本記事では、春日井市職員採用試験の面接対策で必要な、春日井市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
春日井市役所の面接試験では、「なぜ春日井市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。一般事務にあたる符号Aの区分では、第1次試験に筆記だけでなく集団討論が置かれ、第2次試験が面接という順序です。
筆記の結果だけで先へ進める試験ではない、ということです。市の成り立ちから選考の中身まで、面接の場で口に出せる単位に整理していきます。
第1部|自治体研究編
春日井市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは春日井市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 総務省の一覧に掲載されている施行時特例市で、特例市への移行は平成13年4月1日。平成27年4月1日に特例市制度が廃止されたのと同じ日に、施行時特例市へ移りました。
- 人口は305,003人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。市域は92.78km²です。
- 接しているのは名古屋市・小牧市・瀬戸市・犬山市・西春日井郡豊山町と、岐阜県多治見市。県境をまたぐ隣接を1つ持っています。
- 65歳以上は26.2%、75歳以上は16.4%。高齢者の6割超が75歳以上という内訳です。
- 市の花はサクラ、市の木はケヤキ。市役所は春日井市鳥居松町五丁目44番地にあります。
- サボテンの実生栽培が定着した土地で、平成18年まで実施された国の作物統計調査では出荷量が全国1位でした。
- 集団討論が課されるのは一般事務にあたる符号Aだけで、採用予定は24人程度です。
春日井市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「春日井市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
春日井市の数字は、30万人という人口が92.78km²の市域に収まっている密度と、市が県から引き受けている権限の広さの2点に読みどころがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 305,003人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳) |
| 65歳以上人口 | 79,827人(26.2%。愛知県全体は25.5%) |
| 75歳以上人口 | 49,874人(16.4%。愛知県全体は15.2%) |
| 総面積 | 92.78km² |
| 隣接自治体 | 名古屋市・小牧市・瀬戸市・犬山市・西春日井郡豊山町・岐阜県多治見市 |
| 市の花/市の木 | サクラ/ケヤキ |
| 市役所所在地 | 春日井市鳥居松町五丁目44番地 |
| 市の区分 | 施行時特例市(特例市への移行は平成13年4月1日、施行時特例市への移行は平成27年4月1日) |
| 一般事務(符号A)の採用予定 | 24人程度 |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。比較のために置いた愛知県全体の値も同じ統計から取っています。愛知県が公表する国勢調査の結果や県の推計人口は調査の系列が異なるため、住民基本台帳の数値と同じ列に並べて比べることはできません。総面積・隣接自治体・市の花と木・所在地・採用予定は、公表されている情報をもとに整理しました。市の区分と移行の年月日は、総務省の一覧に掲載されている内容です(出典:施行時特例市一覧|令和5年4月1日現在)。
数字から考えられる市政課題
26.2%という高齢化率は、愛知県全体の25.5%を0.7ポイント上回る程度です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。県平均とほぼ変わらない、と読んで終わりにしてはいけません。
内訳を開くと、75歳以上が16.4%で県の15.2%を1.2ポイント上回っており、65歳以上79,827人のうち49,874人、つまり6割超が75歳以上です。
高齢化率が県並みでも、医療や介護の窓口にかかる重さは先に増えていく構造になっています。
そのうえで、30万人規模の行政を動かす一般事務の採用は年24人程度です。政令指定都市のように部門ごとに専任者を厚く置ける規模ではなく、一人の職員が担当する分野の幅はおのずと広くなります。
たとえば面接では、次のように数字を仕事の話へつなげられます。
春日井市の経済・産業
県のものづくりの厚みの中で
