本記事では、八尾市職員採用試験の面接対策で必要な、八尾市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

八尾市役所の面接試験では、「なぜ八尾市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、市の成り立ちや現状を踏まえた答えを求める質問が想定されます。八尾市がどんな仕事を抱えている自治体なのかを先に知っておけば、どこの自治体にも言える志望動機から一段抜け出せます。

八尾市は、新卒向けの事務職Bと社会人向けの事務職Aで1次試験の形が異なります。本記事は事務職Bを中心に整理し、事務職Aとの違いは該当する箇所で分けて示します。

第1部|自治体研究編

八尾市の特徴

志望動機を書き始める前に、八尾市がどの位置にあり、何を担っている市なのかを確かめておきましょう。次の6項目が、面接での受け答えの下敷きになります。

  • 人口は257,840人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、大阪府内33市のうち9番目の規模。
  • 平成30年4月に中核市へ移行し、八尾市保健所を設置。健康福祉部の下に保健企画課・保健衛生課・保健予防課が置かれている。
  • 市域は41.72km²。西は大阪市に接し、東は奈良県の生駒郡平群町・三郷町と境を接する。
  • ほかに東大阪市・柏原市・藤井寺市・松原市と隣接し、大阪市と奈良県のあいだをつなぐ位置にある。
  • 市内に八尾空港があり、国土交通大臣が設置管理する空港として年間1万回以上の小型機等が離着陸している。
  • 市の花はキク、市の木はイチョウ。市役所は八尾市本町一丁目に置かれている。

八尾市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「八尾市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここに並べた項目は、志望動機の背景説明や「八尾市とはどんなまちですか」という問いに一言で返すときに、そのまま材料になります。

項目内容
総人口257,840人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳。大阪府内33市のうち9番目)
65歳以上人口73,167人(高齢化率28.4%)
75歳以上人口46,064人(総人口の17.9%)
総面積41.72km²
人口密度約6,180人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体大阪市・東大阪市・柏原市・藤井寺市・松原市、奈良県生駒郡平群町・三郷町
市の花・木キク(花)・イチョウ(木)

総人口と65歳以上・75歳以上の人口および割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。本文で比較に用いる大阪府全体の値(8,775,326人・26.8%・16.4%)も同じ統計によるもので、割合の分母にもこれを用いています。府が公表する推計人口や国勢調査の結果は調査の基準が異なるため、これらの数値と並べて増減を計算することはできません。総面積・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。

数字から考えられる市政課題

同じ住民基本台帳で大阪府全体を見ると、高齢化率26.8%、75歳以上の割合16.4%です。八尾市はそれぞれ28.4%・17.9%ですから、府の平均より1ポイント以上高い水準で高齢化が進んでいることになります。

割合ではなく人数に置き換えると、65歳以上が7万3千人、うち75歳以上が4万6千人。この規模の市民が、介護保険の申請や健診、地域の見守りといった窓口の向こう側にいます。

府全体の流れも押さえておきましょう。令和7年国勢調査の速報値では、大阪府の人口総数は876万4,578人(令和7年10月1日現在)で、前回の令和2年調査から73,107人・0.83%の減少でした。

府が平成28年3月に策定した人口ビジョンでは、2040年の高齢化率が35.9%、生産年齢人口の割合が2010年の64.4%から54.5%へ下がると見込まれています。(出典:令和7年国勢調査 大阪府結果速報|令和7年)

平成30年に中核市となった八尾市は、保健衛生に関する事務を市自身が処理しています。

高齢化に伴って増える仕事の多くが、府ではなく市の判断で回っていく。この点を押さえておくと、志望動機に具体性が出ます。

「八尾市は65歳以上の方の割合が3割近くまで来ていて、大阪府の平均より高いと聞きました。しかも八尾市は保健所を持つ中核市ですので、健康づくりや介護の相談を市が直接受け止めることになります。まずは窓口でお話を伺うところから経験を積みたいです」

八尾市の経済・産業

大阪のものづくりと八尾市の立ち位置

大阪府の製造業は、令和3年経済センサス活動調査(令和3年6月1日現在)で事業所数1万4,412事業所、従業者数41万7,816人、製造品出荷額等16兆9,758億円でした。

