本記事では、尾張旭市職員採用試験の面接対策で必要な、尾張旭市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
尾張旭市役所の面接試験では、「なぜ尾張旭市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。
尾張旭市は、めざすべき職員像を文章で公表している市です。しかも事務職などを募る第2回の試験は3段階で、そのうち2段階が人物を見る場に充てられています。
以下の事実は、その2段階で使える材料として並べました。
第1部|自治体研究編
尾張旭市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは尾張旭市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 名古屋市・瀬戸市・長久手市の3市だけに接する、市域21.03km²の内陸の市。海にも県境にも面していません。
- 人口は83,692人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。人口密度は3,980人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在による値)です。
- 65歳以上の割合は26.5%、75歳以上は16.1%。いずれも愛知県全体(25.5%・15.2%)をわずかに上回ります。
- 市の花はヒマワリ、市の木はくすのき。市役所は尾張旭市東大道町原田2600-1にあります。
- 平成16年度策定の人材育成基本方針で、めざすべき職員像を「気づき、考え、行動できる職員」と定めている。
- 令和8年度に実施される採用試験は第1回(保育士)と第2回(事務職・土木技師・建築技師・消防職)に分かれ、年度内の併願はできません。
- 令和7年度の事務職(新卒等・大学短大専門学校)は、受験申込者186人・受験者122人に対して最終合格6人。最終倍率20.3倍でした。
- 第2回試験の第1次試験会場は、市内にある名古屋産業大学(尾張旭市新居町山の田3255番地5)です。
尾張旭市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「尾張旭市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
尾張旭市の数字を読むときの入口は、人口83,692人と市域21.03km²という2つの値が同時に成り立っているという点にあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 83,692人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳) |
| 65歳以上の割合 | 26.5%(愛知県全体は25.5%) |
| 75歳以上の割合 | 16.1%(愛知県全体は15.2%) |
| 総面積 | 21.03km² |
| 人口密度 | 3,980人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 名古屋市・瀬戸市・長久手市 |
| 市の花・市の木 | ヒマワリ・くすのき |
| 市役所所在地 | 尾張旭市東大道町原田2600-1 |
| 第2回試験の採用予定人数 | 事務職(新卒等)2名、土木技師(新卒等)若干名、建築技師(新卒等)若干名、消防職2名、障がい者区分(事務職・土木技師・建築技師)各若干名 |
総人口および65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。比較のために置いた愛知県全体の値も同じ統計から取っています。愛知県が人口動向調査で公表する高齢化率や、国勢調査を基準とする県の人口は調査の系列が異なるため、同じ列に並べて比べることはできません。面積・隣接する市・市の花と木は当研究会が整理した基礎データによるもので、人口密度は上記の総人口を総面積で割って算出した値です。採用予定人数は市が公表した募集要項によります。
数字から考えられる市政課題
21.03km²という市域に8万3千人が暮らし、人口密度は3,980人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在による値)です。端から端まで歩ける広さの中に、8万人規模の生活が詰まっている市だということです。
上下水道も道路も学校も、距離ではなく密度の側から負荷がかかる構造で、市街地の更新を進めるときにも工事の影響を受ける住民が近くに多く存在します。
年齢構成では、65歳以上26.5%・75歳以上16.1%と、愛知県全体の25.5%・15.2%をそれぞれ1.0ポイント・0.9ポイント上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