愛知県の製造品出荷額等は58兆218億円で全国1位、全国シェアはおよそ15.5%にのぼります。昭和52年に首位に立って以来その座を保っており、県内総生産(名目)は43兆831億円(県民経済計算2022年度)、年間商品販売額は47兆5,903億円で全国3位です(出典:愛知県の産業構造|2024年経済構造実態調査ほか)。
つまり、「日本のものづくりの中心にある県の、名古屋市に隣り合う内陸都市」という位置が春日井市の経済の土台です。企業誘致や雇用の話題を扱うなら、市単独の数字を探すより、この県の厚みの中で春日井市がどんな役割を持てるかという角度のほうが話が進みます。
サボテンという地場の産物
春日井市はサボテンの産地として知られています。平成18年まで実施された農林水産省の作物統計調査では、「サボテン及び多肉植物」の出荷量が全国1位でした。
栽培が始まったのは昭和28年ごろ、果樹栽培が盛んだった桃山地区です。昭和34年の伊勢湾台風で果樹の多くが被害を受けた一方、サボテンの被害は小さかったことから、以後は栽培の主体をサボテンへ切り替え、市内へ広がっていきました(出典:春日井市のサボテン栽培|市公式サイト)。
種から育てる実生栽培が行われている点も、この産地の特徴です。
産業振興や観光を志望分野に挙げるなら、名産の名前を挙げるだけで終わらせず、災害を境に作物が入れ替わったという経緯まで押さえておくと、話が地域の歩みにつながります。
名古屋市に隣り合うということ
春日井市が接する名古屋市の人口は2,310,721人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)です。通勤も通学も買い物も、市境をまたいで動くことが前提の地域だということになります。
商業の振興や公共交通を志望分野に挙げるなら、市内だけで完結する話にはなりません。大都市に人と消費が流れていく側面と、大都市に近いことが暮らしの場としての需要につながる側面の両方を、同時に見ておく必要があります。
しかも隣接先は名古屋市だけではなく、小牧市・瀬戸市・犬山市・西春日井郡豊山町、さらに県境を越えた岐阜県多治見市にまで及びます。人の動きが一方向ではないという条件は、地域振興の話をするときに効いてきます。
春日井市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を重ねると、春日井市が向き合っている論点が見えてきます。面接で市の課題を問われたときの引き出しとして、次の4つを用意しておきましょう。
後期高齢者が先に増えるという人口の形
高齢化率が県平均に近いという事実は、備えが要らないことを意味しません。75歳以上の割合が県を上回っているということは、介護保険の認定や在宅医療、成年後見といった手続の重い相談が先に増えるということです。
人口30万人台の市では、こうした相談が特定の部署に集中しやすく、窓口の混雑と職員の負担が同時に問題になります。子育て支援や教育を志望する場合でも、市の財源と人員がどこへ厚く配分されているかを知っておくと、自分の希望分野の位置づけを冷静に語れます。
県全体が減少局面に入った中での30万人
令和7年国勢調査の結果速報で、愛知県の総人口は744万9403人(全国第4位)となり、前回調査から1.2%の減少となりました。国勢調査の結果として愛知県の人口が減ったのは1950年以降で初めてです(出典:令和7年国勢調査結果速報(愛知県)|令和7年10月1日現在)。
県が策定した人口問題対策プランも、県人口が2019年の約755万4千人をピークに3年連続で減少し、1年間で名古屋市や中核市を含む43市町村が減少したと認識しています。愛知県は転入が転出を上回る社会増が続いている県ですが、それでも出生と死亡の差による自然減がそれを上回るところまで来ています。
春日井市を語るときも、この県全体の局面転換を背景に置くと、話が「市だけの問題」に閉じなくなります。
南海トラフ地震という県共通の前提
愛知県の南海トラフ地震被害予測調査では、過去地震最大モデル(駿河湾から四国沖を震源域とするマグニチュード8.9程度)で、県内の死者数が最大約5,300人と想定されています。ただしこれは早期避難率が低い場合の値で、早期避難率が高く呼びかけがある場合は約2,900人まで下がるとされています(出典:愛知県南海トラフ地震被害予測調査|2026年6月公表)。
建物の全壊・焼失は計約92,000棟、直接的経済被害額は約19.4兆円、避難者は1週間後で最大約158万人、上水道の断水人口は直後で最大約698万人という想定です。死者の想定が避難行動の前提しだいで大きく動くという点は、防災を志望分野に挙げるなら必ず押さえておきたいところです。
海に面していない春日井市でも、断水や避難者の受け入れという形で影響は及びます。
県から移ってきた事務をどう回すか
