本記事では、長久手市職員採用試験の面接対策で必要な、長久手市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
長久手市役所の面接試験では、「なぜ長久手市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。
長久手市が特殊なのは、その問いへの答えが第1次試験の審査対象になっている点です。令和8年度(令和9年4月採用)の募集要項は、書類審査の観点として「長久手市への想いが書かれているか」を明記しています。
市への理解を面接室まで持ち越すのではなく、申込書の段階で示す。選考はそこから始まります。
第1部|自治体研究編
長久手市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは長久手市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 愛知県の尾張東部、名古屋市の東隣に位置します。境を接するのは名古屋市・尾張旭市・瀬戸市・豊田市・日進市の5市です。
- 市域は21.55km²。住民基本台帳の人口は61,677人(令和8年1月1日現在)で、人口密度は2,862人/km²にのぼります。狭い市域に人口が濃く集まる形です。
- 65歳以上の割合は17.7%、75歳以上はちょうど10.0%で、愛知県全体の25.5%・15.2%を大きく下回ります(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
- 市域には愛・地球博記念公園があり、その中に県が整備したジブリパークが置かれています。整備面積は約7.1ヘクタール、公園全体は約200ヘクタールです。
- ジブリパークは総事業費約340億円で、想定来場者数は約180万人(公園全体では約280万人)。2022年11月1日に3エリアが開園し、2024年3月16日までに全5エリアがそろいました。
- 県内で南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に指定されているのは豊橋市・田原市・知多郡南知多町の3市町です。内陸の長久手市では、揺れと液状化、そして生活基盤の被害が備えの中心になります。
- 市の花はサツキ、市の木はカエデ。市役所は長久手市岩作城の内60番地1にあります。
- 職員採用試験は同一年度内に複数回実施され、募集要項も複数出ます。第1次試験は書類審査で、そこから第4次試験まで4段階です。どの回の要項を見ているか、必ず確かめてください。
長久手市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「長久手市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
長久手市の数字は、6万人台という人口と21.55km²という市域を一組にして覚えてください。県内で群を抜いて若い年齢構成と、市域にある大きな集客施設は、そのうえに重ねる情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 61,677人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳) |
| 65歳以上人口 | 10,909人(17.7%。愛知県全体は25.5%) |
| 75歳以上人口 | 6,144人(10.0%。愛知県全体は15.2%) |
| 総面積 | 21.55km²(愛知県全体は約5,170km²) |
| 人口密度 | 2,862人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 名古屋市・尾張旭市・瀬戸市・豊田市・日進市 |
| 市域の主な県施設 | 愛・地球博記念公園(約200ヘクタール)と、その中のジブリパーク(整備面積約7.1ヘクタール) |
| 市の花・市の木 | サツキ・カエデ |
| 市役所所在地 | 長久手市岩作城の内60番地1 |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口とそれぞれの割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。比較のために置いた愛知県全体の値も同じ統計から取っています。愛知県が人口動向調査として公表する高齢化率や、国勢調査を基準とする県の人口は系列が異なるため、この表の値と同じ列で比べることはできません。総面積・人口密度・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は、公表されている値をもとに整理しました。なお人口密度は上記の総人口を総面積で割って算出した値です。
数字から考えられる市政課題
65歳以上17.7%、75歳以上10.0%という値は、愛知県全体の25.5%・15.2%と比べて、いずれも5ポイント以上低い水準です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。市民の10人に1人が75歳以上、という状態です。
この構成は、支える側が多く支えられる側が少ないという意味では有利ですが、同時に高齢化がこれから始まるということでもあります。保育や学校の需要が先に立ち上がり、介護や見守りの需要は少し遅れて、しかもまとまって届きます。
