本記事では、東金市職員採用試験の面接対策で必要な、東金市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
東金市役所の面接試験では、「なぜ東金市を志望したのか」「同じ試験を受けられる団体のなかで、なぜ東金市なのか」「市職員として何を担いたいのか」といった質問が想定されます。東金市の第1次試験は8つの団体による「山武郡市職員合同採用試験」として行われますが、第2次試験のグループディスカッションと第3次試験の個人面接は、東金市が独自に実施します。
共通で戦える部分と、東金市だけを見て準備する部分が、はっきり分かれる試験です。
掲載した事実をもとに、自分の経験と東金市政の接点を組み立て、面接での受け答えづくりに役立ててください。
第1部|自治体研究編
東金市の特徴
面接の受け答えを組み立てる前に、東金市がどういうまちなのかを一度まとめて確認しておきましょう。時間のない方は、この節だけでも目を通しておいてください。
- 人口56,193人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積89.12km²・人口密度631人/km²の市である。
- 市名の読みは「とうがね」。所在する郡の名前である山武郡や、隣接する山武市(さんむし)と資料が混ざりやすいので、探すときは団体名まで確かめること。
- 隣接するのは千葉市、山武市、八街市、大網白里市、山武郡九十九里町の5団体。県都千葉市と接しつつ、九十九里町とも接する位置にある。
- 市役所は〒283-8511 千葉県東金市東岩崎1番地1に置かれている(団体コード12213-1)。
- 市の花はソメイヨシノ、市の木はラカンマキである。
- 第1次試験は8つの団体が参加する「山武郡市職員合同採用試験」として、山武郡市広域行政組合が実施する。
- 令和8年度から、一般行政職等の受験可能年齢が50歳まで拡大された。東金市の一般行政職上級は学歴を問わない。
東金市の基礎データ
自治体研究では統計を細かく暗記する必要はありませんが、東金市のスケール感を体に入れておくことは、そのまま受け答えの精度になります。
表には、東金市の人口規模と市域の広さ、周囲の団体との関係を並べました。千葉県全体の数値を横に置いたのは、市の大きさを相対的に測るためです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 56,193人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 89.12km² |
| 人口密度 | 631人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 千葉市、山武市、八街市、大網白里市、山武郡九十九里町 |
| 市役所所在地 | 〒283-8511 千葉県東金市東岩崎1番地1 |
| 市の花・市の木 | ソメイヨシノ・ラカンマキ |
| (参考)千葉県の総人口 | 6,258,512人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報値)。人口・世帯数はいずれも全国第6位(令和2年国勢調査) |
| (参考)千葉県の面積 | 5,156.48km²(全国第28位・令和7年4月1日現在) |
| (参考)千葉県の高齢化率 | 27.6%(2020年実績)/37.2%(2055年推計) |
東金市の面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。千葉県に関する数値は千葉県公式サイトの統計・計画資料に基づきます。市の統計の最新値は、東金市公式サイトであわせてご確認ください。
数字から読み取れる市政の論点
面積89.12km²に56,193人。人口密度は631人/km²です。
千葉県全体を面積で割るとおよそ1,200人/km²になりますから、東金市の人の詰まり方は、県の平均のおよそ半分という計算になります。市街地に人口が集中しきっているまちではなく、住まいが市域に散っているまちだと考えておくとよいでしょう。
位置も特徴的です。隣接5団体のうち一方には政令指定都市である千葉市があり、もう一方には九十九里町があります。
県都と海沿いの町の両方に接しているということで、まちの性格を一言でまとめにくい位置にあります。この「一言でまとめにくさ」は、面接での説明の腕が問われるところでもあります。
千葉県の人口は令和7年国勢調査の速報値で6,258,512人となり、大正9年の第1回調査以降ではじめて減少しました(出典:令和7年国勢調査 速報値|千葉県)。県全体が減少局面に入ったなかで、東金市がどの位置にいるのかを語れるようにしておきましょう。
東金市の経済・産業
全国上位の農業県という足場
千葉県の農業産出額は4,029億円で全国第4位です(令和5年)。内訳を見ると、野菜が1,336億円で全国第4位、米が569億円で全国第9位、鶏卵が504億円で全国第1位となっています(出典:千葉県の産業|経済構造実態調査ほか)。
野菜と米と鶏卵という性格の違う三分野が、そろって全国の上位にあるという構成が、この県の農業の厚みを示しています。