差は大きくありませんが、県より先に高齢化が進む位置にあることは確かです。たとえば面接では、次のように数字と暮らしの近さを結び付けられます。
尾張旭市の経済・産業
名古屋市に接するという条件
尾張旭市が接するのは名古屋市・瀬戸市・長久手市の3市だけで、県境にも海にも面していません。市域21.03km²に対して人口密度が3,980人/km²に達するという数字の組み合わせは、県内最大の都市に隣り合う位置に、人が集まってきたことの表れです。
市単独で仕事も買い物も完結する経済圏ではないという前提は、産業振興や公共交通を志望分野に挙げるときに欠かせません。
県のものづくりという背景
愛知県の製造品出荷額等は58兆218億円で全国1位、全国シェアはおよそ15.5%です。1977年に神奈川県を上回って以来、この地位が続いています(出典:愛知県の産業構造|2024年経済構造実態調査)。
自動車に代表される輸送機械が県経済の主軸であり、県内総生産は名目43兆831億円に達します(県民経済計算2022年度)。尾張旭市の産業を語るときも、この厚みの上に市の暮らしが載っているという前提を置くと、話の芯が定まります。
隣の市がもつ集客の力
接する3市のうち、瀬戸市は日本六古窯のひとつとして「きっと恋する六古窯」の日本遺産認定を平成29年4月28日に受けています(出典:日本六古窯の日本遺産認定|平成29年4月28日)。
長久手市の愛・地球博記念公園には、2024年3月16日に全5エリアが開園したジブリパークがあります。愛知県全体の観光入込客数は2024年で約1億1,073万人(前年比110.6%)、観光消費額は約1兆2,131億円(同115.7%)でした。
強い集客拠点に囲まれた位置にあることは、市外から人を呼ぶ話でも、市内の生活を守る話でも材料になります。どちらの向きで語るかは、志望する分野によって決めてください。
尾張旭市の主な行政課題
ここまでの数字を並べ直すと、尾張旭市が向き合っている論点が浮かび上がります。面接で市の課題を問われたときの手札として、次の4つを用意しておきましょう。
県が減少に転じた中での高齢化
令和7年国勢調査結果速報で、愛知県の総人口は744万9403人(全国第4位)となり、前回調査から1.2%の減少となりました。1950年以降で、国勢調査の結果として初めての減少です(出典:令和7年国勢調査結果速報(愛知県)|令和7年10月1日現在)。
県の人口動向調査(令和7年年報)では、自然増減が3万7252人の減少で9年連続の自然減、一方で社会増減は2万5805人の増加で4年連続の社会増となっています。転入で支えながら全体としては減っていく形です。
県が減少局面に入ったなかで、尾張旭市の65歳以上26.5%という水準は、県平均をやや先に進んだ位置にあります。
南海トラフ地震への備えを、内陸の市として考える
愛知県は全域が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されています。県の被害予測調査(過去地震最大モデル=マグニチュード8.9程度)では、死者数は最大約5,300人(早期避難率が低い場合)、早期避難率が高く声かけがある場合は約2,900人と想定されました。
建物の全壊・焼失は計約92,000棟、避難者は1週間後に最大約158万人と見込まれています(出典:愛知県南海トラフ地震被害予測調査結果|2026年6月公表)。一方、津波避難対策特別強化地域に指定されているのは豊橋市・田原市・南知多町で、尾張旭市は含まれません。
津波ではなく、揺れと避難生活の側から防災を考える市だということです。避難所の運営や在宅避難の支援は、密度の高い市街地ほど難度が上がります。
2名という採用枠で市政を回すということ
第2回試験の採用予定人数は、事務職(新卒等)2名、土木技師と建築技師が各若干名、消防職2名、障がい者区分が各若干名です。人口8万3千人規模の市を、この規模の新規採用で支えていることになります。
一人の職員が担当する範囲は、大きな市の職員よりも広くならざるを得ません。令和7年度の事務職(新卒等)が受験申込者186人・受験者122人に対して最終合格6人、最終倍率20.3倍だったという実績も、選考の密度を示す数字として受け止めておきましょう。
県全体の大きな動きが市域に及ぶ
愛知県では、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)が2026年9月から10月にかけて開催されます(参考:第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)公式サイト)。
県は令和7年度予算の重点施策としてリニア中央新幹線の開業を見据えた「リニア大交流圏」の形成も掲げています。名古屋市に接する尾張旭市にとって、こうした広域の動きは他人事ではありません。
人の流れが変われば、交通も宿泊も防犯も影響を受けます。市の仕事を語るときに、県全体の予定を1つか2つ押さえておくと、視野の広さが自然に伝わります。
尾張旭市の重点政策|めざすべき職員像「気づき、考え、行動できる職員」