前回調査との比較では、事業所数が1,720事業所・10.7%の減少、従業者数が7,692人・1.8%の減少である一方、出荷額等は2,899億円・1.7%の増加です。工場の数が1割減っても出荷額は落ちていないという構図で、府域の製造業は集約が進む局面にあります。(出典:大阪の製造業の概況(経済センサス活動調査)|令和3年)

八尾市は大阪市の東に接し、東側では奈良県と境を接します。

都心へも奈良側へも短時間で出られる位置は、住むまちとしても、ものを運ぶまちとしても効いてきます。産業振興を志望分野に挙げるなら、この立地条件を出発点に、市域で事業を続ける人たちに市役所が何を差し出せるかを考えておきましょう。

市内にある八尾空港

八尾空港は、国土交通大臣が設置管理する空港です。面積は70haで、滑走路は東西に交差する2本(A滑走路1,490m×45m、B滑走路955m×30m)。

年間1万回以上の小型機等が離着陸しています。注目したいのは周辺の施設で、近隣に中部広域防災拠点と陸上自衛隊八尾駐屯地があり、災害時の活用が期待されているという点です。(出典:八尾空港|八尾市公式サイト)

面接で防災の話題になったとき、この施設の存在は八尾市ならではの材料になります。ただし空港も駐屯地も市の組織ではありません。

だからこそ「市役所は何を担うのか」という役割分担の問いに答えられるかどうかが、受験者の理解の深さを分けます。

府域規模の動きとの距離感

府域では、大阪の都心と関西国際空港方面を結ぶなにわ筋線が総事業費約3,300億円で2031年春の開業を目標に整備中です。2025年に開催された大阪・関西万博には、総入場者2,901万7,924人が訪れました。

こうした府全体の話題を志望動機の中心に据えてしまうと八尾市の話が薄まりますが、まったく知らないままでも困ります。答えの中心は市域の事情に置き、府域の動きは聞かれたときに触れられる程度で十分です。

八尾市の主な行政課題

ここまでの数字と立地を踏まえると、八尾市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

高齢化と保健所を持つ市としての責任

高齢化率28.4%・75歳以上17.9%(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳)は、府平均を上回る水準です。八尾市は平成30年の中核市移行によって保健所を持ちました。

感染症への対応、飲食店の営業許可、精神保健の相談といった分野が市の所管に入っており、高齢化の進行が市の業務量に直接はね返る構造になっています。人口26万人規模の市が保健所機能まで抱えているという条件を、面接の材料として持っておきましょう。

大規模地震への備え

大阪府が平成26年1月にとりまとめた南海トラフ巨大地震の府域最大被害想定は、震度5弱から6強、死者13万4千人、建物全壊17万9千棟・半壊45万9千棟、避難所生活者191万5千人、水道断水832万人、経済被害28.8兆円という規模です。府はこの想定を背景に、平成24年から大津波警報の発表を想定した緊急速報メールの一斉配信訓練(大阪880万人訓練)を続けています。(出典:大阪府 南海トラフ巨大地震等被害想定|平成26年)

内陸の断層についても評価が公表されています。生駒山地と大阪平野の境界付近には生駒断層帯が走り、枚方市から羽曳野市までほぼ南北に延びる全長約38kmの断層帯としてマグニチュード7.0から7.5程度の地震が想定されています。

平均活動間隔は3千年から6千年程度、最新の活動は西暦400年頃から1000年頃と推定され、長期確率の最大値をとると我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属するとされています。八尾市は大阪市と奈良県のあいだ、まさにこの南北の区間に位置しています。(出典:生駒断層帯の長期評価|地震調査研究推進本部)

関係機関との役割分担

先に触れたとおり、市域には国が設置管理する八尾空港があり、その近隣に中部広域防災拠点と陸上自衛隊八尾駐屯地が置かれています。災害時にはこれらの施設が動きますが、避難所の運営や被災者の生活再建は市の仕事です。

