本記事では、静岡県警察・警察官採用試験の面接対策で必要な、静岡県警察の特徴基礎データ県内の治安情勢重点方針面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

静岡県警察の面接試験では、「なぜ静岡県警察を志望したのか」「警察官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を警察の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。静岡県の治安の現状と県警察の方針を知っておくことで、抽象的な回答を避け、静岡県ならではの事情を踏まえた説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と静岡県警察の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

静岡県警察の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは静岡県警察という組織の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 静岡県全域を管轄し、管轄人口は約345万人全国で10番目に人口の多い県を、ひとつの警察組織で受け持つ。
  • 管轄区域には静岡市・浜松市という2つの政令指定都市を含む35市町(23市12町)があり、東西約155kmと横に長い県土のなかに、都市部から山間部・沿岸部まで、地域ごとに人口構成も治安需要も異なる場所が並ぶ
  • 県土は太平洋に面し、富士山をはじめとする3,000m級の山々と約500kmの海岸線を併せ持つ。富士山周辺や伊豆・浜名湖などの観光地が多く、観光交流客数は令和6年度に延べ1億4,034万人にのぼるため、人が集まる場所の安全確保も警察の仕事になる。(出典:静岡県観光交流の動向|令和6年度
  • 製造業が盛んな県でもあり、輸送機械や電気機械を中心に製造品出荷額等は全国第3位(令和4年)。人やものの往来が活発なものづくり県であることは、交通量の多さや広域的な移動といった治安・交通対策の背景になる。(出典:静岡県産業データブック|令和6年度版
  • 組織は、警察本部の7部(総務部・警務部・生活安全部・地域部・刑事部・交通部・警備部)と警察学校に加え、2つの政令指定都市に対応する静岡市警察部・浜松市警察部、サイバー対策本部などで構成される。
  • 県土は南海トラフ地震の想定震源域に位置し、大規模地震・津波への備えが、すべての警察活動の大きな前提になっている。

静岡県警察の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「静岡県警察の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、管轄人口、県土の広さ、犯罪情勢、交通情勢など、組織の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管轄人口約345万人(全国10位)
管轄区域静岡県全域・35市町(うち政令指定都市2:静岡市・浜松市)
県土面積約7,777km²(東西約155km・南北約118km)
刑法犯認知件数17,856件(令和7年・前年比9.3%増)
刑法犯検挙率45.6%(令和7年)
交通事故死者数88人(令和6年)

管轄人口・全国順位・県土面積は静岡県産業データブック(令和6年度版)および静岡県の推計人口(令和8年6月1日現在)、刑法犯認知件数(警察が発生を把握した犯罪の件数)・検挙率は静岡県警察の犯罪統計(令和7年)、交通事故死者数は静岡県の交通事故統計(令和6年)にもとづく数値です。警察署の数などは公表値が年ごとに更新されるため、最新の県警察の組織案内でご確認ください。

数字から考えられる治安課題

静岡県警察を読み解く鍵は、県土の広さと犯罪情勢の重なりにあります。約345万人の暮らしを受け持つ管内で、警察が把握した刑法犯は令和7年に17,856件と前年から9.3%増えました。

件数が増えれば、限られた人員で優先順位を付けながら、捜査も抑止活動も同時に進めることになります。数字を単体で覚えるのではなく、東西に長い県土をかかえ、犯罪が再び増加へ転じているという状況として理解しておきましょう。

たとえば面接では、静岡県の治安の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「静岡県は約345万人が暮らす県で、警察が把握した刑法犯は令和7年に1万7千件を超えて、前の年より9パーセントほど増えたと聞きました。人口は全国で10番目に多く、東西に155キロと広い県ですので、件数が増えている今だからこそ、一つひとつの事件にしっかり向き合いながら、地域ごとの実情に合わせて身近な犯罪を防ぐ取り組みが大事になるのではと感じています」

静岡県の治安情勢

刑法犯認知件数の動向

静岡県内で警察が把握した刑法犯認知件数は、令和7年に17,856件で、前年から9.3%増加しました。全国的に刑法犯が増加へ転じている流れと同じく、静岡県でも件数は増える局面にあります。

