本記事では、稲沢市職員採用試験の面接対策で必要な、稲沢市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

稲沢市役所の面接試験では、「なぜ稲沢市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

稲沢市の行政職には教養試験も専門試験も論文もなく、第2次・第3次はいずれも個別面接です。市を語れるかどうかを問われる場面が、選考の後半に続きます。

まず第1部で市の輪郭をつかみ、そのうえで第2部の想定質問に自分の答えを当てはめていってください。

第1部|自治体研究編

稲沢市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは稲沢市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 木曽川が運んだ肥沃な土壌を生かした植木・苗木の産地で、埼玉県川口市、大阪府池田市、福岡県久留米市とともに我が国4大産地の1つとされています。
  • 産地の起源は嘉暦3年(1328年)。市内の円興寺(現在の矢合町国分寺)の住職柏庵禅師が、中国から柑橘苗木の生産技術を持ち帰ったことに始まると伝えられます。
  • 「国府宮はだか祭」(正式名称は儺追神事)は、奈良時代の神護景雲元年(767年)に称徳天皇の勅命によって始まったと伝えられる神事です。
  • 人口は132,336人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。愛知県内の38市の中では12番目の規模にあたります。
  • 市域は79.35km²。県内では一宮市・愛西市・清須市・あま市と、県外では岐阜県の羽島市・海津市に接しています。
  • 65歳以上の割合は28.4%、75歳以上は16.9%。愛知県全体の25.5%・15.2%をいずれも上回ります(同じ住民基本台帳)。
  • 職員採用候補者試験は、10月採用と翌年4月採用の2つの採用時期を1つの実施要項で同時に募集する形をとっています。
  • 行政職の第1次試験はSPI3のみで、教養試験・専門試験・論文はありません。第2次・第3次はいずれも個別面接です。
  • 市の花はキク、市の木はマツ。市役所は稲沢市稲府町1番地にあります。

稲沢市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「稲沢市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、年齢構成、市域の広さ、接している自治体など、稲沢市政を語るときに繰り返し使う項目を並べました。

項目内容
総人口132,336人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。愛知県内38市中12番目
65歳以上の人口37,556人(28.4%。愛知県全体は25.5%)
75歳以上の人口22,426人(16.9%。愛知県全体は15.2%)
総面積79.35km²
県内の隣接自治体一宮市・愛西市・清須市・あま市
県外の隣接自治体岐阜県羽島市・海津市
市役所所在地稲沢市稲府町1番地
市の花・市の木キク・マツ

総人口と65歳以上・75歳以上の人口および割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。割合の分母にも同じ統計の総人口を用いており、並記した愛知県全体の割合も同じ統計にもとづきます。県内順位も同じ統計の市部の値から算出しました。国勢調査を基準とする県の推計人口とは調査の性質が異なるため、直接の比較はできません。総面積・隣接自治体・市役所所在地・市の花と木は公表値をもとに整理しています。

数字から考えられる市政課題

稲沢市の高齢化率28.4%は、愛知県全体の25.5%を2.9ポイント上回ります。75歳以上に絞っても、市の16.9%に対して県は15.2%です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

県内38市の中で見ても高いほうから9番目にあたり、名古屋市に近い立地でありながら、年齢構成は県平均より高齢側へ寄っている市だといえます。

もう一つ見ておきたいのが市域の広さです。79.35km²という面積に13万人が暮らし、市街地と農地と植木の生産地が同じ市の中に並んでいます。

暮らし方の違う地域を一つの市として運営するという条件は、公共施設の配置、交通の確保、農地の保全といった話題すべてに関わってきます。面接で市の現状を説明するときは、この地域差を意識した言い方をすると具体性が出ます。

「稲沢市は13万人ほどの市ですが、65歳以上の方の割合が愛知県の平均より高いと知りました。市の中には住宅地も農地も植木の産地もあって、地域ごとに困りごとが違うのだろうと感じています。地域に足を運んで話を聞くところから始められる仕事に関わりたいです」

