本記事では、稲城市職員採用試験の面接対策で必要な、稲城市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
稲城市役所の面接では、「稲城市で何に挑戦したいのか」、「これまでの経験をどう持ち込むのか」、「人柄をどう伝えるのか」といった質問が想定されます。
稲城市は採用パンフレットで「人物重視の採用です。」と正面から掲げ、面接は1人あたり15分程度の個別方式で2回置かれています。短い時間で人物を見る試験だからこそ、話す材料の絞り込みが結果を左右します。
読み終えたら、自分の経験のどこが稲城市政とつながるかを書き出し、回答づくりに使ってください。
第1部|自治体研究編
稲城市の特徴
対策に入る前に、稲城市がどういう市なのかを押さえておきましょう。(急ぎの方はここだけ読んでも構いません)
- 人口は94,461人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。市域は17.97平方キロメートル。
- 人口密度は1平方キロメートルあたり約5,257人。隣り合う調布市のおよそ半分で、同じ多摩地域でも、人口の詰まり方がゆるやかな市にあたる。
- 接しているのは調布市・府中市・多摩市と、都県境をまたいだ神奈川県川崎市の4つ。
- 市の採用パンフレットは「挑戦する人を応援する街」を前面に掲げ、「あなたの挑戦が、稲城市の未来をつくる。」と呼びかけている。
- 同じパンフレットは選考のポイントとして「人物重視の採用です。」と明示し、「あなたの経験・人柄を評価します」と続けている。
- 受験できる年齢を50歳まで(令和9年4月1日時点)に広げ、学歴も問わない方針を打ち出している。
- 公式Instagram「東京で働く公務員の暮らし【東京都稲城市(公式)】」で、職員の日常を発信している。
- 市の花はナシ、市の木はイチョウ。
稲城市の基礎データ
細かい統計の暗記は不要です。ただし9万人規模という市の大きさを、自分の言葉で説明できることは準備の土台になります。
稲城市を語るときに手元に置いておきたいのは、人口と高齢層の内訳、そして面積に対する人口の広がり方です。まとめておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 94,461人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳) |
| 65歳以上人口 | 21,066人(高齢化率22.3%) |
| うち75歳以上人口 | 12,359人(総人口の13.1%) |
| 総面積 | 17.97平方キロメートル |
| 人口密度 | 5,257人/平方キロメートル(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接する自治体 | 調布市、府中市、多摩市、神奈川県川崎市 |
| 市の花・市の木 | ナシ・イチョウ |
総人口と年齢別人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。面積・隣接自治体は市の基礎プロフィールから、人口密度は令和8年5月1日現在の人口をもとに算出しています。なお、住民基本台帳による集計と国勢調査による集計は前提が異なりますので、都の数値と直接比べる使い方は避けてください。
数字から読める稲城市の姿
高齢化率は22.3%です。
内訳を見ると、65歳以上21,066人のうち12,359人、つまり約6割が75歳以上にあたります(令和8年1月1日現在)。
高齢者が増えるという一般論より、後期高齢層が厚みを増していくという捉え方のほうが、政策の話には直結します。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)
もう一つ、密度の低さが持つ意味も考えておきましょう。1平方キロメートルあたり約5,257人という数字は、同じ多摩地域でも住まいの広がり方が違うことを示しています。
移動の手段、施設までの距離、地域のつながり方。密度が違えば、同じ課題でも取るべき手段が変わります。
稲城市の経済・産業
425万人が暮らす市部の一員として
東京都の人口は14,273,066人で、その内訳は区部9,947,644人、市部4,249,936人、郡部53,258人、島部22,228人です(令和7年10月1日現在の推計)。
稲城市は425万人規模の市部の一員であり、同時に多摩川をはさんで川崎市と接する都県境の市でもあります。(出典:東京都の人口(推計)|令和7年10月1日現在)
東京の経済という後ろ盾
都内総生産(名目)は令和4年度で120兆2千億円にのぼり、全国に占める割合は21.2%です。同じ年度の実質経済成長率は3.9%でした。