総務省の整理によれば、施行時特例市が処理する主な事務は、市街化区域または市街化調整区域内の開発行為の許可や土地区画整理組合の設立の認可といった都市計画等に関する事務、一般粉じん発生施設の設置の届出の受理や汚水又は廃液を排出する特定施設の設置の届出の受理といった環境保全に関する事務、そして計量法に基づく勧告と定期検査です(出典:指定都市・中核市・施行時特例市の主な事務|総務省)。
開発の許可を市の名前で出すということは、判断の責任も市が負うということです。住民の要望と法令の要件が食い違う場面で、市の職員が線を引く役に回ります。
都市計画や環境を志望する人はもちろん、それ以外の分野を志望する人も、この市が「県の下請け」ではない立場にあることは知っておいてください。
重点政策|春日井市の政策を読むための前提
計画の名称や予算の内訳は、市の公式サイトにある最新の資料に当たるのが確実です。この章で扱うのは、その資料を開いたときに何が争点なのかを見分けるための前提のほうです。
前提を知らないまま計画の文章を目で追っても、どの記述が市の判断でどこからが国や県の枠組みなのかが区別できません。
県が向かう数年の時間軸
愛知県は令和7年度予算の重点施策として「リニア大交流圏」の形成を掲げ、リニア中央新幹線の開業を見据えた取組を進めています(出典:愛知県 令和7年度当初予算 重点施策の概要|令和7年度)。
さらに、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)が2026年9月19日から10月4日まで開催されます。名古屋市に隣接する春日井市にとって、こうした県域の動きは交通・宿泊・広報のどこかで市の事業に触れてきます。
市の計画は、県のこの時間軸の上に置かれているという見方をしておくと、市の資料の読み方が変わります。
市域の使い方をめぐる判断
92.78km²という市域に30万人が暮らし、その土地利用の許可を市自身が出す。この2つを重ねると、春日井市の政策の中心にあるものが見えてきます。
住宅地を広げるのか、既にある市街地の中身を作り直すのか。農地や緑をどこまで残すのか。
土地をどう使うかという判断が、そのまま人口・産業・防災のすべてに跳ね返るのがこの規模の市です。志望動機で「まちづくり」に触れるなら、抽象的な言葉ではなく、市域の限りという条件を意識した言い方に直しておきましょう。
POINT|制度の名前を覚えることが目的ではない
施行時特例市という語を正確に言えても、それだけでは評価になりません。移譲されている事務のうち1つを選び、その手続の先にどんな住民がいるのかを想像してから、自分の経験と結び付けてください。制度は、人の顔と結んで初めて志望動機の材料になります。
悪い例「春日井市は施行時特例市として幅広い権限を持っているので、そこに魅力を感じました」
改善例「開発の許可を市が出していると知りました。土地を使いたい人と、周りに住んでいる人の間に立つ仕事だと思いますので、どちらの話も聞いたうえで説明できる職員になりたいです」
あわせて確認したい公式資料
先に開くべきは募集要項です。春日井市は符号ごとに試験の中身が違うため、ここを読み違えると準備の方向がまるごとずれます。
- 春日井市職員採用試験の募集要項(最新年度・自分が受ける符号のもの)と、市の職員採用に関するページ
- 春日井市の総合計画と、最新年度の予算に関する市の公表資料
- 都市計画や環境の分野に関心がある場合は、市が所管する開発許可・環境の手続の案内ページ
- 愛知県の南海トラフ地震被害予測調査と、市の地域防災計画に関するページ
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、春日井市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。春日井市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
春日井市役所の面接の概要
ここからは、春日井市が公表した令和7年度職員採用試験(4月実施)の募集要項をもとに、選考の順序と、そこで何が確かめられるのかを見ていきます。
春日井市役所の面接の流れ
一般事務にあたる符号Aの選考は2段階です。第1次試験が筆記(事務適性、教養)と集団討論、第2次試験が面接。
集団討論が課されるのは符号Aだけで、しかもそれが第1次試験に置かれています。
技術系や保健師の符号では第1次がSPI3(基礎能力検査)または専門試験で、集団討論はありません。同じ市の同じ年度の試験でも、受ける符号によって準備すべきものが変わるということです。
| 項目 | 内容(令和7年度 4月実施の募集要項による) |
|---|---|
| 符号A(一般事務)の段階 | 第1次試験=筆記(事務適性、教養)、集団討論/第2次試験=面接 |
| 集団討論の対象 | 符号A(一般事務)のみ。いずれか1日で実施 |
