本記事では、羽村市職員採用試験の面接対策で必要な、羽村市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

羽村市役所の面接では、「なぜ羽村市で働きたいのか」「集団の中でどんな役割を担ってきたか」「市の仕事に自分の経験をどう活かすのか」といった質問が想定されます。令和9年度採用の一般事務職では、二次試験にグループディスカッションが置かれ、他の受験者と議論する場が選考に含まれます

以下でまとめた事実を材料に、自分の経験と羽村市政が重なるところを言葉にして、回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

羽村市の特徴

準備を始める前に、羽村市というまちの輪郭を大づかみにしておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 東京都の多摩地域西部にあり、青梅市、福生市、あきる野市、西多摩郡瑞穂町と接している。
  • 面積は9.90km²で、市は職員採用案内の中で、都内の市の中で3番目に小さい面積だと説明している。人口は53,956人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は5,450人/km²。
  • 市の採用案内による令和8年4月1日現在の数字は、人口53,926人、世帯数27,065世帯、職員数378人
  • 市は面積の小ささを、市民との距離が近く、きめ細やかな対応ができる条件として紹介している。
  • 市が挙げる特色は、この距離の近さのほか、地下水100%のおいしい水、新宿まで電車で1本1時間という位置(市内にJR羽村駅と小作駅)、市営の動物公園ヒノトントンZOOの4点。
  • 市の花はサクラ、市の木はイチョウ。市役所は緑ヶ丘五丁目にある。
  • 第六次羽村市長期総合計画の将来像は「まちに広がる笑顔と活気 もっと!くらしやすいまち はむら」
  • 職員行動指針は「ミズカラカエル」。羽村の歴史が水から変わったように、羽村の未来を自ら変える職員を目指すという意味が込められている。
  • 令和9年度採用の一般事務職の試験は、一次試験(能力試験・適応性検査)、二次試験、最終試験の3段階。受験資格は大学卒・短大等卒・高校卒の3区分とも、令和9年4月1日現在40歳未満。

羽村市の基礎データ

面接の場で数字を並べる必要はありません。それでも、この市がどれくらいの器で、どんな条件の上に成り立っているのかを説明できることは、志望の理由に具体性を与えます。

表には市の値を並べ、東京都全体の値も参考として添えました。都と市では調査そのものが違いますから、差を計算するためではなく、羽村市がどのあたりに位置する市なのかを感じ取るために眺めてください。

項目内容
総人口53,956人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積9.90km²
人口密度5,450人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
世帯数27,065世帯(市の採用案内による令和8年4月1日現在の値)
職員数378人(同上)
高齢化率(住民基本台帳)27.1%(令和8年1月1日現在)/75歳以上は16.2%
65歳以上人口14,648人(うち75歳以上8,760人。令和8年1月1日現在)
隣接自治体青梅市、福生市、あきる野市、西多摩郡瑞穂町
市役所所在地〒205-8601 東京都羽村市緑ヶ丘五丁目2番地1
市の花・市の木サクラ/イチョウ
将来像まちに広がる笑顔と活気 もっと!くらしやすいまち はむら(第六次羽村市長期総合計画)
(参考)東京都の総人口14,273,066人(令和7年10月1日現在の推計)
(参考)東京都の行政区域特別区である23区と、26市5町8村
(参考)東京都の高齢化率23.4%(令和7年9月15日現在の推計)

羽村市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに当研究会が整理したものです(総人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。世帯数と職員数は市の職員採用案内が示す令和8年4月1日現在の値で、同案内の人口は53,926人です。高齢化率と75歳以上の割合は、総務省が住民基本台帳をもとに集計した令和8年1月1日現在の値で、同じ集計での市の総人口は53,956人です。東京都の値は都の推計等によるもので、住民基本台帳による市の値とは集計の系統が異なりますので、両者を差し引きして読むことは避けてください。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