「治安は年々良くなっている」という前提で志望動機を組み立てると、現状認識がずれてしまいます

あわせて押さえたいのが検挙の状況です。刑法犯全体の検挙率は45.6%(令和7年)で、認知件数が増える局面では捜査の負担も増すため、検挙を追い付かせること自体が課題になります。

面接では、検挙(起きた犯罪への対応)と抑止(犯罪を起こさせない取組)の両輪で治安を語れると、仕事理解の深さが伝わります。

罪種から見た特徴

罪種別に見ると、静岡県では住宅などに侵入して金品を狙う侵入盗が1,086件(令和7年)と身近な財産犯が目立ち、自動車盗も221件(同)発生しています。強盗39件・殺人31件(いずれも令和7年)といった重大事件も一定数あり、県警察は令和8年の重点目標に「凶悪な犯罪や組織犯罪の徹底検挙」を掲げています。

志望動機で犯罪抑止に触れるなら、身近な財産犯と重大事件の両面を意識できると具体的になります。

主な罪種認知件数(令和7年)
侵入盗1,086件
自動車盗221件
強盗39件
殺人31件
ひったくり4件

認知件数は静岡県警察の犯罪統計(令和7年)にもとづく主な罪種の数値です。

交通事故と「高齢者・こども」の安全

交通面では、静岡県内の交通事故による死者は令和6年に88人でした。県内は高齢化率が30.9%(令和7年)と全国的にも高く、高齢者やこどもが被害に遭う事故を防ぐことが続く課題です。

県警察も令和8年の重点目標に「高齢者とこどもの交通事故防止対策の推進」を掲げており、交通警察を志望する場合はもちろん、治安課題を問われた際の引き出しとしても使えます。(参考:静岡県の高齢者福祉行政の基礎調査|令和7年

交通事故死者数は静岡県の交通事故統計(令和6年)、高齢化率は静岡県の高齢者福祉行政の基礎調査(令和7年4月1日現在・住民基本台帳ベース)にもとづく数値です。

静岡県の主な治安課題

ここまでの数字を踏まえると、静岡県警察が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「静岡県の治安上の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

身近な犯罪の抑止と体感治安

刑法犯認知件数が再び増加へ転じたことは、単なる統計の変化ではなく、県民の体感治安に直結する問題です。自宅の近くで空き巣や自動車盗が起きたという実感は、統計の数字以上の速さで「この街は大丈夫か」という不安に変わります。

だからこそ、起きた犯罪を確実に検挙することに加えて、パトロールなどで街頭に警察官の姿が見える安心感まで含めた、身近な犯罪への向き合い方が問われています。県警察が重点目標に「地域住民の不安を解消する街頭活動の推進」を掲げているのも、この文脈で理解できます。

侵入盗・自動車盗など財産犯への対策

静岡県では、侵入盗(令和7年に1,086件)や自動車盗(同221件)といった身近な財産犯が一定の件数で発生しています。こうした犯罪は、鍵かけや防犯カメラといった地域ぐるみの防犯対策と、発生の分析にもとづく取締りの両面で減らしていくものです。

志望動機で「地域の安全を守りたい」と語るなら、こうした財産犯を具体例として挙げられると、現実味のある話になります。

サイバー空間の脅威

今の犯罪の多くは、SNSやインターネットを入口にしています。相手の顔が見えないサイバー空間で被害が広がるため、被害に気づいたときには相手をたどる手がかりが乏しいことも珍しくありません。

静岡県警察が専門部門としてサイバー対策本部を置き、令和8年の重点目標にも「サイバー空間の脅威への対処・対策の推進」を掲げているのは、この領域の重みの表れです。デジタル分野の知識や経験がある人にとっては、志望動機と接続しやすいテーマでもあります。

