本記事では、日田市職員採用試験の面接対策で必要な、日田市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点について、わかりやすくまとめています。

日田市の面接試験では、「なぜ日田市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。日田市は年度内に複数回の採用試験を実施しており、本記事は令和8年度後期試験(令和9年4月1日採用)の受験案内をもとに記載しています。

志望する回次によって募集職種や日程が異なる場合がありますので、必ず該当回次の案内と照らし合わせてください。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と日田市政の接点を考え、面接での回答作りにしっかりと役立ててください。

第1部|自治体研究編

日田市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは日田市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 江戸幕府の直轄地「天領」として栄えた歴史を持つ内陸の市。寛永16年(1639年)に日田陣屋(日田御役所)が置かれ、その陣屋のもとで町人地が発展した。
  • 大分県内では中津市・玖珠郡玖珠町とのみ接し、県境を越えて福岡県(うきは市・八女市・朝倉市・田川郡添田町・朝倉郡東峰村)、熊本県(山鹿市・菊池市・阿蘇市・阿蘇郡南小国町・小国町)と隣接する。面積は666.03km²で、大分市の502.39km²を上回る広さ。
  • 天領時代の町人地の街並みを伝える商家町・豆田町は、平成16年12月10日に重要伝統的建造物群保存地区に選定された(約10.7ha)。(出典:豆田町の伝統的建造物群保存地区について(日田市))
  • 日田祇園祭はユネスコ無形文化遺産に登録されており、伝統行事が今も受け継がれている。
  • 市の花はアヤメ、市の木はサザンカである。
  • 高齢化率37.3%、75歳以上人口は総人口の21.4%を占める(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
  • 平成24年・平成29年の九州北部豪雨、令和2年7月豪雨と、たびたび記録的な豪雨災害に見舞われてきた経緯があり、市はそのつど詳しい記録誌を作成し、経験を後世に伝える形で公開している。

日田市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「日田市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口の規模と年齢構成、市域の広さ、そして県境をまたぐ隣接関係という、日田市の性格を説明しやすい項目から並べました。

項目内容
総人口59,304人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口22,149人(高齢化率37.3%)
75歳以上人口12,681人(総人口の21.4%)
総面積666.03km²
人口密度約89人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体(大分県内)中津市、玖珠郡玖珠町
隣接自治体(他県)福岡県:うきは市・八女市・朝倉市・田川郡添田町・朝倉郡東峰村/熊本県:山鹿市・菊池市・阿蘇市・阿蘇郡南小国町・小国町
市の花・木アヤメ・サザンカ

総人口・65歳以上人口・高齢化率・75歳以上人口・75歳以上率は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。面積・隣接自治体・市の花木は市公表資料等によります。県の公表値には国勢調査を基準にしたものもありますが、調査年も算出方法も違うため、本記事の県との比較はすべて住民基本台帳の系列でそろえています。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省))

数字から考えられる市政課題

同じ住民基本台帳の基準でみると、大分県全体の高齢化率は34.2%、75歳以上率は20.1%です。日田市の37.3%は県全体を3.1ポイント上回り、75歳以上率も1.3ポイント高い水準にあります。

県境まで広がる市域に人口が分散して暮らしていることも、高齢化の進み方に影響していると考えられます。

面積666.03km²という広さは、大分県の県庁所在地である大分市(502.39km²)を上回ります。人口密度は約89人/km²と、市街地と山間部が併存する土地利用の姿がうかがえます。

福岡・熊本の両県と県境を接する立地は、隣接自治体との連携や、災害時の広域応援の受け入れといった場面で意味を持つ条件です。市域の中には中津江村のように山間部にある地域も含まれ、中心市街地からの距離や道路事情によっては、行政サービスの届け方そのものを工夫する必要も出てきます。

「日田市は高齢化率が37.3%と、大分県平均より3ポイントほど高い状況です。福岡と熊本の両方に接する広い市域に暮らす方々の生活を支えるには、地域ごとの事情をきちんと把握したうえで動く必要があると考えています」