面積21.55km²という狭さも見落とせない条件です。人口密度2,862人/km²の市では、施設を置く土地を新たに確保すること自体が計画の制約になります。
愛知県全体では令和7年国勢調査の速報で総人口744万9403人となり、1950年以降で国勢調査としては初めての減少に転じました(出典:令和7年国勢調査結果速報(愛知県)|令和7年10月1日現在)。たとえば面接では、次のように数字を暮らしの言葉に置き換えて話せます。
長久手市の経済・産業
市域にある県の集客拠点
愛・地球博記念公園は約200ヘクタールの県営公園で、その中の約7.1ヘクタールにジブリパークが整備されました。
総事業費は約340億円、想定来場者数はジブリパークで約180万人、公園全体では約280万人です。県が事業主体として整備し、運営は独立採算制で行われています(出典:ジブリパークの整備と運営に関する資料(愛知県))。
市の人口61,677人と並べると、市民の数十倍にあたる人が同じ市域を訪れる計算になります。市の経済を語るとき、この人の流れを抜きにはできません。
製造品出荷額日本一の県のなかで
愛知県は製造品出荷額等58兆218億円で全国の頂点に立ち、全国のおよそ15.5%を1つの県が占めています。県内総生産(名目)は43兆831億円、年間商品販売額は47兆5,903億円で全国第3位です(出典:愛知の産業構造と魅力|2024年経済構造実態調査・県民経済計算2022年度)。
ただし長久手市は21.55km²の市域に名古屋市が隣接する位置にあり、働く場所が市外にある人も少なくないと考えるほうが自然な立地です。雇用を志望分野に挙げるなら、市内に企業を呼ぶ話と、市外で働く人の暮らしを支える話の両方を用意しておきましょう。
県全体の観光と交流の動き
2024年の愛知県の観光入込客数は約1億1,073万人で前年比110.6%、観光消費額は約1兆2,131億円で同115.7%と、どちらも前年を大きく上回りました。調査対象の観光地点は538地点です(出典:2024年愛知県観光入込客統計)。
伸びている流れの一部が長久手市に届いているのは確かですが、来た人が公園の中だけで一日を終えるのか、市内のほかの場所にも足を運ぶのかで、市に残るものは変わります。観光を語るなら、来場者数ではなく滞在の中身を論点にしてください。
長久手市の主な行政課題
ここまでの条件を並べ直すと、長久手市が抱えている論点の形が見えてきます。面接で市の課題を問われたときのために、次の4つを手元に置いておきましょう。
若い市に、高齢化がまとめて来る
65歳以上17.7%という水準は、県全体より一世代分ほど若い位置にあります。ただし、若い世代が集まって形成された市では、その世代が同じ時期に年を重ねます。
今は少ない需要が、あるときから急に増えるという時間の形になりやすいということです。愛知県全体でも、自然増減は出生4万7059人に対し死亡8万4311人で3万7252人の自然減となり、9年連続の減少が続いています(出典:愛知県人口動向調査 年報|令和7年)。
今の年齢構成を魅力として語るなら、その先の話までを一続きで用意しておく必要があります。
21.55km²に何を置くかという選択
市域21.55km²のうち、約200ヘクタールを愛・地球博記念公園が占めています。単純に面積で見れば、市域のおよそ1割です。
人口密度2,862人/km²の市で、土地は常に足りません。保育所も学校も道路も、新たに置く場所を探すところから議論が始まります。
市の課題を語るとき、施策の中身と同じくらい、それをどこに置くかという問いに触れられると、実務に近い話になります。
来訪者と市民の暮らしを両立させること
想定来場者数が公園全体で約280万人という施設を、人口6万人台の市が抱えています。交通の混雑、駐車、周辺の生活環境。
運営そのものは県と事業者が担いますが、日常の暮らしへの影響を受け止めるのは市です。自分たちが呼んだわけではない人の流れを、市としてどう生活と折り合わせるか。
この構図は、県の施設が市域にある自治体に共通する論点で、志望動機で観光や地域振興に触れるなら避けて通れません。
南海トラフ地震に対する内陸の備え
愛知県が2026年6月に公表した南海トラフ地震被害予測調査は、過去地震最大モデルに加えて理論上最大モデル(駿河湾から日向灘を震源域とするマグニチュード9を超える地震)も想定しています。県内の平野部・半島部の広い範囲で震度6弱以上、一部地域で震度7となり、濃尾平野・岡崎平野・豊橋平野を中心に液状化危険度が極めて高いとされました。
過去地震最大モデルでの直接的経済被害額は約19.4兆円と見込まれています(出典:愛知県南海トラフ地震被害予測調査|2026年6月公表)。愛知県は全域が南海トラフ地震防災対策推進地域です。
津波の想定がない内陸の市にも、揺れと生活基盤の被害という形で同じ地震が届きます。
長久手市の重点政策|市域に置かれた県のプロジェクトと人口の見立て
長久手市の総合計画は市の公式サイトで確認できるので、ここでは要約しません。
見ておきたいのは、市の施策が組まれるときの前提条件のほうです。長久手市の場合、市域に県の大きな事業があること、そして県が人口をどう見ているかという2点が、その前提にあたります。
市域に県の事業があるという構図