尾張旭市の総合計画そのものは、市の公式サイトで最新版にあたってください。この節で扱うのは、市が採用のページから受験者に向けて示している職員像です。政策の一覧よりも、この文書のほうが面接に直結します。
「かわる・いどむ・のびる」という3語
尾張旭市は平成16年度に人材育成基本方針を策定し、「かわる・いどむ・のびる」をキーワードとしてめざすべき職員像を設定しました。その中心に置かれているのが、「気づき、考え、行動できる職員」という一文です(出典:尾張旭市人材育成基本方針とめざすべき職員像|平成16年度策定)。
「かわる・いどむ・のびる」の3語はいずれも受け身ではありません。待って正確にこなすことより先に、自分で見つけて自分で動くことが置かれています。
5つの志向に分けて示された職員像
めざすべき職員像は、さらに5項目に分けて説明されています。それぞれに志向の名前が付いているのが特徴です。
| 志向 | 示されている職員像 |
|---|---|
| 自己実現志向 | 主体的に資質向上に取り組む職員 |
| 挑戦改革志向 | 新たな課題へのチャレンジ精神と行動力を持った職員 |
| 市民志向 | 市民の立場に立って考え、創造できる職員 |
| プロ志向 | 高い専門性とスピード意識を持つ職員 |
| 経営志向 | コスト意識を持ち、効果的に職務を遂行できる職員 |
5つのうち、面接で語りにくいのは「経営志向」です。学生生活でコスト意識を発揮した経験は思い浮かびにくく、無理に作ると嘘くさくなります。
ただ、限られた予算や人手の中で優先順位を決めた経験なら、部活動でもアルバイトでも見つかるはずです。
使えるお金や時間が足りない前提で何を選び、何を諦めたか。その話し方に置き換えると、この項目は途端に身近になります。
コスト意識が5項目に入っている理由
愛知県(都道府県団体)の令和5年度決算では、経常収支比率が99.8%、財政力指数は0.86176でした(出典:地方公共団体の主要財政指標一覧|令和5年度決算)。経常収支比率は、毎年決まって入る収入が人件費などの固定的な支出でどれだけ埋まるかを示す指標で、100%に近いほど自由に使える財源が乏しいことを意味します。
県全体でも、新しいことを始めるには何かを見直さなければならない財政状況にあるということです。尾張旭市が人材育成基本方針を定めたのは平成16年度ですが、経営志向という項目がいま並んでいることの重みは、こうした財政環境を知っておくと受け止めやすくなります。
POINT|「気づき」を先に語る
3つの動詞は「気づき→考え→行動」の順で並んでいます。面接で行動の話から始めると、この順序が抜け落ちます。何かがおかしいと最初に感じた瞬間を先に置き、そこから考えたこと、実際にやったことへ進めてください。順番を守るだけで、市の言葉と自分の経験が重なって聞こえます。
悪い例「サークルの会計を担当し、支出を見直して黒字化しました」
改善例「サークルの備品がよく行方不明になっていたのですが、誰も困っていないふりをしていました。まず持ち出しの記録をつけるところから始めて、結果として買い足す回数が減りました」
あわせて確認したい公式資料
優先度の高い順に並べました。上から2つは、受験するなら必ず開いてください。
- 尾張旭市職員採用試験の募集要項(最新年度・自分が受ける回次のもの)
- 市のホームページに掲載されている基礎能力検査(SCOA)の例題と、面接票の様式
- 尾張旭市の人材育成基本方針とめざすべき職員像のページ
- 尾張旭市の総合計画と、関心のある分野の個別計画
- 南海トラフ地震で内陸の市に何が起きるかを示す、愛知県の被害予測調査の結果
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、尾張旭市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。尾張旭市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
尾張旭市役所の面接の概要
募集要項に書かれている順に、選考の流れを追っていきます。
尾張旭市役所の試験の構成
令和8年度に実施される第2回(新卒等)の試験は3段階です。第1次試験が基礎能力検査(SCOA)と性格検査、第2次試験が適性試験と集団面接試験、第3次試験が面接試験。
3段階のうち2段階が人物を見る場に充てられ、学力を測る検査は第1次のSCOAだけです。しかも第2次は複数名同時、第3次は個別と形式が変わります。同じ人を、条件を変えて二度見る設計だといえます。
| 項目 | 内容(令和8年度実施・第2回・新卒等) |
|---|---|
| 対象職種 | 事務職・土木技師・建築技師・消防職と、障がい者区分(事務職・土木技師・建築技師) |
| 第1次試験 | 基礎能力検査(SCOA)と性格検査。全職種共通 |
| 第2次試験 | 適性試験と集団面接試験。消防職はこれに加えて体力測定を実施 |
| 第3次試験 | 面接試験(個別面接)。全職種共通 |