市が小ささを長所として語っている

面積の小ささは、ふつうなら弱みとして扱われがちな条件です。

ところが羽村市は、採用案内の中で3番目に小さい面積を市の特色の筆頭に置き、市民との距離が近くきめ細やかな対応ができると説明しています。

条件を長所として言い切っている市だということです。

職員数378人で人口5万3千人台のまちを担うという規模も、同じ話につながります。市域が狭ければ、現場までの移動は短く、市民の顔も見えやすい

その代わり、一人の職員が受け持つ範囲は自然と広がります。志望動機を組み立てるときは、この長所と負担が同じ条件の表と裏であることを踏まえておきましょう。

「羽村市は面積が10平方キロメートル弱で、都内の市の中でも小さいほうだと採用案内で知りました。職員の方が378人で5万人を超える市民を支えていると考えると、一人ひとりの仕事の幅は広いのだろうと感じています。私はいろいろな役割を任される場面のほうが力を出せるので、そこは合っているのではと思っています」

羽村市の経済・産業

都の数字を借りて市の位置を示す

羽村市の公式サイトのうち、市政情報と採用関連のページでは、市の経済を単独で示す統計資料を確認できませんでした。そこで、東京都全体の経済の大きさを先に置き、そこから羽村市の位置を測る形で整理します。

  • 令和4年度の経済活動別都内総生産は名目で120兆2千億円、全国シェアは21.2%。
  • 同年度の実質経済成長率は3.9%で、卸売・小売業や金融・保険業、運輸・郵便業などの増加が伸びを支えた。
  • 都の人口14,273,066人(令和7年10月1日現在の推計)のうち市部は4,249,936人で、羽村市の53,956人はその1.3%ほど(時点の異なる値どうしの概算)。

(出典:都民経済計算 都内総生産等年報|令和4年度

通勤圏としての位置と、市が持つ資源

市は特色のひとつとして、市内にJR羽村駅と小作駅があり、新宿まで電車で1本1時間という位置を挙げています。

都心に通える距離にありながら、市域は9.90km²で完結しているという条件は、まちの性格を大きく左右します。

働く場所と暮らす場所が別々になりやすく、日中の人の動きと夜間の人の動きが違うということでもあるからです。

あわせて市が挙げるのが、地下水100%のおいしい水と、市営の動物公園ヒノトントンZOOです。前者は日々の暮らしの質に、後者は市外から人を呼ぶ力に関わります。

市が自ら選んだこの4つの特色は、市の資源が何かという問いに市自身が答えたものですから、志望動機の材料としてそのまま使えます。

生活圏は隣の市とつながっている

羽村市が接するのは、青梅市、福生市、あきる野市、そして西多摩郡瑞穂町です。10km²に満たない市域である以上、買い物も通院も通学も、市境をまたいで動くのが日常でしょう。

行政の施策も、市内で完結する形にはなりにくくなります。面接で産業や雇用を語るときは、周辺の市町と重なる生活圏の中で羽村市が何を引き受けるのかという視点を添えてください。

羽村市の主な行政課題

狭い市域と限られた職員という条件は、そのまま課題の形になって表れます。ここでは4つに絞って整理しました。

市の課題を尋ねられたときに、この中から一つ選んで話せる状態にしておきましょう。

5万人台の市で進む高齢化

総務省が住民基本台帳をもとに集計した令和8年1月1日現在の値では、羽村市の人口53,956人のうち65歳以上が14,648人で、高齢化率は27.1%です。

75歳以上は8,760人、率にして16.2%にあたります。

東京都全体では令和7年9月15日現在の推計で高齢者人口312万人・高齢化率23.4%、75歳以上は184万6千人と前年から3万2千人増えて過去最多でした。

集計の系統が違うので単純な引き比べはできませんが、都の平均像より高齢の層が厚い市だとは読めます。(出典:敬老の日にちなんだ東京都の高齢者人口(推計)|令和7年

75歳以上の割合が16.2%というのは、65歳以上のうち6割が75歳以上だということです。介護や見守り、移動の支援といった、手のかかる支援の対象がすでに多いことを意味します。

