本記事では、国立市職員採用試験の面接対策で必要な、国立市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

国立市役所の採用試験では、「なぜ国立市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みをどう生かすのか」といった質問が想定されます。国立市は個別面接だけで二段階を組む試験ですから、同じテーマを角度を変えて二度掘られても崩れない準備が必要になります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の関心と国立市政の接点を整理し、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

国立市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは国立市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • まちづくりの基本理念は『人間を大切にする』。45年前に策定された第一期基本構想から今日まで一貫して引き継がれている。
  • この理念は「国立市平和都市宣言」や「しょうがいしゃがあたりまえにくらすまち宣言」にもいかされている。
  • 面積は8.15平方キロメートルで、市は募集要項で全国で4番目、都内で2番目に小さい市と説明している。
  • 人口は76,460人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市が令和8年6月時点の募集要項に記載した人口は約76,000人、職員数は478人。前者は住民基本台帳による人口、後者は募集要項が示した概数で、時点も出所も異なる。
  • 市長メッセージは、国立市役所を「人口約7万6千人の小規模自治体ならではの“顔が見える組織”」と表現している。
  • 職員同士の距離が近く、若手の意見や挑戦が市政に直結するスピード感があるとされ、若手登用は全国トップ水準で30代の管理職も多数いるとしている。女性の管理職登用も進めている。
  • 令和7年7月にJR国立駅前で「子育ち・子育て応援テラス」がオープン。子育て世代向けの機能と多世代が使える機能を同じ建物にまとめた複合公共施設「矢川プラス」も整備されている。
  • 採用試験の第二次・第三次はいずれも個別面接試験で、会場は国立市役所である。

国立市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「国立市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、周囲との位置関係など、市政を説明するときに使える項目を優先して並べました。規模を測るときの参照先として、東京都全体の数値も添えています。

項目内容
総人口76,460人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積8.15km²(市の説明では全国で4番目、都内で2番目に小さい市)
人口密度9,382人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
職員数478人(令和8年6月時点の募集要項に記載)
65歳以上人口・高齢化率19,011人・24.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)
75歳以上人口・75歳以上率10,632人・13.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)
隣接自治体国分寺市、府中市、日野市、立川市
市役所所在地〒186-8501 東京都国立市富士見台二丁目47番地1
市の花・市の木ウメ・イチョウ
(参考)東京都の総人口14,273,066人(令和7年10月1日現在・推計)
(参考)東京都の高齢化率22.4%、75歳以上率13.3%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)

国立市の面積・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は、公表値をもとに当研究会が整理したものです。職員数と市の面積に関する説明は、国立市が公表した令和9年度採用の募集要項によります。65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省が公表する住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値で、国勢調査や推計人口とは調査そのものが異なります。この統計における国立市の総人口は76,460人で、高齢化率24.9%・75歳以上率13.9%の分母にもこの値を用いています。上表の総人口76,460人もこの住民基本台帳の値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。上表の東京都の総人口は推計にもとづく値のため、住民基本台帳ベースの数値と直接は比べられません。

数字から考えられる市政課題

住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値では、国立市の65歳以上人口は19,011人、高齢化率は24.9%で、75歳以上は10,632人(13.9%)です。同じ住民基本台帳ベースの東京都全体は高齢化率22.4%・75歳以上率13.3%ですから、国立市は都の水準をやや上回っています(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在

ここで注意したいのは、人数の少なさが課題の小ささを意味しないことです。65歳以上が19,011人ということは、市民のおよそ4人に1人がその年代にあたります。

職員数478人の組織でこの人数に向き合うわけですから、一人の職員が受け止める幅は自然と広くなります。

もう一つの条件が市域の狭さです。8.15平方キロメートルという広さは、徒歩や自転車で市内を移動できる距離感を意味します。

窓口で会った市民と、通勤の途中や休日の買い物で顔を合わせることも起こり得ます。たとえば面接では、次のように条件と姿勢を結び付けられます。

「国立市は面積が8平方キロメートルほどで、人口も8万人に届かない規模だと知りました。市民の方と職員の距離が近いぶん、窓口での一言や態度がそのまま市の印象になると思いますので、丁寧に向き合える職員でありたいです」

国立市の経済・産業

東京都の経済のなかでの位置

令和4年度の経済活動別都内総生産(名目)は120兆2千億円で、全国シェアは21.2%にのぼり、実質経済成長率は3.9%でした(出典:令和4年度都民経済計算・都内総生産等年報|令和4年度

国立市の産業別統計や事業所数は市の公表資料で確認する必要がありますが、面積8.15平方キロメートルの市を考えるうえでは、市域の中で経済が完結していないという前提を持っておくことが大切です。働く場所も学ぶ場所も市外にある市民は少なくありません。

