本記事では、門真市職員採用試験の面接対策で必要な、門真市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

門真市役所の面接試験では、「なぜ門真市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、市の置かれた条件を知らないまま話すと途端に薄くなる質問が想定されます。

門真市がどういう市域で行政を営んでいるのかを先に押さえておけば、志望動機に自分だけの角度が生まれます。

本記事は、令和8年度(令和9年4月1日採用)の門真市職員採用試験の受験案内をもとに、A事務職(大学卒)を軸として整理しています。門真市の選考は、受験者全員が受ける録画面接から始まる3段階です。

第1部|自治体研究編

門真市の特徴

門真市を理解する早道は、市域の狭さと、そこに集まっている人口の多さを並べて見ることです。まずは次の7項目から入りましょう。

  • 人口は115,029人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、大阪府内33市のうち16番目の規模。
  • 市域は12.30km²と、大阪府内33市のなかで4番目に狭い。その広さに11万人以上が暮らしている。
  • 人口密度は約9,352人/km²で、大阪府内33市のなかで5番目に高い。
  • 西で大阪市に接し、ほかに守口市・寝屋川市・大東市と境を接する。市域はこの4市に囲まれている。
  • 大阪府が対策を進める「地震時等に著しく危険な密集市街地」を抱える府内7市の一つに数えられてきた。
  • 消防は単独では持たず、隣の守口市と共同で守口市門真市消防組合を運営している(昭和23年3月設立)。
  • 市の花はサツキ、市の木はクスノキ。市役所は門真市中町に置かれている。

門真市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「門真市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

次の表は、志望動機の前提として口にする場面が多い項目に絞ってあります。数字そのものより、その数字が市のどんな姿を指しているかを説明できるかどうかを意識して読んでください。

項目内容
総人口115,029人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳。大阪府内33市のうち16番目)
65歳以上人口33,686人(高齢化率29.3%)
75歳以上人口21,662人(総人口の18.8%)
総面積12.30km²(大阪府内33市で4番目に狭い)
人口密度約9,352人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体大阪市・守口市・寝屋川市・大東市
市の花・木サツキ(花)・クスノキ(木)

総人口と65歳以上・75歳以上の人口および割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。本文で挙げる大阪府全体の8,775,326人・26.8%・16.4%も同じ統計によるもので、割合の分母にもこれを用いています。府が公表する推計人口や国勢調査の結果は調査の基準が異なるため、これらの数値と直接比べることはできません。総面積・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。

数字から考えられる市政課題

まず密度です。12.30km²に11万5千人が暮らし、1km²あたり約9,352人という水準は、住宅も道路も上下水道も互いに近い距離で重なっていることを意味します。

市域を歩いて回れる広さであることは行政の強みにもなりますが、一区画で起きた出来事が周囲に及びやすいという裏返しの性質もあります。

次に年齢構成です。同じ住民基本台帳で大阪府全体を見ると、高齢化率26.8%、75歳以上の割合16.4%。

門真市はそれぞれ29.3%・18.8%で、いずれも府の平均を上回ります。人数にすると65歳以上が3万3千人、うち75歳以上が2万1千人です。

府平均との差を出発点にすると、答えはこんな形にまとまります。

「門真市は12平方キロほどの広さに11万人以上が暮らしていて、65歳以上の方の割合も3割近いと聞きました。住まいが近い分だけ、支え合いの仕組みも作りやすいのではと感じています。まずは窓口で市民の方の話をきちんと聞ける職員になりたいです」

門真市の経済・産業

大阪市の東に接するという位置

門真市は西側で大阪市と直接接し、残る三方を守口市・寝屋川市・大東市に囲まれています。12.30km²という市域の狭さと、約9,352人/km²という密度は、この立地の帰結です。

通勤・通学の流れも、買い物や医療の行き先も、市境をまたいで日常的に動きます。市の中だけで完結しない生活圏を前提に行政サービスを設計しなければならない、という条件をまず頭に入れておきましょう。

府域の製造業が置かれている局面

大阪府の製造業は、令和3年経済センサス活動調査(令和3年6月1日現在)で事業所数1万4,412事業所、従業者数41万7,816人、製造品出荷額等16兆9,758億円でした。前回調査と比べると事業所数は1,720事業所・10.7%の減少、従業者数は7,692人・1.8%の減少である一方、出荷額等は2,899億円・1.7%の増加です。