狭い市域は、この支援を届けるうえでは味方になります。短い距離を活かした支え方まで語れると、高齢化の話題に厚みが出ます。

人口を保てるかどうか

東京都全体では、令和6年の出生数が84,207人で前年より2,141人減り、9年連続の減少でした。合計特殊出生率は0.96と、前年の0.99から下がって8年連続の低下です。

これは都全体の数字であって羽村市の値ではありませんが、都心に通える位置にありながら住まいに手が届く市が、子育て世代の選択肢になりうるという見立ては筋が通ります。(出典:東京都人口動態統計年報(確定数)|令和6年

市の将来像に「もっと!くらしやすいまち」という言葉が入っているのは、住み続けたいと思える条件をどう厚くするかが市政の中心にあるからだと読めます。市がどんな子育て施策を打っているかは、市公式サイトで確認しておきましょう。

378人で市役所の全機能を回す

職員数378人という規模は、部署ごとに専門職を何人も抱えられる体制ではありません。計画をつくる仕事も、窓口に立つ仕事も、地域の団体との調整も、同じ担当者に重なって回ってきます

令和8年度採用の試験結果を見ても、一般事務職の合格者は大学卒7人、高校卒2人と、採用の規模自体が小さいことがわかります。

この構造は、面接での答え方に直結します。やりたい仕事をひとつに絞り込んで語ると、実際の配属の広がりと噛み合いません。

自分の得意なことを複数の場面に当てはめて説明できるよう、経験の使い道を用意しておきましょう。

災害への備え

東京都が令和4年5月に公表した被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方に発生した場合、死者約6,100人、負傷者約9万3,400人、建物被害約19万4,400棟、避難者約299万人、帰宅困難者約453万人と想定されています。これは都全体の想定であり、羽村市単独の数字ではありません。(出典:首都直下地震等による東京の被害想定|令和4年5月公表

職員378人の市では、災害時に一人が担う役割は普段の担当を超えます。避難所の開設、被害の把握、応援の受け入れと、平常時とは違う持ち場に立つ前提です

面接でこの話題を選ぶなら、数字を挙げるより先に、自分がどの持ち場で何をするつもりかを言えるようにしておきましょう。

羽村市の重点政策|第六次羽村市長期総合計画

市政運営の背骨にあたるのが「第六次羽村市長期総合計画」です。基本構想の期間は令和4年度から令和13年度までの10年間で、前期基本計画は令和4年度から令和8年度までで、令和8年度がその最終年度にあたります。(出典:第六次羽村市長期総合計画|羽村市

まちづくりで大切にする4つの想い

この計画は、将来像「まちに広がる笑顔と活気 もっと!くらしやすいまち はむら」の下に、まちづくりで大切にする想いとして「一人ひとりを大切にする」「人と人とのつながりを大切にする」「くらしやすさを大切にする」「一歩踏み出す勇気と力、英知を大切にする」の4つを掲げています。そのうえで、将来像の実現に向けた未来を築く5つのコンセプトと、自治体運営の方針が定められています。

読みどころは、4つの想いが施策の分野名ではなく、姿勢の言葉で書かれていることです。福祉、教育、防災といった枠組みではなく、市がどう向き合うかという構えが先に置かれています。

面接の準備としては、自分の関心のある分野を、この4つのどれと結びつけて語れるかを考えておくと役に立ちます。

POINT|計画の全体を暗記しても点にはならない

計画の構成を諳んじられることが評価されるわけではありません。関心のある分野をひとつ選び、①今どんな困りごとがあるか → ②市はどうしたいと言っているか → ③そのために何をしているか → ④市役所だから担えることは何か → ⑤自分の経験のどこが使えるか、の順で調べましょう。計画も予算も、必ず市公式サイトの現行版で確かめてください。

悪い例「羽村市の子育て支援に携わりたいです」

改善例「計画に一人ひとりを大切にするという言葉があると知りました。5万人台の市なら、支援が必要な家庭を数字の中に埋もれさせずに把握できるはずですので、そういう気づきを拾える窓口の仕事に関わりたいと思っています」