高齢者・こどもの交通安全

交通事故による死者は令和6年に88人にのぼり、高齢化率が30.9%(令和7年)と高い静岡県では、高齢の歩行者や運転者、通学するこどもをどう守るかが継続的な課題です。運転者への取締りだけで解決できる段階ではなく、道路を使うすべての人の行動と意識にどう働きかけるかが問われています。

高齢者やこどもを対象にした交通安全教育、自転車利用者への働きかけなど、地域に密着した地道な取組が求められる分野です。

南海トラフ地震・大規模災害への備え

災害への備えは、静岡県の警察にとって特に大きな前提です。県の第4次地震被害想定では、最大クラスの駿河トラフ・南海トラフ沿いの地震・津波で死者数約105,000人(うち津波約96,000人)が想定されており、令和6年8月には「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」も初めて発表されました。

県警察は重点目標に「テロ対策と緊急事態対策の推進」を掲げており、災害用資機材の整備や実践的な訓練を通じた対処能力の向上は、警備部門を志望する人だけでなく、すべての受験者が押さえておきたい前提です。(出典:静岡県第4次地震被害想定|平成25年公表静岡県総合計画(素案)|令和7年

重点方針|令和8年静岡県警察運営指針・重点目標

静岡県警察は、毎年の警察活動の指針として「静岡県警察運営指針・重点目標」を定めています。令和8年の運営指針は「県民の期待と信頼に応える警察 〜正・強・仁〜」で、静岡県公安委員会と県警察の名で示されました。(出典:令和8年静岡県警察運営指針・重点目標

指針を貫く考え方

運営指針に掲げられた「正・強・仁」は、静岡県警察が大切にする姿勢を三文字で表したものです。当研究会では、公正で規律ある「正」、困難に立ち向かう「強」、県民や被害者に寄り添う「仁」と読み解いています

面接で「どんな警察官になりたいか」を考えるときも、この三つは軸になります。

7つの重点目標

令和8年の重点目標は次の7項目です。あわせて、それぞれが指す内容を受験生向けに当研究会の言葉でかみ砕きました。

重点目標(公式の項目名)受験生向けの解説
① 市民の日常生活の安全と平穏を確保するための対応・対策の推進ストーカー・DV・児童虐待など、身近な不安や危険が及ぶおそれのある事案に、警察本部と警察署が連携して組織的に対処する
② 地域住民の不安を解消する街頭活動の推進パトロールや制服警察官の街頭活動で、地域の見守りと「目に見える安心」をつくる
③ 高齢者とこどもの交通事故防止対策の推進高齢者・こどもを守る交通安全教育や、自転車利用者への働きかけ、事故分析にもとづく対策
④ 凶悪な犯罪や組織犯罪の徹底検挙殺人・強盗などの重大事件や、組織的な犯罪グループの摘発・実態解明に力を入れる
⑤ テロ対策と緊急事態対策の推進テロや大規模災害などの緊急事態に備えた警備体制と、災害対処能力の強化
⑥ サイバー空間の脅威への対処・対策の推進ネットを悪用した犯罪の捜査や、被害を防ぐための広報啓発と対処能力の向上
⑦ 情勢の変化への対応と将来を見据えた組織運営の推進社会や犯罪情勢の変化に合わせて、人材育成や組織のあり方を見直す

面接では、自分の取り組みたい仕事がこの7つのどれに位置づくのかを一言添えられるだけで、組織の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

POINT|7つの重点目標をすべて暗記しなくてよい

名称を丸暗記することが組織研究の目的ではありません。関心のある分野を一つか二つに絞り、静岡県では今どんな数字が動いているのか、県警察はどの重点目標で対処しようとしているのか、そのうえで自分はどの現場で何をしたいのか、という順で掘り下げていきましょう。

悪い例「地域の安全を守れる警察官になりたいです」

改善例「まずは地域の交番などで、地道に経験を積みたいです。その上で、静岡県は65歳以上の方の割合が3割を超えていて、交通事故で亡くなる方も年間で80人を超えていますので、特に高齢者やこどもの交通安全を守る活動に力を入れていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の口で語れる状態に仕上げておきましょう。

