本記事では、東海市職員採用試験の面接対策で必要な、東海市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

東海市役所の面接試験では、「なぜ東海市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

はじめに一点。ここで扱う東海市は、愛知県知多半島の北部に位置する人口11万人台の市です。東海地方・東海3県といった広い地域の呼び名とは別のものですから、資料を探すときは市の公式サイトかどうかを確かめてください。

以下の事実は、その東海市の面接で使える材料として並べました。

第1部|自治体研究編

東海市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは東海市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 臨海部に日本製鉄・愛知製鋼・大同特殊鋼が並ぶ、市が自ら「中部圏最大の鉄鋼基地」と紹介するまち。
  • 人口は113,281人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。市域は43.42km²、人口密度は2,609人/km²です。
  • 65歳以上の割合は22.7%、75歳以上は13.6%。愛知県全体(25.5%・15.2%)をどちらも下回ります。
  • 接するのは名古屋市・大府市・知多市・知多郡東浦町。知多半島の付け根にあたる位置です。
  • 第7次東海市総合計画の将来都市像は「ともにつながり 笑顔と希望あふれるまち とうかい」。募集要項の末尾にも掲げられています。
  • 市の花はサツキと洋ラン、市の木はクスノキ(キョウチクトウが準市の木)。市役所は東海市中央町一丁目1番地にあります。
  • 令和8年度[春日程]の採用試験は3段階。一般行政職(学芸員を除く)・保健師・歯科衛生士の第2次試験にはグループワークが含まれます。
  • 第2次試験の受験者全員を対象に、市が「全体説明会」を開いています。試験項目ではありません。

東海市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「東海市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

東海市の数字を読む軸は2つあります。11万人台という人口規模と、その人口構成が愛知県全体より若いという事実です。

項目内容
総人口113,281人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)
65歳以上の割合22.7%(愛知県全体は25.5%)
75歳以上の割合13.6%(愛知県全体は15.2%)
総面積43.42km²
人口密度2,609人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体名古屋市・大府市・知多市・知多郡東浦町
市の花・市の木サツキと洋ラン・クスノキ(キョウチクトウが準市の木)
市役所所在地東海市中央町一丁目1番地
春日程の募集職種・人員一般行政職は一般事務8名・福祉1名・学芸員1名・建築1名・土木1名、保健師1名、歯科衛生士1名、保育職〈短大卒以上〉17名、消防職4名、再チャレンジ区分(建築・土木・歯科衛生士・保育職・消防職)各若干名

総人口および65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。比較のために置いた愛知県全体の値も同じ統計から取っています。愛知県が人口動向調査で公表する高齢化率や、国勢調査を基準とする県の人口は調査の系列が異なるため、同じ列に並べて比べることはできません。面積・隣接する自治体・市の花と木は当研究会が整理した基礎データによるもので、人口密度は上記の総人口を総面積で割って算出した値です。募集職種・人員は市が公表した令和8年度実施の募集要項によります。

数字から考えられる市政課題

65歳以上22.7%という値は、愛知県全体の25.5%を2.8ポイント下回ります。75歳以上でも13.6%と、県の15.2%より1.6ポイント低い水準です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

東海市は、愛知県の中では若い人口構成を保っている市だといえます。

この構成は、募集職種の内訳にも表れています。春日程で最も多く採るのは保育職〈短大卒以上〉の17名で、一般行政職の一般事務8名を上回ります。

年齢構成の若さと、保育の担い手を厚く確保しようとする姿勢が、採用の設計に重なって出ていると読めます。たとえば面接では、次のように数字と市の姿を結び付けられます。

「東海市は11万人ほどの市ですけれども、65歳以上の割合は県の平均より低いと知りました。採用でも保育の職種がいちばん多いと聞きましたので、若い世代が住み続けられる環境づくりに関わりたいです」

東海市の経済・産業

鉄鋼が集まった臨海部

東海市は公式サイトの「まちの自慢」で、自らを中部圏最大の鉄鋼基地と紹介しています。臨海部に日本製鉄、愛知製鋼、大同特殊鋼が並ぶという構成です。

始まりは昭和14年に愛知製鋼が電気炉を建設したことで、昭和36年に日本製鉄、昭和37年に大同特殊鋼が完成しました(出典:東海市「まちの自慢」|市公式サイト掲載)。