あわせて確認したい公式資料

全部に目を通す必要はありません。志望動機に関わるものだけを選び、読んだ内容を自分の言葉で言い直せるところまで持っていきましょう。

  • 羽村市職員採用試験の募集要領(自分が受ける区分と回のもの。回によって構成が異なります)
  • 羽村市職員採用案内(市の特色、求める職員像、働き方に関する数字)
  • 第六次羽村市長期総合計画(将来像と4つの想い、5つのコンセプト)
  • 市公式サイトの職員採用のページ(試験結果や実施状況の掲載)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、羽村市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。羽村市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

羽村市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

羽村市役所の面接の概要

ここからは、羽村市役所の採用試験の構成と、問われやすい質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。

羽村市役所の試験の流れ

令和9年度採用の一般事務職の試験は、一次試験、二次試験、最終試験の3段階です。一次試験は能力試験と適応性検査で、市は公務員試験に向けた準備をしていない民間企業志望者や社会人経験者にも受験しやすい試験内容だと明記しています。

項目内容(令和9年度採用・一般事務職)
試験の段階一次試験、二次試験、最終試験の3段階
一次試験能力試験・適応性検査。会場は全国のテストセンターか羽村市役所を申込時に選びます(市役所での受験は指定された1日のみ)
二次試験グループディスカッションと集団面接。会場は羽村市役所で、受験番号ごとに集合時間が指定されました
最終試験最終面接。会場は羽村市役所
エントリーシート一次試験の合格後、指定された期日までに提出した方が二次試験の対象になります
受験資格大学卒・短大等卒・高校卒の3区分とも、令和9年4月1日現在40歳未満(昭和62年4月2日以降に生まれた方)
申込の方法専用申込フォーム(LoGoフォーム)から。縦4.5cm×横3.5cmの比率で、無帽正面向き・無背景・6か月以内に撮影した顔写真の画像を添付します
合否の決め方各試験の配点と合否決定の方法は公表されていません
(参考)令和8年度採用の結果一般事務職は大学卒が受験者172人・合格者7人で24.6倍、短大等卒が受験者24人・合格者0人、高校卒が受験者35人・合格者2人で17.5倍(合格者数は令和7年10月15日時点)
(参考)初任給令和8年4月1日現在の給料月額が大学卒242,000円、短大等卒213,800円、高校卒200,300円。採用案内には初任給は東京都と同額だと記載されています。期末勤勉手当は令和7年度実績で年4.90月分
(参考)働き方の数字平均年次有給休暇取得日数は14.1日(令和7年実績)、育児休業取得率は男性85.7%・女性100%(令和7年度実績)

上記は羽村市の令和9年度採用(一般事務職)の公表資料にもとづく内容です。二次試験の科目名は資料によって表記が異なり、募集要領では「グループディスカッション、個人面接」、令和8年7月に公表された実施告知では「グループディスカッション・集団面接」と記載されています。本記事では実施告知の表記を採りましたが、集団か個別かは断定できません。各試験の配点と合否決定の方法は公表されておらず、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。羽村市は令和8年8月採用の一般事務職や、一般技術職・保健師の通年採用など複数の募集を並行して掲載しており、回によって試験構成が異なります。受験の際は、必ずご自身が申し込む回と区分の最新の募集要領をご確認ください。(出典:令和9年度採用 羽村市職員採用試験|羽村市二次試験の実施について|羽村市(令和8年7月)

議論の場が選考に入っていることの意味

一次を通ったあと、いきなり個別の面接ではなく議論の場が置かれています。ここで見られているのは、話した量ではありません。

議論が前に進んだかどうかと、その前進に自分がどう関わったかです。発言が多くても結論が散らかれば評価されませんし、口数が少なくても論点を整理して場を助ければ意味があります