東金市の人口密度が県平均の半分ほどであるという事実は、市域が市街地だけで埋まっていないことの裏返しでもあります。県の農業の強さと、市域に余白があるという条件は、切り離さずに考えたほうが実像に近づきます。
移動については、千葉県の自動車保有車台数が3,750千台で全国第7位である点も押さえておきましょう(令和7年3月31日現在)。住まいが散っている地域ほど、車を運転できるかどうかが暮らしの前提になります。
採用の入り口が8団体で共有されている
もう一つ、この地域の行政の担われ方に触れておきます。東金市の第1次試験に参加するのは、東金市・山武市・大網白里市・九十九里町・芝山町・横芝光町の6つの市町に加えて、東金市外三市町清掃組合と山武郡市広域行政組合という2つの組合です。市と町だけで構成されているわけではありません。
ごみ処理や広域行政を担う組合が採用の枠組みに並んでいるということは、この地域では行政サービスの一部が市町単独ではなく組合という形で提供されているということです。市役所の仕事を市の庁舎の中だけで完結する像として思い描いていると、実際の守備範囲を取り違えます。
仕事が市の境界をまたいで分担されている地域だという前提は、志望動機を組み立てる段階から持っておく価値があります。
東金市の主な行政課題
ここまでの内容を踏まえると、東金市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
社会減の地域に含まれるという県の分析
千葉県は、県内の人口動態には地域差があるとして、社会増の地域と社会減の地域を分けて整理しています。社会増とされているのは東葛・湾岸ゾーン、印旛ゾーン、内房ゾーンで、社会減とされているのは香取・東総ゾーン、九十九里ゾーン、南房総・外房ゾーンです(2018年から2022年の分析)。
県はこれを課題と位置づけ、社会減の地域では様々な分野の担い手不足の解消が必要だとしています(出典:第3期千葉県地方創生総合戦略|人口の現状分析)。担い手という言葉には、農業や商業の後継者だけでなく、医療・福祉・地域活動を支える人までが含まれます。市の職員もその一つです。
県平均を上回る高齢化の進み方
千葉県の高齢化率は2020年の27.6%から、2055年には37.2%まで上昇する見込みです。県民の3人に1人を超える水準まで進むという推計で、2060年の県人口は514万8千人と見込まれています(2020年は628万4千人)(出典:第3期千葉県地方創生総合戦略|人口の将来展望)。
ただしこれは県全体をならした見通しです。東金市に絞ると、変化はもう少し先を進んでいます。
住民基本台帳をもとにした集計では、令和8年1月1日現在の東金市の高齢化率は32.9%、75歳以上の割合は17.7%で、同じ集計による千葉県全体の27.6%・16.5%をいずれも上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。なお、この住民基本台帳による数値と、前の段落で挙げた国勢調査をもとにした県の高齢化率は調査そのものが異なるため、並べてそのまま比べることはできません。
東金市が保健師を4名も採用予定に置いているのは、この変化に人を充てるということです。高齢化に触れるなら、県の推計を引いて終わりにせず、市はすでにその手前まで来ているという前提から話を始めてください。
外房に広く津波が及ぶ想定
千葉県は地震被害想定調査(令和8年5月26日公表)で3つの地震を想定しています。このうち房総半島東方沖の地震(マグニチュード8.5・最大震度7)では、全壊・焼失建物が約113,600棟、死者が約42,100人、避難者が約79.6万人と想定され、外房を中心に広く津波が浸水するとされています(出典:千葉県地震被害想定調査|令和6・7年度)。
同じ県内でも、どの地震を想定するかで被害の姿はまったく変わります。防災を語るなら、県全体の数字を一つ覚えるのではなく、市のハザードマップで自分の関わる地区がどの想定でどう影響を受けるのかまで確かめておきましょう。
合同試験の側から見える人材の確保
担い手不足という県の課題認識は、採用の場面にも表れています。令和8年度の合同試験では、東金市は一般行政職上級10名、初級6名、初級(障がい者)2名、土木初級6名、保健師4名、ガス上級(有資格者)4名を採用予定として示しました。
備考として、土木上級・同(有資格者)・同(経験者)を合わせて6名、建築上級(有資格者)2名、電気上級(経験者)2名も掲げられています。人口5万6千人規模の市が、これだけの職種を並べて人を募っているということです。
一般行政職と技術職に加えて「ガス」の区分が置かれている点は、他の市の募集を見慣れた人ほど目を引くはずです。
東金市の重点政策|広域で組む採用と千葉県の人口動態
東金市の総合計画と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認してください。この章では、まず東金市の採用が8団体の枠組みで動いていること、そして令和8年度に受験の入り口そのものが広げられたことを押さえ、そこから県の課題認識へつなげます。
受験できる年齢が50歳まで広がった
令和8年度の合同試験では、いくつかの変更が加えられました。一般行政職等の受験可能年齢が50歳まで拡大され、東金市の一般行政職上級は生年による受験資格の幅が大きく広がったうえ、学歴も問われません。