市の外へ出ていく人、市の中へ入ってくる人

国立市は国分寺市、府中市、日野市、立川市という4つの市と接しています。市の境と生活の範囲が一致しないことは、行政課題の性質そのものを変えます

買い物や通院、通勤通学で市外に出る市民が多ければ、市が整えるべきは市内で完結するサービスだけではなくなります。逆に、市外から国立市を訪れる人がいるなら、その人たちが最初に触れる市の顔をどう作るかという課題も生まれます。

市の採用担当者は、国立市役所のおすすめの点として「風通しのよさ・チャレンジ環境」「働き方改革・DX」「文教都市×充実した市民サービス」の3点を挙げています。文教都市という言葉と市民サービスを掛け合わせているところに、市が自らの性格をどう捉えているかが表れています。

数字より、使われ方を見る

小規模な市の自治体研究では、産業統計を追うより、市が最近作った施設や始めた仕組みを見るほうが実りがあります。

令和7年7月にJR国立駅前でオープンした「子育ち・子育て応援テラス」や、子育て世代向けの機能と多世代が使える機能を一つの建物にまとめた複合公共施設「矢川プラス」は、その代表例です。

誰のために、どんな機能を、どこに置いたのか。この三つを説明できるだけで、面接での具体性は大きく変わります。

国立市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、国立市政が向き合っているテーマが見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

都の水準を上回る高齢化

高齢化率24.9%・75歳以上率13.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)は、同じ基準の東京都全体(22.4%・13.3%)を上回ります。

人口規模が小さいぶん、施策は一人ひとりの顔が見える形で設計しやすい一方、専門職や拠点を分厚く配置する余裕は大きくありません限られた人員でどこに力を集めるかという判断が、日々の仕事のなかに常にあります。

高齢者の内訳が変わっていくこと

東京都の高齢者人口は令和7年9月時点の推計で312万人と過去最多で、そのうち75歳以上は184万6千人(前年比3万2千人増)と、こちらも過去最多を更新しました。

一方で65歳から74歳の人口は127万4千人(前年比2万8千人減)と減っています(出典:敬老の日にちなんだ東京都の高齢者人口(推計)|令和7年9月15日現在

高齢者の総数だけでなく、その内訳が後期高齢者に寄っていくということです。これは都全体の推計値ですが、支援の中身が見守りや介護へ移っていく流れは、市の現場にも同じように現れます。

大規模地震が起きたときの避難

東京都が令和4年5月に公表した被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方に発生した場合、避難者は約299万人、帰宅困難者は約453万人、建物被害は約19万4,400棟と見込まれています(出典:首都直下地震等による東京の被害想定|令和4年5月25日公表

この想定は都全体を対象としたもので、国立市域の被害想定と避難所の運営方針は市の地域防災計画で確認してください。避難所の運営は職員だけでは回りませんから、日ごろの地域とのつながりが災害時の力になるという視点まで持てると、防災の話に深さが出ます。

478人の組織で市政を回すということ

職員数478人という規模は、部署ごとの人数が厚くないことを意味します。一般に、この規模の市役所では、机の上で施策を組み立てる時間と、窓口で市民の相談を受ける時間が、同じ職員の一日のなかに並びます。

関係機関とのやりとりもそこへ重なりますし、異動のたびに未経験の分野へ入ることも起こります。国立市が人事異動のサイクルを3年から5年を基準とし、配属について毎年実施する自己申告制度で本人の意向を確認する機会を設けているのも、この働き方を前提にした仕組みだと読めます。

知らない仕事を調べ、周囲に聞きながら形にしていける人が重視されやすい環境だと考えられます。

国立市の重点政策|総合基本計画と「人間を大切にする」

国立市のまちづくりの基本理念は『人間を大切にする』です。45年前に策定された第一期基本構想から今日まで一貫して引き継がれ、「国立市平和都市宣言」や「しょうがいしゃがあたりまえにくらすまち宣言」にもいかされています。

国立市総合基本計画は現在、第5期基本構想・第2次基本計画の期間中です(出典:国立市職員募集要項|令和9年度採用

理念を人づくりに落とし込むMVV

国立市は人材育成基本方針の育成の方向性としてMVVフレームワークを活用しています。ミッション、ビジョン、バリューの三層を置き、その土壌に基本理念を据えるという構成です。

内容
ミッション国立市民の幸せの土台づくり
ビジョン課題発見 → 定義 → 解決
バリューダイバーシティ&インクルージョン/変化と挑戦/当事者意識/チームワーク/自己実現
土壌となる基本理念人間を大切にする

注目したいのはビジョンの置き方です。課題を見つけ、定義し、解決するという順番が明示されているため、解決策の巧みさより、そもそも何が問題なのかを言葉にする力が重んじられていると読めます。