そして議論の場での振る舞いは、市役所の窓口や会議での立ち回りと地続きです。

市が特色として挙げる市民との距離の近さは、裏を返せば、意見の違う相手と直接向き合う機会が多いということでもあります。

なお、討議の課題や進め方について、羽村市の募集要領と採用ページには具体的な記載がありません。テーマが何であっても対応できるよう、議論の型を持っておくのが現実的な備えです。

羽村市が求める職員像

羽村市は、求める職員像を採用案内の中で5項目に整理して公表しています。(出典:羽村市が求める職員像|羽村市職員採用案内(令和9年度採用)

  • 高い倫理観と責任感
    全体の奉仕者として、公平・公正に職務を遂行する職員が挙げられています。
  • 柔軟な発想とチャレンジ
    前例や慣習にとらわれず、課題に果敢に取り組む職員が求められています。
  • 市民との協働
    市民ニーズを的確に把握し、市民と協働して課題解決に取り組む職員という表現です。
  • コスト意識と経営感覚
    効率的な行政運営を行う職員が挙げられています。
  • まちづくりの創造
    羽村市の魅力あるまちづくりを創造していく職員が、5つ目に置かれています。

5つの職員像は市の言葉です。それが羽村市という職場に置かれたときに何を意味するのかは、ここから当研究会が引き取って考えます。

職員378人という体制は、ひとつの分野に何人も専任を置ける規模ではありません。

前例のない相談が持ち込まれたとき、判断の根拠を自分で探し、庁内の別の係や近隣の市町に問い合わせて答えを組み立てるところまでが、そのまま担当者の仕事になります。

5項目の最後に「まちづくりを創造していく」という能動的な言葉が置かれているのも、指示を待つだけでは仕事が回らない規模だからだと読めます

職員行動指針の「ミズカラカエル」に込められた、自ら変えるという構えも、この規模と地続きでしょう。

市が特色の筆頭に置く市民との距離の近さは、裏を返せば、担当者一人の対応がそのまま市役所の評価として語られるということでもあります。

そこで意味を持つのは、5項目に自分を寄せていく作業ではありません。自分の経験の側から5項目を見に行き、どこに自分の実績が乗るかを一つ決めることです。

そこを深く掘っておけば、二次の議論の場でも最終面接でも、同じ強さで話せます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。羽村市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらから来られましたか構えのいらない問いへの応じ方。集団の場では最初のひと言の印象が残ります
② 動機・志望多摩地域には市がいくつもありますが、なぜ羽村市なのですか近隣の市でも通る理由になっていないか。この市を選んだ筋道があるか
③ 自己理解ご自身の長所を、それが出た場面とあわせて教えてください性格を表す言葉で止めず、行動の裏づけを持っているか
④ 経験・行動意見が割れた場面で、あなたはどう動きましたか議論の場での振る舞いと矛盾しないか。役割の自覚があるか
⑤ 学業・経歴取り組んできたことを、その分野を知らない人にも伝わるように話してください聞き手に合わせて言葉を選び直せるか。市民への説明に直結します
⑥ 適性・将来入庁して5年後、どんな職員になっていたいですか市役所での働き方を具体的に思い描けているか
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースを一つ挙げてください社会の動きへの目配りと、自分なりの受け止め方

この見取り図は官公庁の面接に広く当てはまるもので、羽村市を受ける人だけが持てる道具ではありません。ほとんどの受験者が同じ範囲を準備してきます。

差がつくのは、次の羽村市ならではの質問です。

差がつくのは「羽村市役所ならでは」の質問

「なぜ東京都庁ではなく、羽村市役所なのですか」
「羽村市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