日田市の経済・産業

天領の歴史を伝える商家町・豆田町

日田市の市内総生産に相当する数値は、公表資料の中には収録されていませんでした。ここでは金額ではなく、確かめられた資産のほうから市の経済を眺めていきます。

もっとも際立った資産が重要伝統的建造物群保存地区に選定された商家町・豆田町です。江戸時代に天領の陣屋のもとで発展した町人地の街並みが今も残り、観光資源としてだけでなく、地域の歴史文化を語る核になっています。

約10.7haという範囲には、白壁の商家や土蔵が連なり、訪れる人に江戸期の町割りをそのまま体感させる街並みが広がっています。(出典:重要伝統的建造物群保存地区一覧(文化庁))

日田祇園祭とユネスコ無形文化遺産

日田祇園祭はユネスコ無形文化遺産に登録されている伝統行事で、地域が一体となって受け継いできた祭礼文化です。天領時代からの商家町という土地柄と、この祭礼文化が結び付いていることは、日田市の観光・文化政策を語るうえで欠かせない視点です。

祭りの運営には地域の担い手が欠かせず、人口減少・高齢化が進む中でどう次の世代へつないでいくかも、静かに問われ続けている課題だといえます。

3県にまたがる立地と交通の要衝

福岡県・熊本県と接する日田市は、大分県内では中津市・玖珠郡玖珠町のみと隣接する一方、大分・福岡・熊本の3県にまたがる広域から人が行き来する土地です。福岡県側はうきは市・八女市・朝倉市・田川郡添田町・朝倉郡東峰村、熊本県側は山鹿市・菊池市・阿蘇市・阿蘇郡南小国町・小国町と接しており、接する自治体の数だけをみても、大分県内の他の市とは異なる広域性を持っています。

この立地は、観光客の周遊ルートとしても、また災害時の広域応援の経路としても、市の性格を特徴づける要素になっています。

経済を問われた場面では、生産額の大小に踏み込むより、豆田町の街並みや日田祇園祭という市が実際に持っている資産を入口にしたほうが、話に体温が宿ります。数字が確認できないからといって、経済の話題を避ける必要はありません。

日田市の主な行政課題

豪雨災害の履歴と歴史文化の資産、そして県境という立地を重ね合わせると、日田市の行政課題は次の5つに整理できます。面接で課題を問われたときの引き出しとして押さえておきましょう。

たび重なる豪雨災害への備え

日田市は平成24年7月と平成29年7月の2度にわたる九州北部豪雨、令和2年7月豪雨と、記録的な豪雨災害を繰り返し経験してきた市です。平成24年7月九州北部豪雨では、7月3日と7月14日の2度にわたって豪雨に見舞われ、堤防の決壊や土石流により甚大な被害が発生しました。

平成29年7月九州北部豪雨では死者3名・負傷者4名・住家被害1,293棟という被害を受け、令和2年7月豪雨では天瀬町で新天瀬橋・成天閣橋(一部流失)・徳瀬橋等の橋梁が損壊したほか、中津江村では土砂崩落による道路被害、三隈川の増水被害も発生しました。市はいずれの災害についても記録誌を作成・公開しています。(出典:平成29年7月九州北部豪雨 災害記録誌(日田市))

花月川の治水対策

筑後川の支流である花月川では、平成24年7月九州北部豪雨で堤防が決壊し、その後、河川激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)による河道掘削・築堤等の改修が進められました。地域住民と協働した川づくりも行われており、災害からの復旧を治水対策の強化に結び付けてきた経緯があります。

花月川は日田市の中心市街地に近い場所を流れる川であり、その治水対策は、天領時代からの街並みが残る豆田町周辺の暮らしを守ることにも直結しています。(出典:花月川の激特事業に関する資料(国土交通省九州地方整備局))

高齢化の進行と広い市域でのサービス提供

高齢化率37.3%、75歳以上率21.4%という水準は、介護、医療、そして日常の移動を支える仕組みが、市の業務の中で重い比重を占めることを示しています。666.03km²という広い市域に集落が点在するため、サービスをどう届けるかという距離の課題も同時に抱えています。

中津江村のように山間部の集落を含む地域では、豪雨災害への備えと高齢者の避難支援を同時に考える必要があり、防災と福祉の担当が連携する場面も多いと考えられます。

天領・伝統的町並みの保存と活用

重要伝統的建造物群保存地区である豆田町の街並みは、放っておけば維持できるものではなく、修理・修景のための費用や技術の継承が欠かせません。歴史的な街並みを保存しながら、観光や地域経済にどう活かしていくかは、継続的な検討が必要な課題です。