事業所の数が減りながら出荷額は伸びているという組み合わせで、府域の製造業は集約が進む局面にあります。産業振興に関心があるなら、この府全体の動きを前提に置いて門真市の話を組み立ててください。(出典:大阪の製造業の概況(経済センサス活動調査)|令和3年)

7区分の募集が示す仕事の幅

市役所の仕事の広がりは、採用の区分立てからも読み取れます。令和8年度の門真市職員採用試験は7区分で、A事務職(大学卒)が8人程度、B事務職(高校卒等)が2人程度、C事務職(民間企業等職務経験者)が7人程度、そしてD事務職(社会福祉士)、E事務職(情報処理)、F1・F2の建築技術職がそれぞれ若干名という構成です。

福祉の国家資格、情報処理、建築という三つの専門をわざわざ別区分に立てているところに、市が人を確保したい分野が表れています。(出典:門真市職員採用試験受験案内|令和8年度)

門真市の主な行政課題

ここまでの位置と数字を踏まえると、門真市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

高齢化の進み方が府平均より速い

高齢化率29.3%・75歳以上18.8%(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳)は、大阪府全体の26.8%・16.4%を上回ります。75歳以上の差が2.4ポイントあるという点が重要で、これは介護や在宅医療、見守りといった支援の必要度が高い層が、府の平均より厚く分布していることを示します。

府が平成28年3月に策定した人口ビジョンでは、府全体の高齢化率が2040年に35.9%へ達し、生産年齢人口の割合は2010年の64.4%から54.5%へ下がると見込まれています。すでに府平均を上回っている市が、この先の変化をどう受け止めるかという問題です。(出典:大阪府人口ビジョン|平成28年)

府全体の人口が減っていくなかでの位置取り

令和7年国勢調査の速報値では、大阪府の人口総数は876万4,578人(令和7年10月1日現在)で、前回の令和2年調査から73,107人・0.83%の減少でした。平成27年調査で68年ぶりに減少へ転じて以来、3回連続の減少です。

一方で世帯数は430万7,758世帯と17万1,879世帯・4.16%の増加、1世帯当たり人員は2.03人と0.11人減っています。人が減りながら世帯は増えるという動きは、住宅の需要や地域のつながり方が変わっていくということです。

狭い市域に多くの住まいが並ぶ門真市では、この変化が目に見える形で現れます。(出典:令和7年国勢調査 大阪府結果速報|令和7年)

大規模地震への備え

大阪府が平成26年1月にとりまとめた南海トラフ巨大地震の府域最大被害想定は、震度5弱から6強、死者13万4千人、建物全壊17万9千棟・半壊45万9千棟、避難所生活者191万5千人、水道断水832万人、経済被害28.8兆円という規模です。住宅が密に建ち並ぶ市域では、揺れそのものに加えて避難の動線と火災の広がりが課題になります。(出典:大阪府 南海トラフ巨大地震等被害想定|平成26年)

府域では、平成24年(2012年)に始まった「大阪880万人訓練」が毎年行われています。南海トラフ巨大地震による大津波警報の発表を想定して訓練用の緊急速報メールを一斉に配信し、府民一人ひとりが情報の受け取り方と避難行動を確かめる仕組みで、門真市もその対象に入ります。(出典:大阪880万人訓練について|大阪府)

単独では抱えきれない機能を隣市と分け合う

門真市は消防を単独では持たず、守口市と共同で守口市門真市消防組合を運営しています。設立は昭和23年3月で、大阪府内に5つある消防の一部事務組合のなかでも古い部類に入ります。

11万人規模の市が単独で抱えきれない機能を、隣接する市と分け合って維持するという選択がここに表れています。事務職として採用されても、こうした一部事務組合や近隣市との協議は決して遠い話ではありません。(出典:大阪府内の消防広域化の状況|令和8年)

重点政策|門真市が向き合う市街地の更新

門真市が今どこに力を割いているかは、市街地をめぐる二つの事実から読み取れます。

ひとつは、大阪府が長く進めてきた密集市街地対策の対象に門真市が入っていること。もうひとつは、市が建築技術職を独立した区分で募集し、資格の取得にまで費用を出していることです。