1つの都で全国のおよそ5分の1の経済が動いているという前提の上に、稲城市の産業も置かれています。市域だけを見て産業政策を語ると話が痩せますので、都全体の動きと接続させて考えるのが実務的です。(出典:都民経済計算 都内総生産等年報|令和4年度)
働く場としての稲城市役所
令和8年6月現在の初任給は、一般事務・土木技術のⅠ類が基本給242,000円、地域手当を加えると280,000円です。
Ⅱ類は213,800円と248,000円、Ⅲ類は200,300円と232,000円で、地域手当は基本給等の16%にあたります。(出典:稲城市職員募集要項(新卒等)|令和9年4月採用)
育てる側の仕組みも公表されています。新規採用職員研修と階層別研修に加えて、特別研修、東京都市町村職員研修所などへの派遣研修、そして助成制度のある自主研修支援が並び、新人にはチューター制度が用意されています。
市はこれを「新しい挑戦をサポート」する仕組みと説明しています。市外の研修機関を使う設計になっているのは、単独の市だけで人材育成を完結させない、という現実的な判断でもあります。
稲城市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえて、稲城市がこれから向き合うテーマを4つ挙げます。面接で市の課題を聞かれたとき、そのまま持ち出せる形にしてあります。
高齢層の厚みが増していく
東京都全体で見ると、令和7年9月時点の高齢者人口は312万人で過去最多、高齢化率は23.4%、およそ4.3人に1人が高齢者という水準です。内訳では75歳以上が184万6千人と前年より3万2千人増えた一方、65歳から74歳は2万8千人減っています。
高齢者の中で世代交代が進み、支援の必要が重い層に人が移っているという構図で、稲城市の内訳もその流れの中にあります。(出典:敬老の日にちなんだ東京都の高齢者人口(推計)|令和7年)
少子化への対応
令和6年の東京都の合計特殊出生率は0.96まで下がり、低下はこれで8年連続となりました。全国でも最も低い水準にあり、都は少子化対策を最重要課題と位置づけて『少子化対策の推進に向けた論点整理2025』を公表しています。
子育て世帯が住まいを選ぶ際の判断材料は、保育の受け皿だけではありません。通勤のしやすさ、住宅の広さ、公園や学校の環境まで含めた総合点で見られます。
市の側から見れば、子育て支援を単独の施策としてではなく、住まいと交通と教育をまたぐ話として組み立てられるかどうかが問われる、ということでもあります。面接でこの分野を志望するなら、部署をまたぐ視点を一言添えられると、話の届き方が変わります。(出典:少子化対策の推進に向けた論点整理2025|令和7年8月公表)
大地震が起きたときに何をするか
東京都の被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方に発生した場合、死者約6,100人、負傷者約9万3,400人と見込まれ、23区の約6割の範囲が震度6強以上になるとされています。
稲城市が位置する多摩地域を含めて、都全体で避難者は約299万人という規模です。(出典:首都直下地震等による東京の被害想定|令和4年5月公表)
面接で防災を語るときは、市の備えを列挙するより、住民同士が助け合える状態をどう作るかに視点を置くほうが伝わります。
密度が高くない市では、隣近所の顔が見える関係そのものが備えになるからです。日ごろの行事や地域活動が、災害時の安否確認の速さにそのままつながる、という言い方もできます。
誰を職員として迎えるか
令和9年4月採用の一般事務は、経験者等を含めて10名程度の募集です。市はこの採用で受験可能年齢を50歳まで広げ、学歴も問わないと明示しました。
30歳以上の受験者はテストセンター試験が不要になる仕組みも設けています(障害者採用を除く)。
9万人規模の市が、あえて入口を広げる判断をしている。この選択の意味を自分なりに説明できることは、志望動機の裏づけになります。
一方で、複数の区分に同時に申し込むことはできず、すでに稲城市の職員である人(非常勤職員を除く)は受験できないことも要項に定められています。
入口は広く取りながら、選ぶ側にも一つに決めて臨むことを求めている、という設計です。受験する区分を早めに固め、その区分の要項だけを読み込むようにしてください。
稲城市の重点政策|採用が掲げる「挑戦する人を応援する街」
稲城市は、市がどんな人と働きたいのかを採用の場で率直に言葉にしています。人物像の手がかりは、そこにあります。
パンフレットが繰り返す「挑戦」
令和9年度4月採用の職員募集パンフレットは、「挑戦する人を応援する街」という一文を前面に置き、「あなたの挑戦が、稲城市の未来をつくる。」と続けます。