ユネスコ無形文化遺産の日田祇園祭も同様で、祭りを担う人材や道具、山鉾を受け継いでいく仕組みがなければ、行事そのものが続けられなくなるおそれがあります。

3県にまたがる広域連携

福岡県・熊本県の複数の市町村と県境を接する日田市では、災害対応や交通インフラの整備において、大分県内だけでなく隣接県との連携も視野に入れる必要があります。二つの県と県境を接するという立地そのものが、他の大分県内の市にはない固有の行政課題を生んでいると考えられます。

九州北部豪雨のように県境をまたいで広範囲が被災する災害では、隣接県の自治体とどう情報を共有し、応援を受け入れるかという視点も欠かせません。

日田市の重点政策|天領の歴史と防災への備え

日田市の市政運営の軸となる計画については、その名称や策定年を含め、公式資料の範囲では特定できませんでした。最新の内容は市の公式サイトで確認いただくとして、ここからは確認済みの事実をもとに、日田市が力を入れていると読み取れる分野を整理していきます。

日田市が重ねてきた対応のうち、花月川の河川激甚災害対策特別緊急事業は、被災からの復旧を治水機能の強化に結び付けた具体的な成果です。豪雨のたびに被害を受けてきた歴史があるからこそ、災害への備えは市政の中でも継続的に重視されてきたテーマだと読み取れます。

平成24年・平成29年の九州北部豪雨、令和2年7月豪雨と、被災と復旧を繰り返してきた経験の蓄積そのものが、日田市の防災体制を語るうえでの土台になっています。

もう一つの力点が、天領の歴史を伝える豆田町の保存と活用です。重要伝統的建造物群保存地区としての街並み保存と、ユネスコ無形文化遺産である日田祇園祭という、二つの歴史文化資産を同時に抱えていることは、他の市にはない強みです。

防災への備えと歴史文化の継承という、担い手も予算の出どころも異なる二つの仕事を、限られた体制でどう回していくかが、日田市政を語るときの入口になります。県境まで広がる市域を持つ日田市では、こうした取組を市の中心部だけでなく、中津江村のような山間部の集落にまでどう行き渡らせるかも、あわせて考える必要があります。

POINT|固有名詞を並べても評価は上がらない

豆田町や日田祇園祭といった個別の名称を暗記することが自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を一つ選び、「①日田市の条件(豪雨災害の経験・歴史的な街並み・県境に接する立地)のうち、自分の関心に近いものはどれか→②その分野でいま何が進んでいるか→③市が自ら決められる範囲はどこまでか→④自分はどの役割を担いたいか」の順で考えてみましょう。

悪い例「日田市の豊かな歴史を守っていく仕事がしたいです」

改善例「たび重なる豪雨災害の経験を踏まえ、花月川のような治水対策の強化と、住民への避難情報の周知の両方に携わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

網羅する必要はありません。志望動機に近いものを選び、心に残った部分を自分の言葉で語れるところまで読み込んでおきましょう。

とくに災害記録誌は、日田市の防災を語るうえで具体的な事実の宝庫ですので、関心のある方は目を通しておくと厚みのある説明ができます。

  • 日田市職員採用試験の最新の受験案内(志望する回次のもの)と、職員採用特設サイト
  • 市政運営の基本方針を示す資料(総合計画など)のうち、市公式サイトに掲載されている最新版
  • 平成24年7月・平成29年7月九州北部豪雨、令和2年7月豪雨の各災害記録誌
  • 豆田町の伝統的建造物群保存地区に関する市公式ページ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。名称や年号を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、日田市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。日田市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

日田市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

日田市役所の面接の概要

ここからは、日田市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

日田市役所の面接の流れ

日田市の令和8年度後期試験(令和9年4月1日採用)は、面接試験を第二次・第三次の2段階で課す3段階構成です。第二次では集団討論・集団面接、第三次では個人面接と、性格の異なる2種類の面接が組み合わされています。

