本記事では、三島市職員採用試験の面接対策で必要な、三島市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

三島市役所の面接試験では、「なぜ三島市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。三島市は教養試験を置かない試験設計に切り替えており、そのぶん受け答えの中身が結果に効いてきます。

読み進めながら、三島市の事実と自分の経験が交わる地点を書き出し、面接での回答づくりに使ってください。

第1部|自治体研究編

三島市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは三島市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 静岡県の東端寄りに位置し、沼津市・裾野市・函南町・清水町・長泉町のほか、県境をまたいで神奈川県箱根町とも接している。
  • 人口は103,790人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
  • 市域は62.02km²と小さく、人口密度は1,673人/km²にのぼる。
  • 市の花はミシマザクラ、市の木はイチョウ。市役所は三島市北田町に置かれている。
  • 市が職員採用試験案内に掲げる将来都市像は「せせらぎと緑と活力あふれる幸せ実感都市・三島」で、その実現に向けて職員が一丸となって取り組んでいると明記されている。
  • 消防は平成28年4月1日の県内広域化により、旧三島市消防本部が裾野市・長泉町の本部と統合して富士山南東消防本部となった。
  • 静岡県が令和8年5月時点で公表する南海トラフ地震臨時情報の事前避難対象地域一覧では、三島市は住民・高齢者等いずれの区分も「なし」とされている。
  • 職員採用試験では教養試験を廃止しており、市自身が「特別な公務員試験対策は不要」と受験者に案内している。

三島市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「三島市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

三島市の押さえどころは、面積の小ささと人口密度の高さです。人口・面積・年齢構成・周囲との位置関係を、県全体の値と並べて整理しました。

項目内容
総人口103,790人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)
65歳以上の割合31.1%(32,320人)
75歳以上の割合18.5%(19,177人)
総面積62.02km²
人口密度1,673人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体沼津市・裾野市・田方郡函南町・駿東郡清水町・長泉町/神奈川県足柄下郡箱根町
市の花・市の木ミシマザクラ/イチョウ
市役所所在地三島市北田町4番47号
(参考)静岡県の推計人口3,446,470人(令和8年6月1日現在)
(参考)静岡県の面積約7,777km²(令和6年1月1日現在)

総人口と65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。総面積・隣接自治体・市の花・市の木・市役所所在地は公表値をもとに整理したもので、基準日が異なります。参考として並べた県の推計人口は、令和7年国勢調査の速報集計を基準に住民基本台帳の移動数を加減した別系列の値であり、市の住民基本台帳の数値と同じ物差しで比べることはできません。

数字から考えられる市政課題

62.02km²という市域は、静岡県全体の約7,777km²の1%にも届きません。そこに10万人余りが暮らしているため、人口密度は1,673人/km²に達します。

行政サービスを届ける距離が短いことは強みですが、裏を返せば、道路も住宅も公園も学校も同じ限られた土地の上で場所を取り合うということでもあります。都市計画や公共施設の再編をめぐる調整が、三島市では避けて通れない仕事になります。

もう一つの軸が年齢構成です。令和8年1月1日現在の住民基本台帳では、65歳以上が31.1%、75歳以上が18.5%を占めます(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

静岡県が住民基本台帳ベースの別調査で公表している県全体の高齢化率は、令和7年4月1日現在で30.9%、75歳以上は17.9%です(出典:静岡県高齢者福祉行政の基礎調査|令和7年4月1日現在)。

基準日が違うため厳密な比較にはなりませんが、三島市の年齢構成は県全体とほぼ重なる位置にあると見てよいでしょう。県で議論されている介護・医療・移動手段の課題が、そのまま市の課題として立ち上がるということです。

たとえば面接では、三島市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「三島市は10万人ほどが暮らす市ですけれども、面積は60平方キロメートル余りしかないと知りました。人が密に住んでいるぶん支援は届けやすい反面、土地の使い方をめぐる調整は難しいのではと感じています。65歳以上の方が3割ほどで県全体とほぼ同じですので、県で議論されている介護や移動の話が、そのまま三島市の話になると考えています」

三島市の経済・産業

製造業が背骨になっている県のなかで

三島市の経済を語るときは、市の枠だけを見るより、静岡県という土台の上に市を置いたほうが実像に近づきます。静岡県の製造品出荷額等は19兆291億円で全国第3位(令和4年)、製造業従業者数も409,607人で全国第3位です(令和5年)。

