはできません。(出典:令和7年国勢調査 大阪府の速報|令和7年)
同じ住民基本台帳の系列で高齢化を見ると、四條畷市の高齢化率26.9%は大阪府全体の26.8%とほぼ重なります。ただし内訳を見ると印象が変わります。
75歳以上の割合は府の16.4%に対して市は17.4%。65歳以上に占める75歳以上の比率が府より高く、支援の必要が生じやすい年齢層に人が寄っている構成です。高齢化率という一つの数字だけを見ていると、この違いは拾えません。
府の人口動態では、令和5年10月から令和6年9月までの1年間に、自然増減が5万3,532人の減少(15年連続の減少)、社会増減が4万9,273人の増加でした。
転入で入ってくる人数が自然減に追いついていない状態です。人口5万人規模の市では、この流れが数十人単位の変化として毎年積み重なっていきます。(出典:大阪府推計人口年報|令和6年)
たとえば面接では、四條畷市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。
四條畷市の経済・産業
経済・産業構造の概要
四條畷市単独の市民経済計算は公表されていないため、大阪府全体の統計を手がかりに、市の置かれた位置を確かめていきます。
- 大阪の製造業は、事業所数1万4,412事業所、従業者数41万7,816人、製造品出荷額等16兆9,758億円(令和3年6月1日現在)。前回調査から事業所数は10.7%減、従業者数は1.8%減となる一方、出荷額等は1.7%増えている。(出典:大阪府 製造業の概況(経済センサス)|令和3年)
- 大阪府の令和7年度当初予算は、一般会計3兆2,714億円(前年度当初比2.3%増)。(出典:大阪府 財政に関する説明資料|令和7年9月)
- 2023年の日本人旅行者による旅行消費額は6,923億円で、大阪府は全国で4番目に多い。(出典:大阪府統計年鑑 第6章 観光|令和6年度)
- 四條畷市は大阪平野の東の縁にあたり、生駒山地の側へ市域が広がる位置にある。
つまり、四條畷市の経済は、府全体の産業の集積の中にありながら、市域の内側だけを見ても全体像がつかめない位置にあると考えておくとよいでしょう。産業や雇用を語るときは、市内で完結する話に閉じず、周辺の市や奈良県側との行き来まで視野に入れる必要があります。
府県境に立つという条件
四條畷市は東で奈良県生駒市と接しています。府県境に面した市では、通勤や通学、買い物といった住民の日常が県境をまたぐことが珍しくありません。
行政の制度は都道府県の単位で区切られていても、住民の生活はその線で切れていない。この落差にどう対応するかは、府県境の市がいつも抱えている論点です。
市の仕事を具体的に想像するときの、ひとつの切り口になります。
コンパクトな組織で行政を回すということ
令和8年度の9月試験で募集されている職種は、一般事務、社会福祉士、保育士・保育教諭、土木、建築、保健師、文化財保護の7種類です。
人口5万人規模の市役所が、福祉から土木、建築、文化財まで一通りの分野をこの陣容で担っているということでもあります。市自身が募集要項で「組織のコンパクトさが強み」であり「新しいことにチャレンジしやすい環境」だと説明しているのは、この規模を前提にした言い方です。(出典:四條畷市職員採用試験募集要項(9月試験)|令和8年度)
隣の市と分け合っている消防
四條畷市の消防は、大東市とともに設ける一部事務組合、大東四條畷消防組合が担っています。設立は平成25年11月です。
市の採用試験の募集職種に消防職がないのは、この体制によります。単独で抱えるには重い機能を隣接する市と分け合うという判断が、実際に形になっている例です。
志望動機を考えるとき、自前で持つものと共同で持つものの線引きは、市役所の仕事像を具体的にしてくれます。(参考:大阪府 消防の広域化等の状況|府公式)
四條畷市の主な行政課題
ここまでの数字と立地の条件を踏まえると、四條畷市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
後期高齢層に寄った年齢構成
高齢化率だけを見れば府平均並みですが、75歳以上の割合は17.4%と府の16.4%を上回ります。75歳を境に医療や介護の必要は目に見えて増えますから、この構成は福祉と保健の現場に直接効いてきます。
人口5万人規模の市では、対象となる人数そのものは大きくありません。だからこそ、制度の枠に当てはめるだけでなく、一人ひとりの事情に応じた対応が求められる場面が多くなります。
5万人規模で人口減少期を迎える
大阪府人口ビジョン(平成28年3月策定)は、府の総人口が2010年の887万人をピークに減り、2040年には750万人、2060年には600万人程度まで落ちる可能性を示しました。