それぞれが何を担い、どこで手を結ぶのか。組織をまたいだ連携をどう組み立てるかは、平時から準備しておくべき課題です。

人口減少局面での産業の担い手

府全体で生産年齢人口の割合が下がる見通しであることは先に触れました。府域の製造業は事業所数が1割規模で減っています。

働き手が減る中で、市域の事業者が事業を続けられるようにどう支えるか。市役所が直接ものを作るわけではないぶん、支援の届け方を工夫する余地が残っている分野です。

重点政策|中核市への移行が変えたこと

八尾市の市政を語るうえで、平成30年4月の中核市移行は外せません。

市は公式サイトで「平成30年4月、本市は中核市に移行いたしました。」と述べ、あわせて「中核市になると、府の仕事の多くが本市に移譲されます。」と説明しています。中核市が処理する事務には保健所設置市が行う保健衛生行政が含まれ、八尾市は健康福祉部の下に保健企画課・保健衛生課・保健予防課からなる八尾市保健所を設置しました。(出典:中核市への移行|八尾市公式サイト/中核市・施行時特例市|令和5年4月1日現在)

この変化は、受験者にとって志望動機の芯になります。

府が担っていた仕事が市の窓口に来たということは、市民との距離が近いまま扱う分野が増えたということです。八尾市を志望する理由を「市民に近いから」で終わらせず、どの分野がいつ市に移ってきたのかまで言えると、話の厚みが変わります。

志望分野を絞り込む視点

市が公表している計画の事業名をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③現在の事業 → ④市だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。

POINT|移譲された分野を名指しできるか

大切なのは、中核市という言葉を知っていることではなく、そこで増えた仕事のどれに関わりたいかを自分の言葉で言えることです。

悪い例「中核市である八尾市で、市民に身近な行政に携わりたいです」

改善例「八尾市は平成30年に中核市になって、保健所の仕事が府から移ってきたと知りました。65歳以上の方の割合も3割近くまで来ていますので、健康づくりや介護の相談を受ける窓口で、まずは市民の方の話をしっかり伺うところから始めたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

八尾市の公式サイトには、次の資料が置かれています。関心のある分野に近いものから目を通し、面接で使えそうな記述は言い換えて手元に控えておきましょう。

  • 八尾市職員採用試験案内(自分が受験する枠の最新年度分)
  • 中核市への移行と移譲された事務を説明したページ
  • 八尾市保健所の各課が担当している業務のページ
  • 市の総合計画と、最新年度の予算・市政運営に関する資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、八尾市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。八尾市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

八尾市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

八尾市役所の面接の概要

ここからは、八尾市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

八尾市役所の面接の流れ

令和9年4月1日採用の事務職B(新卒向け・22歳から24歳)は三次試験制です。1次試験は教養試験と適性検査、そして集団面接。

2次試験と3次試験はいずれも個人面接で、試験時間はそれぞれ20分程度、会場は八尾市役所本館です。3段階のうち2段階が個人面接だけで構成されており、試験の大半が人物を見る場だという点をまず押さえてください。

1次試験の集団面接は「主として人物、知識等について集団で行う面接試験」とされています。ただし試験案内には、申込状況により1次試験を集団面接から録画面接に変更する場合があると記されています。

集団の場での振る舞いと、カメラに向かって一人で話す形式の両方を想定しておくと安心です。

社会人向けの事務職A(23歳から40歳)は、1次試験の形が異なります。

こちらは録画面接(オンライン)で、出題された質問に対して各自が回答動画を投稿し、その内容を評価する投稿形式の試験です。2次・3次が個人面接(各20分程度)である点は事務職Bと同じです。

もう一点、科目ごとに合格基準点が定められているという条件があります。試験案内には、合格基準点を定めている科目で一定の得点に達しない場合は、他の試験科目の得点にかかわらず不合格となる場合があると明記されています。

総合点で挽回する前提の組み立てはできない、ということです。

項目内容(令和9年4月1日採用・事務職B〈新卒向け〉)
試験の段階三次試験制(1次→2次→3次)。社会人向けの事務職Aも同じ3段階ですが、1次試験の内容が異なります
1次試験教養試験(大学卒業程度。テストセンター方式)、適性検査、集団面接。試験案内には、申込状況により集団面接を録画面接に変更する場合があると記載されています
教養試験の内容文章読解能力、数的能力、推理判断能力、人文・社会、自然に関する一般知識、基礎英語等
適性検査の扱い気質、性格、意欲・態度を測定するもの。結果は面接試験の参考資料として使用され、合否には関係しないと明記されています
2次試験・3次試験いずれも個人面接(主として人物、知識等について個別で行う面接試験)。試験時間は各20分程度、会場は八尾市役所本館
事務職Aの1次試験録画面接(オンライン)。出題された質問に対して各自で回答動画を投稿し、その内容を評価する投稿形式の試験です
合格基準点合格基準点を定めている科目があり、そこで一定の得点に達しない場合は、他の科目の得点にかかわらず不合格となる場合があります
成績の開示有効受験者が不合格の場合のみ、合否通知に得点と順位が記載されます。合格した場合、成績は開示されません