稲沢市の経済・産業

4大産地の一つという看板

稲沢市の産業を語るときの中心は、植木・苗木の生産です。市は、木曽川が堆積させた肥沃な土壌を生かした産地であり、埼玉県川口市・大阪府池田市・福岡県久留米市とともに我が国4大産地の1つに数えられると説明しています。

起源は嘉暦3年(1328年)、市内の円興寺の住職柏庵禅師が中国から柑橘苗木の生産技術を持ち帰ったことにさかのぼるとされます(出典:稲沢市の植木・苗木)。700年近く続いてきた生産の技が、いまも市域の景観と経済の一部になっているという点が、この市の産業の特色です。

愛知県の農業と商業という土台

市単独の統計に入る前に、県の輪郭を押さえておくと説明が安定します。愛知県の農業産出額は3,207億円で全国8位(令和5年)、年間商品販売額は47兆5,903億円で全国3位(2024年経済構造実態調査)です(出典:愛知県の産業構造|2024年経済構造実態調査・令和5年農業産出額)。

工業県という印象が強い愛知県ですが、農業でも全国の上位にあり、大消費地を抱える商業県でもあります。植木・苗木という園芸の産地が成り立ってきた背景には、この二つの条件が重なっています。

産業振興を志望動機にするなら、「作る側」と「売る側」の両方に目を配ると説得力が増します。

祭りと観光という別の資源

もう一つの資源が、国府宮はだか祭です。正式名称を儺追神事といい、奈良時代の神護景雲元年(767年)に称徳天皇の勅命によって始まったと伝えられています(出典:国府宮はだか祭(儺追神事))。

愛知県全体では、2024年の観光入込客数が約1億1,073万人(前年比110.6%)、観光消費額は約1兆2,131億円(前年比115.7%)と伸びています(出典:2024年愛知県観光入込客統計)。人が動く県の中で、1,200年以上さかのぼる神事を抱える市がどう振る舞うか。

観光や文化、シティプロモーションを志望するなら、来場者数を増やす話だけでなく、担い手をどう確保するかまで考えておきましょう。

稲沢市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、稲沢市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

県平均を上回るペースの高齢化

令和8年1月1日現在の住民基本台帳で人数を見ると、65歳以上は3万7,556人、75歳以上は2万2,426人です。割合では県全体をそれぞれ2.9ポイント・1.7ポイント上回ります。

高齢の市民のおよそ6割が75歳以上という構成で、介護や医療、移動手段の確保といった分野の需要が同時に膨らむ局面にあります。名古屋市に近いという立地の良さは、この構図を自動的には解決してくれません。

産地の技をどう次の世代へ渡すか

植木・苗木の生産は、市が700年近い歴史を持つ産業として公表しているものです。ただし、農業や園芸の分野では、担い手の高齢化と後継者の確保が全国共通の課題になっています。

稲沢市の場合、産地であること自体が市の景観と自己認識に結び付いているため、生産が細れば市の姿も変わります。産業政策と、まちの景観と、地域の担い手の話が一つにつながっている点が、この市の課題の特徴です。

低平地の水害と南海トラフ地震

稲沢市は木曽川の東側、濃尾平野に位置しています。愛知県の南海トラフ地震被害予測調査(過去地震最大モデル、マグニチュード8.9程度)では、県内の死者数は早期避難率が低い場合で最大約5,300人、早期避難率が高く呼びかけがある場合は約2,900人と想定され、建物の全壊・焼失は計約92,000棟にのぼります。

理論上最大モデルでは、濃尾平野を中心に液状化の危険度が極めて高いと評価されています(出典:愛知県南海トラフ地震被害予測調査|令和8年6月公表)。水害の履歴も重く、平成12年9月の東海豪雨では県内で死者7人、床上浸水22,077世帯、床下浸水40,401世帯という被害が出ています(出典:愛知県 過去の水害)。