構成比は輸送機械24.4%、電気機械14.2%、化学工業13.5%で、この3分野はいずれも全国第2位のシェアを占めます(出典:静岡県産業データブック|令和6年度版)。

つまり、富士山と海の印象が先に立つ県でありながら、雇用と出荷額の中心はものづくりにあるという構造です。産業振興や企業誘致を志望分野に挙げるなら、この土台を踏まえたうえで話しましょう。

県を代表する農産物としての茶

静岡県の茶の栽培面積は11,600ヘクタールで全国第1位(シェア34.7%、令和7年7月15日現在)、荒茶産出額も99億円で全国第1位(シェア31.5%、令和6年)です(出典:静岡県の茶の栽培面積・産出額|令和6〜7年)。

農業を志望分野にする受験者は、産地としての規模だけでなく、担い手の高齢化や販路の作り直しといった、市町村の窓口に実際に持ち込まれる相談の側から準備しておくと、話が具体的になります。

伊豆と箱根に接する位置をどう生かすか

静岡県の観光交流客数は令和6年度に1億4,034万人(前年度比100.5%)、宿泊客数は1,950万人(同104.4%)でした(出典:静岡県観光交流の動向|令和6年度)。

三島市は、伊豆半島の付け根にあたり、県境を越えて箱根町とも接する位置にあります。観光を語るなら、名所を並べるのではなく、通過していく人の流れをどこで一泊に変えるか、という道筋のほうが市の仕事に近い話になります。

三島市の主な行政課題

ここまでの数字と地域の姿を重ねると、三島市が引き受けている論点が輪郭を持ってきます。面接で市の課題を問われたときの引き出しとして、次の5つを用意しておきましょう。

減っていく人口と、増えていく高齢者

静岡県の令和6年の出生数は1万7,439人で過去最少となり、合計特殊出生率も1.19まで下がって8年連続で前年を下回りました。県の推計では、人口は令和32年に282万9千人となり、平成19年のピーク時379万7千人の約4分の3まで縮みます。

そのとき高齢者人口の割合は39.6%です(出典:静岡県総合計画(しずおかウェルビーイングプラン)素案|令和7年7月)。

県は人口減少を抑える対策だけでなく、減った社会に「適応する対策」が要ると公式に書いています。三島市の高齢化率が県平均に近いということは、この見通しが平均的な形でそのまま当てはまるということです。

進学と就職で出ていく世代

静岡県は平成20年に出生数が死亡数を下回る自然減へ転じ、その後も進学・就職を契機に若者を中心に毎年約6千人が首都圏へ転出する社会減が続いています。首都圏に近い県東部に位置する三島市にとって、この流れは他人事ではありません。

人が出ていく前提のなかで、住み続ける選択肢をどう用意するかが市政の課題であり、同時に、市役所が採用の母集団を確保し続けられるかという問題でもあります。

南海トラフ地震という前提条件

静岡県第4次地震被害想定は、駿河トラフ・南海トラフ沿いで起きる最大クラスの地震・津波(レベル2)で、県全体の死者数を約105,000人(うち津波が約96,000人)、全壊・焼失棟数を約30万棟と見積もっています。最悪の場合、県内の建物の約2割が失われる想定です。

発生頻度が比較的高いレベル1でも、死者約16,000人・全壊焼失約26万棟が見込まれています(出典:静岡県第4次地震被害想定(第一次報告のポイント)|平成25年)。

三島市は事前避難対象地域の指定こそ「なし」ですが、県全体の被害想定はこの規模です。防災を志望分野にするなら、指定の有無ではなく、被災した周辺市町を支える側に回る場面まで想像しておきましょう。

激しくなる雨への備え

静岡県内では近年、令和3年7月の熱海市伊豆山地区の土砂災害や令和4年9月の台風15号など、各地で甚大な被害が発生しています。静岡地方気象台によれば、最近10年間で1時間降水量50mm以上の発生回数は1.4倍に増えました。

市街地が密に広がる三島市では、雨水の逃げ場が限られるぶん、内水と土砂の両面で備えが要ります。地震だけを防災の代名詞にしないことが、この県で働く前提になります。

市域を越えて担う仕事が増えている

静岡県では平成28年4月1日に消防の広域化が実現し、旧三島市・裾野市・長泉町の各消防本部が統合して富士山南東消防本部となりました。県はさらに、令和7年4月1日付けで「静岡県消防救急広域化推進計画」を改定し、地域の核となる「中心消防本部」を新たに設定しています(出典:静岡県の消防広域化|令和7年4月改定)。