面接で「取り組みたいこと」を語るときは、解決策から入らず、何を課題だと考えたのかを先に置きましょう。

理念が形になった施設

令和7年7月には、JR国立駅前で「子育ち・子育て応援テラス」がオープンしました。また、「ここすきひろば」や児童館といった子育て世代向けの機能と、「みんなのホール」「みんなのひろば」「多目的ルーム」などの多世代が利用できる機能を同じ建物にまとめた複合公共施設が「矢川プラス」です。

子育て世代だけの施設にしなかったところに、市の考え方が表れています。世代を分けずに同じ場所に置くという設計は、基本理念やバリューのダイバーシティ&インクルージョンと一本の線でつながります。

POINT|理念は覚えるより、つなげて使う

『人間を大切にする』という言葉を復唱しても評価にはなりません。市の施設や制度のうち一つを選び、それが理念とどうつながっているかを自分の見立てで説明できるようにしましょう。

悪い例「国立市の人間を大切にするという理念に共感しました。市民に寄り添える職員になりたいです」

改善例「矢川プラスは、子育て世代向けの部屋と、誰でも使えるホールが同じ建物に入っていると知りました。世代で場所を分けない作り方に、市の考え方が出ていると感じましたし、そういう設計を考える側に回りたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、要点を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 国立市職員募集要項(最新年度・市長メッセージとQ&Aを含む)
  • 国立市総合基本計画(第5期基本構想・第2次基本計画)
  • 国立市平和都市宣言、しょうがいしゃがあたりまえにくらすまち宣言
  • 矢川プラスなど、市が近年整備した施設の紹介ページ
  • 最新年度の予算資料と、関心のある分野の個別計画

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、国立市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。国立市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

国立市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

国立市役所の面接の概要

ここからは、国立市役所の試験の形式と流れ、質問の全体像、備え方を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。

国立市役所の試験の流れ

令和9年度採用の試験は3段階です。第一次試験は検査形式で、第二次・第三次はいずれも個別面接試験

つまり、人と向き合う場面が2回続く構成になっています。

項目内容(令和9年度採用・令和8年度実施)
試験の段階第一次試験 → 第二次試験 → 第三次試験の3段階
試験区分と採用予定数一般事務上級(大学卒業程度)10名程度。建築技術上級、土木技術上級、保健師上級、保育士中級は各若干名
受験資格(一般事務上級)平成12年4月2日以降、平成17年4月1日までに生まれた方(令和9年4月1日時点で22歳以上26歳以下)
学歴・国籍上級は大学卒業程度の出題ですが学歴は不問。外国籍の方も受験できます(申込・試験・結果通知の表記はすべて日本語)
第一次試験パーソナリティ検査(Web受験)と知的能力総合(全国のテストセンター会場での基礎能力試験)。パーソナリティ検査の受検後に、テストセンターの希望会場を予約します
第二次試験第一次試験合格者に対する個別面接試験(会場:国立市役所)
第三次試験第二次試験合格者に対する個別面接試験(会場:国立市役所)
申込方法オンライン申込(LoGoフォーム)。申込書と職務経歴書(Excelファイル)を提出します
配点試験種目別の配点は募集要項・採用ページに記載がありません
勤務条件の目安初任給は上級(給料に地域手当16%を加えた額)約280,720円。勤務時間は1週38時間45分(原則8時30分から17時15分)で週休二日制。残業は令和6年度で1人当たり月平均約13時間

上記は国立市が公表した令和9年度採用(令和8年度実施)の採用ページおよび募集要項にもとづく内容です。国立市の第二次・第三次はいずれも個別面接試験と明記されており、集団討論やグループワークの実施は公表されていません。試験の構成・日程・区分は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の募集要項をご確認ください(出典:国立市職員採用試験のご案内|令和9年度採用

国立市役所が求める人物像

国立市が掲げる求める人物像は、「広く強い当事者意識をもち、自己研鑽に励み、社会や市民が抱える課題に対し、常に学び続けることができる職員」です。一文のなかに当事者意識・自己研鑽・学び続けることの3つが入っており、いずれも一回きりの成果ではなく続いている状態を指しています。

市は募集要項のQ&Aでも、面接の準備について「ご自身の考えを言語化していただき、面接官に伝わるようにお話しいただきたいと思います」と述べています。考えを持っていることと、それが伝わる言葉になっていることは別だという指摘です。

また、市外に住んでいることが合否に影響するかという問いには、住所や出身地、年齢、学歴等が合否に影響することは全くないとしたうえで、市外・県外出身者ならではの視点もあると考えており、多様な背景を持つ職員が活躍していると回答しています。

市外出身の受験者は、無理に地縁を作ろうとせず、外から見えた国立市の姿を語るほうが素直です。

働き方の面では、採用時の区分にかかわらず同じ条件で昇任試験等を受けられる仕組みが整えられており、主任職への昇任試験では他自治体や民間企業等での経験を職歴として換算し、受験要件の在職年数に加算できます。キャリアパスは主事、主任、係長、課長補佐、課長、部長という順です。