密集市街地対策のなかの門真市

大阪府が「地震時等に著しく危険な密集市街地」として位置づけていた区域は、平成24年当初で大阪市・堺市・豊中市・守口市・門真市・寝屋川市・東大阪市の7市11地区、約2,248haにのぼりました。

府の対策はその後着実に進み、令和7年度末の時点で218haまで減少し、9割解消という目標を達成しています。府は令和12年度末の全域解消を次の目標に掲げています。(出典:大阪府 密集市街地の整備の進捗|令和7年度)

この数字を面接で使うときは、達成した部分ではなく残っている部分に目を向けてください。

区域の解消は道路を広げたり建物を建て替えたりする話であり、そこには必ず住んでいる人の暮らしと合意があります。狭い市域に人口が密に集まっている門真市では、一区画の更新が周囲へ与える影響も大きくなります。

建築行政に人と費用を投じている

門真市は建築基準法上の特定行政庁として、建築確認や違反建築の是正を市自身の権限で担っています。市はこの体制を続けるために「門真市職員の建築主事に係る資格取得に対する援助に関する要綱」を設け、一級建築基準適合判定資格者、および一級建築士の取得に対して、それぞれ1回に限り50万円を援助しています。

令和7年度には一級建築士の資格を取得した職員に対して援助が行われました。人数の少ない専門分野を、採用と資格取得の両面から支えている形です。(出典:門真市職員採用情報|令和8年度)

市が採用ページで掲げているのは、「住みたい・住み続けたいまち」をめざすという一文です。市街地の更新も、建築行政の体制も、その言葉を支える具体的な手段だと読むと、志望動機の筋が通しやすくなります。

POINT|市街地の話は「人の暮らし」に着地させる

面積や区域の数字は覚えやすい反面、そのまま口にすると他人事の説明になります。誰の暮らしがどう変わるのかまで自分の言葉で言えるかどうかで、印象は大きく変わります。

悪い例「門真市は密集市街地の解消に取り組んでいるので、まちづくりの仕事に携わりたいです」

改善例「門真市は住宅がとても密に建っている地域があると知りました。道を広げるにしても、そこに住んでいる方の生活が先にあると思いますので、まずは窓口や地域の集まりで話を聞く仕事から関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

次の資料は、いずれも門真市や大阪府の公式サイトで読めます。読む順番は自分の関心に合わせて構いませんが、受験する区分の職務内容だけは先に確認しておきましょう。

  • 門真市職員採用試験の受験案内(最新年度のもの)と、市の職員採用情報のページ
  • 門真市が公開している過去の集団討論試験の討論テーマ
  • 市の総合計画と、最新年度の予算・市政運営に関する資料
  • 大阪府の密集市街地対策の進捗を伝えるページ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、門真市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。門真市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

門真市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

門真市役所の面接の概要

ここからは、門真市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

門真市役所の面接の流れ

令和8年度(令和9年4月1日採用)の門真市職員採用試験は、第1次試験、第2次試験(①②)、第3次試験の3段階です。目を引くのは第1次試験の中身で、試験科目は録画面接だけ。

出題された質問に対して各自が回答動画を投稿し、その内容が評価されます。

筆記の前に人物を見るという順番になっているわけです。

第2次試験①は事務能力検査と適性検査で、全国約350か所のテストセンター会場から受験者が選んで受験します(F2建築技術職は事務能力検査が免除され適性検査のみ)。

続く第2次試験②で集団討論試験と個別面接試験が実施されますが、その組み合わせは試験区分によって異なります。

A事務職(大学卒)・B事務職(高校卒等)・C事務職(民間企業等職務経験者)は集団討論試験のみ、D事務職(社会福祉士)・E事務職(情報処理)・F1建築技術職は集団討論試験と個別面接試験の両方、F2建築技術職は個別面接試験のみという設計です。そして第3次試験は個別面接試験です。

A事務職(大学卒)を受ける人にとっては、録画面接 → 検査 → 集団討論 → 個別面接という順路になります。人物を見る場が3回あり、しかもその形式が毎回違うということです。