上記は八尾市が公表した令和9年4月1日採用の事務職Bの試験案内にもとづく内容で、事務職Aの記載は令和8年10月1日採用の試験案内によります。八尾市の試験案内には各試験の配点・満点の記載がなく、人物試験の比重は公表されていません。申込みは職員採用管理システムにより原則インターネットでのみ受け付けられ、所管は総務部人事課です。試験の構成等は年度や受験枠によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身が受ける枠の最新の試験案内をご確認ください。(出典:八尾市職員採用試験案内(事務職B)|令和9年4月1日採用/八尾市職員採用試験案内(事務職A)|令和8年10月1日採用)

八尾市は試験案内の冒頭に、公務員試験対策の必要がない(教養試験と面接試験のみである)こと、1次試験が録画面接またはテストセンター方式の教養試験であるため八尾市から遠く離れた人でも受験できることを、この試験の特徴として掲げています。配点は公表されていませんが、筆記の負担を抑えたぶん選考の中心が面接の場に置かれた設計だと考えて、準備を組み立ててください。

八尾市がめざす職員像

八尾市は採用試験案内の第1章に「めざす職員像」として『市民に信頼され、行動する職員』を掲げています。そのために必要なものとして、次の5つが示されています。

  • 市民に寄り添う姿勢
  • 迅速にリスクに対応する力
  • 行政のプロとしての自覚
  • 広い視野で柔軟に対応する力
  • 職員のモチベーションを高める職場

5つ目だけが職員個人ではなく職場の状態を指している点が特徴的です。個人の資質を並べるだけでなく、働く場そのものをどう保つかまで職員像に含めている。

ここには、限られた人数で幅広い分野を回す市役所の実情がにじんでいます。

八尾市が文章にしているのはここまでです。以下は当研究会が試験の設計から読み取った整理として受け取ってください。

41.72km²の市域に約26万人が暮らし、人口密度は約6,180人/km²。そこへ平成30年の中核市移行で保健所の事務が加わりました。

さらに市域には国が管理する八尾空港と自衛隊の駐屯地があり、災害時には市の組織の外にある機関と一緒に動くことになります。組織の境界をまたいで話を通す場面が日常的に発生する環境だということです。

こうした環境では、自分の担当を正確に処理する力に加えて、立場の違う相手に事情を説明して協力を取り付ける力のほうへ、評価の重心が寄っていても不思議はありません。八尾市の場合、保健所の業務や防災の体制づくりが、その典型にあたります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。八尾市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク市役所本館までは迷わずに来られましたか?面接室に入る直前のやり取りでも、力みのない受け答えができるか
② 動機・志望中核市はほかにもありますが、その中で八尾市を選んだのはなぜですか?八尾市でなければならない理由が、実際に見聞きした事実と結び付いているか
③ 自己理解周りの人からは、どんなときに頼られますか?20分の個人面接で角度を変えて聞かれても、最初に述べた自己像から話がぶれないか
④ 経験・行動他の人と役割を分け合って進めた経験を教えてください1次の集団面接で、他の受験者と場を共有しながら動けるかの見当がつくか
⑤ 学業・経歴学生時代に最も力を入れたことを教えてください教養試験で測る力とは別に、経験を組み立て直して人に渡せるか
⑥ 適性・将来保健所など、中核市になって市が担うようになった分野に配属されたらどう働きますか?平成30年の移行で市の仕事に加わった領域まで視野に入っているか
⑦ 公共性・社会性大きな災害が起きたとき、市役所は何をする組織だと思いますか?市域に国の空港と駐屯地を抱える市の立場を踏まえ、自分の考えを述べられるか