| 符号B・D・F・H・J・K(土木2・建築2・電気2・機械2・保健師) | 第1次試験=筆記(SPI3(基礎能力検査))/第2次試験=面接 |
| 符号C・E・G・I(土木1・建築1・電気1・機械1) | 第1次試験=筆記(事務適性、専門)/第2次試験=面接 |
| 符号L(労務職) | 第1次試験=書類審査/第2次試験=体力試験、面接 |
| 符号A(一般事務)の採用予定人数 | 24人程度 |
| 符号A(一般事務)の受験資格 | 平成7年4月2日以降生まれで、大学(短期大学を除く)を卒業した人 |
| 配点 | 募集要項に記載はありません |
| 試験成績の開示 | 順位、科目別の得点、合格者の最低得点。各試験の合格発表日から1か月間、本人が本人確認書類を持参し人事課で口頭により請求 |
| 申込方法 | インターネットのみ。市が案内する申込サイトから申し込み、第1次試験では受験票をA4サイズに印刷したもの、またはスマートフォン等に表示した画面を提示 |
上記は春日井市が公表した令和7年度職員採用試験(4月実施)の募集要項にもとづく内容です(出典:春日井市職員採用試験(4月実施)募集要項|令和7年度)。各試験種目の配点および人物試験の比重は募集要項に記載がなく、公表されていません。試験の構成・符号・採用予定人数は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身が受ける符号の最新の募集要項をご確認ください。
春日井市役所が求める人物像
春日井市の令和7年度募集要項には、「求める人物像」として独立した項目は置かれていませんでした。市公式サイトの令和8年度職員採用試験情報のページも、申込に使う民間プラットフォームへの案内が中心で、人物像にあたる文言は市のドメイン上では確認できていません。
したがって、この市については公表文言を暗記する対策は成り立たないと考えてください。代わりに手がかりになるのが、募集要項に書かれている選考の設計そのものです。
一般事務だけに集団討論を課し、それを第1次試験に置く。この配置は、筆記の得点だけで第2次へ進ませない意思の表れと読めます。
加えて、試験成績の開示範囲に「順位、科目別の得点、合格者の最低得点」が含まれ、本人が人事課へ出向いて口頭で請求する仕組みが用意されています。選考の結果を受験者に説明できる形で残している市だということです。
この先は募集要項に答えが書かれていない領域です。人口30万人規模で、都市計画や環境の許認可まで自前で処理する市では、一つの部署が扱う相手が住民・事業者・国や県の機関にまたがります。
制度をつくる場面と、その制度を窓口で説明する場面の距離が近い、と言い換えてもよいでしょう。だとすれば、関係する人が複数いる場面で話を前に進めた経験が、この市の選考では効いてくる場面が多いはずです。
24人程度という採用規模も、その幅の広さを裏づけます。準備の向きとしては、集団討論が第1次試験に置かれているという設計から逆算するのが実際的です。
討論の場での振る舞いは当日に作れるものではありませんから、これまで自分が集団の中でどう動いてきたかを思い出し、面接でも同じ説明ができる状態にしておくほうが確実です。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。春日井市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどちらから来られましたか | 集団討論を挟んだあとの面接。硬さが残ったままか、切り替えられるか |
| ② 動機・志望 | 名古屋市ではなく春日井市を選んだ理由を聞かせてください | 大都市に隣り合う市を選ぶ理由。地理的な近さで済ませていないか |
| ③ 自己理解 | 議論の場で、自分はどんな役回りになることが多いですか | 集団討論の場面と重なる問い。自己認識と実際の振る舞いの一致 |
| ④ 経験・行動 | 意見が割れた場面で、あなたは何をしましたか | 結論を出したかどうかより、割れた状態をどう扱ったか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んだ内容を、行政の仕事のどこで使えそうですか | 専門知識そのものより、市の事務への置き換え方 |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う部署に配属されたら、どう働きますか | 24人程度の採用で幅広い分野を回す市。異動への構え |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になった行政の動きはありますか | 話題の選び方と、それを短く説明できるかどうか |
この7つは、受験者の多くが対策してくる領域です。準備しておけば減点は避けられますが、それだけで抜きん出ることは難しい。
差がつくのはこの先、春日井市の事情を知らなければ答えようのない質問のほうです。