項目内容(令和8年度・後期試験)
試験の段階第一次試験→第二次試験→第三次試験の3段階
第一次試験総合適性検査(基礎能力60分・性格検査35分)。日田市役所またはテストセンターのいずれかを選んで受験できます
第二次試験面接試験(集団討論及び集団面接試験)+作文試験+総合適性検査(事務能力)
第三次試験面接試験(個人面接試験)
成績の持ち越し第一次の性格検査は第二次の合否判定に、第二次の作文・事務能力検査は第三次の合否判定に使われ、いずれもその時点の段階の合否には使われません
配点各試験種目の配点は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください
提出書類受験案内には、面接カードにあたる様式の提出を求める記載がありません

この試験の特徴は、集団討論・集団面接を経てから、あらためて個人面接に臨むという2段階の面接構成にあります。第二次で集団の中での立ち居振る舞いを見られたうえで、第三次では一人ひとりとじっくり向き合う面接に進む設計だといえます。

あわせて押さえておきたいのが、種目の成績を次の段階へ持ち越す独特の扱いです。第一次で受ける性格検査はその場の合否には使われず第二次の判定材料になり、第二次で書く作文と事務能力の検査も第二次の合否ではなく第三次の判定に回されます。

つまり、その日に受けた試験がその日の合否を決めるとは限らない構造になっており、どの種目も手を抜けません。最終合格者は成績順に採用候補者名簿に登載され、欠員が生じない限り合格しても採用されない場合があると明記されている点にも注意してください。

名簿の有効期間は最終合格発表日の翌日から令和9年6月30日までです。

受験資格も4つの区分に分かれています。要件1は平成9年4月2日以降に生まれた人(概ね29歳まで)を対象とする一般枠、要件2は採用職種に応じた専門知識・技能を持つ人を対象とする専門枠、要件3は昭和56年4月2日以降に生まれ、正規・非正規・自営業・フリーランスを問わず民間企業等で5年以上の職務経験がある人(概ね45歳まで)を対象とする社会人経験者枠、要件4は高等学校卒業見込者等を対象とする高校新卒者枠です。

自分がどの区分に該当するかを、申込の前に必ず確認しておきましょう。

上記は、日田市の令和8年度後期試験(令和9年4月1日採用)の受験案内にもとづく内容です。回次が前期か後期かによって、区分の立て方や日程の組み方が変わることもあります。受験の際は、必ずご自身が志望する回次の最新の試験情報をご確認ください。(出典:日田市職員採用試験 受験案内|令和8年度後期試験)

日田市役所が求める人物像

日田市の職員採用特設サイトのトップページと令和8年度後期試験案内を確認しましたが、「求める人物像」を明文化した定型の記載は見当たりません。読み取れるのは、集団での面接と個人での面接を段階的に組み合わせるという選考の設計です。

定型の言葉がない分、一般的な考え方で評価の観点を補います。市役所の採用面接の多くは、コンピテンシー評価(過去の行動事実を手がかりに、今後どう働くかを見極める考え方)を基本にしています。

日田市のように集団面接と個人面接を両方課す試験では、集団の中での協調性と、個人としての考えの深さの両方が見られやすいと当研究会ではみています。

加えて、県境まで広がる市域を抱え、たび重なる豪雨災害を経験してきた自治体である以上、周囲と協力しながら対応する姿勢も、評価につながりやすい要素の一つだといえるでしょう。受験資格に社会人経験者枠や高校新卒者枠まで用意されていることも、多様な経歴の人材を受け入れる姿勢の表れだと読み取ることができます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。日田市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わずに来られましたか?かしこまった場でも、肩の力を抜いて答えられるか
② 動機・志望なぜ日田市の職員を志望したのですか?数ある自治体の中から日田を選んだ理由に、その人らしさがあるか
③ 自己理解あなたの短所は何ですか?自分を客観視できているか、短所との付き合い方まで話せるか
④ 経験・行動グループで話し合って何かを決めた経験を教えてください第二次の集団討論で見られる、合意をつくるまでの立ち回り
⑤ 学業・経歴学業や課外活動で力を注いだことを教えてください注いだ時間の中身と、そこで得たものを仕事にどう持ち込むか
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?市が担う仕事のどこに関心が向いているか、その細かさ
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースを教えてください社会の動きへの目の向け方と、考えを一言に凝縮する力

