本記事では、新城市職員採用試験の面接対策で必要な、新城市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

愛知県新城市、読み方は「しんしろし」です。愛知県には38の市がありますので、申込みの前に受験先の団体名を確かめてください。

新城市役所の面接試験では、「なぜ新城市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

新城市の一般行政職は、第1次試験が自己PR試験です。筆記より先に、自分を説明する場面が来ます。

第1部には、その自己PRと面接で使える新城市の事実を集めました。読みながら、自分の経験と重なるところに印を付けていってください。

第1部|自治体研究編

新城市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは新城市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 高齢化率は38.6%で、同じ統計で県内38市を並べたとき最も高い。75歳以上の割合も22.6%にのぼる。
  • 市域は499.23平方キロメートルで、豊田市に次いで県内38市のうち2番目に広い。人口密度は1平方キロメートルあたり約83.3人。
  • 人口は41,602人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
  • 愛知県内では豊橋市・岡崎市・豊川市・豊田市・北設楽郡設楽町・東栄町と接し、東は静岡県浜松市と県境を接する。
  • 1575年(天正3年)の長篠・設楽原の戦いが行われた地。国指定史跡の長篠城跡は豊川と宇連川の合流点にあり、約35,500平方メートルが史跡指定を受けている。
  • 隣接する北設楽郡設楽町では、東三河地域へ水を送る設楽ダムの建設が進んでいる。
  • 市の花はササユリ、市の木はヤマザクラ。

新城市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「新城市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

広い市域に、少ない人数が、高い年齢構成で暮らしている。その形が見える項目を選んで並べます。

項目内容
総人口41,602人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口16,078人(38.6%、愛知県計25.5%)
75歳以上人口9,418人(22.6%、愛知県計15.2%)
総面積499.23km²(県内38市で2番目の広さ)
人口密度約83.3人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体豊橋市・岡崎市・豊川市・豊田市・北設楽郡設楽町・東栄町/静岡県浜松市
市の花・市の木ササユリ・ヤマザクラ

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。対照のために置いた愛知県計も、同じ統計の同じ時点の値を使っています。愛知県が令和7年国勢調査の結果速報として公表した県人口(744万9,403人)や、県の人口動向調査による高齢化率とは調査の系列が異なるため、同じ列で比べることはできません。総面積・隣接自治体・市の花木は、公表されている情報をもとに整理しました。人口密度は、この住民基本台帳人口を総面積で割って算出しました。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)

数字から考えられる市政課題

新城市の高齢化率38.6%は、愛知県計25.5%を13.1ポイント上回ります。75歳以上の割合22.6%も、県計15.2%より7.4ポイント高い水準です。

市民のおよそ4割が65歳以上で、5人に1人以上が75歳以上という構成になっています。

そこに、市域499.23平方キロメートル、人口密度約83.3人という条件が重なります。支援が必要な人の割合が高いうえに、その人たちが広い範囲に散らばって暮らしているということです。

同じ内容のサービスでも、届けるための距離と手間は他市よりかかります。たとえば面接では、次のように数字を課題の言葉へ置き換えて話せます。

「新城市は高齢化率が4割近くて、市域も愛知県では2番目に広いと知りました。支える相手が多いうえに距離もあるので、窓口で待つやり方だけでは届かない人が出てくるのではと感じています」

新城市の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 愛知県の製造品出荷額等は58兆218億円で全国1位(全国シェア約15.5%)。1977年に神奈川県を追い越して以来、連続日本一を保っている(2024年経済構造実態調査)。
  • 県内総生産(名目)は43兆831億円で、主要産業は自動車に代表される輸送機械産業(県民経済計算2022年度)。
  • 県の農業産出額は3,207億円で全国8位(令和5年)。
  • 新城市はこの県の東端に近く、県内2番目の広さの市域と、県境を越えて静岡県浜松市に接する立地を持つ。

つまり、「日本一のものづくり県の中で、最も人口密度の低い市」という位置を押さえておくと、産業や雇用の話題で的外れな答えを避けられます。県全体の大きな数字をそのまま市に当てはめないことが、この市を語るときの出発点です。(出典:あいちの産業構造|2024年経済構造実態調査ほか)

長篠・設楽原の戦いの地として

1575年(天正3年)、この地で長篠・設楽原の戦いが行われました。国指定史跡の長篠城跡は豊川と宇連川の合流点に位置し、約35,500平方メートルが史跡指定を受けています。