地震と豪雨の両方を前提に備える必要がある地域です。

市内で異なる暮らしの条件

79.35km²の市域には、住宅地も農地も生産緑地も含まれます。地域によって、通勤の手段も、買い物のしやすさも、近所付き合いの濃さも違います。

行政サービスを一律にそろえるほど、実感としての公平さから離れる場面が出てくる、というのが基礎自治体の難しさです。どの地域の、どんな暮らしを想定して制度を運ぶのかを意識できるかどうかは、窓口でも企画でも問われます。

県全体が減少局面に入ったこと

令和7年国勢調査結果速報では、愛知県の総人口は744万9,403人で全国第4位ながら、前回調査から1.2%減少し、1950年以降の国勢調査結果としては初めての減少となりました(出典:令和7年国勢調査結果速報(愛知県))。産業が集まる県でも人口が減り始めたという事実は、施策を足し算で組み立てる時代が終わりつつあることを意味します。

何を残し、何をたたむのか。その判断に加われる職員かどうかが、これから問われていきます。

重点政策|産地の歴史と、いまの市の輪郭

この章では、稲沢市が公式に語っている自分の姿と、愛知県という政策環境を整理します。市の計画そのものは年度ごとに重点が入れ替わるため、実際に読むときは市公式サイトに掲載されている最新の総合計画と予算資料を手元に置いてください。

市が公式に語っている稲沢

稲沢市が公式サイトで丁寧に説明しているのは、植木・苗木の産地としての由来と、国府宮はだか祭の起源です。どちらも数百年から千年以上をさかのぼる話で、市の紹介の中心に据えられています。

市が自分を語るときに、まず歴史のある産業と神事を出すという選び方そのものが、稲沢市の自己認識を表しています。志望動機を組み立てるときは、この二つを「観光資源」として消費するのではなく、いまの市民の暮らしや仕事とどうつながっているかまで踏み込んでください。

愛知県という政策環境

市の施策は県の動きと切り離せません。愛知県はリニア中央新幹線の開業を見据えた「リニア大交流圏」の形成を重点施策に掲げており、2026年9月19日から10月4日にかけては第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)が開催されます。

あわせて県は、人口問題への対策を柱の一つに据えた総合戦略をまとめています。名古屋市の北西に位置する13万人の市として、県全体で人が動く局面にどう関わるかは、地域振興の話題で使える視点です。

POINT|歴史の話を、いまの担い手の話に接続する

植木・苗木とはだか祭は、稲沢市の志望動機で最も選ばれやすい題材です。だからこそ、由来の紹介で止まると横並びになります。「①この資源を支えてきたのは誰か → ②いまその担い手はどうなっているか → ③市はどこまで関われるか → ④民間や地域団体との役割分担 → ⑤自分の経験がどこで効くか」という順に、一段ずつたどってみてください。

悪い例「稲沢市は歴史ある植木の産地なので、その魅力を広めていきたいです」

改善例「稲沢市の植木や苗木の生産が700年近く続いていると知りました。ただ、農業の担い手が減っているという話もよく聞きます。まずは市の仕事を覚えながら、生産者の方が困っていることを直接うかがって、市として手を貸せる部分を見つける仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

下の4点は、志望動機の材料としても、面接での受け答えの裏づけとしても使えます。受ける採用時期と職種が決まったら、上から順に手を付けてください。

  • 稲沢市職員採用候補者試験の実施要項(10月採用と4月採用のどちらで受けるかを確認するため)
  • 稲沢市の総合計画と、その年度の予算に関する市の説明資料(いずれも最新版)
  • 市公式サイトの植木・苗木と国府宮はだか祭のページ(市の自己紹介の中身がわかります)
  • 愛知県の観光入込客統計と南海トラフ地震被害予測調査(県の前提を押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、稲沢市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。稲沢市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