高齢化率は2040年に35.9%、生産年齢人口の割合は2010年の64.4%から54.5%へ下がると見込んでいます(出典:大阪府人口ビジョン|平成28年3月策定)。人口5万人規模の市にとって、この流れは税収と担い手の両方に効きます。
何を続け、何を隣の市と分け合い、何をやめるのか。選択の必要は年々はっきりしてくるはずです。
活断層と巨大地震という二つの想定
大阪府が公表する南海トラフ巨大地震の府域最大被害想定(平成26年1月とりまとめ)は、震度5弱から6強、死者13万4千人、建物全壊17万9千棟・半壊45万9千棟、避難所生活者191万5千人、水道断水832万人、経済被害28.8兆円という規模です(出典:大阪府 南海トラフ巨大地震の被害想定|平成26年1月とりまとめ)。加えて府内には活断層があります。
生駒断層帯は生駒山地と大阪平野の境界付近を枚方市から羽曳野市までほぼ南北に延びる全長約38kmの断層帯で、マグニチュード7.0から7.5程度の地震が想定され、長期確率の最大値をとると我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属します。平均活動間隔は3千年から6千年程度、最新の活動は西暦400年頃から1000年頃と推定されています。(出典:生駒断層帯の長期評価|平成13年)
小さな組織で採用の競争率と向き合う
令和8年度9月試験の事務職A(一般事務)の予定人員は3人程度です。一方、令和7年度に実施された事務職Aの実施状況を見ると、5月試験は申込者数660人に対して最終合格者9人で競争倍率73.3倍、9月試験は申込者数255人に対して最終合格者9人で28.3倍、1月試験は申込者数58人に対して最終合格者6人で9.6倍でした。
ここでの倍率は申込者数を分母としたもので、実施回によって大きく差があります。市が受けやすい仕組みを整えるほど応募は集まりますが、採れる人数は組織の規模で決まります。
この非対称は、市が抱え続ける課題でもあります。(出典:四條畷市職員採用試験募集要項(9月試験)|令和8年度)
重点政策|四條畷市のまちづくりの方向性
四條畷市が何をめざしているかは、市が組織そのものに掲げた理念に表れています。「日本一前向きな市役所」。
これが四條畷市人事戦略基本方針に置かれた組織運営理念です。まちの将来像を語る前に、まず自分たちの働き方を規定する言葉を先に置いたところに、この市の考え方が出ています。
実際、市は年3回の職員意識調査でエンゲージメントを数値化して組織改善を続け、職員研修計画にもとづく計画的な人材育成を行い、全国でも早い時期に着手した働き方改革を継続していると説明しています。人口減少期の小さな組織で行政サービスを保つには、人を採り、育て、辞めさせない仕組みそのものが政策になるという判断です。
志望動機を練るときは、分野別の計画の名称を追うより、この考え方に自分がどう納得できるかを整理しておくほうが役に立ちます。計画の最新版は市の公式サイトから確認できます。
志望分野を絞り込む視点
関心分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③現在の事業 → ④市だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。四條畷市の場合、④は組織が小さいことの裏返しで、一人が最初から最後まで見届けられる場面に見つかりやすいはずです。
POINT|方針の言葉を暗記しなくてよい
大切なのは、事業の名称を知っていることではなく、自分の志望分野と市の課題を結びつけて語れることです。
悪い例「四條畷市の市民に寄り添う行政サービスに携わりたいです」
改善例「まずは窓口の担当として、市民の方の話をしっかり聴くところから始めたいです。その上で、四條畷市は75歳以上の方の割合が府の平均より高いと知りましたので、支援が必要になる前の段階で声をかけられる仕組みづくりに関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
受験する職種の募集要項を先に、次に人事戦略基本方針、最後に関心分野の計画や統計。組織のあり方を先に語る自治体ですから、方針を2番目に置くのが理にかないます。
- 四條畷市職員採用試験の募集要項(受験する実施回・職種のもの)
- 四條畷市人事戦略基本方針
- 四條畷市の総合計画(市公式サイトから閲覧できます)
- 四條畷市の人口・世帯数に関する統計のページ
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、四條畷市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。四條畷市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
四條畷市役所の面接の概要