市の仕事が市域だけで完結しない領域は、消防に限らず広がっています。三島市職員として何をしたいかを語るとき、相手方の自治体や組合が視野に入っているかどうかは、意外なところで差になります。

重点政策|将来都市像「せせらぎと緑と活力あふれる幸せ実感都市・三島」

三島市が職員採用試験案内の冒頭に置いているのは、「せせらぎと緑と活力あふれる幸せ実感都市・三島」という将来都市像です。その実現に向けて職員が一丸となって取り組んでいる、と案内は書いています(出典:三島市職員採用試験案内【A日程】|令和8年度実施)。

この都市像を支える総合計画の体系と、その年度の予算の重点は、市公式サイトに載っている最新版で必ず自分の目で確かめてください。年度が変われば力点も変わります。

4つの言葉に分けて読む

都市像は「せせらぎ」「緑」「活力」「幸せ実感」の4語でできています。前の3つが市の資源と経済を指すのに対し、最後の1つだけが性質の違う言葉です。

「幸せ実感」という語が示しているのは、事業をいくつ実施したかではなく、市民が受け取った手応えのほうを成果とみなす立て方です。志望動機を組み立てるときは、自分がやりたい仕事が4語のどれに触れているのかを決め、その仕事の成果を市民の側からどう測るかまで考えておくと、話に芯が通ります。

県が置いている前提を先に押さえる

市町村の計画は、県の計画と無関係には動きません。静岡県は総合計画の素案で、人口減少への適応、令和22年に団塊ジュニア世代が65歳を超えることによる社会保障制度の維持の困難さ、そして南海トラフ地震と激甚化する自然災害への備えを重点課題として挙げています。

県が何を危機と呼んでいるかを先に知っておくと、三島市の個別事業がどんな圧力のもとで組まれているかが読めるようになります。市の総合計画も、この前提の上に置かれています。

POINT|都市像を暗記しても点にはならない

面接で問われるのは言葉の再現ではなく、その言葉に対するあなたの立ち位置です。①三島市の現状を示す数字を1つ選ぶ、②その数字から生じている困りごとを場面として書き出す、③市がすでに手を入れている領域を確かめる、④自分の経験のどこがそこで使えるかを言葉にする。この4段で組み立てれば、事業名を並べなくても話は立ちます。

悪い例「水と緑に恵まれた三島市で、まちの活性化に貢献したいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の相談を受けるところから覚えたいです。そのうえで、狭い市域に人が密に住んでいる市ですので、公園や公共施設をどう配置し直すかという仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

4点並べますが、腰を据えて読むのは志望分野に関わる1つで十分です。残りは目次と見出しをたどって、どこに何が書いてあるかを掴んでおけば足ります。

  • 三島市職員採用試験案内(自分が受ける日程・職種の最新年度のもの)と、市の職員採用情報ページ
  • 三島市の総合計画と、その年度の予算に関する市の説明資料
  • 静岡県総合計画(県が何を危機と位置づけているかを押さえるため)
  • 三島市の防災・都市計画・子育てなど、志望分野に近い個別計画を1つ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、三島市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。三島市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

三島市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

三島市役所の面接の概要

ここからは、三島市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、市の採用試験案内と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

三島市役所の試験の構成

令和8年度実施のA日程は、第1次試験・第2次試験・第3次試験の三段階です。注目すべきは第2次と第3次の中身で、どちらも科目は「面接試験」だけ。一般事務は個人面接を2回受ける設計です。