あわせて、土木や保健師などの職種では第1次試験を専門試験のみで受験できるようになり、電子申請での申し込みも可能になりました(出典:東金市職員採用試験のお知らせ|令和8年度)。
年齢の幅がここまで広がるということは、面接の場に並ぶ顔ぶれも変わるということです。新卒で受ける人の隣に、社会人としての経歴を持つ人が座ります。
学歴を問わない一般行政職上級であればなおさらです。若さや学歴で並べる試験ではなく、これまで何をしてきた人なのかで見る試験へ寄せていく意思が、この変更には表れています。土木上級(経験者)と電気上級(経験者)に、直近5年間のうち3年間以上の民間企業等での職務経験という要件が置かれているのも同じ方向です。
県の課題認識と、採用を共有するという選択
先に見たとおり、県は社会減の地域における担い手不足の解消を課題に挙げています。8団体で第1次試験を共有するという仕組みは、この課題と無縁ではありません。
単独では受験者の目に触れにくい規模の団体でも、枠組みを共有すれば入り口が広がります。受験する側から見ても、山武郡市のどこかで働きたいという段階から具体の団体へ絞り込む手順を取りやすくなります。
ただし、絞り込みは出願の時点で終わらせる必要があります。受験の申込みは1つに限られ、併願はできません。
8つの団体のうちどこを選ぶかを決めてから願書を出すということです。東金市の総合計画を読むときは、県が挙げる担い手不足という論点に市がどの分野から手をつけているかを探しながら読むと、志望動機の材料が見つかります。
POINT|「なぜ東金市か」は出願の時点で決まっている
併願ができない以上、8団体を見比べてから決めるという手順は踏めません。裏を返せば、第2次試験の会場に来る人は全員、東金市を選びきってから来ているということです。志望動機は差がつきにくい項目ではなく、差がつかなければならない項目だと考えてください。
悪い例「山武郡市の合同試験のなかで、東金市が一番受かりやすそうだと思ったからです」
改善例「まずは窓口や地域を回る仕事で、市民の方の話を直接聞くところから始めたいです。その上で、東金市は県の平均の半分ほどの人口密度で住まいが散っていますので、役所まで来ることが難しい方に情報や支援をどう届けるかという仕事に関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてに目を通す必要はありません。志望動機に関わる資料を選び、大事なところを自分の言葉で説明できる状態にしておきましょう。
- 山武郡市職員合同採用試験のお知らせ(自分が受ける職種のもの・最新年度)
- 東金市公式サイトの職員採用のページ、市政情報、総合計画、最新の広報紙
- 東金市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
- 第3期千葉県地方創生総合戦略、千葉県の統計資料(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、東金市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。東金市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
東金市役所の面接の概要
ここからは、東金市役所の採用試験の構成、問われやすい質問の全体像、そして合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。
人物を見る場面が2回ある3段階の試験
東金市の試験は3段階です。第1次試験が筆記試験、第2次試験がグループディスカッション、第3次試験が個人面接という構成で、第1次試験の合格発表は市のホームページで行われます(参考:東金市の職員採用情報)。
この構成には二つの意味があります。一つは、人物を見る場面が2回あるということ。
もう一つは、その2回で見る角度が違うということです。グループディスカッションは他の受験者との関係のなかで、個人面接は面接官との一対一で評価されます。
前者では話をまとめる力や人の意見を受け止める姿勢が、後者では経験の中身と一貫性が問われます。片方の練習だけで両方に通用するとは考えないほうが安全です。第1次試験は合同で実施されますが、第2次試験以降は各団体が独自に行うため、この2段構えは東金市を受ける人が自分で備えるところになります。
第1次試験は職種によって組み合わせが変わる
令和8年度の合同試験における第1次試験の内容は、次のとおりです。
| 区分 | 第1次試験の内容(令和8年度・山武郡市職員合同採用試験) |
|---|---|
| 一般行政職 上級 | 択一式一般教養(区分1)と適性検査 |
| 一般行政職 初級・初級(障がい者) | 択一式一般教養(区分2)と適性検査 |
| 土木・建築・電気の各上級 | 択一式専門(区分1)と適性検査 |
| 土木・建築・電気の各初級 | 択一式専門(区分2)と適性検査 |
| 社会福祉士・保育士・保育教諭・保健師・管理栄養士・栄養士 | 択一式専門(区分3)と適性検査 |
| ガス上級(有資格者) | 択一式一般教養(区分1)と適性検査 |
ここで目を引くのが、技術職と資格免許職の第1次試験に一般教養が入っていないことです。土木・建築・電気の各区分も、社会福祉士や保健師などの区分も、課されるのは専門と適性検査だけです。
