本記事では、袋井市職員採用試験の面接対策で必要な、袋井市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
袋井市役所の面接試験では、「なぜ袋井市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。袋井市の場合、この種の問いは面接室で初めて出てくるわけではありません。
令和8年度【前期日程】では、エントリーの時点で「あなたが感じる袋井市の魅力」を200字以内で書かせる設問が用意されています。
しかも、その入力内容は最終試験の個別面接で参考資料として使われます。書いた文章と口で話す内容がずれないよう、市の姿を先につかんでおく必要があります。
第1部|自治体研究編
袋井市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは袋井市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 静岡県西部、遠州灘に面する市です。境を接するのは掛川市・磐田市・周智郡森町の3市町だけで、東西を大きな市に挟まれた位置関係にあります。
- 市域は108.33km²。住民基本台帳の人口は87,529人(令和8年1月1日現在)で、この面積の中に9万人弱が暮らしています。
- 65歳以上の割合は25.9%で、静岡県全体の31.1%を5ポイント以上下回ります(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。75歳以上でも市13.9%に対し県18.3%です。
- 南海トラフ地震では、静岡県第4次地震被害想定のレベル2(南海トラフ巨大地震)で市の最大津波高がT.P.+10メートル、発生頻度が比較的高いレベル1でもT.P.+5メートルと見込まれています。
- 南海トラフ地震臨時情報が出たときの高齢者等事前避難対象地域を、袋井市は市内全域に設定しています(令和8年5月時点)。県内では津波浸水域に限って指定する市町が多い中、市域全体を対象にしている点が際立ちます。
- 浜岡原子力発電所の原子力災害対策重点区域にも含まれ、広域避難計画の策定に取り組む11市町の一つです。防災は津波だけの話ではありません。
- 市の花はコスモス、市の木はキンモクセイ。市役所は袋井市新屋一丁目1番地の1にあります。
- 職員採用試験は年度内に【前期日程】と【後期日程】の2本立てで案内が出ます。第1次試験が動画選考から始まる点は前期日程の特徴で、後期日程は内容が異なる可能性があるため、案内を取り違えないよう注意してください。
袋井市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「袋井市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
袋井市の数字は、人口およそ9万人弱という規模と、県平均より若い年齢構成を組みにして覚えると扱いやすくなります。防災の条件はそのあとに重ねてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 87,529人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳) |
| 65歳以上人口 | 22,656人(25.9%。静岡県全体は31.1%) |
| 75歳以上人口 | 12,158人(13.9%。静岡県全体は18.3%) |
| 総面積 | 108.33km² |
| 人口密度 | 808人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 掛川市・磐田市・周智郡森町 |
| 最大津波高(県第4次被害想定) | レベル2でT.P.+10メートル、レベル1でT.P.+5メートル |
| 市の花・市の木 | コスモス・キンモクセイ |
| 市役所所在地 | 袋井市新屋一丁目1番地の1 |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口とそれぞれの割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。比較のために置いた静岡県全体の値も同じ統計から取っています。静岡県が高齢者福祉の基礎調査として公表する高齢化率や、国勢調査を基準に推計される県の人口は系列が異なるため、この表の値と同じ列で比べることはできません。総面積・人口密度・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は、公表されている値をもとに整理しました。なお人口密度は上記の総人口を総面積で割って算出した値です。
数字から考えられる市政課題
袋井市の年齢構成は、県全体と比べると明らかに若い側にあります。65歳以上25.9%、75歳以上13.9%という値は、静岡県全体の31.1%・18.3%より低い位置です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。ただし、若いことは課題がないことを意味しません。県より高齢化が遅れているぶん、支える仕組みを整える時間がまだ残っている、という読み方が実務に近いのです。