ジブリパークは、県が事業主体として整備し、独立採算制で運営されている施設です。2022年11月1日に「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」の3エリアが開園し、2023年11月1日に「もののけの里」、2024年3月16日に「魔女の谷」が加わりました。
誰が決め、誰が運営し、誰が周辺の暮らしを引き受けるのか。役割の線が市域の中を通っています。県と市の関係を問われたとき、制度の一般論ではなくこの具体例から話せると、答えの手触りが変わります。
県が人口をどう見ているか
愛知県のまとめでは、県人口は2019年の約755万4千人を境に3年続けて減り、2021年10月からの1年間には名古屋市や中核市を含む43市町村で減少が起きています。県はこれを県全体に関わる重要な課題と位置づけ、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で人口問題対策プランをまとめました(出典:愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027)。
県ではリニア中央新幹線の開業を見据えた「リニア大交流圏」の形成も重点施策に掲げられています。県全体が縮む見通しの中で人を集めている市が、その状態をどう続けるのか。
市の施策は、この問いへの答えとして読むと筋が通ります。
POINT|有名な施設を志望動機の主役にしない
市域に全国的に知られた施設があると、志望動機がその話で埋まりがちです。しかし採用する側から見れば、その施設は県の事業です。長久手市の職員として何をするのかを語るには、施設そのものではなく、その存在が市民の暮らしに与えている影響のほうへ話を進めてください。
悪い例「全国から人が集まる魅力的なまちなので、その魅力を発信する仕事がしたいです」
改善例「市の外から来る方が多いぶん、道路の混み具合など市民の生活に影響も出ているのではと思っています。まずは配属先の仕事を覚えてからですけれども、来る方と住んでいる方の両方が過ごしやすい形を考える仕事に関わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
手をつける順番を決めるなら、まず募集要項です。長久手市は同一年度内に複数回の試験を実施し、要項も複数出ます。求める人物像の文言は年度によって入れ替わるため、自分が受ける回の要項を特定することが最初の作業になります。
- 長久手市職員採用候補者試験の募集要項(受験する回の最新版。求める人物像の文言を確認)
- 長久手市の総合計画で、自分が関わりたい分野の章(最新版は市公式サイトに掲載)
- 長久手市の地域防災計画と、市が公表する避難所や避難経路の情報
- 愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略(県が人口をどう見ているかを確かめるため)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、長久手市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。長久手市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
長久手市役所の面接の概要
ここからは、長久手市が公表した令和8年度(令和9年4月採用)の募集要項をもとに、選考の形と問われる中身を見ていきます。同一年度内に複数回の試験があるため、自分が受ける回の要項で確かめながら読み進めてください。
長久手市役所の試験の構成
試験は第1次から第4次までの4段階です。第1次試験は筆記ではなく書類審査で、提出した試験申込書と自己PRシートが審査されます。
しかも審査の観点が要項に明記されており、「長久手市への想いが書かれているか」「試験申込書の志望理由及び自己PRシートが7割以上書かれているか」が挙げられています。書く量そのものが条件になっているという意味では、対策の余地がはっきりした試験です。
個別の面接が置かれるのは最後の第4次試験で、要項では「口述試験」と呼ばれています。
| 項目 | 内容(令和8年度・令和9年4月採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験→第2次試験→第3次試験→第4次試験の4段階 |
| 第1次試験 | 全職種「書類審査」。提出された試験申込書および自己PRシートを審査 |
| 書類審査の観点 | 「長久手市への想いが書かれているか」「試験申込書の志望理由及び自己PRシートが7割以上書かれているか」「職務経歴書の内容が受験資格に該当しているか(一般事務(社会人採用)のみ)」 |
| 第2次試験(全職種) | 適性検査と「グループワーク試験」(主として人物についての集団作業による試験) |
| 第2次試験(一般事務) | 【選択制】能力検査試験(SPI3。基礎能力検査をマークシート方式で実施)又は教養試験(一般的知識および能力についての択一式筆記試験)。社会人採用を含みます |
| 第2次試験(保育士・建築技師) | 専門試験(技術職として必要な専門的知識および能力についての択一式筆記試験) |
| 第3次試験 | 一般事務(社会人採用を含む)・建築技師は「プレゼンテーション試験」(自己PRを行い、それに対する質問を受ける)。保育士は「実技試験」 |
| 第4次試験 | 全職種「口述試験」(主として人物についての個別面接による試験)。これが最終段階 |