令和8年度から専門試験のみで受験できるようになったという変更が、この形に表れています。専門分野を持っている人にとっては、教養科目の対策に費やす時間を専門へ回せるということですから、受験の設計そのものが変わります。
教養試験を受ける区分の内容も確認しておきましょう。大学卒業程度以上は「Standard-I-90」、高校卒業程度以上は「Standard-II-90」が用いられ、どちらも「時事、社会・人文、自然に関する一般知識」が20題、「文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力」が20題の計40題・1時間30分です。
知識と能力がちょうど半々という配分ですから、どちらかに偏った準備は通用しません。
上記は令和8年度 山武郡市職員合同採用試験のお知らせに基づく、東金市の受験区分に関する内容です。各試験の配点は、確認した合同採用試験のお知らせ(全10ページ)と東金市ホームページのいずれにも記載がなく、非公表です。募集職種・試験の構成・日程・配点等は年度によって異なりますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の受ける区分の内容をご確認ください(出典:山武郡市職員合同採用試験のお知らせ|令和8年度)。
東金市役所が求める人物像
東金市の職員採用ページと山武郡市職員合同採用試験のお知らせの本文には、東金市としての「求める人物像」を整理した項目がありません。そこで手がかりになるのが、令和8年度に採用の入り口へ加えられた変更です。
受験できる年齢は50歳まで広がり、一般行政職上級は学歴を問いません。技術職や資格免許職は専門試験のみで受験でき、経験者の区分には民間企業等での職務経験が要件として置かれています。
ここから読み取れるのは、これまで何を経験してきた人なのかを幅広く受け止めようとする姿勢です。一般に、職員数がそれほど多くない市役所では担当の線が細かく引かれておらず、一人が制度の設計から住民への説明、窓口、関係機関とのやり取りまで続けて受け持つ場面が出てきます。
ですから、やったことのない仕事を渡されたときに、自分で調べ、人に確かめながら形にできる人が力を発揮しやすいと考えられます。年齢や学歴の枠を緩めるという選択は、その働き方に合う人を広く探すという判断とも読めます。
ただし、これは公表された人物像ではありません。人物像を正面から問われた場合は、東金市の募集の仕方から自分が読み取ったことを、自分の言葉で述べる形が実際的です。
あわせて、受ける先ごとに見せる自分を仕立て直す必要はなく、変えるのは同じ経験のどこを前へ出すかだけだという点も覚えておいてください。自分の実際の経験を、この規模の市役所の仕事に合う形で説明できれば十分です。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。東金市の面接も、この見取り図の上で準備すれば基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどのように会場まで来られましたか | 構えていない場面での受け答えの自然さ |
| ② 動機・志望 | 公務員を意識しはじめたきっかけは何ですか | 志望に至る流れが後付けでないか |
| ③ 自己理解 | 周囲からどんな人だと言われることが多いですか | 自己認識と他者からの評価がつながっているか |
| ④ 経験・行動 | 意見の違う相手と一緒に何かを進めた経験はありますか | 調整の場面で自分がどう動いたか |
| ⑤ 学業・経歴 | これまでで一番時間をかけて取り組んだことは何ですか | 取り組みの深さと、そこで得た考え方 |
| ⑥ 適性・将来 | 市の仕事のうち、どの分野に関わりたいですか | 市の業務への理解の細かさと動機との一貫性 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 暮らしのなかで、行政に手を入れてほしいと感じたことは | 身近な生活を行政の目線で捉え直せるか |
ただし、この7カテゴリーは東金市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「東金市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「東金市役所ならでは」の質問
合同試験を経て来ている以上、これらに加えて「山武郡市の他の団体ではなく、なぜ東金市なのか」という問いが背後に常にあります。こうした質問に答えるための「東金市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい東金市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口56,193人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積89.12km²、人口密度631人/km²。千葉市と九十九里町の両方に接する | 県平均の半分ほどという密度を挙げ、住まいが散る市域でサービスをどう届けるかという課題の立て方まで自分の言葉で示します |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は県全体の針路を示す立場にあり、東金市は保健師4名や土木初級6名など、現場の職種を名指しして人を募っている | 役割の違いの説明で終えず、市が置いた職種の具体を挙げ、市民に近い場所で担いたい仕事を名指しして答えます |