県全体では、人口は平成19年の379万7千人をピークに減り続け、令和32年には282万9千人まで落ちる見通しが示されています。自然減へ転じたのは平成20年で、そこに進学や就職で毎年およそ6千人が首都圏へ出ていく社会減が重なります(出典:静岡県総合計画(しずおかウェルビーイングプラン)素案|令和7年7月)。
たとえば面接では、次のように市の位置づけを自分の言葉で説明できます。
袋井市の経済・産業
「3%経済」と呼ばれる県のなかで
静岡県は、人口や県内総生産をはじめ多くの指標で全国第10位に位置し、全国に占める割合がおよそ3%であることから、県自身が「3%経済」という言い方をしています。その中身を支えているのが製造業です。品目別に見ると、製造品出荷額が全国第1位のものが83品目あり、ピアノは全国シェア100.0%、プラスチックモデルキットは85.0%にのぼります(令和4年)(出典:静岡県産業データブック|令和6年度版)。全国の縮図のような規模の県に、特定分野で日本一の集積が点在しているというのが、袋井市を含む静岡県の経済の姿です。
3つの市町に囲まれた市域という条件
袋井市が接するのは掛川市・磐田市・周智郡森町だけです。市域108.33km²という広さの中で、通勤も買い物も進学も、行政の線とは無関係に周辺の市へ流れていきます。
人口およそ9万人弱の市が単独で完結する必要はなく、むしろ周辺とどう役割を分けるかが問われる立地です。企業誘致や雇用を志望分野に挙げるなら、市内の事業所だけを見るのではなく、隣接する市との間で人がどう動いているかまで考えておくと話が具体的になります。
観光と交流の県内動向
静岡県の観光交流客数は令和6年度に1億4,034万人(前年度比100.5%)、宿泊客数は1,950万人(同104.4%)でした。一方、観光レクリエーション客数は1億2,084万人で前年度比99.9%と横ばいです(出典:静岡県観光交流の動向|令和6年度)。
伸びているのは泊まる人で、日帰りの人数はほぼ動いていません。交流人口を市の話に引き寄せるなら、来訪者数そのものより、来た人にどう時間とお金を使ってもらうかという角度で準備するほうが実務の議論に近づきます。
袋井市の主な行政課題
ここまでの条件を並べると、袋井市が備えなければならない論点の輪郭が出てきます。面接で市の課題を問われたときに引き出せるよう、次の4つを整理しておきましょう。
遠州灘に面した市の津波対策
静岡県第4次地震被害想定(平成25年公表)で、袋井市の最大津波高はレベル2(南海トラフ巨大地震)でT.P.+10メートル、レベル1(発生頻度が比較的高い東海・東南海・南海地震)でT.P.+5メートルとされています。さらに、海岸の水位上昇が50センチメートルに達するまでの最短到達時間は、レベル2のケース①で4分、レベル1で12分です(出典:静岡県第4次地震被害想定 第一次報告の概要|平成25年)。揺れてから逃げる時間が数分しかないという前提が、この市の防災の出発点です。県全体ではレベル2で死者約105,000人(うち津波約96,000人)、全壊・焼失棟数約30万棟が想定されています(出典:静岡県第4次地震被害想定 第一次報告のポイント|平成25年)。
市内全域を対象にした事前避難の設計
南海トラフ地震臨時情報が発表されたときに備えて、県内の市町は事前避難対象地域を定めています。県のとりまとめ(令和8年5月時点)を見ると、多くの市町が津波浸水域や土砂災害警戒区域といった範囲を指定する中で、袋井市は高齢者等事前避難対象地域を市内全域としています(出典:南海トラフ地震臨時情報に伴う事前避難対象地域の指定状況|令和8年5月時点)。
範囲を広く取れば、動く人の数も、受け入れる場所も、支える職員の手も増えます。臨時情報が出た瞬間に市役所全体が動く仕組みをどう回すかは、防災担当だけの課題ではありません。
原子力災害への広域避難という別種の備え
袋井市は、浜岡原子力発電所の原子力災害対策重点区域に含まれる11市町の一つです。重点区域は発電所から半径31キロメートルを目安に定められ、区域内の市町が広域避難計画の策定に取り組んでいます。
県全体では、県民のおよそ4分の1にあたる約81万人が区域内に住んでいます(出典:浜岡地域原子力災害広域避難計画の概要|令和7年)。地震と津波、そして原子力災害。
性質の違う三つの備えを同じ市役所が同時に抱えていることが、袋井市の防災の難しさです。
県より若い年齢構成を、どう先へつなぐか
65歳以上25.9%という値は、県全体の31.1%と比べれば低い水準です。ただ、県の総合計画素案は、人口減少は待ったなしの状況だとしたうえで、減少を抑える対策と、減った社会に合わせて仕組みを組み替える適応の対策の両方が必要だと明記しています。
令和6年の県内の出生数は1万7,439人で過去最少、合計特殊出生率は1.19でした。今の年齢構成は結果であって、約束ではありません。
若い世代が住み続けられる条件をどう用意するかが、袋井市にとっての中心的な問いになります。
袋井市の重点政策|袋井市が組み込まれている計画の枠組み