項目内容(令和8年度・A事務職(大学卒))
選考の段階第1次試験 → 第2次試験(①②)→ 第3次試験の3段階
第1次試験録画面接。出題された質問に対して各自で回答動画を投稿し、その内容が評価されます
第2次試験①事務能力検査・適性検査。全国約350か所のテストセンター会場から受験者が選択して受験します
第2次試験②集団討論試験。A事務職(大学卒)は集団討論試験のみで、個別面接試験は課されません(区分により組み合わせが異なります)
第3次試験個別面接試験
採用予定人数A事務職(大学卒)は8人程度。同年度はB事務職(高校卒等)2人程度、C事務職(民間企業等職務経験者)7人程度、D事務職(社会福祉士)・E事務職(情報処理)・F1建築技術職・F2建築技術職が各若干名の計7区分で募集されました
申込方法オンラインの申込フォームのみ。郵送・持参による受付はありません。パソコンまたはスマートフォン、受験者本人のメールアドレスと顔写真データが必要です
試験会場第2次試験②・第3次試験は門真市保健福祉センター。第3次試験には受験票のほか合否通知用の返信用封筒を持参します

上記は門真市が公表した令和8年度(令和9年4月1日採用)の受験案内にもとづくA事務職(大学卒)の内容です。同案内には各試験の配点・満点の記載がなく、人物試験の比重は公表されていません。また、確認した門真市の受験案内と職員採用情報のページの本文には、面接カードや自己PRシートといった名称の提出書類に関する記載はありません。人物評価の入口は、申込フォームでの応募者情報の入力と、第1次試験の録画面接の動画になります。実施主体は門真市総務部人事課で、近隣自治体との共同実施・統一試験の枠組みではありません。試験の構成・区分等は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご確認ください。(出典:門真市職員採用試験受験案内|令和8年度)

受験案内には、第2次試験②の備考欄に「過去の集団討論試験の討論テーマは、ホームページに掲載しています。」という一文があります。A事務職(大学卒)にとって第2次試験②は集団討論のみですから、この一文は市が自ら差し出している準備材料だと考えてよいでしょう。

門真市が求める人物像

門真市の職員採用情報のページは、見出しに「市民目線で働ける人を募集」と掲げています。

本文には「これまでのさまざまな経験や専門知識を生かして『住みたい・住み続けたいまち』をめざし、何より門真が好き、門真市民のために働きたいと熱い想いを持った人材を求めています。」と書かれています。経験や専門知識を生かすこと、まちへの思いを持っていること、その二つが並んでいるのが特徴です。

同じページで、市は試験のポイントとして3点を挙げています。申込期間中はオンラインでいつでも申込みができること、受験者全員に録画面接を実施し、建築技術職も筆記の専門試験を廃止して人物重視の選考にしたこと、そしてAI面接を導入してより公平・公正な試験を実施していることです。

筆記で人を絞るという発想から明確に離れていることが、市自身の言葉で示されています。

ここからは公表文言を離れます。手がかりになるのは、7区分という募集の立て方と、12.30km²に11万5千人という市の規模の二つだけです。

A事務職(大学卒)が8人程度、C事務職が7人程度で、あとは若干名。一つの部署に同期が何人も配属される規模ではありません。

加えて、消防は守口市との組合、市街地の更新は府の枠組みという具合に、市の外の組織と足並みをそろえながら進める仕事が日常的にあります。この条件のもとでは、一つの専門を深く掘る構えより、担当が変わっても人と話をつなぎながら仕事を覚えていける構えのほうが効きやすい、と当研究会は見ています。

そのうえでもう一点。門真市の選考は、録画面接・集団討論・個別面接と形式が三度変わります。借り物の人物像ほど、形式が変わったところでほころびます。

実際に自分が経験したことのなかから、三つのどの場で話しても同じ形になるものを選んでおいてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。門真市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は会場まで、どちらから来られましたか?録画で何度も撮り直せた話し方と、その場の受け答えが同じ人のものに見えるか
② 動機・志望大阪府内には33の市がありますが、そのなかで門真市を選んだ理由を教えてください8人程度という枠に手を挙げた理由が、自分の経験から出てきているか
③ 自己理解録画面接で話した自分の強みを、いま言い直すとしたらどうなりますか?提出済みの動画に映る自分と、目の前の自分が食い違っていないか
④ 経験・行動意見が割れた場面で、あなたはどう振る舞いましたか?集団討論で見せる立ち回りに、実際の経験の裏づけがあるか
⑤ 学業・経歴学んできたことを、門真市の仕事のどこで使えると思いますか?事務能力検査で測る力とは別に、話を相手の側へ渡せるか
⑥ 適性・将来事務職として、窓口と内部の管理業務のどちらに向いていると思いますか?市役所の仕事の幅を、区分の職務内容に照らして想像できているか
⑦ 公共性・社会性住宅が密集した地域で火災が起きたとき、市役所には何ができると思いますか?市域の条件を踏まえて、自分の考えを述べられるか