ここからは、四條畷市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
四條畷市役所の面接の流れ
令和8年度の9月試験(令和9年4月採用)は3段階です。第1次試験が個人面接(ビデオ)、第2次試験が適性検査および提出物と個人面接(Web)、第3次試験にあたる最終試験が個人面接(対面・四條畷市役所)という並びになります。
この構成の要点は形式の一貫性にあります。第1次から最終まですべてが個人面接で、集団面接も集団討論もグループワークも実施されません。
筆記の教養試験・専門試験も課されず、学科系にあたるのは第2次試験の適性検査だけです。募集要項も「特別な公務員試験対策は不要です」と明記しています。
3つの面接はそれぞれ形式が違い、要項に定義が書かれています。ビデオ面接は「専用URLを発行し、受験者にこちらがあらかじめ指定した質問に対して返答するコメントを録画してもらうことで、お互いの時間を合わせなくても実施ができる面接方式」。
Web面接は「テレビ電話機能を活用してオンライン上でリアルタイムに面接を行うこと」。そして対面の面接は市役所に来庁して行うものです。
録画、リアルタイムの画面越し、そして対面と、話す条件が段階ごとに変わっていきます。
| 項目 | 内容(令和8年度・9月試験/令和9年4月採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 3段階。第1次試験→第2次試験→最終試験 |
| 第1次試験 | 個人面接(ビデオ)。専用URLで指定された質問に、録画したコメントで答える方式 |
| 第2次試験 | 適性検査および提出物と、個人面接(Web)。適性検査はWeb受検のみで受検時間は約40分、一度開始すると終了まで中断できない |
| 第2次試験の提出物 | エントリーシート追加項目の提出。第1次試験の合格発表後に採用管理システムのマイページ内で入力・提出する。期日までに適性検査の受検がない場合、または提出物の入力がない場合は個人面接(Web)を実施しない |
| 最終試験 | 個人面接(対面・四條畷市役所) |
| 集団形式 | 実施されない(集団面接・集団討論・グループワークの記載はなし) |
| 合格基準 | 「それぞれの所定科目において一定の基準点に達しないときは、不合格となります」と定めるのみで、配点・満点は公表されていない |
| 募集職種 | 一般事務、社会福祉士、保育士・保育教諭、土木、建築、保健師、文化財保護。複数の職種に重複して申し込むことはできない |
| 事務職A(一般事務) | 昭和57年4月2日から平成21年4月1日までに生まれた人が対象。学歴は問わない。予定人員は3人程度 |
過去の実施状況も公表されています。令和7年度に実施された事務職A(一般事務)は、5月試験が申込者数660人・第1次合格65人・第2次合格18人・最終合格9人で競争倍率73.3倍、9月試験が申込者数255人・第1次合格36人・第2次合格16人・最終合格9人で28.3倍、1月試験が申込者数58人・第1次合格15人・第2次合格9人・最終合格6人で9.6倍でした。
事務職C(保育士・保育教諭)は5月試験が申込21人で最終合格2人の10.5倍、9月試験が申込20人で最終合格5人の4倍。事務職B(社会福祉士)は9月試験が申込11人で最終合格3人の3.6倍です。
職種と実施回によって競争率が大きく違うという点は、受験する回を選ぶうえで知っておく価値があります。
申込は必ず採用管理システムからのインターネット申込です。複数の職種に重複しての申し込みはできず、重複が確認された場合はどの職種の申し込みかを確認されます。
上記の試験構成は、四條畷市の令和8年度9月試験(令和9年4月採用)の募集要項にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や実施回、受験職種によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の職種の最新の試験情報をご確認ください。
四條畷市が定める「求める職員像」
四條畷市は人事戦略基本方針のなかで、組織運営理念である「日本一前向きな市役所」の実現に向け、倫理・規律を土台としたうえで「挑戦」「共感」「連携」という3つのキーワードをもとに求める職員像を定めています。(出典:四條畷市職員採用試験募集要項(9月試験)|令和8年度)
- 挑戦
「やってみようを大切にする職員」「やってみたいを応援する職員」。日本一をめざす前向きな姿勢が込められています。 - 共感
「しっかり聴く職員」「相手の立場で考える職員」。「市民のために」の根幹となる寄り添う姿勢とされています。 - 連携
「役割を全うする職員」「仲間と協調する職員」。職員相互の協調で組織力を活かす姿勢を指します。