稲沢市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

稲沢市役所の面接の概要

ここからは、稲沢市役所の試験の形と質問の全体像を、市が公表している実施要項と、当研究会の分析にもとづいて整理します。

稲沢市役所の面接の流れ

稲沢市の試験で最初に理解しておきたいのは、行政職の科目構成です。第1次試験はSPI3のみで、教養試験・専門試験・論文は課されません。

そのあとに個別面接が2回続きます。教養・専門の学科対策で差をつける場面が置かれていない設計だと受け取っておくと、準備の重心を見誤りません。

項目内容(令和8年度実施)
試験の枠組み「令和8年10月採用」と「令和9年4月採用」の2つの採用時期を、1つの実施要項で同時に募集します
募集職種行政職(一般事務、土木、電気、社会福祉士、保健師、学芸員)、保育士、消防職
試験の段階(行政職)第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階
第1次試験(行政職)SPI3のみ。会場はテストセンター会場(オンライン会場を含む)で、申込完了後に届く受検案内に従って受験者自身が会場を予約します
第2次試験(行政職)個別面接
第3次試験(行政職)個別面接
行政職に課されない科目教養試験・専門試験・論文は、行政職の試験科目にありません
消防職(試験区分H1)第1次試験がSPI3、第2次試験が体力測定・小論文・個別面接の2段階構成で、行政職と異なり第3次試験はありません
面接の形式実施要項に集団討論・集団面接の記載はなく、面接はすべて個別面接と明記されています
第2次・第3次の会場稲沢市消防本部(稲沢市船橋町鯉坪321番地1)。市役所本庁舎ではありません
配点各試験の配点と人物試験の比重は、実施要項に記載がありません(非公表)
提出書類受験申込にあたり顔写真データのアップロードが必要です。面接カード・エントリーシートに相当する書類は、実施要項から確認できません

配点が公表されていない以上、比重を数字で語ることはできません。それでも、行政職の筆記がSPI3だけで教養試験も専門試験も課されないこと、第2次と第3次に個別面接だけが2回置かれていることは動きません。

同じ経験を二度、角度を変えて問われる前提で、暗記した答えを再生するのではなく、掘られても崩れない準備をしておきましょう。

上記の試験構成は、稲沢市が公表した令和8年度実施の職員採用候補者試験実施要項にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や採用時期、職種によって異なる可能性があります(出典:令和8年度実施 稲沢市職員採用候補者試験 実施要項)。受験の際は、必ずご自身の職種と採用時期の最新の試験情報をご確認ください。

稲沢市役所が求める人物像

確認した稲沢市の令和8年度実施の実施要項と、市の採用情報ページには、「求める人物像」として定型化された文言は掲載されていません。公表されているのは、募集職種、試験の段階と科目、会場、申込の方法といった手続の情報です。

ここから先は、市が文書にしていない部分です。行政職の選考から教養試験と専門試験を外し、人口13万人の市が個別面接を2回置いているという設計を手がかりに、当研究会が推し量った内容として読んでください。

この規模の市役所は、地域の中心としての性格と、職員一人が広い範囲を受け持つ性格の両方を持ちます。市域には住宅地と農地と産地が並び、地域ごとに事情が違うため、机の上だけで判断が完結する仕事は限られます。

となると、相手の話を正確に受け取り、聞いた内容を次の担当につなげる形にできる人が評価される場面は多くなるはずです。公務員試験型の筆記を置かずに面接を2回並べる設計も、知識の量より、人と向き合う場面での受け答えを見ようとする姿勢のあらわれと読めます。

稲沢市を受けるなら、これまでに人の話を聞いて動いた経験のうち、二度尋ねられても同じ筋で話せるものを選び出し、13万人規模の市役所の仕事に照らして意味づけておく作業が、準備の中心になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。稲沢市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わず来られましたか面接会場が市役所本庁舎ではない試験で、落ち着いて場に入れているか
② 動機・志望10月採用と4月採用のどちらを希望していますか。その理由は2つの採用時期を同時に募集する試験で、自分の予定を自分で組み立てているか
③ 自己理解自分の弱いところをどう補ってきましたか短所を認めるだけで終わらず、対処の実績まで語れるか
④ 経験・行動年上の方や立場の違う方と関わった経験を教えてください地域の生産者や自治会など、年代の幅がある相手と話せるか
⑤ 学業・経歴学んだことのうち、市の仕事で使えそうな部分はどこですか論文の試験がない分、話し言葉で筋道を立てられるか
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたらどうしますか職員数の限られる市で、幅のある仕事を受け止められるか
⑦ 公共性・社会性地域の行事に関わった経験はありますか祭りや地域活動が根付く市らしく、地域との距離の取り方