| 基礎能力検査の内容 | 社会で必要とされる基礎的な知的能力、応用力、学力を測定する検査で、難易度は高校1〜2年程度の教科書レベルと説明されています |
| 集団形式 | 第2次の集団面接試験(複数名同時に行う面接)のみ。集団討論・グループワークは試験内容に記載がありません |
| 提出書類 | 事務職・消防職は第2次試験受験時に、面接票(市ホームページからダウンロード)と卒業証明書または卒業見込証明書を提出。土木技師・建築技師はこれに資格証明書の写しを加えます |
| 面接票の作成方法 | 「面接票は、自筆してください。(データ貼付等は不可)」と指定されています |
| 採用予定人数 | 事務職(新卒等)2名、土木技師(新卒等)若干名、建築技師(新卒等)若干名、消防職2名、障がい者区分(事務職・土木技師・建築技師)各若干名 |
| 第1次試験会場 | 名古屋産業大学(尾張旭市新居町山の田3255番地5) |
| 併願 | 「令和8年度に実施される本市の採用試験内では、併願することはできません」と明記されています |
上記は、尾張旭市が公表した令和8年度実施(令和9年4月1日採用)の第2回募集要項にもとづく内容です(出典:尾張旭市職員採用試験募集要項(第2回)|令和8年度実施)。各試験種目の配点、人物試験の比重、合否の決定方法については募集要項に記載がなく、公表されていません。試験の構成・職種・採用予定人数は年度によって変わりますので、受験の際は必ず自分が受ける回次と職種の最新の募集要項をご確認ください。
尾張旭市役所が求める人物像
尾張旭市には、公表された職員像があります。人材育成基本方針が掲げる「気づき、考え、行動できる職員」と、自己実現志向から経営志向までの5項目です。
面接の準備は、この文章を出発点にするのが最も確実です。市が言葉にしているものを差し置いて、一般論から人物像を組み立てる必要はありません。
そのうえで、試験の作り方からも読み取れることがあります。第2次の集団面接では複数名が同時に話し、第3次では一人で向き合う。形式が違えば、見えるものも変わります。
集団の場では他の受験者の発言をどう受けるかが表に出ますし、個別の場では同じ話をどこまで掘れるかが問われます。2段階の人物試験は、役割の違う2つの観察だと考えておくと準備の的が絞れます。
もう一点、人口8万3千人の市を、事務職(新卒等)2名という第2回の採用枠で支えているという規模も、無視できない条件です。ここから先は推測を含む話です。
この規模では、担当が細かく分かれた組織を前提にできません。窓口で受けた一件を、前例を確かめる段階から相手への説明まで一人で見届ける場面が出てきます。
そこで手が止まらないかどうかを見る比重は、大きな市よりも高くなるとみておきましょう。
市域は21.03km²で、市内のどこへも短い移動で行き来できる広さです。窓口での言葉づかいや約束の守り方が、そのまま市役所全体の評判として受け止められる環境だと考えておいてください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。尾張旭市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 第1次試験の会場だった名古屋産業大学へは、どうやって行かれましたか | 第1次は市内の会場でした。土地勘の有無ではなく、答えの入口での構え方 |
| ② 動機・志望 | 公務員という進路を選んだ理由を聞かせてください | 基礎能力検査では測られない部分。職業選択の順序が経験とつながっているか |
| ③ 自己理解 | あなたが最初に「おかしい」と気づく場面はどんなときですか | 「気づき、考え、行動できる職員」の最初の動詞に、自分を重ねられるか |
| ④ 経験・行動 | 前例のないことに取り組んだ経験を教えてください | 事務職2名という規模の採用。指示のない場面で何をしたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んできたことを、市の窓口の仕事にどうつなげますか | 知識そのものより、行政の場面への置き換え方 |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う部署に配属されたら、どう向き合いますか | 担当が細かく分かれない市。仕事の幅への構え |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近、行政に関わる話題で気になったことはありますか | 関心の広さと、それを短くまとめる整理の力 |
ただし、ここに並ぶ問いは受験者全員が対策してくる領域なので、大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「尾張旭市ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「尾張旭市役所ならでは」の質問