袋井市が何を優先しているかは、市の総合計画を読めば分かります。最新版は市の公式サイトにあるので、ここでは繰り返しません。
代わりに押さえておきたいのが、市の事業が乗っている外側の枠組みです。袋井市は、県域の計画に市の名前が具体的に書き込まれている自治体だからです。
県が示した二つの方向
静岡県は総合計画の素案で、人口減少への対応を「抑える対策」と「適応する対策」の二本立てで整理しました。災害についても、静岡地方気象台の観測で最近10年間の1時間降水量50ミリ以上の発生回数が1.4倍に増えていることを挙げ、南海トラフ地震と激甚化する自然災害への備えを重点課題に置いています。
市の事業を読むときは、この二つの方向のどちらに寄った取組なのかという目で見ると、狙いをつかみやすくなります。
広域避難計画という、市をまたぐ約束
浜岡地域原子力災害広域避難計画は平成28年3月に策定され、その後も実効性を高めるための修正が続き、最新は令和7年8月修正です。この計画には、どの市町の住民がどこへ避難するかという段取りが書かれています。袋井市の職員は、市の外の自治体と手順を合わせる仕事を前提として持っていることになります。志望動機で防災に触れるなら、避難所運営という市内の話だけでなく、市境をまたぐ調整があるという構造まで視野に入れておきましょう。
POINT|計画名を並べるより、想定を一つ選ぶ
市の施策を覚えるときは、計画の名前から入らないでください。津波、臨時情報での事前避難、原子力災害という三つの想定から一つ選び、そのとき袋井市に住む人に何が起きるかを場面として描き、市の取組を確かめる。この順で調べたほうが、面接での答えは具体的になります。
悪い例「袋井市は防災に力を入れているので、防災の仕事に携わりたいです」
改善例「袋井市は臨時情報が出たときの高齢者等の事前避難を、市内全域で考えていると知りました。まずは目の前の窓口の仕事を覚えたうえで、いずれは避難の段取りを地域の方と詰める仕事に関わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
最初に開くのは、自分がエントリーする日程の試験案内にしてください。試験種目と提出物は、ここにしか書かれていません。計画類はそのあと、志望分野に関わる部分だけで足ります。
- 袋井市職員採用試験案内(受験する日程の最新年度版)と職員採用の専用サイト
- 袋井市の総合計画のうち、志望分野にあたる章(最新版は市公式サイトで確認)
- 袋井市の地域防災計画と、津波・原子力災害に関する市の避難情報のページ
- 静岡県総合計画(しずおかウェルビーイングプラン)のうち、人口と防災に触れた部分
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、袋井市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。袋井市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
袋井市役所の面接の概要
ここからは、袋井市が公表した令和8年度【前期日程】の試験案内をもとに、選考の形と問われる中身を見ていきます。後期日程は内容が異なる可能性があるため、自分がエントリーする日程の案内で確認してください。
袋井市役所の試験の構成
【前期日程】は第1次試験から最終試験までの4段階です。特徴は入口にあります。
第1次試験は全職種が「動画選考」で、申込時に登録した1分程度の自己PR動画で選考されます。会場に行って筆記を解く前に、話す姿を見られる設計です。
第2次試験は全職種が適性検査(SPI3)で、期間中に各自がウェブで受験します。第3次試験の科目は職種によって分かれ、最終試験は全職種で個別面接が行われます。
| 項目 | 内容(令和8年度【前期日程】) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験(動画選考)→第2次試験(適性検査)→第3次試験→最終試験の4段階 |
| 第1次試験 | 全職種「動画選考」。申込時に1分程度の自己PR動画を登録して選考を受ける。動画の内容は自由で、人柄や強み、生かしたいスキルなどをPRする |
| 第2次試験 | 全職種「適性検査(SPI3)」。期間中に各自がウェブで受験する。試験問題は試験区分(学歴等)により異なる |
| 第3次試験(一般事務員) | グループディスカッションと論文試験(論述式)。一般事務員【障がいのある方】・学芸員も同じ2科目 |
| 第3次試験(技術・資格職) | 土木技術員(高卒)・建築技術員(高卒)・電気技術員は論文試験。土木技術員・建築技術員の大卒短大卒キャリアと保育士・幼稚園教員は専門試験(択一式) |
| 最終試験 | 全職種で個別面接試験。保育士・幼稚園教員のみ、これに加えて集団面接試験を実施 |
| 一般事務員の受験科目 | 動画選考・SPI3・グループディスカッション・論文試験・個別面接試験の5種目(新卒既卒、キャリアとも) |
| 配点 | 各試験種目の配点は試験案内に記載がありません。得点と順位は、不合格になった試験について本人が請求できる成績開示で示されます |
