和泉市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、この1ページに整理しました。

和泉市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ和泉市消防本部なのか」「新庁舎への移転や広域連携をどう理解しているか」といった、組織の変化への理解を前提とする質問が想定されます。令和6年に新庁舎へ移転し、堺市との指令連携も始まった和泉市消防本部ならではの事情を知っておくことで、どの本部にも当てはまる一般論では終わらない受け答えに近づけます。

掲載している事実を足がかりに、これまでの経験と和泉市消防本部の仕事との接点を探ってみてください。消防職Aと消防職Bで試験の組み立てが異なる本部だからこそ、自分の受験区分にあわせた理解が欠かせません。

第1部|組織研究編

和泉市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは和泉市消防本部の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 和泉市消防本部は、和泉市を単独で管轄する市直営の消防本部である。大阪府内の消防事務の委託3件、一部事務組合5組合のいずれにも含まれない単独設置の本部である。
  • 消防吏員数は167人(うち女性2人、令和7年4月1日現在)で、令和6年中の出動件数は火災47件・救急11,213件・救助123件となっている。
  • 消防士の採用試験は「消防職A」「消防職B」の2区分に分かれ、市長公室人事課が実施する和泉市職員採用試験の一区分として行われる。
  • 令和6年12月1日、和泉市消防本部・和泉消防署は府中町四丁目の新庁舎へ移転して稼働を開始し、現場到着時間の短縮や災害時の連携・協力体制の強化が見込まれている。
  • 令和6年12月から堺市と消防指令業務を連携し、Live119の運用を開始している。堺市消防局消防指令センターの共同運用として、大阪府内で行われている6件の指令センター共同運用の一つに数えられる。
  • 和泉市の人材育成基本方針(令和6年9月改定)は、全職種共通の「めざすべき職員像」として「和泉市の100周年を見据え、より高い理想を追求し、挑戦する職員」を掲げている。
  • 採用試験の申込みは専用システムのみで受け付けられ、郵送や持参での申込受付は行われていない。

和泉市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、細かい統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「和泉市消防本部の大体のスケール感」をつかんでおくことも欠かせません。

下の表は、管内人口と体制の規模、令和6年中の出動件数をまとめたものです。個々の数字を覚えるより、体制と仕事量の釣り合いを感じ取る材料として眺めてみてください。

項目内容
管内人口181,322人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口)
高齢化率26.6%(75歳以上率15.6%)
消防吏員数167人(うち女性2人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数47件(令和6年中)
救急出動件数11,213件(令和6年中)
救助出動件数123件(令和6年中)

管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する全国の消防本部データ(吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中)によります。

件数の差から見える和泉消防の課題

火災47件に対し救急は11,213件で、件数の差は200倍を超えます。救急対応が日常の活動量の大部分を占めるという実態を、業務理解の前提として押さえておきましょう。

火災の少なさは予防の成果とも読めますが、その分だけ救急に人員が集中しているとも考えられます。

和泉市の高齢化率は26.6%(75歳以上率15.6%、令和8年1月1日現在)です。18万人を超える人口を167人の吏員で支える構図であり、一人ひとりの守備範囲がおのずと広くなる規模感だといえるでしょう。

「和泉市では救急の出動が年間1万1千件を超える一方で、火災は年間50件に満たないと聞きました。18万人を超える人口を200人に満たない吏員で支えていると考えると、一人ひとりが担う役割の重さを感じます」

管轄地域の特性と災害リスク

弥生の遺跡と新しいまちの共存

  • 和泉市の池上曽根遺跡は南北1.5km・東西0.6kmに広がる総面積60万平方メートルの大遺跡で、弥生時代の全期間を通じて営まれた国内屈指の環濠集落とされる。(出典:池上曽根遺跡|和泉市)
  • 一方で市は「トリヴェール和泉」の開発に伴う人口増加により、平成15年に人口18万人を突破した経緯を持つ。
  • 古くからの歴史的な資産と、比較的新しい住宅地の両方を抱える点が、和泉市の地域理解のポイントになる。
  • 新旧の市街地が混在するまちであることは、住宅密集地から新興住宅地まで幅広い現場条件に対応する必要があることも意味している。

大阪府域の南海トラフ地震想定

平成26年1月にとりまとめられた大阪府の南海トラフ巨大地震の被害想定(内閣府の断層モデルに基づく大阪府算出)は、府域最大で震度5弱〜6強、死者13万4千人、建物全壊17万9千棟・半壊45万9千棟という数字を示しています。