あわせて、入職して概ね3年目から6年目の主任以下の職員がメンターとなり、配属先の上司や同僚とは別に定期的な面談を行うメンター制度も設けられています。入庁後に育てる仕組みが具体的に用意されていることは、面接で将来像を語るときの手がかりになります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。国立市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク緊張していますか?場慣れの有無ではなく、想定外の一言に自然な調子で返せるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間でもできる動機で止まっていないか。職業選択の筋道が経験とつながっているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。短所とどう付き合っているかまで語れるか
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください困難の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという行動の中身
⑤ 学業・経歴卒業論文(研究)のテーマについて、簡単に説明してください専門外の相手に伝わる言葉へ翻訳する力。学びを仕事へつなげる視点
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?市の仕事への理解の解像度。希望どおりの配属でなくても働ける柔軟さ
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?社会の動きへのアンテナと、それについて自分の意見を一言で述べられるか

ただし、この7カテゴリーは国立市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「国立市ならではの事情を踏まえた質問」です。

差がつくのは「国立市役所ならでは」の質問

「なぜ東京都庁ではなく、国立市役所なのですか?」
「国立市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

個別面接が二段階続く試験では、この種の問いに一度答えたあと、次の面接でさらに角度を変えて確かめられることが十分にあり得ます。

逆に言えば、同じ材料を二度、別の切り口で語れる受験者は強いということです。使いやすい事実を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい国立市の事実答え方のヒント
なぜ都庁ではなく市役所か市長メッセージは国立市役所を人口約7万6千人の小規模自治体ならではの“顔が見える組織”と表現し、若手の意見や挑戦が市政に直結するスピード感を挙げている顔が見える規模という言葉を借りるだけで終えず、自分が担いたい仕事のどの場面でその近さが効くのかを一つ挙げて説明します
市の理念まちづくりの基本理念『人間を大切にする』は45年前の第一期基本構想から一貫し、平和都市宣言やしょうがいしゃがあたりまえにくらすまち宣言にもいかされている理念を復唱せず、45年引き継がれてきたという事実のほうに触れ、変えないと決めたものがある自治体だという読みを添えます
市の規模と位置面積8.15km²で市は全国4番目、都内2番目に小さい市と説明する。国分寺市、府中市、日野市、立川市と接し、職員数は478人小さいことを弱みとして語らず、478人の組織なら一人が担う範囲が広いという働き方の話に転換します
市の課題高齢化率24.9%・75歳以上率13.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)で、同じ基準の東京都全体(22.4%・13.3%)を上回る4人に1人という言い換えを使い、限られた人員でどこに力を集めるかという判断の話につなげます
市の施策令和7年7月にJR国立駅前で子育ち・子育て応援テラスがオープン。矢川プラスは子育て世代向けの機能と多世代利用の機能を同じ建物にまとめた複合公共施設施設名を挙げるだけでなく、世代を分けずに同じ場所へ置いた設計の意図をどう読んだかまで話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、求める人物像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
広く強い当事者意識自分の担当外のことでも、放置せずに関わった経験があるか国立市の求める人物像の冒頭にある言葉なので、頼まれていないのに動いた場面と、そのとき何を自分ごとだと感じたのかをセットで用意する
課題を見つけ、定義する力問題を言い当てる前に、何が起きているのかを確かめたか市のビジョンが課題発見から定義、解決という順序で示されている点を意識し、解決策より先に課題の立て方を語れるようにする
常に学び続ける姿勢知らない分野に入ったとき、どうやって追いついたか異動のサイクルが3年から5年を基準とする市であることを踏まえ、初めての領域で自分なりの学び方を作った経験を選ぶ

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

国立市は個別面接が二段階続きますから、この傾向はいっそう強く出ると考えてよいでしょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、面接の回数だけ用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の募集要項と採用ページを読み、試験の段階、受験資格、オンライン申込で提出する書類を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 同じ経験を二通りの切り口で語る練習をする。個別面接が二段階あるため、二度目に同じ話を繰り返さずに深められるかが分かれ目になる

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

独学で対策を進めていて答えの型が固まらない場合は、国立市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

国立市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

国立市役所の想定問答集を見る

さいごに

国立市の試験は、検査から始まり、個別面接が二段階続きます。

市が面接の準備について「自分の考えを言語化してほしい」と述べているとおり、問われているのは知識の量ではなく、考えを相手に届く言葉にできるかどうかです。

『人間を大切にする』という理念を45年引き継いできた8.15平方キロメートルの市で、自分は誰のどんな場面に関わりたいのか。その像を、二度掘られても崩れない具体性まで育てていきましょう。