| エントリー時の設問 | ①志望動機(300字以内)②あなたが感じる袋井市の魅力(200字以内)③これまで培ってきた経験やスキルを袋井市職員としてどのように生かしたいか(300字以内)。入力内容は最終試験の個別面接で参考資料として使われます |
| 提出書類 | エントリー時のプロフィールが履歴書の代わり(証明用写真のアップロード、学歴・職務経歴・資格免許取得状況の登録)。第3次試験当日に最終学校卒業(見込)証明書と成績証明書を提出 |
| 採用予定人数 | 一般事務員(新卒・既卒、キャリア)12名程度、一般事務員【障がいのある方】若干名、学芸員1名、土木技術員・建築技術員・電気技術員は各若干名、保育士・幼稚園教員若干名。エントリーできる職種は1つに限られます |
| 申込方法 | インターネットの職員採用専用サイトから申込。近隣自治体との共同実施や統一試験の枠組みについて、試験案内に言及はありません |
上記は袋井市の令和8年度【前期日程】の職員採用試験案内にもとづく内容です(出典:袋井市職員採用試験案内(前期日程)|令和8年度)。試験の構成・科目は職種や日程によって異なり、年度によって変わる可能性もあります。受験の際は、必ずご自身がエントリーする職種と日程の最新の試験案内をご確認ください。
袋井市役所が求める人物像
令和8年度【前期日程】の袋井市職員採用試験案内には、全職種に共通する「求める人物像」という見出しは置かれていません。人材像の記述があるのはキャリア採用の説明欄で、そこには「時代の変化に柔軟に対応できる能力と行動力のある人材、また、各分野において専門的技術や高度な知識を有し、即戦力として活躍できる人材を求めています」と書かれています。
ただしこれは経験者を対象とした説明ですから、新卒既卒の受験者がそのまま自分に当てはめて語ると、話がずれます。
では新卒既卒の受験者は何を手がかりにすればよいか。当研究会は、エントリーの3設問と試験種目の並びに手がかりがあると考えています。
一般事務員は動画選考、SPI3、グループディスカッション、論文試験、個別面接という5種目を通ります。一人で話す力と、集団の中で話す力と、書いて筋を通す力が、別々の種目として測られる構成です。
人口およそ9万人弱の市で一般事務員の採用予定は12名程度。この規模の市役所では、一人の職員が制度をつくる側と住民に説明する側の両方に関わる場面が多くなります。
そのため、初めて担当する仕事でも自分で調べ、周りに確かめながら形にできることの比重が高くなりやすいと見ています。
もう一つ、この規模の市ならではの前提があります。市の職員は、仕事の場だけでなく暮らしの場でも市民と接します。
丁寧さや誠実さが評価の対象になりやすいのは、その環境から来る話です。市の外から来た人が、それだけで見劣りするわけでもありません。
エントリーで「あなたが感じる袋井市の魅力」を200字で書かせる市ですから、市を見て何を感じたかを自分の言葉で書けるかどうかが、そこを埋める材料になります。設問の答えを作る作業を、そのまま志望動機の土台にしてください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。袋井市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 自己PR動画は何回くらい撮り直しましたか | 入口が動画選考の試験。準備の過程を気負わずに話せるか |
| ② 動機・志望 | 公務員を選んだ理由を教えてください | エントリーに300字で書いた志望動機と、口頭の説明が同じ筋か |
| ③ 自己理解 | ご自身の直したいところはどこですか | 動画で見せた印象と、面接での自己評価がつながっているか |
| ④ 経験・行動 | 話し合いが行き詰まったとき、どう動きましたか | 第3次のグループディスカッションと重なる領域。集団での役割の実例 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んだことを市の仕事にどう生かせそうですか | エントリーの3つ目の設問と同じ問い。書いた内容を口で広げられるか |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う部署に配属されたらどうしますか | 職種を1つしか選べない試験で、その先の幅をどう考えているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 防災について気になっていることはありますか | 津波と原子力災害の備えを抱える市で、自分の関心を持てているか |
ただし、これらは受験者の誰もが手を打ってくる領域です。ここだけでは差がつきません。分かれ目になるのは、次に挙げる「袋井市ならではの事情を踏まえた質問」のほうです。
合否を分けるのは「袋井市役所ならでは」の質問
2問目は、袋井市の場合ただの定番質問ではありません。エントリーの段階で「あなたが感じる袋井市の魅力」を200字で書かせ、その内容が最終試験の参考資料になるからです。