府全域を対象とした最大クラスの想定であり和泉市だけの値ではありませんが、和泉市消防本部が備えの上限を考えるときの目安になります。

18万人を超える人口を抱える和泉市消防本部にとっても、こうした規模の災害が起きた場合、自前の体制だけで対応しきることは現実的ではなく、広域の応援体制を前提とした備えが欠かせません。(出典:南海トラフ巨大地震の被害想定|大阪府(平成26年1月とりまとめ))

大阪880万人訓練という府域の取組

「大阪880万人訓練」は、南海トラフ巨大地震による大津波警報の発表を想定して大阪府が平成24年(2012年)から続けている府域一斉の訓練です。

訓練用の緊急速報メールを合図に、府民一人ひとりが情報の受け取り方と避難行動を確かめる取組で、和泉市消防本部の管内もその対象に含まれます。(出典:大阪880万人訓練について|大阪府)

一つの本部の努力だけでなく、府全体で災害への意識を底上げしていこうとする姿勢がうかがえます。

管内人口が18万人を超える和泉市消防本部にとっても、住民自身の備えを後押しするこうした訓練は、少ない人員で災害時の被害を抑えるうえで欠かせない取組の一つです。

和泉市の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、和泉市消防本部が向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

消防庁の確定値によると、全国の救急出動は令和6年中に771万8,380件を数えました。統計のある昭和38年以降で最大の件数です。

和泉市の11,213件(令和6年中)もその延長線上にあり、高齢化率26.6%という管内の人口構成を踏まえると、当面この水準の需要が続くと見ておく必要があります。

167人という体制で、この件数に日々応え続けている実態を知っておくと、志望動機の説得力が増します。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

大規模災害への備えと広域連携

南海トラフ巨大地震という大きなリスクを前にしたとき、167人の体制だけで市内すべての現場に応じきることは想定しづらいのが実情です。

緊急消防援助隊には、全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が登録されており、都道府県をまたいで部隊が応援に入る仕組みが整っています。

令和6年12月に始まった堺市との指令連携も、こうした広域での備えを日常の運用面で下支えする取組の一つです。

指令業務を共同で担うことで、片方の本部だけでは対応しきれない同時多発的な災害にも、より柔軟に人員と車両を振り向けられるようになります。(出典:令和6年版 消防白書)

新庁舎を軸にした予防・現場体制の底上げ

令和6年12月に稼働した新庁舎は、現場到着時間の短縮や災害時の連携・協力体制の強化が見込まれるとされています。

庁舎という基盤が新しくなったことは、現場出動だけでなく、住宅や事業所への立入検査といった予防業務を支える環境の向上にもつながります。

指令業務が堺市と連携したこともあわせて考えると、和泉市消防本部は施設・体制の両面から次の時代の消防のかたちを模索している段階にあると言えます。

ハード面の刷新をどう活かしていくかは、これから入る職員自身にも関わるテーマです。

新しい設備や動線をどう使いこなし、日々の業務の質にどうつなげていくかは、若い世代の職員の視点が生きる分野でもあります。

人材確保と女性消防吏員の活躍

消防吏員167人のうち女性は2人で、割合は約1.2%にとどまります。

同じ時期の全国値は令和7年4月1日現在の消防吏員168,230人のうち女性は6,386人(約3.8%)で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています。

全国平均と比べても低い水準にある現状は、性別を問わず幅広い人材を受け入れていく必要性を物語っています。

採用試験の入口が能力適性検査というテストセンター方式になったことも、これまで公務員試験に縁のなかった層を含め、応募の裾野を広げようとする動きの一環と見ることができます。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

広域連携による指令体制の強化

和泉市消防本部は令和6年12月から堺市消防局消防指令センターとの共同運用を開始し、「堺市・和泉市消防指令業務広域連携協議会」の枠組みで指令業務を連携しています。

一つの本部だけで完結しない仕事の広がりを理解しておくことは、地域防災力を語るうえでの土台になります。

指令業務という目立ちにくい分野での連携が、実は現場到着のスピードや応援体制の柔軟さに直結しているという視点は、面接で意外性のある切り口として使えます。

重点方針|新庁舎整備と広域指令連携

和泉市消防本部が独自に公表している年次の運営方針は、2026年9月時点では確認できていません(当研究会調べ)。代わりに手がかりになるのが、令和6年12月に移転した新庁舎と、堺市との消防指令業務の連携(Live119)という、近年相次いで実現した2つの体制強化です。

取組内容
新庁舎への移転令和6年12月1日、和泉市府中町四丁目の新庁舎で稼働を開始。現場到着時間の短縮や災害時の連携・協力体制の強化が見込まれる
広域指令連携(Live119)令和6年12月から堺市消防局消防指令センターとの共同運用を開始し、「堺市・和泉市消防指令業務広域連携協議会」の枠組みで指令業務を連携