合否を分けるのは「春日井市役所ならでは」の質問
どちらも、市の現状を知らないままではその場で組み立てようのない問いです。
裏を返せば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「春日井市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい春日井市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 総務省の整理では、施行時特例市が処理する主な事務に開発行為の許可や土地区画整理組合の設立の認可、一般粉じん発生施設の届出の受理が挙げられている | 制度の名称で線を引かず、その手続の先に立つ住民や事業者の顔まで下ろして答えます |
| 人口と年齢の現在地 | 305,003人のうち65歳以上が26.2%、75歳以上が16.4%。高齢者の6割超が75歳以上を占める | 高齢化率そのものではなく、後期高齢者から先に増えるという順序に注目して話を組み立てます |
| 市の魅力 | サボテンの実生栽培が定着し、平成18年まで実施された作物統計調査では出荷量が全国1位だった | 名産を挙げるだけで止めず、伊勢湾台風を境に果樹から切り替わったという経緯まで触れます |
| 市の課題 | 愛知県は令和7年国勢調査の結果速報で1950年以降はじめて人口が減少し、県は43市町村での減少を認識している | 市単独の話に閉じず、県全体が局面を変えた中での30万人都市という位置から語り起こします |
| 防災 | 県の被害予測調査では、過去地震最大モデルで県内の死者が最大約5,300人、早期避難率が高い場合は約2,900人と想定されている | 数字を読み上げるのではなく、想定が避難行動で動くという幅を、住民への呼びかけの話に変えます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
先に見たとおり、春日井市の募集要項には人物像にあたる独立した項目がありません。だとすれば面接は、募集要項から読み取れる選考の設計に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場だということになります。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 集団の中での役の取り方 | 第1次の集団討論と重なる問い。議論をどの方向へ動かしたかを聞かれる | 司会をやった話に寄せず、意見が出そろわないときに自分が何を言ったかを1場面用意する |
| 知らない分野への入り方 | 未経験の課題に当たったとき、最初にどこへ手を伸ばしたかを掘られる | 開発許可や環境の届出のように条文と現場の両方を見る仕事がある市。自分で資料を当たった経験を選ぶ |
| 要望を断るときの進め方 | 相手の希望に応えられない場面で、どう話を収めたかを問われる | 感情の話ではなく、どんな順序で説明し、代わりに何を示したかという手順で語れるようにする |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。集団討論を経てから面接に進む春日井市の場合、討論での発言について問い直される場面も想定されます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の募集要項で、自分が受ける符号の試験科目を確認する(符号によって集団討論の有無も第1次の科目も変わります)
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 集団討論の練習をする。時間内に結論へ持っていく訓練より、話が止まったときに何を言うかを決めておくほうが役に立ちます
- この記事の前半を読み返し、固有質問の対応表から材料を選んで「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ4の集団討論の備えを先に済ませてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、春日井市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
春日井市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
春日井市の一般事務は、筆記と集団討論を通ってから面接に進む2段階の選考です。配点は公表されていませんが、話す場面が第1次から用意されているという事実だけで、準備の重心はおのずと決まります。
30万人が暮らす市域で、開発の許可も環境の届出も市の名前で処理する。その現場に自分がどう加わるのかを、集団討論の場でも面接の場でも同じ言葉で語れるようにしておいてください。