さらに「一人ひとりの多様な経験や価値観が、まちの力になる。この街の未来を、あなたと一緒に。」「ともに創る、未来のまち。」という言葉が並びます。(出典:稲城市職員募集パンフレット|令和9年度4月採用)
職場の特徴としては「年齢に関係なく活躍できる環境」「多様な経験を市政に活かせる」「一人ひとりの挑戦を応援する風土」の3点が挙げられています。
年齢制限を50歳まで広げた判断と、この3点はきれいにつながっています。経歴の形がそろっていることより、持ち込めるものがあるかどうかを見るという方針だと読めます。
挑戦を支える仕組み
掲げるだけで終わらせないための仕組みとして、市は研修体系とチューター制度を示しています。
新規採用職員研修、階層別研修、特別研修、東京都市町村職員研修所などへの派遣研修、助成制度のある自主研修支援。新人が最初につまずくところに、人がつく形が用意されているわけです。
市が公式Instagramで職員の日常を発信していることも、同じ流れの中にあります。仕事の中身を先に見せたうえで来てもらう、という考え方です。
受験する側としては、市が何を伝えたがっているかを読み取れる場所でもありますので、面接前に一度目を通しておくと、志望動機に具体性が出ます。
POINT|「挑戦」を大きな言葉で終わらせない
市が挑戦という言葉を使っているからといって、大きな成果を語る必要はありません。規模ではなく、自分から動いた事実と、その結果に責任を持った過程が見られます。
悪い例「挑戦する人を応援する街という言葉に共感しました。私も何事にも挑戦していきたいと思っています」
改善例「ゼミで発表の順番が回ってきたとき、いつもの形式だと質問が出ないと感じたので、先生に相談して進め方を変えてみました。うまくいかない部分もありましたけれども、続けるうちに議論が増えました。まずは目の前の仕事を覚えたうえで、そういう小さな見直しを重ねていきたいです」
あわせて確認したい公式資料
量はそれほど多くありません。志望する分野に近いものから開き、読んだ内容を人に説明できるところまで持っていってください。
- 稲城市職員募集要項(自分が該当する区分のもの。新卒等・経験者等・障害者採用で別冊になっています)
- 稲城市職員募集パンフレット(職場の特徴・研修制度・初任給が載っています)
- 市の公式Instagram(職員の働き方が具体的に見えます)
- 稲城市の総合計画と直近の予算に関する公表資料。版が新しくなると内容も入れ替わりますので、市公式サイトで現在有効なものを確認してください
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、稲城市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。稲城市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
稲城市役所の面接の概要
ここからは、稲城市役所の選考の形と質問の全体像を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。
稲城市役所の試験の流れ
令和9年4月採用の一般事務(新卒等・30歳未満)は、Ⅰ類H・Ⅱ類I・Ⅲ類Jという3つの分類で募集されます。市は「分類のⅠ類~Ⅲ類(大卒~高卒程度)は、学歴を問うものではありません」と明記しており、年齢要件を満たせば高校卒業の方がⅠ類を受験することもできます。
選考の流れは次のとおりです。
| 項目 | 内容(令和9年4月採用・一般事務・新卒等) |
|---|---|
| 試験の段階 | 申込 → 書類選考 → 一次試験(テストセンター試験)→ 二次試験(個人面接)→ パーソナリティ検査 → 三次試験(最終試験・理事者面接) |
| 筆記試験 | テストセンター試験。内容は基礎能力検査(言語・数理・論理・常識・英語)と事務能力検査で、120分程度。全国約350か所の会場から場所と時間を予約して受験します |
| 面接の種類 | 二次試験の個人面接と三次試験の理事者面接の計2回。募集要項は「面接は1人あたり15分程度の個別方式です」と明記しています |
| 集団形式 | 一般事務の選考に集団討論・グループワークの記載はありません |
| 適性検査 | 二次試験の合格後2週間程度の間にパーソナリティ検査を実施。Web方式で自宅等のスマートフォンやパソコンから受検し、所要時間は25分程度です |
| 配点 | 募集要項・パンフレットとも記載がなく、非公表です |
| 提出書類 | 申込書、エントリーシート【1】、エントリーシート【2】の3点。申込書の指定箇所に過去3か月以内に撮影した顔写真のデータを貼り付け、LoGoフォームに添付して提出します |