戦国末期の大きな土塁と巨大な堀が良好な状態で残っており、毎年5月には長篠合戦のぼりまつりが開かれています。歴史の資源としては全国的な知名度を持つ素材です。

観光や文化を志望動機に据えるなら、史跡の説明で終わらせず、それをどう地域の力に変えるかまで踏み込みましょう。(出典:長篠城跡|新城市)

川の上流に位置する市

長篠城跡が豊川と宇連川の合流点にあることからも分かるとおり、新城市は川の集まる位置にあります。隣接する北設楽郡設楽町では、国が設楽ダムの建設を進めています。

豊川の河口から約70キロメートル上流に置かれる重力式コンクリートダムで、堤高は約129メートル、総貯水容量は9,800万立方メートル、総事業費は約2,070億円。目的は洪水調節、流水の正常な機能の維持、そして東三河地域へのかんがい用水の補給と水道用水の供給で、令和16年度の完成が目指されています。

下流の市や町が使う水が、この地域を通って流れていくという関係を押さえておくと、水や森林の話題に厚みが出ます。(出典:設楽ダム事業概要|令和7年度)

新城市の主な行政課題

ここまでの数字が示しているのは、他の市とは前提の違う課題です。面接で課題を尋ねられたときのために、5つに絞って整理します。

県内の市で最も高い高齢化率

65歳以上人口は16,078人、75歳以上は9,418人(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。65歳以上16,078人のうち75歳以上が9,418人と、6割近くを後期高齢者が占めます。

支えられる側が増えるだけでなく、支える側の人数も同時に減っていくのがこの段階の難しさです。

介護の担い手、地域の見守り、消防団のような地域活動の維持。人手を前提にした仕組みが、そのままでは回らなくなる局面に入っています。

市民一人ひとりの負担を増やさずに支え合いを保つ方法が、市政の中心的な問いになります。

広い市域にサービスをどう届けるか

市域499.23平方キロメートルは、豊田市に次いで県内38市で2番目の広さです。一方で人口密度は約83.3人と、県内の市の中では最も低い水準にあります。

窓口も、路線も、防災の拠点も、距離を前提に配置しなければなりません。拠点を減らせば効率は上がるが、届かない人が増えるという二律背反が、常につきまといます。

公共交通、移動手段の確保、オンラインでの手続き。どの手立てを語るにしても、まずこの距離の話から入ると説得力が出ます。

上流域としての水と森

隣接する設楽町では、東三河地域へのかんがい用水の補給と水道用水の供給を目的の一つとする設楽ダムの建設が進んでいます。新城市は、その水が下流へ流れていく途中に位置しています。

森林の手入れも、川の管理も、市域の中だけで完結する話ではありません。上流の市町村が担う仕事の成果は、下流の市の暮らしに現れます。

自分の市の外に受益者がいる仕事を抱えているという視点は、志望動機にも防災の話にも使えます。

山あいの市に必要な災害への備え

南海トラフ地震防災対策推進地域の指定は、愛知県では県全域に及んでいます。県の被害予測調査の過去地震最大モデル(駿河湾から四国沖を震源域とするマグニチュード8.9程度)では、死者数は早期避難率が低い場合に最大約5,300人、早期避難率が高く呼びかけがある場合は約2,900人と想定され、同じモデルで建物の全壊・焼失は計約9万2,000棟にのぼります。

津波の想定が中心に語られがちですが、推進地域の指定が県全域に及ぶとおり、揺れそのものは内陸にも届きます。

県内には猿投山断層帯や阿寺断層帯をはじめ複数の断層帯が分布しており、1945年(昭和20年)の三河地震では死者2,306人、全壊家屋7,221棟という被害が出ました。

広い市域では、被災した集落へ向かう道路が断たれる場面まで想定しておく必要があります。防災を語るなら、備蓄や訓練の話に加えて、この距離の問題に触れましょう。(出典:愛知県南海トラフ地震被害予測調査結果|2026年公表/愛知県の地震活動の特徴(地震調査研究推進本部)|昭和20年の三河地震ほか)

多くの自治体と接する立地

新城市が接するのは、県内では豊橋市・岡崎市・豊川市・豊田市・北設楽郡設楽町・東栄町、県外では静岡県浜松市です。市部も町村部も、そして県境の向こう側もある顔ぶれになっています。