書いたことを面接で広げられるかどうかが、そのまま評価に響きます。どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「袋井市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい袋井市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 袋井市が接するのは掛川市・磐田市・周智郡森町の3市町。一般事務員の採用予定は12名程度で、エントリーできる職種は1つに限られる | 規模の小ささを謙遜として使わず、担当する仕事の幅が広いことを選んだ理由として説明してください。県の仕事とどう違うのかが、答えの中で自然に立ち上がります |
| 年齢構成の現在地 | 65歳以上25.9%・75歳以上13.9%で、静岡県全体の31.1%・18.3%を下回る(令和8年1月1日現在の住民基本台帳) | 若さを魅力として述べるだけで終わらせず、この構成がいつまで続くのかという時間軸を添えると、話に奥行きが出ます |
| 津波への備え | 県第4次地震被害想定でレベル2の最大津波高はT.P.+10メートル、水位上昇50センチメートルまでの最短到達時間はレベル2のケース①で4分 | 数字を挙げたら、その数分で何ができるかという行動の話へ進めてください。備えの中身まで踏み込むと理解の深さが伝わります |
| 事前避難の考え方 | 南海トラフ地震臨時情報に伴う高齢者等事前避難対象地域を、袋井市は市内全域に設定(令和8年5月時点) | 市内全域という判断の重さに触れ、支える側の人手をどう確保するかという論点まで持っていくと、職員の視点で話せます |
| 袋井市の魅力と課題 | 県より若い年齢構成という強みと、遠州灘の津波・浜岡原子力発電所の重点区域という二重の備えが同居している | 魅力と課題を別々に答えず、若い世代に選ばれ続けるために備えが要る、という一本の話にまとめると印象に残ります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
配点は公表されていませんが、種目の並びを見れば、確かめられている力の見当はつきます。一人で語る動画選考、集団で議論するグループディスカッション、書いて筋を通す論文、そして最終の個別面接。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 一人で伝える力 | 短い時間で自分の要点を届けられるか | 入口が1分程度の自己PR動画です。動画で使った言い回しを面接でもそのまま使えるよう、口になじませておきましょう |
| 集団の中で進める力 | 意見が分かれた場面で、どんな役割を取ったか | 第3次のグループディスカッションと最終の個別面接は地続きです。議論を前に進めた具体的な一言まで思い出しておいてください |
| 書いた内容を支える力 | エントリーの3設問と論文で書いた筋が、口頭でも崩れないか | 志望動機300字、市の魅力200字、経験の活用300字。この3本を印刷して持ち歩き、それぞれ3分話せる状態にしておくと安心です |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。袋井市はエントリー時の入力内容が最終面接の手元にありますから、書いた一文が起点になって掘られると考えてください。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- エントリーする日程と職種を1つに決め、その案内から試験の段階と科目を書き出す
- エントリーの3設問(志望動機300字・市の魅力200字・経験の活用300字)の下書きを先に作る
- 下書きをもとに1分程度の自己PR動画の構成を組み、実際に声に出して録ってみる
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 津波・臨時情報での事前避難・原子力災害の3つから1つ選び、袋井市で何が起きるかを自分の言葉で書き出す
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
防災を掘り下げるステップ5は、他の受験生に差をつけたいときの上積みです。時間がない場合は、ステップ2とステップ3を先に済ませてください。エントリーの3設問は最終試験の参考資料になり、動画は第1次試験そのものです。順番を逆にすると、通過する前の関門に手が回りません。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、袋井市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
袋井市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
袋井市の【前期日程】は、動画で始まり個別面接で終わります。配点は公表されていませんが、エントリーで書いた3つの文章が最後の面接机の上にあるという事実は案内に明記されています。
65歳以上25.9%という県より若い構成と、津波が数分で届く海と、原子力災害の重点区域。この三つが同じ市の中にあることを知ったうえで、200字の魅力欄に何を書くか。
そこが決まれば、面接で話す内容も自然に決まってきます。