面接では、こうした変化のどこに関心を持っているかを語れると、直近の組織理解を踏まえた志望だと伝わります。名称や日付を覚えるだけでなく、変化の先に何を目指しているのかまで自分の言葉にしておきましょう。

POINT|変化の理由まで理解する

新庁舎や指令連携の名称を覚えることが目的ではありません。なぜその変化が必要とされたのかを、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

悪い例「地元が好きなので、和泉市消防本部を志望します」

改善例「地域のお祭りで避難誘導のボランティアをした経験があります。和泉市は新庁舎への移転や堺市との指令連携など体制の見直しを進めていますので、その経験を防災の呼びかけや地域との連携の場面で生かしたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

和泉市消防本部の準備では、受験資格と試験種目を先に確定させ、そのあとで府全体の防災の枠組みへ視野を広げる順序が効率的です。

  • 和泉市職員採用試験案内(消防職の受験資格と試験種目)
  • 大阪府の「大阪880万人訓練」の案内ページ
  • 総務省消防庁が公表する全国消防本部のデータ
  • 大阪府南海トラフ巨大地震被害想定

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では、その一歩先の「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、和泉市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。和泉市消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

和泉市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

和泉市消防本部の面接の概要

ここからは、和泉市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

和泉市消防本部の面接の流れ

和泉市の消防職Aは三次試験制です。第一次試験は能力適性検査(SCOA)と体力測定を組み合わせ、採点配分は能力適性検査60%・体力測定40%と公表されています。

段階内容(消防職A)
第一次試験能力適性検査(SCOA・テストセンター方式)+体力測定(握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・20mシャトルラン・立ち幅とび)。採点配分は能力適性検査60%・体力測定40%
第二次試験個人面接
第三次試験個人面接(会場は和泉市役所)
面接の種類個人面接2回。集団討論はなし

注目してほしいのは、消防職Aには集団討論が課されない点です。同じ和泉市でも事務職Aの第二次試験には個人面接に加えて集団討論がありますが、消防職Aは個人面接のみで完結します。

第一次試験はテストセンター方式のSCOAで、「公務員試験の準備をしていない方でも受験しやすい内容です」と案内に明記されており、入口の間口が広い分、2回の個人面接でどれだけ自分の言葉を積み重ねられるかが重要になります。

上記は令和8年度の消防職A(春季採用)によります。消防職B(高卒程度)は9月以降に別途実施され、試験構成は異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の受験案内でご確認ください。(和泉市職員採用試験案内|令和8年度)

和泉市消防本部が求める人材

和泉市消防本部は、消防職固有の「求める人物像」を明文では公表していません(2026年9月時点・当研究会調べ)。

手がかりになるのが、全職種共通の人材育成基本方針が掲げる「和泉市の100周年を見据え、より高い理想を追求し、挑戦する職員」という職員像です。

短期的な成果だけにとらわれず長期的な視点を持つこと、現状に満足せず高みをめざすこと、困難にも立ち向かうチャレンジ精神を持ち続けることの3点が込められています。

一般論になりますが、和泉市消防本部のように吏員が百人台の単独本部では、消火・救急のほかに予防や広域連携まで一人の職員が関わる場面が生まれやすく、担当が変わるたびに一から学び直せる粘り強さが力になります。

和泉市消防本部の場合は、新庁舎への移転や堺市との指令連携など、体制そのものが変化を続けている時期にあたるため、変化を前向きに受け止めて対応する姿勢を語れると、この本部らしい志望動機になります。

人材育成基本方針が全職種共通で掲げる「理想に上限なし」という考え方は、消防吏員として現場に立つうえでも、日々の技術や知識を更新し続ける姿勢に置き換えて理解できるでしょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。和泉市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどのようにして会場までいらっしゃいましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ和泉市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と和泉という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学生時代に最も打ち込んだことは何ですか?取り組みの過程を順序立てて説明できるか
⑥ 適性・将来体力測定に向けてどのような準備をしていますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

二次試験・三次試験がいずれも個人面接という和泉市消防本部の構成では、同じような質問が形を変えて繰り返される可能性があります。

まずはこの7つに目を通し、それぞれ短い答えを置いてみてください。

ここから先は、和泉市を選んだ理由を語る次の質問で差がつきます。

合否を分けるのは和泉市消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官なのですか?」
「なぜ和泉市消防本部を志望するのですか?」