| なぜ他の参加団体でなく東金市か | 合同試験の申込みは1つに限られ、併願できない。8団体のなかから出願の時点で東金市を選んでいる | 受かりやすさを理由にせず、市の位置や高齢化の進み方など、自分が関わりたい課題を具体的に挙げて答えます |
| 高齢化への向き合い方 | 令和8年1月1日現在の高齢化率は32.9%、75歳以上は17.7%で、同じ集計の県全体(27.6%・16.5%)を上回る | 数字を挙げるだけで止めず、住まいが散る市域で通院や買い物の足をどう確保するかという話までつなげます |
| 広域で担われる行政 | 第1次試験の参加団体には、東金市外三市町清掃組合と山武郡市広域行政組合という2つの組合が含まれる | 市の仕事が庁舎の中だけで完結しない地域だという理解を示し、他団体と組んで進める仕事への関心を述べます |
使い方のコツは、5つ全部を暗記することではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。
想定される評価の観点
面接は、市が募集の場で示している職種や試験の組み立てに照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 集団の場での立ち位置 | 第2次試験がグループディスカッションで、他の受験者との関係のなかで見られる | 結論を出す役だけを練習せず、人の意見を受けて論点を整理する役、時間を見る役も一度は経験しておく |
| 経験を語りきる力 | 第3次試験の個人面接で、第2次試験とは別の角度から掘られる | グループディスカッションで話した内容と、個人面接で語る経験がつながるように、材料の置き場所を決めておく |
| 選んだ理由の強度 | 併願できない試験である以上、8団体のなかで東金市を選んだ理由は必ず問われる | 市の密度や高齢化率、置かれている職種といった具体を一つ以上挙げ、そこに自分の経験を結んだ説明を用意する |
| 幅広い仕事への構え | 職員一人あたりの守備範囲が広い規模の市であることを前提に問われる | はじめての作業を任されたときにどう調べ、誰に聞き、どこまで形にしたのかを話せる経験を選んでおく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。第3次試験がまさにその場になります。細部を問われても手が止まらないところまで、実体験に根ざした答えを自分の言葉で用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新の合同採用試験のお知らせを入手し、東金市が募集している職種と、自分が受ける区分の第1次試験の内容を確認する。申込みは1つに限られるので、ここが最初の判断になる
- 受験する区分に教養試験があるかどうかを確かめ、勉強の配分を決める。技術職と資格免許職は専門と適性検査のみなので、対策の設計が一般行政職とは変わる
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、市の密度や高齢化率、広域で担われる行政の姿から、志望分野に近い事実を2つか3つ、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、事実から問題意識、やりたい仕事までを一続きの話に編む
- グループディスカッションと個人面接の練習を、筆記の対策と並行して始める。第2次と第3次で見られる角度が違うので、両方の形式を一度は実際にやっておく
優先順位に注意
ステップ4と5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ1の区分選びと、ステップ6の面接練習を優先してください。東金市は人物を見る場面を2回持っています。第1次試験の結果を待ってから討議の練習を始めると、間に合いません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、東金市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
東金市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
東金市の試験は、8団体で第1次試験を共有し、第2次試験のグループディスカッションと第3次試験の個人面接を東金市が独自に行う形です。共通の案内で分かるのは第1次までで、人物を見る2回の場面は東金市の側にあります。
だからこそ、討議と個人面接の練習は筆記と並行して始めておく必要があります。令和8年度から受験できる年齢が50歳まで広がり、一般行政職上級は学歴も問われなくなりました。
並んで座る人の経歴はこれまでより幅が出るということです。そのなかで見られるのは、経歴の華やかさではなく、これまで何をどう進めてきた人なのかという中身でしょう。
人口5万6千人、面積89平方キロ余り、県の平均の半分ほどの密度で住まいが散るまちで、自分は何を担いたいのか。併願ができない試験に願書を出したときの理由を、面接の場でも同じ温度で語れるところまで準備を進めてください。