| 配点 | 各試験種目の配点は募集要項に記載がありません |
| 採用予定人員 | 一般事務および一般事務(社会人採用)で10名程度、保育士8名程度、建築技師若干名。一般事務(社会人採用を含む)は身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を持っている人も申込みできます |
| 提出書類 | ①試験申込書 ②試験申込書別添シート(自己PRシート)③職務経歴書(一般事務(社会人採用)のみ)④手帳の写し(該当者のみ) |
| 申込方法 | 原則インターネットで、市の電子申請システムから申込。添付ファイルの名前は「試験申込書(氏名)」などの形式が指定されています |
| 受験票 | ホームページから様式をダウンロードし、第1次試験の合格者発表で公表される受験番号を記入。試験申込書に添付したものと同じ写真を貼り、第2次試験の受付時に提示します |
上記は長久手市の令和8年度(令和9年4月採用)の募集要項にもとづく内容です(出典:長久手市職員採用候補者試験 募集要項|令和8年度)。長久手市は同一年度内に複数回の採用試験を実施しており、募集要項も複数存在します。試験の構成・科目は職種や実施回によって異なり、年度によって変わる可能性もあります。受験の際は、必ずご自身が受ける回と職種の最新の募集要項をご確認ください。
長久手市役所が求める人物像
令和8年度(令和9年4月採用)の募集要項が掲げる求める人物像は、「業務目的を意識して自ら行動に移せる人」「仲間と協力しながら、新しい挑戦に取り組める人」の2項目です。
ただし長久手市の人物像は年度によって文言が入れ替わります。過去には別の表現が使われた年度もあるため、引用するときは必ず自分が受ける回の要項を確認してください。年度を取り違えたまま暗唱すると、それだけで準備の粗さが伝わります。
この2項目は、試験の作りとよく対応しています。1つ目の「自ら行動に移せる」は、第3次のプレゼンテーション試験のように自分から働きかける場面で確かめやすい資質です。
2つ目の「仲間と協力しながら」は、第2次のグループワーク試験がまさにその場でしょう。公表された言葉と種目の対応関係を先に整理しておくと、どの経験をどこで出すかの見当がつきます。
要項の記載から離れて、市の置かれた条件のほうから考えてみます。人口6万人台で、一般事務の採用予定は社会人採用を含めて10名程度。
その体制で、市域に置かれた県の事業と、そこへ年に百万人単位で訪れる人と、そこに住み続ける市民との間に立つことになります。決められた範囲の中だけで完結する担当は、そう多くないでしょう。
自分の所属の外にいる相手と話をつけながら進める場面が早い時期から回ってくる市だと、当研究会は読んでいます。公表された1項目目の「業務目的を意識して自ら行動に移せる」は、この条件と噛み合う言葉です。
もう一点、この市の試験は書くところから始まります。第1次の審査観点に「長久手市への想いが書かれているか」が置かれている以上、市を調べる作業は面接直前の詰めではなく、出願そのものの一部です。
市外の出身であることは、ここでは弱みになりません。なぜここなのか、どの課題に関心があるのか、生活者としてどう関わりたいのか。
自分の言葉で書き切れれば、それがそのまま答えになります。書類に書いた言葉を、第4次の口述試験まで同じ強さで持っていく。それが長久手市の試験に対する準備の形です。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。長久手市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | ここまでの試験を受けてみて、いかがでしたか | 4段階を通ってきた受験者への問い。振り返りが自分の言葉で出るか |
| ② 動機・志望 | 公務員という働き方を選んだ理由を教えてください | 書類審査で見られた「長久手市への想い」と同じ筋が保たれているか |
| ③ 自己理解 | ご自身に足りないものは何だと思いますか | 自己PRシートに書いた自己像と、口述試験での説明が一致するか |
| ④ 経験・行動 | 仲間と何かを作り上げた経験を教えてください | 公表された人物像の2項目目と、第2次のグループワーク試験に重なる領域 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んできたことを市の仕事にどう生かせますか | 一般事務は筆記が選択制の試験。知識量より業務への言い換え |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う分野を担当することになったらどうしますか | 一般事務の採用が10名程度という規模で、担当の幅をどう捉えているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 関心を持っている社会の動きはありますか | 県内で人の流れが大きく変わる局面に、自分の視点を持てているか |
とはいえ、この7つは受験者の誰もが手を打ってきます。ここだけで抜け出すのは難しいでしょう。
分かれ目になるのは、次の「長久手市ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「長久手市役所ならでは」の質問
1問目は、この市では特に答えにくい問いです。市域にある大きな施設は県の事業ですから、そこに惹かれたと言えば言うほど、県を受けたほうがよいのではという指摘を招きます。