買い物や通院、通学が市境を越えて動きやすい環境であり、同時に、広域で仕事を分担する相手が多いということでもあります。県境を越えた関係まで視野に入れて市を語れると、地図を見て考えていることが伝わります。

重点政策|採用制度が語る市政の姿勢

市がどの方向を向いているかは、志望動機を組み立てる前に確かめておきたいところです。ただし、確認した新城市の令和8年度試験日程一覧と職員採用のページには、総合計画の名称にあたる記載はありませんでした。

計画の名称と現行の版は、新城市公式サイトの総合計画のページで直接お確かめください。ここでは、市が公表している採用制度そのものから、市政の姿勢を読み取ります。

制度に書き込まれた「人物重視」

新城市は、一般行政職の筆記試験について「民間企業で広く行われている思考力や発想力の高さなど実務に直結する能力を測る民間型試験」を実施すると説明し、試験科目を「人物重視」の内容としていると明記しています。SPIとSCOAのどちらかを受験者が選べる仕組みも用意されています。

さらに、一般行政職の専門職を除くすべての試験区分で年齢要件を「採用時55歳以下」まで引き上げました(令和6年度までは大卒・短大卒と高校卒が採用時28歳以下、障害者が35歳以下、民間企業等経験者が29歳以上40歳以下)。カムバック採用の枠もあります。

多様な経歴の人を広く迎え入れる方向へ、制度を動かしてきた市だと読み取れます。

市政の現在地を一覧にする

分野押さえておきたい事実
人口・高齢化41,602人。高齢化率38.6%・75歳以上22.6%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、同じ統計で県内38市のうち高齢化率は最も高い
市域499.23km²で県内2番目の広さ。人口密度は約83.3人/km²
歴史・文化1575年の長篠・設楽原の戦いの地。国指定史跡の長篠城跡は約35,500m²で、土塁と堀が良好に残る
水・森隣接する設楽町で設楽ダムが建設中。東三河地域へのかんがい用水補給と水道用水供給を目的の一つとし、令和16年度完成目標
広域県内6市町と接し、東は静岡県浜松市と県境を接する
採用A・B・Cの3日程で実施。年齢要件は採用時55歳以下、カムバック採用の枠もあり、試験科目を人物重視の内容としている

面接では、自分の取り組みたい仕事がこの6分野のどこに位置づくのかを一言添えられるだけで、市の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

POINT|制度の読み取りを志望動機に変える

公表資料が限られる市では、採用制度そのものが有力な手がかりになります。関心分野を一つか二つに定めて、「何が課題か」「市はどんな状態を目指すか」「いまどんな事業があるか」「市だからこそ担える役割は何か」「自分の経験や強みが役に立つ場面はどこか」の順に調べていきましょう。

悪い例「新城市は自然が豊かで、歴史もあるところに惹かれました」

改善例「新城市は高齢化率が県内でいちばん高くて、市域も広いと知りました。窓口で待っているだけでは届かない方がいると思うので、こちらから出向いて話を聞く仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

手に入る資料が限られるぶん、開けるものは丁寧に読み込みましょう。起点になるのは次の4つです。

  • 新城市の職員採用のページと試験日程一覧
    A日程・B日程・C日程の違い、職種ごとの試験科目、採用予定人員、年齢要件が一覧できます。
  • 新城市の総合計画が掲載されているページ
    計画の名称と現行の版を確かめる場所です。概要版が出ていれば、そこから読み始めて構いません。
  • 市の地域公共交通や高齢者福祉に関するページ
    広い市域で移動と支援をどう設計しているかが読み取れます。志望動機の具体につながります。
  • 設楽ダム事業の公表資料
    東三河地域の水がどこから来るのかという前提が分かります。上流域に位置する市を語るうえでの背景になります。

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、新城市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。新城市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

新城市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

新城市役所の面接の概要

ここからは、新城市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

新城市役所の面接の流れ

令和8年度実施(令和9年4月採用)の試験は、A日程[春実施](SPI方式)、B日程[夏実施](SCOA方式)、C日程[秋実施](SCOA方式)の3つの日程で行われます。