7つのカテゴリーそのものは、全国どこの自治体でも共通して問われる内容です。骨組みの部分で大きな差はつきにくく、勝負は次に見る日田市固有の質問にかかっています。

合否を分けるのは「日田市役所ならでは」の質問

「なぜ大分県庁ではなく、日田市役所なのですか?」
「日田市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

日田市は集団討論から個人面接まで段階的に評価する試験ですから、どの段階でも一貫した答えを示せるかどうかで、他の受験者との差がはっきり出ます。当研究会では、日田市の事実のうち面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい日田市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か日田市は福岡・熊本の両県と接する立地で、広い市域に暮らす住民へ近い距離でサービスを届ける役割を持つ制度をつくる側と、それを地域の実情に合わせて動かす側という違いに触れながら、市を選んだ理由を語ります
市の魅力重要伝統的建造物群保存地区の商家町・豆田町、ユネスコ無形文化遺産の日田祇園祭街並みや祭礼の紹介にとどめず、それを地域の担い手不足の解消にどうつなげたいかまで話します
市の課題平成24年・平成29年の九州北部豪雨、令和2年7月豪雨とたび重なる豪雨災害の経験被害の大きさだけでなく、その後の花月川の治水対策強化のような具体的な取組にまで触れます
高齢化高齢化率37.3%(県平均を3.1ポイント上回る)、75歳以上率21.4%(同1.3ポイント上回る)数字を挙げて終わらせず、山間部の集落を含む市域で何を支えたいのかまで言い切ります
広域連携大分県内で接するのは中津市と玖珠町だけで、福岡県の5市町村・熊本県の5市町とは県境を接する県境をまたぐ災害時の応援や観光客の周遊など、市域の外とのつながりを一つ挙げて具体的に話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。日田市の場合は、天領の歴史・防災・広域連携のいずれかを軸に据えると、話が具体的になりやすいでしょう。

想定される評価の観点

日田市では定型文言が確認できないため、一般的な物差しをもとに評価の観点を整理します。市役所の採用面接で用いられることが多いコンピテンシー評価という考え方は、話のうまさよりも経験の具体性と、同じ動き方を職場でもできるかを見ています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
集団の中での協調性集団討論・集団面接で、他の受験者の意見を聞きながら自分の考えを示せるかゼミやサークルで意見がぶつかったとき、自分がどう場を動かしたかを思い出しておく
個人としての考えの深さ集団面接を経たうえで、個人面接ではより踏み込んだ質問に答えられるか集団討論で話した内容を、個人面接でも一貫して深掘りできるよう準備する
日田で長く働く意思「なぜ日田市か」を、県境に接する立地や豪雨災害の経験まで踏まえて語れるか豪雨災害の経験と歴史文化の両方から、自分の関心に近い話題を選んで言葉にしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。日田市は集団討論・集団面接のあとに個人面接が控えていますので、同じ経験を角度を変えて何度も問われることになります。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまで整理してきた内容を、日田市の面接に向けた日々の作業に置き換えていきます。

  1. 志望する回次の受験案内を読み、試験の構成と自分が該当する受験資格の区分(社会人経験者枠を含む)を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 集団討論・集団面接と個人面接のそれぞれについて声に出して練習し、段階が変わっても答えの一貫性が保てるか確認する。可能であれば友人や家族に面接官役を頼み、集団討論の場面も再現しておく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、日田市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

日田市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・回答のコツまでをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に集団討論に不安を感じている方や、個人面接での深掘りにどう答えればよいか迷っている方は、必要に応じてご活用ください。

日田市役所の想定問答集を見る

さいごに

日田市の令和8年度後期試験は、集団討論・集団面接を経てから個人面接に進む、2段階の面接構成です。天領の歴史を伝える豆田町の街並みとユネスコ無形文化遺産の日田祇園祭を持ちながら、たび重なる豪雨災害とも向き合ってきた日田市だからこそ、面接では歴史文化の紹介にとどまらない、防災への理解も欠かせません。

県境まで広がる市域で暮らす人々の生活を、集落の一つひとつまで思い浮かべながら支えられるかどうかも、この市で働くうえで問われる視点です。志望する回次の受験案内で最新の試験構成を確認したうえで、この記事の内容を準備に役立ててください。