いずれも、その場の機転だけで乗り切るのは難しい質問です。逆に言えば、下調べの差がそのまま答えの差になる質問だということです。

面接で使いやすい羽村市の事実を、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい羽村市の事実答え方のヒント
市の規模と市の自己認識面積9.90km²で、市は都内の市の中で3番目に小さいと採用案内で説明。人口53,956人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、職員数378人(令和8年4月1日現在)小ささを市自身が長所として語っている点に触れると、資料を読んだことが伝わります。距離の近さと担当の広さを一組にして述べましょう
市が挙げる4つの特色市民との距離の近さ、地下水100%のおいしい水、新宿まで電車で1本1時間の位置、市営動物公園ヒノトントンZOO4つを並べず、自分が最も語れるものを1つ選びます。なぜそれに惹かれたのかを、自分の生活や経験から説明してください
なぜ都庁ではなく市役所か職員378人で市役所の全機能を担う規模。令和8年度採用の一般事務職の合格者は大学卒7人・高校卒2人5万人台のまちで、都の制度が実際に届く場所に立ちたい、と言い換えると具体的になります。幅広い担当になることも受け止めている、と経験で示しましょう
市の計画への理解第六次羽村市長期総合計画の将来像は「まちに広がる笑顔と活気 もっと!くらしやすいまち はむら」。まちづくりで大切にする4つの想いを掲げる将来像の「もっと!」という言葉に、住み続けてもらう工夫という意味を読み取って話すと具体的になります
高齢化への理解住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で高齢化率27.1%、75歳以上は16.2%。東京都全体では23.4%(令和7年9月15日現在の推計)65歳以上のうち6割が75歳以上という内訳まで踏み込み、狭い市域を支援に活かす発想へつなげます
試験の性格二次試験にグループディスカッションが置かれ、一次は能力試験と適応性検査。市は公務員試験の準備がなくても受けやすいと明記他の受験者と協力する場面が組み込まれた選考です。複数人で結論を出した経験を1つ用意しておけば、そのまま話せます

6つすべてを覚える必要はありません。自分の志望に近いものを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に組み立てておきましょう。

想定される評価の観点

面接は、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
議論の場での関わり方グループディスカッションで、議論の前進に何を足したか二次試験に討議の場が置かれています。自分が力を出しやすい役回りを決め、同じ役回りで動いた経験を用意しておく
市民と協働する姿勢立場の違う相手の言い分を、どう受け止めて動いたか求める職員像の3つ目が市民との協働です。相手の話を聞いて自分の進め方を変えた場面を、具体的に話せるようにする
前例にとらわれない工夫やり方を変えた経験と、その理由・結果職員378人の市では、一人の工夫が全体に効きます。小さな改善でよいので、始めた理由から結果まで一続きで語れるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

羽村市は集団の場を経て最終面接に進みますので、同じ経験を短くも長くも語れる状態にしておきましょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、事前に用意しておくことです。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が申し込む回と区分の募集要領を読み、3段階の構成と、申込に必要な顔写真の規格・エントリーシートの提出時期を確認する
  2. 学業、部活動、アルバイト、職務経験のそれぞれから、面接で話せる具体例を1つずつ書き出す
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、面積9.90km²・人口53,956人・職員数378人という羽村市の輪郭と、市が挙げる4つの特色を自分の言葉で説明できるようにする
  5. 求める職員像の5項目に、自分の経験をひとつずつ当てはめる。当てはまらない項目があれば、そこが準備の穴です
  6. 複数人で議論する場面を想定し、意見を短くまとめる練習と、人の発言を受けて話をつなぐ練習を、声に出して行う

時間がないときの優先順位

自治体研究にあたるステップ4と5は、他の受験生と差がつく部分です。ただ、時間が足りないときは、ステップ2の書き出しとステップ6の議論の練習を先に済ませてください。討議の場での振る舞いは付け焼き刃が効かず、練習した回数がそのまま出ます

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、羽村市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

羽村市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

羽村市役所の想定問答集を見る

さいごに

羽村市は、自分の市の小ささを弱みとしてではなく、市民との距離の近さとして語る市です。

職員行動指針に置かれた「ミズカラカエル」という言葉も、誰かの指示を待つのではなく自分から動く職員を求めていることの表れでしょう。

9.90km²のまちを378人で担うという条件を、自分はどう受け止めるのか。二次試験の議論の場で、自分はどんな形で場に貢献できるのか

この2つを自分の経験から説明できるようになれば、羽村市の選考で語るべきことは揃います