一般行政職(事務・技師)は3段階の選考で、第1次試験が自己PR試験という順序です。しかもその前に、申込書類による書類選考があります。

項目内容(令和8年度実施・一般行政職)
試験の日程A日程[春実施](SPI方式)、B日程[夏実施](SCOA方式)、C日程[秋実施](SCOA方式)の3つ
書類選考申込書類により書類選考を行います。自己PR試験は書類選考の通過者のみが受験します
第1次試験自己PR試験
第2次試験SPI試験(B日程・C日程はSCOA試験)、作文試験、適性検査、個人面接
第3次試験個人面接
面接の種類個人面接が2回(第2次試験・第3次試験)
集団形式一般行政職に集団討論・集団面接はありません(集団討論は消防職の第2次試験でのみ実施されます)
筆記の性格民間企業で広く行われている思考力や発想力の高さなど実務に直結する能力を測る民間型試験。SPIとSCOAから得意な形式を選べます
配点各試験種目の配点は試験日程一覧に記載がありません
年齢要件一般行政職の専門職を除くすべての試験区分で採用時55歳以下(令和7年度から引き上げ)
採用予定人員A日程=大卒・短大卒(SPI方式)8名程度、民間企業等経験者(SPI方式)5名程度/B日程=大卒・短大卒(SCOA方式)2名程度/C日程=高校卒3名程度、障害者1名程度、民間企業等経験者5名程度、カムバック採用1名程度
併願試験区分間の併願も、職種間の併願もできません

この順序が意味するところは明確です。書類選考と自己PR試験を通らなければ、筆記の会場にすら進めません。

SPIやSCOAの対策から始めたくなるところですが、この試験では申込書類に何を書くかのほうが先に効きます。

そのうえで第2次と第3次に個人面接が置かれていますから、自己PRで述べた内容を二度掘り下げられる前提で組み立てておく必要があります。SPIとSCOAを選べる仕組みも、日程の選び方とあわせて早めに決めておきましょう。

上記の試験構成は、新城市の令和8年度実施(令和9年4月採用)の試験日程一覧にもとづく一般行政職(事務・技師)のものです。消防職、保育士・幼稚園教諭、保健師はそれぞれ段階数も科目も異なります(消防職は第2次試験に体力測定と集団討論があります)。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:新城市職員採用試験 試験日程一覧|令和8年度実施)

新城市役所が求める人物像

新城市の試験日程一覧と職員採用のページの本文には、求める職員像にあたるまとまった記述はありませんでした。受験前に職員採用のページを一度通して読み、掲載の有無をご自身でも確かめておきましょう。

ここでは、市が制度として示している事実から評価の軸を読み取ります。

手がかりは十分あります。第1次試験が自己PR試験であること、筆記を人物重視の内容としていると市自身が書いていること、年齢要件を採用時55歳以下まで広げたこと、カムバック採用の枠を置いたこと。これらは同じ方向を指しています。

経歴の形よりも、その人が何を持ち込めるかを見ようとしているという方向です。

市の条件からも言えることがあります。人口41,602人、市域499.23平方キロメートル、人口密度は約83.3人。職員の数が限られる組織で、行き先までの距離が長い。

一つの案件に何人もの担当が付く体制は取りにくく、現場へ出て話を聞いた人が、そのまま持ち帰って形にするところまで担う場面が多くなります。

集落へ足を運ぶ日と、庁舎で書類を整える日が、同じ一人の予定表の中に並ぶということです。この規模の市役所では、そうやって自分の足で状況をつかんでくる進め方が重んじられる傾向があると考えられます。

そのうえで一つ。この試験では、申込書類、自己PR試験、第2次と第3次の個人面接と、自分について語る機会が四度あります。回を重ねるほど、書いたことと話したことのずれは見つかりやすくなります。

だからこそ準備の順番は、先に軸になる経験を一つ決め、そこから申込書類の記載も自己PRも面接の答えも引き出すという向きにしてください。四度の説明が一本の線でつながっていることが、そのまま説得力になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。新城市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク市役所までは、どのくらいかかりましたか?499平方キロメートルの市域を持つ市です。距離の感覚を持っているかが、何気ない答えににじみます
② 動機・志望自己PR試験では、どんなことを伝えましたか?筆記より先に自分を語る試験です。伝える中身を自分で決められているか
③ 自己理解SPIとSCOAのどちらを選びましたか。それはなぜですか?形式を選べる試験だからこそ、選択の理由に自己認識が表れます
④ 経験・行動一人で任された仕事を、どう進めましたか?職員数の限られる組織では未経験の仕事が回ってきます。調べ方と、人への尋ね方の実例
⑤ 学業・経歴これまでの経験は、新城市の仕事のどこで生きそうですか?山も川も史跡も抱える市で、自分の接続先を見つけられているか
⑥ 適性・将来長く働くうえで、不安に思うことはありますか?採用時55歳以下まで間口を広げた市です。働き続ける前提をどう考えているか
⑦ 公共性・社会性人口が減っていく地域で、行政に何ができると思いますか?高齢化率38.6%という現実を、悲観にも楽観にも寄せずに受け止められるか