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「尾張旭市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい尾張旭市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 人口83,692人の市を、第2回試験の事務職(新卒等)2名という採用で担っている | 規模の小ささを弁解する必要はありません。制度をつくる側ではなく、それが実際に届く現場に立ちたいという筋で組み立ててください |
| 市の職員像 | 人材育成基本方針の「かわる・いどむ・のびる」と、めざすべき職員像「気づき、考え、行動できる職員」。5項目には経営志向まで含まれる | 5つを全部なぞる必要はありません。自分の経験が当たる項目を1つ選び、なぜそれかを説明するほうが伝わります |
| 立地と生活圏 | 接するのは名古屋市・瀬戸市・長久手市の3市のみ。市域21.03km²に人口密度3,980人/km² | 名古屋市に近いことを利点としてだけ語ると浅くなります。市外へ流れるものと市内に残すものを分けて話してください |
| 高齢化の現在地 | 65歳以上26.5%・75歳以上16.1%で、愛知県全体の25.5%・15.2%をわずかに上回る | 数字の大小より、密度の高い市街地で高齢化が進むと何が起きるかまで踏み込むと、分析として成立します |
| 内陸の市の防災 | 県全域が南海トラフ地震防災対策推進地域。津波避難対策特別強化地域は豊橋市・田原市・南知多町で、尾張旭市は含まれない | 津波の話に引きずられないことが差になります。揺れへの備えと避難生活の支援という内陸の論点を選んでください |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、公表された職員像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 気づく力 | 誰も問題にしていない状況で、最初に違和感を持ったことがあるか | 「気づき、考え、行動できる職員」の最初の動詞です。行動の結果ではなく、気づいた瞬間の情景から話せるように整理しておきましょう |
| 複数名の中での振る舞い | 第2次の集団面接試験で、他の受験者の発言をどう受けたか | 目立とうとしなくて構いません。人の話に一言足してから自分の意見を述べる練習を、実際に声に出してやってください |
| 限られた資源での判断 | お金や人手が足りない場面で、何を優先し何を後回しにしたか | 経営志向という項目に直接つながります。諦めた側の理由まで説明できると、判断として筋が通ります |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
尾張旭市は第2回の第3次が個別面接ですから、この傾向は最後の場面ではっきり出ます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の募集要項を読み、自分が受ける回次と職種を確定する(年度内の併願ができないため、ここで迷いを残さない)
- 市のホームページから面接票の様式を入手し、記入項目を書き出す。自筆が指定されているので、手で書ける分量に収まるかも確かめる
- これまでの経験を棚卸しし、学業・課外活動・アルバイトから語れる場面を1つずつ選んで面接票の項目に当てる
- 基礎能力検査(SCOA)の例題が市のホームページに掲載されているので目を通し、必要な学習量を見積もる
- 自治体研究として、この記事の前半から尾張旭市の事実を2つか3つ選び、「気づき、考え、行動」の順で語れる形に組み直す
- 集団面接と個別面接の両方を想定し、声に出して練習する。答えるたびに、掘られそうな箇所へ返答を書き足していく
優先順位に注意
ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を尾張旭市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。面接票に自筆で書けるのは、そこで出てきた言葉だけです。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、尾張旭市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
尾張旭市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
尾張旭市の面接票は、自筆で書くことになっています。データを貼り付けることはできません。
手で書ける言葉の量には限りがありますから、そこに残せるのは、本当に自分の中にある経験だけです。
「気づき、考え、行動できる職員」という一文を掲げる市に対して、あなたが最初に何かに気づいた場面はどこだったのか。それを一枚の紙に書き切れたとき、第2次の集団面接でも第3次の個別面接でも、同じ話が同じ強さで出てきます。
募集要項は回次と職種で内容が違いますので、自分のものを手元に置いて進めてください。