戦前から戦後高度成長期にかけて積み上がった重工業の集積が、いまも市の産業の骨格になっています。

工場が生む雇用と税収、そして環境や交通への影響。この両面をひとつの市が引き受けている構造を、まず押さえてください。

洋ランとフキという、もうひとつの顔

同じ「まちの自慢」で、市は洋ラン(シンビジウム、胡蝶蘭、デンドロビウムなど)の生産地であること、フキが大正時代から日本一の産地として知られることを挙げています。市の花に洋ランが入っているのも、この背景と無縁ではありません。

鉄と花が同じ市の自慢として並ぶという構図は、面接での話題として使いやすい素材です。工業のまちという一面だけで東海市を語ると、この農業の側面が抜け落ちます。

産業振興を志望分野に挙げるなら、両方に目配りしておきましょう。

名古屋港を背にした立地

東海市が接する名古屋市には、名古屋港があります。名古屋港の総取扱貨物量は1億5,671万トンで平成14年から23年連続の日本一、貿易額は23兆7,352億円(輸出16兆1,659億円・輸入7兆5,693億円)です。

自動車の輸出台数は約146万台で46年連続の日本一となっています(出典:名古屋港の実力|名古屋港管理組合)。

素材を作る工場群と、それを運び出す港湾が近接している。東海市の産業立地を説明するときは、この位置関係まで含めて話すと立体感が出ます。

東海市の主な行政課題

ここまでの姿を課題の形に置き直すと、東海市が向き合っている論点が4つ見えてきます。面接で市の課題を聞かれたときに備えて、順に確認しておきましょう。

若い構成をどこまで保てるか

東海市の65歳以上22.7%・75歳以上13.6%という水準は、県全体より低いところにあります。ただし愛知県の推計人口は745万3803人で、1年間に1万1447人の減少(0.15%減)となり6年連続の減少です。

県全体では出生4万7059人に対し死亡8万4311人で、3万7252人の自然減が9年連続で続いています(出典:愛知県人口動向調査 年報|令和7年)。

県が減っていく局面で、若い構成を保ち続けられるかどうかが東海市の分岐点になります。保育職を17名採るという採用の形は、その分岐点に対する市の答えの一つだと読めます。

特定の産業に厚みがあるということ

鉄鋼の集積は東海市の強みですが、産業の構成が特定の分野に偏るほど、その分野の変化が市全体に及びます。工場の設備更新、働き方、エネルギーの使い方。

いずれも市が単独で決められることではありませんが、住民の暮らしにははっきり影響します。強みと弱みが同じ場所から生まれるという構図は、市の課題を語るときの定番の切り口です。

ここを表面的な工業都市の紹介で終わらせないことが、他の受験者との差になります。

海に面した市としての備え

昭和34年9月26日の伊勢湾台風では、愛知県で死者3,168人・行方不明92人・負傷者59,045人という被害が出ました。住家被害は全壊23,334戸・半壊97,049戸・床上浸水53,560戸に及び、名古屋港では26日21時35分に潮位3.89メートルの記録的な高潮が発生しています(出典:愛知県の伊勢湾台風被害(気象災害の記録)|昭和34年9月)。

将来の想定としても、愛知県南海トラフ地震被害予測調査は過去地震最大モデル(マグニチュード8.9程度)で県内の建物の全壊・焼失を計約92,000棟と見込み、うち液状化によるものを約17,000棟としています(出典:愛知県南海トラフ地震被害予測調査結果|2026年6月公表)。

高潮の記録と、液状化を含む地震の想定。海沿いに産業が並ぶ市では、この2つを同時に考える必要があります。

職種が細かく分かれた組織を回す

春日程の募集を見ると、一般行政職の中に一般事務・福祉・学芸員・建築・土木の5区分が置かれ、さらに保健師、歯科衛生士、保育職、消防職が独立しています。再チャレンジ区分では採用予定日を6つの時期から選べる仕組みもあります。