この7カテゴリーは門真市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。ただし、受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「門真市役所ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「門真市役所ならでは」の質問

「なぜ大阪府庁ではなく、門真市役所なのですか?」
「門真市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「門真市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい門真市の事実答え方のヒント
市域と人口の現在地人口115,029人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で大阪府内33市のうち16番目。面積12.30km²は府内33市で4番目に狭く、人口密度は約9,352人/km²狭さを不利として語らず、市民と行政の距離が近いという条件に読み替えて話す
なぜ府庁ではなく市役所か市の職員採用情報のページは「市民目線で働ける人を募集」と掲げ、「住みたい・住み続けたいまち」をめざすと書いている住民に近いという一般論で止めず、このページのどの一文に反応したのかを名指しで述べる
市街地の安全大阪府の「地震時等に著しく危険な密集市街地」は平成24年当初で7市11地区・約2,248ha。門真市はその7市の一つで、府全体では令和7年度末に218haまで減少した達成した数字をなぞるのではなく、更新が残る区域で住民の合意をどう積み上げるかまで踏み込む
高齢化の現在地高齢化率29.3%・75歳以上18.8%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、大阪府全体の26.8%・16.4%を上回る割合で終えず、65歳以上3万3千人という人数に置き換えて、市が支える相手の規模として語る
選考の設計受験者全員に録画面接を実施し、AI面接を導入して公平・公正な試験を行うと市が説明している。建築技術職の専門試験も廃止された仕組みを便利だと評するのではなく、同じ質問に何度も答える設計だからこそ話の芯を決めてきた、と自分の準備に接続する

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

門真市が採用情報のページで掲げている「市民目線で働ける人を募集」という一文に照らして、面接では「これまでに実際どう行動してきたか」が確かめられます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民目線で働けるか相手の事情に合わせて動いた経験があるか。窓口の向こう側を具体的に想像できているか録画面接で言い切れる長さに収めつつ、相手が誰で何が変わったのかまで詰めた話を1本用意する
門真市で働きたいという意思「何より門真が好き」と書く市に対して、志望の根拠を自分の言葉で述べられるか名所を挙げるのではなく、12.30km²の市域で暮らす人と行政の近さに触れた理由を組み立てる
経験や専門知識を生かす姿勢これまでの経験を市の仕事へどうつなぐかを説明できるか7区分のうち自分が受ける区分の職務内容を読み込み、そこで使える経験を一つ選んで枝を伸ばしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

門真市のA事務職(大学卒)は、集団討論で述べた内容を第3次試験の個別面接で改めて掘り下げられる順路になります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内を開き、自分が受ける試験区分と、第1次から第3次までの試験科目の違いを書き出す
  2. 録画面接に備えて、想定される質問に1分程度で答える動画を実際に撮り、話し方と表情を自分の目で確かめる
  3. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い門真市の事実を2〜3個、自分の言葉で言えるようにする
  6. 市が公開している過去の集団討論試験の討論テーマに目を通し、そのうち2つについて自分の立場と理由を組み立て、声に出して述べてみる

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないなら、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を先に終わらせてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。加えて門真市では、ステップ2で扱う録画面接が第1次試験そのものです。撮影の準備を後回しにすると、その先の科目に進めません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、門真市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

門真市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

門真市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度のA事務職(大学卒)では、最初に評価されるのは筆記の点数ではなく、投稿した動画に映るあなた自身でした。そのあと検査を挟み、第2次試験②は集団討論のみ、最後に個別面接という順路です。

形式が毎回変わるということは、暗記した答えを再生するだけでは通用しないということでもあります。そして市は、過去の集団討論のテーマを自らホームページに載せています。

差し出されている材料をどこまで使い切れるか。門真市の選考は、そこを静かに見ている試験だと当研究会は考えています。