総論も明快です。募集要項は求める職員像を「『日本一前向きな市役所』を一緒にめざしていける職員。それは、市民に寄り添い考え、多様な力を合わせ、前に向かって課題の解決や新たな課題に挑戦できる職員です」と述べ、続けて「四條畷市役所は、組織のコンパクトさが強みであり、新しいことにチャレンジしやすい環境です」と記しています。
そのうえで「職員採用試験では、より求める職員像に近い人、または求める職員像の資質を持った人を重視し、選考を行います」と明言しています。
選考の見方についても説明があります。市は人材要件フレームを活用し、正規職員の選考ではポテンシャルおよびスタンスを、任期付職員ではポータブルスキルおよびテクニカルスキルを重視するとしています。
新卒で正規職員を受ける人にとっては、今できることの一覧より、これからどう伸びるかと、物事にどう向き合うかが見られるということです。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。四條畷市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | はじめに、お名前と志望職種を教えてください | 録画、画面越し、対面と条件が変わるなかで、話の入り方が同じ調子で保てているか |
| ② 動機・志望 | 大阪府内には市が多くありますが、なぜ四條畷市なのですか? | 人口5万人規模の市を選んだ理由が、自分の経験と結びついているか |
| ③ 自己理解 | やってみたいと思ったことを、実際に始めたことはありますか? | 市が最初に置く「挑戦」というキーワードと、自己認識が無理なく重なるか |
| ④ 経験・行動 | 相手の話をよく聴いたことで、判断が変わった経験はありますか? | 「しっかり聴く」という市の言葉を、行動の中身として説明できるか |
| ⑤ 学業・経歴 | 提出いただいた追加項目の内容を、口頭でも説明してください | 第2次試験で入力した文章と、その場の説明が同じ人の言葉として一致するか |
| ⑥ 適性・将来 | 希望していない分野に配属されたら、どうしますか? | 福祉から土木、文化財まで7職種で回す組織の実情を、どこまで想像できているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 世の中の動きで、自分に関係があると感じたものはありますか? | 身近な出来事と行政の仕事を結び付ける回路が働いているか |
受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのが実情です。
では、どこで差がつくのか。それが次の「四條畷市ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「四條畷市役所ならでは」の質問
どちらも四條畷市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「四條畷市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい四條畷市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 基礎自治体で働く理由 | 四條畷市は一般事務から福祉、土木、建築、文化財まで7職種で市政を担い、市自身が「組織のコンパクトさが強み」だと述べている | 制度上の役割分担を並べるのではなく、一人が最初から最後まで見届けられる規模で働きたいという理由に引き寄せる |
| 四條畷市の魅力と課題 | 高齢化率26.9%は大阪府全体の26.8%とほぼ同水準だが、75歳以上の割合は17.4%と府の16.4%を上回る | 平均値が同じでも中身が違うことを示し、数字の読み方まで含めて説明する |
| 府県境という立地 | 東は府県境を挟んで奈良県生駒市と接し、寝屋川市・交野市・大東市とも隣り合う | 境に位置することを地理の説明で終わらせず、住民の生活が県境をまたいでいる前提まで踏み込む |
| 災害への備え | 生駒山地と大阪平野の境界付近には全長約38kmの生駒断層帯があり、長期確率の最大値では主な活断層の中でやや高いグループに入る | 断層の名称を挙げるだけでなく、揺れたあとに市役所が何をする組織なのかまで話を進める |
| 求める職員像 | 市は「挑戦」「共感」「連携」の3つを掲げ、正規職員の選考ではポテンシャルとスタンスを重視すると明記している | 3つを暗唱せず、自分から始めた経験を一つ選び、その途中で人の話を聴いて判断を変えた場面まで含めて話す |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、人事戦略基本方針が定める「求める職員像」の中身を、これまでの行動から確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 挑戦 | やってみようと思って自分から始めた経験と、その後どう続けたかが順を追って問われる | 選考でポテンシャルとスタンスが重視されると要項にある以上、成果の規模より、始めた理由と続け方を語れる形に整える |