第1次試験も教養試験ではなく、事務能力検査と基礎能力検査で組まれています。筆記の比重を下げた試験ほど、面接1回あたりの重みは増します。

項目内容(令和8年度実施【A日程】)
試験の段階第1次・第2次・第3次の三段階。第2次・第3次はいずれも試験科目が「面接試験」
第1次試験(一般事務A・B)事務能力検査(SCOA-C。総合的な事務処理能力を測定する選択式・約50分)と基礎能力検査(SCOA-A。基礎的な知的能力及びその応用力・学力を測定する五肢択一式・60分)
基礎能力検査の出題分野文章読解能力、数的能力、論理的思考能力、人文・社会、自然に関する一般知識、基礎英語(保育士・幼稚園教諭は文書読解能力、数的能力、論理的思考能力の45分)
第2次試験の面接保育士・幼稚園教諭以外は個人面接試験。保育士・幼稚園教諭は集団実技面接試験と個人面接試験
第3次試験の面接全職種とも個人面接試験。一般事務について集団討論を実施する旨の記載はない
第1次試験の受験方式一斉試験方式とテストセンター方式から選択(一般事務A・Bと保育士・幼稚園教諭のみ。両方式の併願は不可で、その他の職種は一斉試験方式のみ)
採用予定人数一般事務A(大学卒)10人程度、一般事務B(司書・大学卒)1人程度、一般事務C(障がいのある人・大学卒)1人程度、保健師1人程度、管理栄養士1人程度、保育士・幼稚園教諭3人程度
申込み電子申請による。職種の併願はできず、市が実施する職員採用試験は同一年度内に1回のみ受験可能

職種ごとの例外も押さえておきましょう。一般事務C(障がいのある人)は第1次試験で1人あたり15分程度の個人面談を行いますが、案内には「採点は行いません」と明記されています。

保健師と管理栄養士は第1次試験で択一式90分の専門試験が課され、出題分野は保健師が公衆衛生看護学・疫学・保健統計学・保健医療福祉行政論、管理栄養士が社会生活と健康・人体の構造と機能・食品と衛生・栄養と健康・栄養の指導・給食の運営です。

また三島市は採用試験のポイントとして、教養試験を廃止したことと「特別な公務員試験対策は不要」であることを掲げています(参考:三島市職員採用試験のポイント|令和8年度実施)。

上記は三島市の令和8年度実施職員採用試験案内【A日程】にもとづく内容です。三島市の採用試験案内には、各試験科目の配点および人物試験の比重は記載されていません。「面接カード」「エントリーシート」に相当する提出書類の名称も示されておらず、申込専用サイトでのエントリー(住所・学歴等の入力)と顔写真データのアップロードが確認できる範囲です(専修学校卒業(見込)者は専修学校における履修課程証明書の提出が必要です)。試験の構成・日程・配点等は年度や職種によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の職種の最新の試験情報をご確認ください。

三島市役所が求める人財

三島市は採用試験案内で、求める人財をはっきり言葉にしています。

「『柔軟な発想』で、何事にも『積極果敢に行動』する『人間性豊かな』人財」という一文です。3つの要素が鉤括弧で区切られているので、面接の準備でもこの区切りをそのまま使えます。

「柔軟な発想」は、決まった手順のない相談を持ち込まれたときの構えを指します。「積極果敢に行動」は、指示を待たずに動いた経験があるかどうか。

「人間性豊かな」は、立場や利害の違う相手とどう向き合ってきたかに現れます。自己PRでは「柔軟です」と名乗るのではなく、その柔軟さを使って何を試し、何をやめたのかまで話してください。

案内が言葉にしているのは、この3要素までです。ここからは、三島市が試験の形をどう変えてきたかを手がかりに、当研究会なりの読みを付け足しておきます。

一般事務Aの採用予定は10人程度、市域は62.02km²、そして市は教養試験を外して人物を見る側に配点の重心を移しました。この組み合わせが意味するのは、少人数の職員が幅の広い担当を持ち回る職場で、一緒に働ける相手かどうかを丁寧に確かめようとしている、ということでしょう。

1,673人/km²という密度の市では、住民同士の利害も近い距離で接します。そこに立つ職員には、正しさを説明する力と同じくらい、話が食い違ったときに場を持たせる力が効いてくる場面が多いはずです。

同じ年度に二度目の受験ができない試験ですから、当日の一回に賭ける手札は絞っておきたいところです。

ここで言う絞り込みは、話す題材の数を減らすという意味です。手持ちにない話を足すという意味ではありません。個人面接が二度置かれている以上、一つの経験を二度掘られても持ちこたえられるかどうかが、絞り込みの基準になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。三島市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までの道のりはいかがでしたか第2次と第3次で二度顔を合わせる試験です。最初の一言の温度が、二度目の印象の出発点になります
② 動機・志望公務員を選んだ理由を教えてください民間との比較を自分で済ませてきたか。三島市でなければならない理由まで届いているか
③ 自己理解ご自身の弱いところはどこですか弱点の申告ではなく、それを抱えたまま仕事を回す算段まで言えるか
④ 経験・行動これまでで一番手こずった場面を教えてください難所の大きさではなく、手こずったあとに何を変えたか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことを教えてください専門の外にいる相手へ言い換える力。事務能力検査で測るものの先にある力です
⑥ 適性・将来希望と異なる部署に配属されたらどうしますか一般事務A10人程度という採用規模のもとで、幅の広い配属を受け止められるか
⑦ 公共性・社会性最近気になった出来事はありますか世の中の動きを、三島市の仕事の側へ引き寄せて語れるか