専門ごとに人を採り、入る時期にも幅を持たせている組織だということです。職種が分かれるほど、部署をまたいだ調整の重要性は増します。

この点は、面接で仕事の進め方を問われたときに効いてきます。

東海市の重点政策|第7次東海市総合計画の将来都市像

第7次東海市総合計画の全文は、市の公式サイトで最新の版をご覧ください。ここで扱うのは、市が採用の場面で受験者の目に触れる形で示している言葉です。

募集要項の末尾に置かれた将来都市像

東海市の募集要項は、その末尾に第7次東海市総合計画の将来都市像「ともにつながり 笑顔と希望あふれるまち とうかい」を掲げています(出典:東海市職員採用候補者試験募集要項(春日程)|令和8年度実施)。

試験の説明をひととおり終えたあとに、市の目指す姿を置く。読み終えた受験者の記憶に最後に残るのはこの一文だ、という構成です。

3つの要素のうち先頭にあるのは「ともにつながり」で、人と人の関係が最初に来ています。

求める人物像そのものは示されていない

東海市の令和8年度募集要項と職員採用のページには、「求める人物像」や「求める職員像」として独立した項目は置かれていませんでした。掲げられているのは、この将来都市像です。

裏を返せば、東海市の受験者は将来都市像から評価軸を組み立てる必要があります。

「ともにつながり」を人と人の関係づくりと読むか、部署や機関をまたいだ連携と読むか。どちらで受け取ったかを説明できれば、それ自体が市への理解の証明になります。

「全体説明会」という設計

東海市は、第2次試験の受験者全員を対象に全体説明会を開いています。市役所の概要説明と質疑応答を行うもので、募集要項は「入庁後の実際の働き方等の概要を事前に説明する機会を設けることで、入庁後のギャップを最小限に抑えることを目的として開催するもの」と説明しています。

あわせて「試験項目ではありませんが、第2次試験受験者全員が対象となります」と明記されています。採点の対象ではないと言い切ったうえで全員を集める。

入ってから辞める人を減らすことを、選考の途中で正面から扱っているということです。

POINT|説明会で聞いた話を、面接で更新する

全体説明会は採点されませんが、そこで聞いた働き方の話は第3次試験の個人面接までに使えます。事前に用意した志望動機をそのまま繰り返すのではなく、説明を聞いて考えが変わった部分があれば、その変化ごと話してください。市が説明の場を用意した意味に、受験者の側から応えることになります。

悪い例「市民に寄り添える職員になりたいと考えており、その思いは変わっていません」

改善例「説明会で、ひとつの仕事に複数の課が関わると聞きました。窓口で完結するイメージを持っていましたので、まずは自分の担当の外まで見えるようになりたいと考え直しました」

あわせて確認したい公式資料

申込の前に開いておきたいものから並べます。

  • 東海市職員採用候補者試験の募集要項(最新年度・受験する日程と区分のもの)
  • 東海市の職員採用ページと、申込に使うマイページの案内
  • 第7次東海市総合計画(将来都市像と、志望分野に関係する施策の部分)
  • 市の「まちの自慢」など、産業と特産を紹介する市のページ
  • 名古屋港の取扱貨物量や貿易額を紹介する名古屋港管理組合の資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、東海市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。東海市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

東海市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

東海市役所の面接の概要

ここからは、東海市が公表した募集要項をもとに、選考の流れと、そこで問われるものを追っていきます。

東海市役所の試験の構成

令和8年度[春日程]の試験は3段階です。第1次試験がテストセンター方式による知的能力・学力および事務能力の試験、第2次試験がWeb方式の適性検査と面接試験等、第3次試験が東海市役所での個人面接。

3段階のうち2段階が人物の場で、テストセンターで受ける筆記は入口の1回だけです。第2次の中身は職種によって分かれており、一般行政職(学芸員を除く)はグループワークと面接を別の日に受けます。