  • 警察官採用試験の受験案内(試験種目・受験資格・申込方法)
  • 採用案内・警察官募集ページ(仕事内容と職員の声)
  • 令和8年静岡県警察運営指針・重点目標(運営指針と重点目標)
  • 犯罪統計・交通事故統計のページ(数字は毎年更新されるため最新値を確認)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、静岡県警察専用の面接想定問答集をご用意しています。静岡県警察の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

静岡県警察の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

静岡県警察の面接の概要

ここからは、静岡県警察の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

静岡県警察の面接の流れ

静岡県警察・警察官採用試験は、第1次試験と第2次試験の2段階で行われ、警察官A(大学卒業程度)は年2回(第1回・第2回)実施されます。第2次試験は2日間に分けて行われ、1日目に適性検査・身体測定・体力試験、2日目に面接試験(集団討論面接と個別面接)が実施されます。

種目と配点の全体像は、次の表のとおりです。

項目内容(令和6年度・警察官A(一般)区分)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験の2段階(警察官Aは第1回・第2回の年2回実施)
第1次試験教養試験(100点)。経歴評定(6点)を加点。小論(作)文は第1次試験日に実施し、第2次試験で採点
第2次試験(1日目)適性検査・身体測定・体力試験
第2次試験(2日目)面接試験(集団討論面接・個別面接)
面接の種類集団討論面接(課題について受験者同士のグループで討論)と個別面接(受験者1人に数名の試験員が質問)
面接試験の配点600点(あわせて小論(作)文50点・体力試験150点。警察官A(一般)で最も大きな配点)
体力試験腕立て伏せ・上体起こし・反復横跳び・握力・立ち幅跳び(それぞれ不合格基準を設定)
身体検査胸部疾患・伝染性の病気・視力・色覚・聴力等について検査

注目してほしい点が2つあります。1つ目は面接の重みです。

面接試験の600点は、警察官A(一般)の試験種目のなかで最も大きな配点で、教養試験(100点)や体力試験(150点)を大きく上回ります。筆記の点数だけで合否は決まらず、人物試験の出来が結果を左右する構造です。

2つ目は、面接が2種類あることです。個別面接に加えて集団討論面接があるため、自分を伝える力だけでなく、他の受験者と議論をかみ合わせる協調性も見られます。

また、静岡県警察の警察官Aは年2回の受験機会があり、一般に第2回(秋)は第1回(春)より採用予定数が少なく、倍率が高くなる傾向があります(令和5年度実績)。受験の時期による違いも、あらかじめ知っておくと計画が立てやすくなります。

上記の試験構成は、静岡県警察が公表する令和6年度の採用試験案内(採用試験の内容)にもとづく警察官A(一般)区分のものです。試験の構成・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:警察官採用試験の内容|令和6年度

静岡県警察が大切にする「正・強・仁」

静岡県警察は、「求める警察官像」といった定式化した人物像を公表していません。手がかりになるのは、運営指針に掲げられた「正・強・仁」という三文字です。

前述のとおり、この三文字には組織が重んじる姿勢が込められています。自己PRでは、特別な経歴や派手な実績ではなく、この三つのいずれかに重なる自分の行動を、具体的な場面で示すことが軸になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。静岡県警察の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望民間企業ではなく、なぜ警察官なのですか?他の進路と比べたうえでの職業理解の深さと、選択の理由の一貫性
③ 自己理解あなたの強み(自己PR)を教えてください自分の強みを、警察の仕事の場面と結びつけて説明できているか
④ 経験・行動学生時代に最も力を入れたことは何ですか?実績の大きさではなく、実際にとった行動の事実と、そこから学ぶ姿勢
⑤ 学業・経歴専攻分野(学科・コース)を選んだ理由を教えてください自分の選択を筋道立てて話せるか。意思決定の一貫性
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務や訓練に耐える体力の裏づけと、日頃の健康管理の習慣
⑦ 公共性・社会性警察官に最も必要な資質は何だと思いますか?職業観の成熟度と、県民を守る仕事への当事者意識