ここに並べた7つの枠は、新城市に固有のものではありません。多くの受験者が同じ範囲を準備してきますから、ここで抜きん出るのは難しいのが実情です。

違いが出るのは、この先に挙げる市の事情へ踏み込んだ質問です。

合否を分けるのは「新城市役所ならでは」の質問

「なぜ愛知県庁ではなく、新城市役所なのですか?」
「新城市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

新城市では、2問目の「課題」の側に踏み込めるかどうかが分かれ目になります。高齢化率も市域の広さも数字で示されているのに、自然や歴史の話だけで答えを終える人が少なくないからです。

どちらの質問も市の現状を知らなければその場では答えようがありませんが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「新城市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい新城市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か人口41,602人に対し市域は499.23km²、人口密度は約83.3人/km²。職員が現場へ出る距離が長い「住民に近いから」で終えず、広い市域で人に会いに行く仕事の姿を具体的に描いて話します
新城市の課題高齢化率38.6%は、同じ統計で県内38市を並べたとき最も高い。75歳以上も22.6%数字を挙げたうえで、支える側の人数も減っていくという両面に触れると、現実を見ていることが伝わります
新城市の魅力1575年の長篠・設楽原の戦いの地。国指定史跡の長篠城跡は約35,500m²で、土塁と堀が良好に残る史跡の紹介で止めず、歴史を訪れる理由に変えるために市が何をできるかまで踏み込みます
水と森隣接する設楽町で設楽ダムが建設中。東三河地域へのかんがい用水補給と水道用水供給を目的の一つとする市の外に受益者がいる仕事を抱えている、という上流域の立場から語ると独自性が出ます
市の採用の考え方市は試験科目を「人物重視」の内容としており、第1次試験は自己PR試験。年齢要件は採用時55歳以下制度の紹介ではなく、その制度に自分がどう応えるつもりかまで言えると、志望の本気度が伝わります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、掲げられた文言の有無にかかわらず、「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自分を説明する力第1次の自己PR試験と、第2次・第3次の個人面接で繰り返し確かめられます自己PRの内容と面接で話すことが一本につながるよう、軸になる経験を先に一つ決めておく
一人で進める力職員数の限られる組織で、未経験の仕事にどう向き合うかが問われます誰にも教わらずに始めたことを一つ選び、調べた手順と人に尋ねた場面まで言葉にしておく
地域と長く付き合う構え年齢要件を採用時55歳以下まで広げた市で、長く働く姿をどう描いているかが問われ得ます高齢化率38.6%のこの市で、10年後の自分が何をしているかを具体的な仕事の場面で想像しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。新城市は自己PR試験の後に個人面接が二度続くため、同じ話が三度検証されると考えておくとよいでしょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、あらかじめ用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 新城市の職員採用のページで試験日程一覧を確認し、A日程・B日程・C日程のどれで受けるかを決める(区分間・職種間の併願はできません)
  2. 申込書類による書類選考があるので、記入する内容を早めに固める。自己PR試験で話すことと食い違わないよう控えを残しておく
  3. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 第1部で挙げた新城市の事実から、志望分野に近いものを2〜3個抜き出し、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 自己PRの内容と個人面接で話す内容が一本の線でつながっているか、声に出して確かめる

優先順位に注意

ステップ5は、他の受験生と差をつけるための工程です。ただし新城市では、それより先に済ませたいのがステップ2です。書類選考を通らなければ自己PR試験にも進めず、市の知識を使う場面自体が訪れません。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、新城市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

新城市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

新城市役所の想定問答集を見る

さいごに

新城市の一般行政職は、書類選考を経て第1次が自己PR試験、そのあと第2次と第3次に個人面接が続きます。筆記は民間型で、SPIとSCOAから得意な形式を選べます。

市自身が試験科目を人物重視の内容としていると書いている以上、準備の重心をそこへ置くのが素直な読み方でしょう。

県内の市で最も高い高齢化率、豊田市に次ぐ広さの市域、そして下流へ流れていく水。この条件の中で自分の何が役に立つのか。

まずは試験日程一覧を開き、受ける日程と区分を決めるところから始めてください。