項目内容(令和8年度実施・春日程)
試験の段階3段階。第1次から第3次まで、段階ごとに合格者を決めていきます
第1次試験テストセンター方式による「知的能力、学力及び事務能力試験」
第2次試験(共通部分)適性検査(Web方式)と面接試験等
第2次試験(一般行政職・学芸員を除く/保健師/歯科衛生士)「グループワーク」と「面接(集団又は個人)」を別日に実施
第2次試験(一般行政職の学芸員)実技試験(遺物実測等)と面接(集団又は個人)
第2次試験(保育職)実技試験(楽器演奏、集団遊び等)と面接(集団又は個人)
第2次試験(消防職)実技試験(体力テスト)と面接(集団又は個人)
第3次試験個人面接(東海市役所)。全職種共通
全体説明会第2次試験の受験者全員を対象に、東海市役所地下大会議室で実施。市役所の概要説明と質疑応答を行うもので、試験項目ではありません
申込の流れ仮登録後にマイページでエントリーシートに必要事項を入力して本登録。本登録完了後5日以内に第1次試験の受験案内メールが届き、受験者自身が会場と日時を予約します
第2次試験以降の提出書類全職種共通で最終学校の卒業証明(卒業証明書または卒業証書の写し、卒業見込証明書)と、免許証・学生証等の身分証明書の写し。区分により学業成績証明書や資格取得のわかるものを追加します
併願「今回の試験で複数の区分に申し込むことはできません」と明記されています

上記は、東海市が公表した令和8年度実施(採用予定日は令和9年4月1日)の募集要項にもとづく春日程の内容です。募集要項には各試験種目の配点や合否の決定方法が示されておらず、人物試験の比重は公表されていません。第2次試験の面接は「面接(集団又は個人)」と併記されており、どちらの形式になるかは要項の上では確定していません。試験の構成・日程・区分は年度によって変わりますので、受験の際は必ず自分が受ける日程と区分の最新の募集要項をご確認ください。

東海市役所が求める人物像

先に触れたとおり、東海市の募集要項と採用ページには求める人物像の項目がなく、示されているのは将来都市像「ともにつながり 笑顔と希望あふれるまち とうかい」です。

ここから評価軸を組み立てるとすれば、先頭に置かれた「ともにつながり」が最も重い手がかりになります。人と人、組織と組織を結び直す仕事を市が中心に据えているという読み方です。

試験の設計も、同じ方向を指しています。一般行政職の第2次にはグループワークが置かれ、第3次は市役所での個人面接。

初対面の相手と結論を出す場面と、一人で自分の考えを掘られる場面の両方が用意されています。人と組む力と、一人で立つ力の両方を確かめる構成だと受け取れます。

グループワークで発言量を競っても、第3次で中身が伴わなければ意味がありません。逆も同じです。

当研究会は、この構成をもう一段先まで読んでいます。人口11万人台の東海市は、一般行政職を一般事務・福祉・学芸員・建築・土木に分け、保健師や歯科衛生士も独立して採用しています。

担当が細かく分かれていない小規模な市とは違い、専門ごとに人を配置できる規模だということです。その一方で、県庁や政令市ほど組織が大きいわけでもありません。

専門性を持ちながら、隣の課の事情も見える距離で働く。この中間的な位置にどう馴染めるかが焦点になりやすいでしょう。

第2次でグループワークを課しているのも、専門の枠を越えて人と組めるかを早い段階で見ておきたいからだと考えられます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。東海市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク全体説明会で印象に残ったことはありますか第2次で全員が同じ説明を聞いています。同じ材料から何を拾ったか
② 動機・志望公務員という進路にたどり着いた経緯を教えてくださいテストセンターの試験では測られない部分。選択の順序と経験のつながり
③ 自己理解グループで話すとき、自分はどの位置に立つことが多いですかグループワークが課される区分では第2次と直結する問い。役割の自覚があるか
④ 経験・行動意見が割れた場面で、結論をまとめた経験はありますか将来都市像の先頭にある「ともにつながり」を、行動の側から確かめる
⑤ 学業・経歴学んだことを、市のどの分野で使えると思いますか職種が細かく分かれた組織。専門と行政の接点の見立て
⑥ 適性・将来希望と違う区分の仕事に関わることになったら、どうしますか専門ごとに採る市だからこそ問われる、配属への構え
⑦ 公共性・社会性産業と環境の関係で、気になっている話題はありますか臨海部に工場が並ぶ市。論点の選び方と、意見のまとめ方