もっとも、ここに並ぶ質問は他の自治体でも同じように聞かれます。取り組めば形にはなりますが、それだけで抜きん出るのは難しい領域だと考えておいてください。

差がつくのは、次の質問群です。

合否を分けるのは「稲沢市役所ならでは」の質問

「なぜ愛知県庁ではなく、稲沢市役所なのですか」
「稲沢市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

行政職では教養や専門の筆記で差がつく場面がないため、これらの質問への答えがそのまま選考の中身になります。

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「稲沢市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい稲沢市の事実答え方のヒント
市の魅力植木・苗木の4大産地の一つ。起源は嘉暦3年(1328年)に円興寺の住職柏庵禅師が中国から柑橘苗木の生産技術を持ち帰ったことにさかのぼる起源の年号を言うだけでは足りません。700年続いてきたものが、いま誰の手で支えられているのかまで調べて話しましょう
地域の行事国府宮はだか祭(儺追神事)は、神護景雲元年(767年)に称徳天皇の勅命によって始まったと伝えられる参加した経験があればその場面を、なければ担い手の確保という視点から述べると、観光紹介で終わりません
人口構成の位置65歳以上28.4%、75歳以上16.9%で、愛知県全体の25.5%・15.2%を上回る。県内38市では高いほうから9番目(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)名古屋市に近いのに県平均より高齢化が進んでいる、という組み合わせで示すと、立地の話と福祉の話がつながります
なぜ県庁ではなく市役所か市域79.35km²に住宅地・農地・植木の産地が並び、地域ごとに事情が異なる制度の説明ではなく、同じ市の中でも地域で条件が違うことを挙げ、その差に向き合う立場を選んだ理由として語ってください
防災濃尾平野に位置し、県の被害予測では理論上最大モデルで液状化の危険度が極めて高いとされる。東海豪雨では県内で床上浸水22,077世帯の被害地震と豪雨の両方に触れ、自分の住む地域で確かめた避難の手順まで話せると、実感のある答えになります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

稲沢市の行政職は、SPI3のあとに個別面接が2回並ぶ構成で、人物を見る場が選考の後半を占めています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
同じ話を二度、崩さずに語れるか第2次と第3次で個別面接が続くため、同じ題材を別の面接官に説明する場面が生まれます主要な経験を3つに絞り、それぞれ2分と30秒の2通りで話す練習をしておくと、繰り返しに耐えます
年代や立場の違う相手と話せるか生産者や地域団体と接する仕事を想定した、人との関わりを問う質問アルバイトや地域活動で、自分より年上の方と物事を進めた場面を一つ選び、そのときの言い方まで思い出しておきましょう
書かずに話す力行政職には論文がないため、考えの筋道は口頭でのみ確かめられます市の課題を一つ選び、結論から先に述べて理由を二つ添える形で、声に出して整理しておいてください

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 10月採用と翌年4月採用のどちらで受けるかを決め、実施要項で自分の職種の科目と会場を書き出す
  2. SPI3の受検準備を進める。テストセンター会場の予約は自分で行うため、申込後に届く受検案内を必ず確認する
  3. これまでの経験を学業・課外活動・アルバイト・地域の活動に分けて棚卸しし、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 主要な経験を声に出して2回ずつ話す。1回目と2回目で説明が変わらないところまで固める

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、稲沢市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

稲沢市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

稲沢市役所の想定問答集を見る

さいごに

稲沢市の行政職の選考は、SPI3を通過したあとは個別面接が2回続くだけです。教養や専門の得点で挽回する機会が置かれていないぶん、面接で何を話すかがそのまま結果になります。

700年続く産地と、1,200年以上さかのぼる神事を抱えながら、高齢化では県平均を上回る13万人の市。その市で自分は誰と、何をしたいのか。

2回の面接で同じ答えを返せるところまで、言葉を自分のものにしていってください。