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「長久手市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい長久手市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 市域の愛・地球博記念公園とジブリパークは県が整備した事業。市の一般事務の採用予定は社会人採用を含めて10名程度 | 県の事業を志望理由にすると足元が崩れます。その施設の周りで暮らす市民に向き合う側を選んだ、という向きで説明してください |
| 年齢構成の現在地 | 65歳以上17.7%・75歳以上10.0%で、愛知県全体の25.5%・15.2%を大きく下回る(令和8年1月1日現在の住民基本台帳) | 若さを強みとして述べたら、その世代が同時に年を重ねる将来まで一続きで話しましょう。時間軸のある答えになります |
| 市域の狭さ | 総面積21.55km²、人口密度2,862人/km²。約200ヘクタールの県営公園が市域の一部を占める | 土地の制約を前提に、既存の施設や場所をどう使い回すかという発想まで示すと、実務に近い議論に聞こえます |
| 来訪者と暮らしの両立 | ジブリパークの想定来場者数は約180万人、愛・地球博記念公園全体では約280万人。市の人口は61,677人 | 来場者数を魅力として挙げるだけでなく、その規模を6万人台の市が受け止めているという構図に触れてください |
| 長久手市の魅力と課題 | 県全体が令和7年国勢調査で1950年以降初の人口減少に転じるなか、市は県平均より大きく若い年齢構成を保っている | 魅力と課題を切り離さず、この状態を続けるために何が要るかという一本の話にまとめると、印象に残ります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
長久手市の募集要項は各種目の配点を公表していません。それでも、書類審査、グループワーク試験、プレゼンテーション試験、口述試験という並びからは、見られている力の輪郭が読み取れます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 自ら行動に移す力 | 目的を自分で捉えて動いた場面を語れるか | 公表された人物像の1項目目です。第3次のプレゼンテーション試験で使う自己PRと同じ経験を、口述試験でも掘り下げられるようにしておきましょう |
| 仲間と協力する力 | 集団の中でどんな役割を取り、何を残したか | 2項目目に対応するのが第2次のグループワーク試験です。人の意見を受けて自分の案を足す練習を、複数人で実際にやっておいてください |
| 書いたことを支える力 | 自己PRシートに書いた内容が、口頭でも同じ重さで語れるか | 第1次は書類審査です。提出前に控えを取り、書いた一文ごとに「なぜそう書いたのか」を3分話せる状態にしておくと安心です |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。長久手市の口述試験は4段階の最後に置かれ、書類も集団作業もプレゼンテーションも通過した状態で臨みます。
それまでに出した材料がすべて手元にある前提で備えてください。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 受験する回の募集要項を特定し、求める人物像の文言と4段階の科目を書き出す
- 試験申込書と自己PRシートの下書きを作り、書式の分量を7割以上埋められるか確かめる
- 下書きの中から、第3次のプレゼンテーション試験で使う自己PRの軸を1つ選ぶ
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 年齢構成・市域の狭さ・来訪者との両立から1つ選び、自分の関心と結んで書き出す
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
市を掘り下げるステップ5は、順位を上げにいくための追加作業です。時間がない場合は、ステップ2を最優先にしてください。第1次試験は書類審査で、審査の観点には「長久手市への想いが書かれているか」と「7割以上書かれているか」が明記されています。ここを越えなければ、グループワークにも口述試験にも進めません。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、長久手市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
長久手市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
長久手市の試験は、書類審査で始まり口述試験で終わります。配点は公表されていませんが、第1次の審査観点に「長久手市への想いが書かれているか」と書かれている以上、市を調べる作業は面接対策ではなく出願準備そのものです。
21.55km²の市域に6万人余りが暮らし、75歳以上はちょうど1割。その一方で、県の大きな事業が市域にあり、年に百万人単位の人が訪れる。
この落差をどう受け止めたかを申込書に書き、第4次まで同じ言葉で語り切れるかどうかが問われます。