ただし、ここに並ぶ問いは受験者全員が対策してくる領域なので、大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「東海市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「東海市役所ならでは」の質問

「なぜ愛知県庁ではなく、東海市役所なのですか」
「東海市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「東海市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい東海市の事実答え方のヒント
県ではなく市を選ぶ理由人口113,281人。一般行政職を一般事務・福祉・学芸員・建築・土木に分けて採用している規模の話に逃げないでください。専門を持ちながら住民との距離も近い、この中間の働き方を選んだ理由を述べるほうが説得力が出ます
市の将来都市像第7次東海市総合計画の「ともにつながり 笑顔と希望あふれるまち とうかい」。募集要項の末尾にも掲載言葉を引用するだけで終わらせないこと。3つの要素のどれに自分の経験が当たるかを決め、その理由まで話してください
市の産業市は自らを中部圏最大の鉄鋼基地と紹介。臨海部に日本製鉄・愛知製鋼・大同特殊鋼が並び、洋ランやフキの産地でもある工場の名前を並べても評価にはつながりません。鉄と花が同居する市で行政が果たす役割を、自分の関心と重ねて語りましょう
人口構成65歳以上22.7%・75歳以上13.6%で、いずれも県全体より低い。春日程では保育職を17名募集若い市だという事実だけでは足りません。その構成を保つために何が要るのかまで進めると、分析として成立します
防災の備え伊勢湾台風では名古屋港で潮位3.89メートルの高潮。南海トラフ地震の想定では県内の全壊・焼失のうち液状化によるものが約17,000棟海に面し、臨海部に産業が集まる市です。高潮の記録と地震の想定を並べて話すと、備えの全体像が伝わります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、将来都市像から読み取れる姿勢が「これまでに実際どう行動してきたか」として現れているかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
人とつなぐ力立場の違う相手のあいだに入って動いた経験があるか将来都市像の先頭にある要素です。まとめた結果より、双方に何を伝えたかを順に説明できるようにしておきましょう
初対面での立ち回り第2次でグループワークが課される区分では、限られた時間に何を担ったか司会役を狙う必要はありません。話が止まったときに一言を足す練習を、実際に人と組んでやっておいてください
説明を受け取り直す力全体説明会で得た情報を、自分の考えにどう反映させたか市が採点対象外と明言してまで開く場です。聞く前と後で何が変わったかを、第3次の個人面接までに言葉にしておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。東海市は第3次が市役所での個人面接ですから、この掘り下げは最後の場面で集中します。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の募集要項で、受験する日程と区分を1つに決める(複数の区分に申し込むことはできません)
  2. 仮登録からマイページでのエントリーシート入力、本登録という流れを確認する。本登録の完了後5日以内にテストセンターの受験案内メールが届くため、会場と日時を予約できる期間をあらかじめ空けておく
  3. これまでの経験を棚卸しし、学業・課外活動・アルバイトから語れる場面を1つずつ選ぶ
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 自治体研究として、将来都市像の3つの要素から1つを選び、この記事の前半にある東海市の事実と結んで筋を通す
  6. 自分の区分にグループワークがある場合は人と組む練習をし、第2次の全体説明会で聞いた話を第3次の個人面接用に反映させる

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を東海市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。第3次の個人面接で掘られるのは、結局ここから出てきた言葉です。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、東海市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

東海市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

東海市役所の想定問答集を見る

さいごに

東海市は、第2次試験の受験者全員を市役所に集めて、入庁後の働き方を先に説明します。採点しない場をわざわざ設けるのは、入ってからの落差で人を失いたくないからでしょう。

つまり市の側は、来る人に手の内を見せる姿勢をとっています。であれば受験者の側も、説明を聞く前の志望動機で第3次の個人面接に臨むのはもったいない話です。

鉄鋼の集積と洋ランの産地という二つの顔を持つまちで、あなたはどちらの側から市政に入っていくのか。募集要項は日程と区分で内容が異なりますので、自分の受けるものを手元に置いて進めてください。