上記は稲城市の令和9年4月採用【新卒等(30歳未満)】の職員募集要項にもとづく一般事務の内容です。稲城市は同じ採用年でも【経験者等(30歳以上)】【一般事務(障害者採用)】で募集要項が分かれており、30歳以上はテストセンター試験が不要です(障害者採用を除く)。複数区分の併願はできません。試験の構成・日程等は年度や区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず該当する最新の募集要項をご確認ください。
この流れで意識しておきたいのが、面接が1人15分程度という短さで、しかも2回とも個別方式だという点です。集団討論のように他の受験者との比較で見られる場面はなく、その代わり、限られた時間で自分の話を届け切る必要があります。
長い説明は最後まで聞いてもらえません。結論を先に置き、聞かれたら足していく話し方に慣れておきましょう。
もう一点、二次試験の合格後にパーソナリティ検査が入る配置にも意味があります。個人面接で受けた印象を検査の結果と重ね、最後の理事者面接に臨む形です。
検査で自分を良く見せようと操作しても、面接での語り口とずれれば、そこが質問の入口になります。素直に答えるのが結局は近道です。
提出書類が3点に分かれている点にも注意が必要です。申込書に加えてエントリーシートが2種類あり、いずれもWord形式で用意されています。
書く欄が多い分、面接で聞かれる材料も増えます。書いた内容を出す前に必ず控えを取り、面接の直前に読み返せる状態にしておきましょう。
書類選考は申込の直後に置かれているため、ここで書いたことが選考全体の土台になります。
「求める職員像」の代わりに読むべきもの
確認した稲城市の職員募集要項と採用パンフレット、および市の採用情報ページには、「求める職員像」という見出しでの記載はありませんでした。ただし、市が何を大事にしているかは十分に読み取れます。
パンフレットが選考のポイントに掲げる「人物重視の採用です。」「あなたの経験・人柄を評価します」という言葉と、繰り返される「挑戦」がそれです。
評価の軸を推測で埋める前に、この公表文言を出発点に置いてください。
以下は市の資料に載っている話ではありません。当研究会が数字から組み立てた推測として読んでください。
人口9万人規模の市で、一般事務の採用は経験者を含めて年10名程度。この二つを並べると、稲城市の各課は少人数で構成されているはずだと見当がつきます。
人数が限られる部署では、一つの事業を最初から最後まで同じ職員が見届けることになりやすい。企画の段階で悩んだ点も、住民から返ってきた反応も、同じ人の中に残る働き方です。
そこから考えると、前例のない仕事を渡されても、まず手をつけて周囲を巻き込みながら進められる人が重視されやすいと言えそうです。市が研修体系とチューター制度を並べて示しているのも、そういう働き方に入っていく新人を支える仕組みだと読めます。
市外から受験する方でも心配はいりません。稲城市のどこに関心を持ったのかさえ具体的に語れれば、地元かどうかは大きな差になりません。
話す中身は、これまで自分がやってきたことで足ります。それを少人数の課に置いたときどう動けるかまで言えれば、準備としては十分です。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。稲城市の面接も、この見取り図に沿って準備すれば大きな抜けは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | まず、簡単に自己紹介をお願いします | 15分の面接では冒頭がそのまま印象になります。長さの見極めも見られています |
| ② 動機・志望 | 数ある市の中で、なぜ稲城市を選んだのですか | 近隣の市と比べたうえでの選択か。9万人規模の市を選ぶ理由に中身があるか |
| ③ 自己理解 | ご自身の弱みと、その付き合い方を教えてください | 自分の傾向をつかんでいるか。取り繕わずに扱えるか |
| ④ 経験・行動 | 自分から言い出して何かを変えた経験を教えてください | 市が掲げる挑戦との相性。着手のきっかけと、続けるための工夫 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んできたことを、短く説明してください | 短い持ち時間で要点をまとめる力。窓口での説明に直結します |
| ⑥ 適性・将来 | 幅広い仕事を任される職場で、どう成長したいですか | 研修やチューター制度がある市として、学ぶ姿勢を持っているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 関心を持って追っているニュースはありますか | 世の中の動きを見ているか。見た上で自分の考えを持てているか |
ここまでは全国共通の枠組みで、多くの受験者が同じように準備してきます。分かれ目になるのは、次に挙げる稲城市固有の質問です。