ただし、この7カテゴリーは静岡県警察に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

なお、警察官の採用面接では、規律ある集団生活への適応や、危険を伴う職務への覚悟を確かめる質問がされることがあります。そうした質問が存在することをあらかじめ知っておくだけでも、当日の落ち着きが変わります。

合否を分けるのは「静岡県警察ならでは」の質問

「他の県警察や警視庁もある中で、なぜ静岡県警察を選んだのですか?」
「静岡県の治安上の課題は何だと思いますか?」

どちらも、静岡県の現状と県警察の方針を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「静岡県警察の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい静岡県警察の事実答え方のヒント
治安の現状刑法犯認知件数は令和7年に17,856件で前年比9.3%増。検挙率は45.6%。侵入盗(1,086件)など身近な財産犯が目立つ増加へ転じた流れと身近な犯罪の両方に触れると、現状認識の確かさが伝わる
志望動機・やりたい仕事令和8年の運営指針は「県民の期待と信頼に応える警察 〜正・強・仁〜」。7つの重点目標を掲げるやりたい仕事が7つの重点目標のどれに当たるかを一言添えると、組織研究の深さが伝わる
静岡で働く規模感管轄人口は約345万人で全国10位。静岡市・浜松市の2政令市を含む35市町を、東西約155kmの県土で受け持つ規模や広さを「憧れ」で終わらせず、多様な地域で経験を積みたいという自分の言葉に変える
交通安全交通事故死者は令和6年に88人。高齢化率は30.9%(令和7年)で、重点目標に「高齢者とこどもの交通事故防止」を掲げる高齢者・こどもの安全という県の重点に、自分の関心を結びつける
災害への備え県の第4次地震被害想定は最大クラスで死者約105,000人。令和6年8月には南海トラフ地震臨時情報も発表された令和6年8月に南海トラフ地震臨時情報が現実に発表された県であり、災害警備や救出救助は差し迫った備えといえる。その局面で自分がどう動きたいかまで話せると説得力が増す

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 警察官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「正・強・仁」のような組織が大切にする姿勢に照らして、「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
正=公正さと責任感決めたことや任された役割を、最後まで誠実にやり通したか目立たなくても任された役割を守り通した経験を、事実に沿って語れるようにする
強=困難に立ち向かう行動力難しい状況から逃げずに、自分から動いたか。失敗の後にどう立て直したかうまくいかなかった場面を一つ選び、そこで何を変えて立て直したかまで話せるようにする
仁=相手に寄り添う姿勢困っている人や意見の違う相手に、どう関わったか立場や考えの違う相手に歩み寄って動いた場面を、具体的なやり取りごと思い出しておく

評価の観点の3項目は、運営指針の「正・強・仁」をもとに当研究会が面接対策用に翻訳したものです。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、試験の種目・配点と日程の構造、申込方法を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学校行事から、行動の事実を話せる出来事を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る。あわせて、集団討論面接に備え、与えられたテーマに自分の考えを述べつつ相手の意見も受け止める練習をしておく
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉に置き換えておく
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。あわせて、体力試験の種目(腕立て伏せ・上体起こし・反復横跳び・握力・立ち幅跳びなど)を日々のトレーニングに組み込み、体づくりと生活リズムづくりを並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を警察の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で組織の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、静岡県警察専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

静岡県警察の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。本番までの残り日数が少ない場合は、こうした教材で仕上げを前倒しするのも一つの方法です。

静岡県警察の想定問答集を見る

さいごに

静岡県警察の警察官A採用試験は、面接試験に600点という大きな配点が置かれ、しかも年に2回の受験機会があります。筆記の出来に不安がある人にも、面接の準備の質しだいで十分に手が届く試験です。

面接で求められるのは特別な経歴ではありません。部活動やアルバイトのような身近な経験を、自分の言葉で語れる形に仕上げ、「正・強・仁」を体現する一人として当日を迎えてください。

約345万人の暮らしを支える静岡県警察の一員となる日に向けて、準備を一つずつ積み上げていきましょう。