とはいえ、この7つの領域は受験者全員が対策してきます。ここだけを磨いても大きな差はつきません。

では、どこで差がつくのか。それが次の「八尾市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「八尾市役所ならでは」の質問

「なぜ大阪府庁ではなく、八尾市役所を志望するのですか?」
「八尾市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも八尾市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「八尾市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい八尾市の事実答え方のヒント
人口と規模の現在地人口257,840人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、大阪府内33市のうち9番目の規模26万人という数字を口にしたら、そのままその人数を保健所まで含めて受け止めている市だという話へ運ぶ
なぜ府庁ではなく市役所か平成30年4月に中核市へ移行。市は「中核市になると、府の仕事の多くが本市に移譲されます」と説明している権限の説明で終わらせず、府から移ってきた仕事のうち自分が関わりたい分野を一つ名指しする
八尾空港と防災国土交通大臣が設置管理する空港で面積70ha、滑走路2本。近隣に中部広域防災拠点と陸上自衛隊八尾駐屯地があり、災害時の活用が期待されている施設の紹介にとどめず、国や自衛隊が動く場面で市役所は何を担うのかという役割分担へ話を進める
高齢化の現在地高齢化率28.4%・75歳以上17.9%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、大阪府全体の26.8%・16.4%を上回る割合を述べるだけでなく、65歳以上7万3千人という人数に置き換えて、窓口や相談の量に触れる
めざす職員像『市民に信頼され、行動する職員』を採用試験案内の第1章に掲げ、5つの要素を示している5つを暗唱するのではなく、自分の経験が最も近い1つを選び、なぜそう思うのかを添えて話す

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

八尾市が試験案内で掲げる「めざす職員像」の5つの要素のうち、職員個人にかかわる4つは、面接でどこを確かめられるかの目安になります。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民に寄り添う姿勢相手が本当に困っていることを聞き出した経験があるか八尾市保健所の窓口や地域の相談の場面を思い浮かべながら、話を遮らずに事情をつかんだ経験を一つ選ぶ
迅速にリスクに対応する力まずいと気づいてから動き出すまでが早かった経験があるか市域に防災拠点や駐屯地を抱え、災害時に動く機関が多い市であることを踏まえ、判断を先送りしなかった場面を用意する
行政のプロとしての自覚決まりや手順を自分の言葉で説明できるか1次の教養試験で問われる知識とは別に、公金や個人情報を扱う責任をどう受け止めているかを言葉にしておく
広い視野で柔軟に対応する力途中で条件が変わったときに、やり方を組み替えられたか2次と3次で同じ20分の個人面接を2回受ける構成。同じ経験を別の角度から語り直せるよう整理しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

八尾市の事務職Bは20分程度の個人面接を2次・3次で2回受ける構成ですから、同じ経験を二度違う面接官に語る場面が生じます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける枠(事務職Aか事務職Bか)の最新の試験案内を開き、1次試験が録画面接か教養試験かを確認する。事務職Bは申込状況により集団面接が録画面接に変わる場合があると記されている点も見ておく
  2. 教養試験の出題範囲(文章読解、数的、推理判断、人文・社会、自然の一般知識、基礎英語等)に目を通し、手薄な分野を洗い出す
  3. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い八尾市の事実を2〜3個、自分の言葉で言えるようにする
  6. 20分の個人面接を想定し、1つの経験を「結論 → 場面 → そこで学んだこと」の順で口に出す。答えるたびに、掘られそうな箇所を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析から先に手をつけてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。ただし、試験案内には合格基準点を定めている科目があると記されており、そこで一定の得点に達しなければ他の科目の得点は考慮されません。ステップ2は面接対策と並行して進めてください。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、八尾市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

八尾市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

八尾市役所の想定問答集を見る

さいごに

八尾市は、事務職Bも事務職Aも3段階の試験を課しながら、各試験の配点を公表していません。どこで何点取れば通るかを逆算する余地がないぶん、20分の個人面接を二度くぐるあいだ、話が最初から最後まで一本につながっているかどうかが効いてきます。

平成30年に保健所を持った市で、国の空港や自衛隊の拠点と隣り合いながら市民の暮らしを支える。その現場のどこに自分の経験が噛み合うのかを、自分の手で決めておいてください。

決め切れたぶんだけ、当日の受け答えは静かになります。