1問目では近接する職業との違いをどう整理しているかが、2問目ではこの土地を選んだ理由をどこまで具体化できているかが見られます。

個人面接が二次・三次と続く和泉市消防本部では、一度の答えで終わらせず、深掘りに耐えられる材料を用意しておく必要があります。

面接で使いやすい「和泉市の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい和泉市の事実答え方のヒント
新庁舎への移転令和6年12月1日に府中町四丁目の新庁舎で稼働開始、現場到着時間の短縮が見込まれる(詳細は第1部1章・5章)施設が新しくなった事実だけでなく、その先に期待される効果まで語れると理解の深さが伝わる
堺市との広域連携令和6年12月からLive119により堺市消防局消防指令センターと共同運用(詳細は第1部5章)一つの本部で完結しない仕事の広がりを理解していることを示せる
救急需要の増加令和6年中の救急出動は11,213件で、火災の47件と大きな差がある(詳細は第1部2章・4章)件数の差を入口にして、高齢化率26.6%という管内の年齢構成まで話をつなげる
まちの成り立ち池上曽根遺跡という弥生時代の大規模環濠集落が残る一方、トリヴェール和泉の開発などで人口が増えてきた歴史がある(詳細は第1部3章)歴史と成長という二つの側面から地域を語れると印象に残りやすい
試験の構成消防職Aは能力適性検査60%・体力測定40%の第一次試験のあと、個人面接が二次・三次と続く(詳細は第2部1章)集団討論がない分、一つひとつの面接での掘り下げに備えておく

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、〈事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと〉という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

和泉市は消防職Aについて、第一次試験の採点配分(能力適性検査60%・体力測定40%)を公表していますが、第二次・第三次の個人面接の配点や比重までは明らかにしていません。

読み取れるのは、個人面接が二次・三次と2回続く構造だという点です。

集団討論がない分、一対一の対話の中でどれだけ具体的に語れるかが重視されると考えられます。

配点が非公表な部分については、一般論になりますが、過去に実際に取った行動の事実から入職後の再現性を読み取る「コンピテンシー評価」という枠組みが公務員試験で広く用いられており、これを準備の軸に置いておくと迷いが減ります。

第一次試験の配点が明確に示されているだけに、第二次・第三次でどこまで具体的な行動を語れるかが、そのまま準備の差として表れやすい試験だといえます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
一貫性二次・三次の2回の個人面接で話す内容がぶれていないか一つの経験を、聞かれ方が変わっても答えられる細かさまで分解しておく
対応力一つの持ち場にとどまらず、複数の役割を学び直してきた経験があるか吏員が百人台の本部では役割の幅が広がりやすい。異なる場面に対応した経験を用意しておく
変化への向き合い方新しい体制や仕組みにどう前向きに関わってきたか新庁舎や広域連携など変化が続く組織だからこそ、変化を受け止めて動いた経験を語れるようにする
基礎体力体力測定に向けてどれだけ計画的に準備してきたか採点配分に体力測定40%が明記されている以上、当日までの取り組み方も具体的に語れるようにしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。個人面接が二次・三次と続く和泉市消防本部ではなおさら、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、本番までの準備手順に落とし込みます。消防職Aと消防職Bで試験の実施時期が異なる点を踏まえ、自分の区分にあわせて進めていきましょう。

  1. 自分が受ける区分(消防職A・消防職B)を確認し、試験の実施時期と第一次試験の内容を把握する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、状況に応じて役割を変えながら取り組んだ具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。体力測定に向けたトレーニングと、個人面接を想定した練習も並行して進める

特に体力測定は6種目と種目数が多く、採点配分も40%と決して軽視できない比重を占めています。面接対策とあわせて、当日までの体づくりも計画的に進めておきましょう。

申込みは専用システムでのみ受け付けられ、申込み前半年以内に撮影した顔写真データの準備が必要です。

手続きの確認は早めに済ませ、直前は志望動機を語る練習に時間を使えるようにしておきましょう。

書類の不備で出遅れることのないよう、余裕をもって準備しておくことをおすすめします。

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で和泉市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、個人面接が二次・三次と続く分、一度の準備で終わらせず、繰り返し深掘りに耐えられる材料を積み上げておくことが本番での安定につながります。

面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、和泉市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

和泉市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

和泉市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

和泉市消防本部は、令和6年12月の新庁舎移転と堺市との指令連携という、体制の見直しが相次いだ時期にある167人体制の単独消防本部です。

消防職Aは能力適性検査と体力測定による第一次試験のあと、個人面接が二次・三次と続く構成で、集団討論は課されません。

配点の多くが非公表だからこそ、新庁舎への移転や広域連携といった、実際に進んできた変化への理解が、そのまま準備の厚みになります。

自分のこれまでの経験のどこが和泉市消防本部の仕事につながるのか、消防職Aと消防職Bそれぞれの試験の流れを踏まえながら、言葉にしていってください。弥生時代の遺跡が残る土地に新しいまちが重なってきた和泉市らしく、これから入る職員にも、積み重ねてきたものを大切にしながら次の体制づくりに関わっていく姿勢が求められています。