ここに並ぶ7つは、受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「三島市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「三島市役所ならでは」の質問

「なぜ静岡県庁ではなく、三島市役所なのですか」
「三島市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも三島市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

個人面接が2回ある三島市では、1回目に触れた事実を2回目に掘り下げられることも想定されます。答え方とセットで整理しておきましょう。

質問テーマ知っておきたい三島市の事実答え方のヒント
市の規模と密度人口103,790人・面積62.02km²・人口密度1,673人/km²(人口は令和8年1月1日現在の住民基本台帳)狭さを弱点として語らず、支援が届きやすい距離と、土地の使い方をめぐる調整の難しさを一対で示してください
高齢化の水準65歳以上31.1%・75歳以上18.5%。県全体のほうは基準の異なる調査で30.9%・17.9%数字を並べたあと、県で議論されている介護や移動の課題がそのまま市の課題になる、という読み方まで進めましょう
なぜ県庁ではなく市役所か県は総合計画で人口減少への「適応する対策」を掲げる立場、市はそれを一軒ごとの暮らしに合わせて手渡す立場制度の説明で終えず、自分が関わりたい分野で市にしかできない場面を一つ挙げると、志望の輪郭が出ます
将来都市像採用試験案内が掲げる「せせらぎと緑と活力あふれる幸せ実感都市・三島」都市像を引用するだけでなく、「幸せ実感」を自分の志望分野でどう測るかまで言えると、案内を読んだだけの受験者と差がつきます
市域を越える仕事平成28年4月1日の広域化で、旧三島市消防本部は裾野市・長泉町の本部と統合し富士山南東消防本部となった市の仕事が市域で完結しない領域があると知っている点を示し、連携の相手を意識した答えにつなげてください

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

三島市の面接は、案内に明記された人財像に照らして、それが過去の行動として実在するかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
柔軟な発想手順の決まっていない場面に、どんな組み立てで向かったかやり方が用意されていなかった出来事を1つ選び、試したことと途中でやめたことを順に話せるようにしておきましょう
積極果敢な行動指示される前に動いた場面が、実際にあるか一般事務Aの採用は10人程度です。規模の大きな成果である必要はないので、自分が起点になった出来事を用意してください
人間性の豊かさ立場や利害の違う相手と、どう折り合いをつけたか人口密度1,673人/km²の市では住民同士の利害が近い距離でぶつかります。意見が割れた場面での身の処し方を語れるようにしておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

三島市は個人面接が2回置かれているぶん、同じ話題を別の面接官から角度を変えて問われる前提で備えてください。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の三島市職員採用試験案内で、自分が受ける職種の試験科目を確認し、第1次試験を一斉試験方式とテストセンター方式のどちらで受けるかを決める
  2. 電子申請のエントリー画面を先に一度開き、入力項目と顔写真データの規格を確かめる(専修学校卒業見込の方は履修課程証明書の準備も進める)
  3. 学業・課外活動・アルバイトや仕事から、話せる場面を1つずつ選んで書き留める
  4. 「柔軟な発想」「積極果敢に行動」「人間性豊かな」の3語に、書き留めた場面を1つずつ割り当てる
  5. 第1部から三島市の事実を2つか3つ選び、メモを見ずに30秒で説明できるか試す
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、三島市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

三島市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

三島市役所の想定問答集を見る

さいごに

三島市のA日程は、教養試験を置かず、第2次と第3次で個人面接を重ねる設計になっています。市が「特別な公務員試験対策は不要」と言い切れるのは、見極めの重心を筆記から人物へ移したからです。

せせらぎ、緑、活力、幸せ実感。この4つの言葉のどれに自分の手が届くのかを、62.02km²の市で暮らす人の顔を思い浮かべながら考えてみてください。

同じ年度に二度は受けられない試験ですが、その一度に向けて積み上げた時間は、当日の落ち着きとなって返ってきます。