差がつくのは「稲城市役所ならでは」の質問
いずれも、稲城市を知らないまま答えを組み立てるのは難しい質問です。言い換えれば、調べてきた人にだけ具体的な言葉が出せる質問だということです。
面接で持ち出しやすい稲城市の事実を、答え方と一緒に整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい稲城市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と密度 | 人口94,461人(令和8年1月1日現在)、面積17.97平方キロメートル。人口密度は隣接する調布市の約半分 | 人口だけでなく、密度の違いまで触れます。同じ多摩地域でも住まいの広がり方が違う、という理解を示せます |
| なぜ都庁ではなく市役所か | 一般事務の募集は経験者等を含めて10名程度。研修は市外の研修所への派遣も含めて組まれている | 都がつくった仕組みを9万人の生活の大きさに直して手渡す仕事がしたい、と言い切ってしまうのが早いです。少人数の組織で幅広く関わりたい理由も添えます |
| 稲城市の魅力 | 市は「挑戦する人を応援する街」を掲げ、年齢制限を50歳まで拡大し学歴も問わない方針を打ち出している | 言葉を引用して終わらせず、その方針から市の姿勢をどう読んだかを自分の解釈として述べます |
| 稲城市の課題 | 65歳以上21,066人のうち75歳以上が12,359人。都全体でも65歳から74歳が減り、75歳以上が増えている | 高齢化の言葉で止めず、層の移り変わりまで下ろします。密度が高くない市での支え方まで進めると具体的になります |
| 面接の受け方 | 面接は1人あたり15分程度の個別方式で、二次と三次の2回。三次は理事者面接 | 短時間で伝える準備をしてきたことを、実際の話し方で示します。結論から述べる型を練習しておきます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分が引っかかった点 → 市職員としてやりたいこと」の順で話をつないでおきましょう。
想定される評価の観点
面接は、市が掲げる言葉に照らして「これまで実際にどう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 自分から動いたか | 誰かに言われる前に始めた経験があるか。始めたあと、どこまで続けたか | 市が掲げる「挑戦」に対応します。規模の小さい話で構わないので、着手から結果までを一続きで語れるようにします |
| 短い時間で伝えられるか | 1人15分の個別面接で、要点を先に出せるか | 回答を最初の一文で言い切る練習をします。時間を計って話し、削る作業まで済ませておきましょう |
| 人柄が行動に出ているか | 人物重視を掲げる市として、日常の振る舞いに一貫性があるか | 大きな成果より、続けてきたことを1つ用意します。稲城市の言う「経験・人柄」はここで確かめられます |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。持ち時間が短い分、この掘り下げに耐えられるかどうかで差がつきます。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 該当する区分の募集要項を読み、選考の流れと3種類の提出書類(申込書とエントリーシート2種)の記入項目を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部を読み返し、稲城市の数字を3つ選んで自分の言葉で説明できるようにする(人口、人口密度、75歳以上の割合が使いやすい)
- 対応表の材料を1つ選び、事実から自分の関心、やりたい仕事までを一本の話につなげる
- 声に出して練習する。15分の個別面接に合わせ、1つの答えを1分以内で言い切れるところまで削っておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、稲城市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
稲城市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
稲城市の選考は、書類選考とテストセンター試験を経て、1人15分程度の個別面接が2回。最後は理事者面接です。市は入口を50歳まで広げ、学歴も問わず、選考のポイントに人物重視と書きました。
経歴の形ではなく、持ち込めるものを見るという姿勢がはっきり出ています。
9万人が暮らし、密度のゆるやかな市域を4つの自治体と接しながら受け持つまちで、自分は何を持ち込めるのか。その一点を、15分で伝わる長さに削り込んでみてください。