| 共感 | 相手の話を最後まで聴いたうえで自分の対応を決めた場面があるか | 75歳以上の割合が府平均を上回る市の窓口を思い浮かべ、急がずに聴いた経験を一つ選んでおく |
| 連携 | 与えられた役割を果たしつつ、周囲と足並みをそろえた経験があるか | 7職種で市政を回す組織であることを踏まえ、自分の担当を越えて手を貸した場面と、その線引きの理由を用意する |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
四條畷市では録画、画面越し、対面と三度にわたって同じ人物を見られます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
7職種で回す市役所が探している人
では、この市はどんな人を探しているのか。要項の文言からもう一歩踏み込んで、7職種という体制と、三度にわたって形式を変える試験の作りから、当研究会なりの答えを出してみます。
人口5万4千人ほどの市が、一般事務のほかに社会福祉士、保育士・保育教諭、土木、建築、保健師、文化財保護という7職種で行政を担っています。
分野ごとに担当が何人もいる体制ではありませんから、ひとつの案件を最初から最後まで同じ職員が抱えることになりやすい。市が「新しいことにチャレンジしやすい環境」と書くのは、裏を返せば前例のない仕事が回ってくるということでもあります。
そうした職場で効いてくるのは、経験のない分野を渡されたときに、まず手をつけてみられるかどうかです。加えて、市域が18.69km²、人口5万人規模という条件では、担当した相手と別の場面で再び顔を合わせることもあるはずです。
窓口で交わした一言が次に会うときまで残る、と考えておいたほうが実際に近いでしょう。市が採用後にメンター制度や副市長との面談まで用意しているのは、少人数の組織で人を育てきる必要があるからだとも読めます。
録画、画面越し、対面と条件が三度変わっても同じ人物だと伝わるのは、実際にあったことを話しているときだけです。撮り始める前に「この経験で通す」と決めておけば、形式の違いは怖くありません。
自分に合う話を新しく作るのではなく、すでに持っている話のどれなら三度とも同じ強さで語れるかを見きわめる。それが最初にやるべきことです。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 受験する実施回の募集要項を読み、申し込む職種を1つに決める(複数の職種への重複申込はできない)
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。第1次試験は指定された質問に録画で答える形式なので、撮る前に話す材料をそろえておく
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 第2次試験に備える。適性検査はWeb受検のみで約40分、一度始めると中断できないため、時間と回線の確保を先に済ませる。エントリーシート追加項目の入力も期日までに終える
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集めて「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編み、声に出しながら「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
順番はステップ2が先です。四條畷市の第1次試験は録画による個人面接ですから、話す材料がそろっていなければ何度撮り直しても中身は変わりません。ステップ5〜6の自治体研究と固有質問づくりは、そのうえで差をつけるための工程です。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、四條畷市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
四條畷市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度9月試験の四條畷市の採用試験は、録画のビデオ面接から始まり、画面越しのWeb面接を経て、最後は市役所での対面の個人面接で決まります。集団の場は一度もなく、問われるのは終始あなた一人の話です。
「日本一前向きな市役所」を掲げ、7職種で5万人規模のまちを支える組織で、自分は何をやってみたいのか。カメラに向かって答える最初の一本から、その問いへの答えは始まっています。